1. はじめに
目的
本レポートは、AMD Ryzen 5 5625Uモバイルプロセッサの性能特性について、主に日本語のウェブサイトから収集した情報を基に、詳細な分析と評価を行うことを目的としています。
位置づけ
AMD Ryzen 5 5625Uは、AMDのRyzen 5000シリーズモバイルプロセッサ・ファミリーに属し、”Barcelo”というコードネームで知られるリフレッシュ版プロセッサです 1。このプロセッサは、実績のあるZen 3アーキテクチャを基盤としており 1、主に薄型軽量ノートPC市場をターゲットとして設計されています 3。性能評価においては、前世代モデルであるRyzen 5 5500U(Zen 2アーキテクチャ採用)や、同世代の競合製品であるIntel Core i5 Uシリーズとの比較が重要な焦点となります。
構成
本レポートでは、まずAMD Ryzen 5 5625Uの基本的な技術仕様を確認します。次に、主要なCPUベンチマークソフトウェア(Cinebench R23, PassMark CPU Mark, Geekbench 6など)を用いた性能測定結果を詳細に分析し、シングルコアおよびマルチコア性能の特性を明らかにします。さらに、内蔵されているAMD Radeon Graphicsの性能を3DMarkなどのベンチマークを用いて評価します。競合プロセッサとの性能比較、搭載されるメモリ構成が性能に与える影響、そしてベンチマークスコアが実際の使用感(オフィスワーク、マルチタスク、軽度のゲーム、動画編集など)にどのように関連するかについても深く考察します。最後に、これらの分析結果を統合し、AMD Ryzen 5 5625Uの性能上の強みと弱みを総括します。
2. AMD Ryzen 5 5625U:基本仕様
2.1. 主要スペック一覧
AMD Ryzen 5 5625Uプロセッサの基本的な能力と特性を理解するため、その主要な技術仕様を以下に示します。これらの仕様は、後述する性能分析や競合製品との比較における基礎情報となります。
Table 1: AMD Ryzen 5 5625U 主要スペック
仕様項目 | 値 | 出典例 |
コア数 | 6 | 4 |
スレッド数 | 12 | 4 |
ベースクロック | 2.3 GHz | 4 |
最大ブーストクロック | 最大 4.3 GHz | 4 |
L1キャッシュ合計 | 384 KB (Instruction 32KB x6 + Data 32KB x6) | 1 |
L2キャッシュ合計 | 3 MB (512KB x 6) | 1 |
L3キャッシュ合計 | 16 MB | 4 |
デフォルトTDP | 15 W | 1 |
設定可能TDP (cTDP) | 10-25 W (情報源により15W/25Wの記載あり) | 1 |
製造プロセス | 7nm (TSMC) | 1 |
アーキテクチャ | Zen 3 | 1 |
コードネーム | Barcelo (Cezanne Refresh) | 1 |
ソケット | FP6 (BGA) | 1 |
内蔵GPUモデル | AMD Radeon™ Graphics (Vega 7) | 5 |
GPUコア数 | 7 | 1 |
GPU最大周波数 | 1800 MHz | 3 |
対応メモリタイプ | DDR4-3200, LPDDR4x-4266 | 1 |
メモリチャネル | デュアルチャネル | 1 |
PCI Expressバージョン | PCIe 3.0 | 1 |
最大動作温度 (TjMax) | 95°C | 1 |
2.2. アーキテクチャと特徴 (Zen 3 “Barcelo”)
AMD Ryzen 5 5625Uは、AMDの「Zen 3」マイクロアーキテクチャを採用しています 1。これは、前世代にあたるRyzen 5 5500Uが採用していた「Zen 2」アーキテクチャからの進化版です 2。Zen 3アーキテクチャの主な特徴として、IPC(クロックあたりの命令実行数)の向上が挙げられます 2。これにより、同じクロック周波数でもより多くの処理を実行できるようになり、全体的なパフォーマンス向上に貢献します。
また、Zen 3ではL3キャッシュの設計が改良され、CPUコアからキャッシュへのアクセス効率が高められています。Ryzen 5 5625Uは16MBという比較的大容量のL3キャッシュを搭載しており 4、これはZen 2ベースのRyzen 5 5500U(一般的に8MBとされる 2)と比較して倍増しています。この大容量キャッシュは、CPU処理やシステム全体のパフォーマンス向上に寄与すると考えられます 4。
