Amazon Fire Max 11 (2023年発売) ベンチマークまとめ

はじめに
ベンチマーク結果の概要
AnTuTu ベンチマーク
Geekbench ベンチマーク
1. シングルコアスコア
2. マルチコアスコア
CPU および GPU の仕様とパフォーマンス分析
結論

はじめに

2023年6月14日にAmazonから発売されたFire Max 11タブレットは、同社のFireタブレットシリーズにおいて過去最高の価格帯となる34,980円（税込）から販売されています ¹。本レポートでは、日本語のウェブサイトから収集したベンチマークデータを基に、この最新タブレットの性能を詳細に分析します。

このレポートの目的は、CPU、GPU、そして総合的なパフォーマンスを含む様々なベンチマークテストの結果を検証し、Fire Max 11がどのような性能を発揮するのかを明らかにすることです。複数の情報源から得られたデータを比較することで、より客観的な評価を目指します。

Fire Max 11が過去のFireタブレットと比較して高価格帯に位置づけられていることは、Amazonがこのモデルをより高性能なデバイスとして市場に投入していることを示唆しています。したがって、本レポートでは、実際のベンチマーク結果を通じて、この価格設定に見合うだけの性能向上が実現されているのかどうかを検証します。高価格帯であるという事実は、ユーザーがFire Max 11に対してより高い性能を期待する可能性を示唆しており、ベンチマークの結果はその期待に応えられているかを評価する重要な指標となります。

ベンチマーク結果の概要

複数の情報源から得られたAnTuTuベンチマークの総合スコアを見ると、40万点を超えるものが多く報告されており、これは前モデルであるFire HD 10 Plusのスコアと比較して大幅な性能向上を示唆しています ²。CPUの性能を測るGeekbenchのベンチマークテストにおいても、特にシングルコアの性能において高いスコアが報告されています ¹。

しかしながら、一部の情報源ではAnTuTuスコアの範囲に幅が見られることも確認できます ⁴。このようなスコアのばらつきは、ベンチマークテストを実施した環境やソフトウェアのバージョン、あるいは個体差などが影響している可能性があります。

これらのベンチマーク結果から、Fire Max 11は全体的に見て良好な性能を有していると考えられます。日常的なウェブサイトの閲覧や動画視聴はもちろんのこと、ある程度の負荷がかかる作業やゲームといった用途にも対応できる可能性が示唆されています。ただし、情報源によってベンチマークスコアにばらつきが見られるため、個々のテスト結果をより詳細に分析し、その背景にある要因を考慮する必要があります。複数の情報源で同様の性能傾向が示されている場合、その結果の信頼性は高まりますが、スコアの差異は、レポートの読者がデバイスの性能を総合的に判断する上で重要な要素となります。

ベンチマーク項目	スコア	出典	備考
AnTuTu 総合スコア	419,159	ハイパーガジェット ¹	v10.0.1
AnTuTu 総合スコア	約421,000	tikgadget ²	v10.0.1-OB1
AnTuTu 総合スコア	418,770	CNET Japan ⁵
AnTuTu 総合スコア	429,034	garumax ⁶	Ver9
AnTuTu CPU スコア	161,054	ハイパーガジェット ¹	v10.0.1, Redmi Padと比較して高い
AnTuTu GPU スコア	76,381	garumax ⁶	Ver9
Geekbench 6 シングルコア	Fire HD 10 Plusの約3倍	ハイパーガジェット ¹	Redmi Padより約200点高い
Geekbench 5 シングルコア	855	ファミ通 ⁷	同価格帯Androidタブレットより良好
Geekbench 5 マルチコア	1904	ファミ通 ⁷	同価格帯Androidタブレットより良好

AnTuTu ベンチマーク

総合スコア

複数のウェブサイトが、Amazon Fire Max 11のAnTuTuベンチマークにおける総合スコアを報告しています。ハイパーガジェットの記事によれば、AnTuTu Benchmark v10.0.1を用いたテストで419,159点を記録しています ¹。また、別の記事では40万点以上のスコアが期待できると述べられています ³。さらに、CNET Japanの報告では、AnTuTu Benchmarkの総合スコアは418,770点となっています ⁵。

tikgadgetのレビュー記事では、AnTuTu Benchmark v10.0.1-OB1でのスコアは約421,000点と報告されています ²。一方、garumaxのウェブサイトでは、AnTuTuスコアは動作感の目安として約100万点〜150万点または約50万点〜100万点の範囲で示されていますが、これは一般的な指標であり、Fire Max 11固有のスコアは記事の執筆時点では掲載されていません ⁴。ただし、別のgarumaxの記事では、AnTuTu Ver9を用いた実機テストの結果として、総合スコア429,034点が報告されています ⁶。

ハイパーガジェットは、Fire Max 11の性能を前モデルであるFire HD 10 Plusと比較しており、Fire HD 10 PlusのAnTuTu総合スコアが175,080点であるのに対し、Fire Max 11は大幅にスコアを向上させていることを示しています ³。

これらの情報から、複数の独立した情報源が40万点台前半のAnTuTu総合スコアをFire Max 11に対して報告しており、これはFire Max 11が前世代機から著しい性能向上を遂げていることを裏付けています。garumaxの記事で示されているスコア範囲は、特定のデバイスに限定されたものではなく、一般的な性能レベルを示す指標であると考えられます。また、AnTuTuのバージョンによってベンチマークのスコアが変動する点も考慮する必要があります。Ver9とVer10ではスコアの算出方法などが異なるため、単純な比較は難しい場合があります。

CPU スコア

CPUの性能に特化したAnTuTuのスコアも報告されています。ハイパーガジェットによると、AnTuTu Benchmark v10.0.1におけるFire Max 11のCPUスコアは161,054点でした ¹。

このスコアをXiaomiのRedmi Padと比較すると、Redmi PadのCPUスコアは134,145点であり、Fire Max 11の方が高いスコアを示しています ¹。この結果は、Fire Max 11のCPU性能が競合機種と比較しても優れている可能性を示唆しており、より複雑な処理や複数のアプリケーションを同時に実行するマルチタスク処理において、その高い処理能力が有利に働くことが期待されます。CPUスコアは、タブレットの基本的な処理速度や応答性を測る上で重要な指標となります。

GPU スコア

GPU（グラフィックス処理ユニット）の性能を示すAnTuTuのスコアについては、情報源によって状況が異なります。garumaxの複数の記事では、Fire Max 11に搭載されているMTK8188JというSoCのAnTuTu GPUスコアは、記事の執筆時点ではまだ掲載されていません ⁴。しかし、garumaxは一般的なAnTuTuスコアの指標として、GPUスコアが約35万点〜60万点であれば重いゲームも比較的快適に動作する可能性があると示しています ⁴。一方で、別のgarumaxの記事では、AnTuTu Ver9を用いたテストにおけるGPUスコアとして76,381点が報告されています ⁶。

tikgadgetのレビューでは、AnTuTuベンチマークの総合スコアは約421,000点と報告されていますが、GPUスコアの詳細な数値は明らかにされていません ²。ハイパーガジェットの記事では、Fire Max 11のGPUはMali-G57 MC2であると記述されています ¹。AnTuTuの総合スコアが高いことから、GPU性能も前モデルであるFire HD 10 Plusと比較して向上していると推測されます ³。

garumaxが示す一般的なAnTuTuスコアの指標では、GPUスコアが15万点〜35万点であれば軽いゲームが、35万点〜60万点であれば重いゲームもなんとか動作するとされています ⁴。Fire Max 11の具体的なAnTuTu GPUスコアは情報源によってばらつきがあり、Ver9での報告と、現時点では未掲載であるという情報が混在している状況です。しかし、総合スコアが高いことや、搭載されているGPUの型番（Mali-G57 MC2）から判断すると、ある程度のグラフィック処理性能が期待できると考えられます。garumaxが提供する一般的なGPUスコアの目安は、Fire Max 11のGPU性能を推測する上で参考となる情報です。