Ryzen 5 5625Uは、”Cezanne”世代のZen 3コアをベースとしたリフレッシュ製品群である”Barcelo”の一部として位置づけられています 1。これは、後継のRyzen 6000シリーズ(Zen 3+)やRyzen 7000シリーズ(Zen 4)が登場した後も、市場に対してコスト効率の良い選択肢を提供するために、実績のあるZen 3ベースの製品ラインナップを維持する戦略の一環と考えられます。具体的な改良点として、先行するRyzen 5 5600Uと比較して最大ブーストクロックが100MHz引き上げられています 3。
Zen 3アーキテクチャは電力効率の改善も特徴としており 2、Ryzen 5 5625Uは15Wという低い標準TDP(Thermal Design Power)で6コア12スレッドの性能を実現しています 1。この特性は、特に薄型軽量ノートPCにおいて、性能とバッテリー持続時間のバランスを取る上で重要な要素となります。
このプロセッサが最新世代のアーキテクチャではない点は注目に値します。しかし、Zen 3は既にその性能と安定性が市場で広く認知されている、いわば「枯れた技術」に基づいています 8。リフレッシュ版である”Barcelo”は、既存の設計を流用することで、製造プロセスやドライバの成熟度といった恩恵を受け、安定性や生産効率の面で有利になる可能性があります。これは、最新の性能を追求するユーザーよりも、信頼性や価格対性能比を重視するユーザーにとって、Ryzen 5 5625Uが十分な性能を持ちつつ、価格や安定性の面で魅力的な選択肢となり得ることを示唆しています。実際に、多くのレビューでコストパフォーマンスの高さが指摘されています 9。
3. CPU性能ベンチマーク分析
CPUの処理能力を客観的に評価するため、主要なベンチマークソフトウェアによる測定結果を分析します。
3.1. Cinebench R23
Cinebench R23は、CPUの3Dレンダリング性能を測定するための業界標準的なベンチマークツールであり、マルチコア性能とシングルコア性能の両方を評価します。
- マルチコア性能: 複数の日本語レビューサイトにおいて、Ryzen 5 5625Uは競合するIntel Core i5-1235Uをマルチコア性能で上回る結果が報告されています 13。具体的なスコアとしては、レビューによって幅が見られます。例えば、usshi-na-life.comでは7459pts 14、別のレビューでは7738ptsや6890pts 14、for-real.jpでは7776pts 2、komameblog.jpの関連レビューでは15393pts(Ryzen 5 5625U搭載Vostro 3425 15)といった値が確認されています。国際的なデータベースであるNotebookcheckでは、平均約8263pts(最小7213, 最大9100)と集計されています 3。
- シングルコア性能: 一方で、シングルコア性能に関しては、Intel Core i5-1235Uに劣るという報告があります 13。for-real.jpでは1394pts 2、Notebookcheckのデータベースでは平均約1378pts(最小1345, 最大1400)となっています 3。
これらの結果から、Ryzen 5 5625Uは6コア12スレッドの構成を活かし、マルチスレッド処理が求められるタスクにおいて、同クラスのCPUとして良好な性能を発揮する傾向があると言えます。特に、Intelの第12世代Core i5 Uシリーズと比較した場合、マルチコア性能では優位性を示す場面が多いようです 13。しかし、シングルコア性能においては、Intelの高性能コア(P-core)には及ばない可能性があります 13。また、報告されているスコアにばらつきが見られる点は重要です。これは、搭載されるノートPCの冷却設計、メーカーによって設定されるTDP枠、そしてメモリ構成(シングルチャネルかデュアルチャネルか)といった要因が、実際のパフォーマンスに影響を与えるためと考えられます 2。
3.2. PassMark (CPU Mark / Single Thread)
PassMarkは、CPUの総合的な演算性能を示す「CPU Mark」スコアと、シングルスレッド性能を示す「Single Thread Rating」を提供するベンチマークソフトウェアです 16。