Geekbench ベンチマーク

シングルコアスコア

CPUのシングルコア性能を測るGeekbenchのベンチマーク結果も報告されています。ハイパーガジェットによると、Fire Max 11のシングルコアスコアは、Fire HD 10 Plusと比較して約3倍程度まで向上しており、XiaomiのRedmi Padと比較しても約200点高いスコアを記録しています ¹。

一方、ファミ通.comの記事では、Geekbench 5を用いた計測結果として、Fire Max 11のシングルコアスコアが855点であったと報告されています ⁷。この記事では、このスコアは同価格帯のAndroidタブレットと比較して良好であると評価されています。

Geekbench 6におけるシングルコアスコアがFire HD 10 Plusを大幅に上回り、Redmi Padよりも優れているという事実は、Fire Max 11がシングルスレッドで動作するアプリケーションや、日常的な操作において非常に高い応答性を期待できることを示唆しています。ファミ通の記事で報告されているGeekbench 5のスコアは、Geekbench 6とは異なるバージョンであるため単純な比較はできませんが、それでも同価格帯のAndroidタブレットよりも良好であると評価されている点は注目に値します。シングルコアスコアは、プロセッサの個々のコアの処理能力を示すものであり、ウェブブラウジングやアプリケーションの起動といった、多くの日常的なタスクの快適さに直接影響します。

マルチコアスコア

複数のCPUコアを同時に使用する際の性能を示すマルチコアスコアについても情報があります。ファミ通.comの記事によれば、Geekbench 5でのFire Max 11のマルチコアスコアは1904点であり、シングルコアスコアと同様に、同価格帯のAndroidタブレットよりも良好であると評価されています ⁷。

ハイパーガジェットの記事では、Geekbench 6の具体的なマルチコアスコアは明記されていませんが、マルチコアスコアは複数のコアを使用した全体の処理能力を示す指標であると説明されています ¹。また、ファミ通の記事では、Fire Max 11のCPU性能がFire HD 10 Plusと比較して約50%高速化されていると述べられており ⁷、これはマルチコア性能の向上も示唆していると考えられます。

Geekbench 5で報告されているマルチコアスコアが同価格帯のAndroidタブレットと比較して良好であることは、Fire Max 11が複数の処理を同時に行う能力が高いことを示唆しています。動画編集やゲームなど、複数のコアを効率的に使用するタスクにおいては、このマルチコア性能が重要となります。Geekbench 6の具体的な数値は不明であるものの、Fire HD 10 Plusからの性能向上が見込まれることは、Fire Max 11がより多くのタスクをスムーズにこなせる可能性を示唆しています。

CPU および GPU の仕様とパフォーマンス分析

PC Watchの記事によると、Fire Max 11は8コアのプロセッサを搭載しており、その内訳は高性能なArm Cortex-A78（最大2.2GHz）が2基と、高効率なArm Cortex A55（最大2GHz）が6基となっています ⁸。

ハイパーガジェットは、このCPUの構成がQualcommのSnapdragon 4 Gen 2と非常に類似していると指摘しています ³。Snapdragon 4 Gen 1のAnTuTuベンチマークスコアが約39万点であることから、Fire Max 11が40万点を超えるAnTuTuスコアを記録していることも頷けます ³。GPUについては、ハイパーガジェットの記事においてMali-G57 MC2が搭載されていることが明記されています ¹。

これらのCPUとGPUの仕様は、Fire Max 11のベンチマーク結果に直接的な影響を与えていると考えられます。高性能なCortex-A78コアの搭載は、シングルコアおよびマルチコアの処理性能の向上に大きく貢献しており、Geekbenchのシングルコアスコアの高さはこの点を裏付けています。GPUであるMali-G57 MC2は、ミドルレンジのGPUとして一定のグラフィック性能を提供し、AnTuTuの総合スコアにも影響を与えていると考えられます。Snapdragon 4 Gen 2とのCPU構成の類似性は、Fire Max 11の性能を他社のSoCと比較する上で非常に参考になります。Snapdragon 4 Gen 2の性能を考慮することで、Fire Max 11がどのようなタスクに適しているかをより具体的に予測することができます。

Fire Max 11のCPUは、高性能コアと高効率コアを組み合わせることで、高い処理能力と電力効率のバランスを実現していると考えられます。Snapdragon 4 Gen 2との類似性は、このタブレットの性能を評価する上で重要な手がかりとなります。また、GPUの型番が特定できたことで、Mali-G57 MC2の一般的な性能に関する情報を参照し、Fire Max 11のグラフィック処理能力をより深く理解することが可能になります。

結論

Amazon Fire Max 11は、公開されているベンチマーク結果を見る限り、前世代のFireタブレットと比較して大幅な性能向上が認められます。特にCPU性能の向上は顕著であり、日常的な利用はもちろんのこと、より負荷の高いタスクやゲームにおいても比較的快適な動作が期待できると考えられます。

AnTuTuベンチマークの総合スコアは複数の情報源で40万点を超えており、これは一般的なタブレットとしての実用的な性能を示すものと言えるでしょう。Geekbenchのシングルコアスコアが高いことも、アプリケーションの起動や操作時のレスポンスの良さに繋がることが予想されます。

GPU性能については、具体的なスコアが情報源によって異なったり、未掲載であったりするものの、搭載されているGPUの型番やAnTuTuの総合スコアから判断する限り、一定のグラフィック処理能力を備えていると考えられます。

Fire Max 11は、その価格に見合うだけの性能向上を果たしていると評価できます。特に、CPU性能の高さは、競合となるミドルレンジのAndroidタブレットと比較しても遜色ないレベルにあると考えられます。ただし、GPU性能については、より詳細なベンチマークデータが今後公開されることが期待されます。総合的に見て、Fire Max 11は、AmazonのFireタブレットシリーズにおいて、性能を重視するユーザーにとって魅力的な選択肢となるでしょう。

引用文献

【実測】Fire Max 11のCPU性能ヤバ！Fire HD 10 Plus比でスコア約3倍。Redmi Pad超え, 3月 30, 2025にアクセス、 https://hypergadget.jp/amazonfiremax11_cpu_benchmark/
『Fire Max 11』レビュー | AnTuTu40万点超え、全体的に性能が向上 …, 3月 30, 2025にアクセス、 https://www.tikgadget.jp/fire-max-11-review/
【驚き】AmazonからガチタブFire Max 11登場！CPU性能はSnapdragon 4 Gen 2相当かも。, 3月 30, 2025にアクセス、 https://hypergadget.jp/firemax11_release2305/
Amazonタブ「Fire Max 11」のスペックまとめ！11型で3万円台！かなりスタイリッシュになってる！, 3月 30, 2025にアクセス、 https://garumax.com/fire-max-11-spec
クリエイティブにも活用できる11インチタブレット「Amazon Fire Max 11」を試す – CNET Japan, 3月 30, 2025にアクセス、 https://japan.cnet.com/article/35205122/
Fire Max 11の実機レビュー！Amazonの最上位フラッグシップタブレットを試す – ガルマックス, 3月 30, 2025にアクセス、 https://garumax.com/fire-max-11-review
タブレット『Fire Max 11』レビュー。ペン入力やキーボードカバー、スペックや使い勝手をチェック, 3月 30, 2025にアクセス、 https://www.famitsu.com/news/202306/15306177.html
性能大幅向上、指紋認証も搭載したフラグシップ「Amazon Fire Max 11」 – PC Watch, 3月 30, 2025にアクセス、 https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ebook/1509347.html