- CPU Mark (総合性能): cpubenchmark.netのデータベースでは、Ryzen 5 5625Uの平均スコアは14852ptsとされています 17。他の情報源では、for-real.jpで16040pts 2、komameblog.jpのレビューで15393pts 15、dosparaplus.comで14871pts 16、nanoreview.netで14867pts 19、別のレビュー記事で14586pts 6 といったスコアが報告されています。
- Single Thread Rating: cpubenchmark.netでは平均2874pts 17、dosparaplus.comでも2874pts 16、nanoreview.netでは2877pts 19、6の記事では2812ptsとなっています。
CPU Markスコアが14000~16000ポイント台に達していることから、このプロセッサが高い総合性能を持っていることが示唆されます。for-real.jpの評価基準によれば、このスコア帯は「ハイエンドPC」や「ゲーミングPC、編集など専門的な機種」に搭載されるレベルに匹敵するとしています 2。シングルスレッド性能も2800ポイントを超えており、単一のタスク処理においても良好なパフォーマンスが期待できます。
3.3. Geekbench 5/6
Geekbenchは、クロスプラットフォームで利用可能なベンチマークであり、CPUのシングルコアおよびマルチコア性能を測定します 2。Geekbench 6は、より新しいテスト項目を取り入れ、実世界の使用状況を反映するように設計されており、スコアの基準値もGeekbench 5とは異なります 21。
- Geekbench 6: 平均スコアは、シングルコアで1589pts、マルチコアで5504ptsと報告されています 21。特定の実行例ではシングルコア1835pts、マルチコア5963ptsという高いスコアも記録されています 22。
- Geekbench 5: シングルコアスコアは、for-real.jpで1367pts 2、nanoreview.netで1372pts 19 と報告されています。一方で、Amazonのレビューでは902ptsという低い値も見られます 23。マルチコアスコアは、for-real.jpで5875pts 2、nanoreview.netでは8135pts 19(ただし、これはGeekbench 6のスコアである可能性も考慮すべきです)、Amazonレビューでは3394pts 23 と、ばらつきがあります。
Geekbench 6のスコアを基準値(Intel Core i7-12700 = 2500pts 21)と比較すると、シングルコア性能は健闘しているものの、マルチコア性能ではコア数の多い上位CPUには及ばないことがわかります 21。Geekbench 5のスコアも全体的には良好な性能を示していますが、レビューによっては低い値も見られることから、測定時のシステム状態(バックグラウンドタスクの有無など)や環境設定がスコアに影響を与える可能性が示唆されます 23。
3.4. ベンチマークスコアの傾向分析
これまでのベンチマーク結果を総合的に見ると、AMD Ryzen 5 5625Uの性能特性について以下の傾向が読み取れます。
- マルチコア性能の優位性: Cinebench R23やPassMark CPU Markの結果が示すように、Ryzen 5 5625Uは6コア12スレッド構成とZen 3アーキテクチャの効率性を活かし、マルチスレッド処理において優れた性能を発揮します。特に、同価格帯や同じTDP枠の競合製品、例えばIntelの第11世代以前のプロセッサや、第12世代Core i5の効率コア(E-core)が主体となる処理と比較した場合に、その強みが顕著になる傾向があります 13。
- シングルコア性能: Zen 3アーキテクチャの採用により、前世代のZen 2アーキテクチャ(例: Ryzen 5 5500U)と比較してシングルコア性能は確実に向上しています 2。しかし、Intelが第12世代以降で導入した高性能コア(P-core)を搭載するモデル(例: Core i5-1235U)と比較すると、ベンチマークテストの種類によっては劣る場面が見られます 13。これは、Intelが採用するハイブリッドアーキテクチャ(高性能コアと高効率コアの組み合わせ)の特性によるものです。
- 得意なテスト: マルチスレッド処理能力が直接スコアに反映されるテスト、例えばCinebench R23のマルチコアテストや、PassMark CPU Markのような多数のコアを並列利用するテストでは、高いスコアを記録しやすい傾向があります。
- 不得意なテスト: 純粋なシングルコアのピーク性能が求められるテスト(例: Cinebench R23 シングルコア)や、特定の拡張命令セット(AVX-512など、Ryzen 5 5625Uは非対応)に高度に最適化された処理では、最新の競合製品に対して見劣りする可能性があります。加えて、後述するように内蔵グラフィックス性能はメモリ帯域幅に大きく依存するため、3DMarkのようなグラフィックステストでは、搭載されるノートPCのメモリ構成によってスコアが伸び悩むことがあります 13。
これらのベンチマークスコアはCPUの理論的な潜在能力を示す重要な指標ですが、特にノートPCというプラットフォームにおいては、その性能が最大限に発揮されるとは限りません。各レビューで報告されるスコアに幅があること 3、メモリ構成がグラフィックス性能に影響すること 13、メモリ増設でCPUスコアも向上すること 10、TDP設定や冷却能力が性能を左右すること 3、高負荷時に発熱で性能が抑制される可能性 26、あるいは廉価モデルでは意図的に性能が抑えられている可能性 15 などが指摘されています。これらはすべて、同じRyzen 5 5625Uを搭載していても、ノートPCメーカーの設計思想や製品の位置づけによって、実際のパフォーマンスが大きく変動することを示しています。したがって、Ryzen 5 5625U搭載ノートPCを選択する際には、単にCPUの型番だけでなく、メモリの容量と構成(デュアルチャネル構成が望ましい)、メーカーが公表しているTDP枠、そして信頼できるレビューサイトでの実際のベンチマークスコアや冷却性能の評価を確認することが、期待通りの性能を得るために不可欠です。単一のベンチマークスコアだけを鵜呑みにするのは避けるべきでしょう。
4. 競合プロセッサとの性能比較
AMD Ryzen 5 5625Uの市場における性能ポジションを明確にするため、主要な競合プロセッサとの比較を行います。
4.1. vs AMD Ryzen 5 5500U (前世代 Zen 2)
Ryzen 5 5500Uは、Ryzen 5 5625Uの前世代にあたる製品で、アーキテクチャが異なります(5625U: Zen 3, 5500U: Zen 2 2)。主な仕様上の違いとしては、L3キャッシュ容量(5625U: 16MB vs 5500U: 8MBとされることが多い 1)、最大ブーストクロック(5625U: 4.3GHz vs 5500U: 4.0GHz 1)、そしてIPC(Zen 3が優れる 2)が挙げられます。
ベンチマークスコアを比較すると、PassMark CPU Mark(マルチスレッド性能)では、5625Uが5500Uに対して約11%~15%高速であるという結果が多く見られます 6。ただし、レビューによってはその差が僅少であるとのデータもあります 2。PassMark Single Thread Ratingでは、5625Uが約8%~14%高速という結果が出ています 6。一方で、Cinebench R23マルチコアやGeekbench 5マルチコアでは、両者の差は比較的小さいか、僅差であるとの報告もあります 2。
これらの比較から、Zen 3アーキテクチャへの移行により、特にシングルスレッド性能とキャッシュ性能が向上し、全体的なパフォーマンスが底上げされていることがわかります。テスト内容によって性能差の現れ方が異なる点は興味深く、実使用環境における応答性の向上などが期待できる可能性があります。
4.2. vs Intel Core i5 Uシリーズ (同世代競合、例: Core i5-1235U)
Intel Core i5-1235Uは、Ryzen 5 5625Uと同世代の主要な競合製品です。アーキテクチャは異なり、5625Uが6コア/12スレッドのZen 3であるのに対し、i5-1235Uは2つの高性能コア(P-core)と8つの高効率コア(E-core)を組み合わせた合計10コア/12スレッドのAlder Lake-Uアーキテクチャを採用しています 7。
ascii.jpによる詳細な比較レビュー 13 によると、性能特性には明確な違いが見られます。
- CPU性能: マルチスレッド性能(Cinebench R23 Multi)では5625Uが優位ですが、シングルスレッド性能(Cinebench R23 Single)ではi5-1235Uが上回ります。
- 総合・生産性: PCMark10では、テスト項目によって優劣が分かれますが、5625UはLibreOffice処理などで強みを見せます。UL Procyon Office(Microsoft Office 365)ではi5-1235Uが僅差で優勢です。
- クリエイティブ: UL Procyon Photo Editingでは、Photoshop主体の処理は5625U、Lightroom主体の処理はi5-1235Uが有利でした。動画エンコードでは、GPU支援を利用する場合(Premiere Pro + Media Encoder)はi5-1235Uが圧倒的に高速ですが、CPUのみを使用する場合(HandBrake)は5625Uが僅差で高速でした。
- グラフィックス: 3DMarkでは、i5-1235U(Iris Xe Graphics)が終始高いスコアを示しました。これはiGPU自体の性能差に加え、テスト機のメモリ構成(i5側がデュアルチャネル、5625U側がシングルチャネル)も影響していると分析されています。
- バッテリー持続時間: 同レビューのテスト条件下では、Ryzen 5 5625U搭載機の方がCore i5-1235U搭載機よりも1時間以上長く動画を再生できました。
この比較から、Core i5-1235Uはシングルコア性能と(適切なメモリ構成時の)内蔵GPU性能に強みを持つ一方、Ryzen 5 5625Uはマルチコア性能、特定の生産性タスク、CPU負荷の高いエンコード処理、そしてバッテリー効率において優位性を示すことがわかります。どちらのCPUが適しているかは、ユーザーが重視する用途によって異なります。
4.3. その他の比較 (参考)
- vs Core i3-1215U: より下位のCore i3-1215Uと比較すると、Ryzen 5 5625Uはマルチコア性能で大幅に上回りますが、シングルコア性能ではi3-1215Uが上回るという結果が出ています 27。これは、IntelのPコアの性能の高さを示すものです。
- vs Ryzen 7 5700U (Zen 2, 8C/16T): コア数の多いRyzen 7 5700Uはマルチコア性能で5625Uを上回りますが、アーキテクチャが新しいZen 3ベースの5625Uはシングルコア性能で優位に立ちます 19。
- vs Ryzen 5 7530U (Zen 3 Refresh, Barcelo-R): Ryzen 5 7530Uは、5625Uのさらなるリフレッシュ版(Barcelo-R)であり、各種ベンチマークにおいて5625Uを僅かに(約5~7%程度)上回るスコアを示します 20。実質的な後継モデルと見なすことができます。
4.4. 比較表
主要な競合CPUに対するRyzen 5 5625Uの性能上の位置づけを客観的に示すため、代表的なベンチマークスコアを以下の表にまとめます。スコアは複数の情報源から得られた平均値や代表値を参考にしています。
Table 2: Ryzen 5 5625U vs 主要競合CPU ベンチマーク比較 (代表値)
プロセッサ | アーキテクチャ | コア/スレッド | Cinebench R23 Multi | Cinebench R23 Single | PassMark CPU Mark | PassMark Single Thread | Geekbench 6 Multi | Geekbench 6 Single |
Ryzen 5 5625U | Zen 3 | 6 / 12 | ~8,200 | ~1,380 | ~14,800 | ~2,870 | ~5,500 | ~1,590 |
Ryzen 5 5500U | Zen 2 | 6 / 12 | ~7,700 | ~1,180 | ~12,900 | ~2,670 | ~4,800 (GB5) | ~1,150 (GB5) |
Core i5-1235U | Alder Lake-U | 10 / 12 (2P+8E) | ~7,100 | ~1,600 | ~13,800 | ~3,200 | ~6,500 | ~1,950 |
Ryzen 5 7530U | Zen 3 Refresh | 6 / 12 | ~8,400 | ~1,440 | ~15,700 | ~3,080 | ~6,100 | ~1,640 |
注: 上記スコアは複数のレビューサイトやデータベース (cpubenchmark.net, nanoreview.net, Geekbench Browser, ascii.jp, for-real.jp, Notebookcheck等) の情報を基にした概算値であり、実際のスコアは搭載PCや測定条件により変動します。Geekbench 5と6のスコアは直接比較できません。
この比較表は、ユーザーが自身のニーズに合ったCPUを選択する際の判断材料となります。Ryzen 5 5625Uは、前世代の5500Uから着実に性能を向上させ、特にマルチスレッド性能では競合のCore i5-1235Uを上回る一方で、シングルスレッド性能では譲るという特性を明確に示しています。後継の7530Uは僅かながら性能向上を果たしています。
5. 内蔵グラフィックス (AMD Radeon Graphics) 性能評価
AMD Ryzen 5 5625Uは、CPUコアと共に「AMD Radeon Graphics」と呼ばれる内蔵グラフィックスプロセッシングユニット(iGPU)を統合しています。これはVegaアーキテクチャに基づき、7つのコンピューティングユニット(CU)を搭載しています 1。そのグラフィックス性能を評価します。
5.1. 3DMark ベンチマークスコア
3DMarkは、GPUの3Dグラフィックス性能を測定するための標準的なベンチマークスイートです 31。特に、DirectX 11ベースの「Fire Strike」とDirectX 12ベースの「Time Spy」がよく用いられます。
- Fire Strike: 日本語レビューサイトkomameblog.jpのInspiron 16 (Ryzen 5 5625U搭載) のレビューでは、Graphicsスコアとして2652が報告されています 33。他のレビュー 2 では、Fire Strike総合スコアとして3219、Graphicsスコアとして2021という値も見られます。Amazonのユーザーレビューでは、スコア2675が記載されています 23。
- Time Spy: Amazonのユーザーレビュー 23 では、Time Spyスコアとして842が報告されています。
これらのスコアから、Ryzen 5 5625Uの内蔵グラフィックスは、一定の3D描画能力を持つことがわかります。しかし、これらのスコアは、最新の要求の高いゲームを高設定で快適にプレイするには不十分なレベルであることを示唆しています。また、スコアは搭載されるメモリの構成(特にデュアルチャネルかシングルチャネルか)や速度、割り当てられたTDP枠によって大きく変動する点に注意が必要です。
5.2. 競合内蔵グラフィックスとの比較 (Intel Iris Xe等)
Ryzen 5 5625Uの内蔵グラフィックス性能を、市場の他の主要な統合グラフィックスと比較します。
Table 3: 内蔵グラフィックス性能比較 (3DMark Fire Strike Graphics スコア)
内蔵グラフィックス (搭載CPU例) | メモリ構成例 | Fire Strike Graphics スコア (目安) | 出典例 |
Radeon 680M (Ryzen 7 6800U) | LPDDR5 | ~6,500 | 33 |
Iris Xe Graphics (Core i7 + LPDDR4x) | LPDDR4x | ~4,700 | 33 |
Iris Xe Graphics (Core i5 + LPDDR4x) | LPDDR4x | ~4,100 | 33 |
Iris Xe Graphics (Core i7 + DDR4) | DDR4 Dual | ~3,400 | 33 |
Radeon Graphics (Ryzen 5 5625U) | DDR4 Dual | ~2,700 | 33 |
Iris Xe Graphics (Core i5 + DDR4) | DDR4 Dual | ~2,500 | 33 |
Radeon Graphics (Ryzen 3 5300U) | DDR4 Dual | ~2,300 | 33 |
UHD Graphics (Intel Core U 旧世代) | DDR4 | ~1,300 | 33 |
注: 上記スコアはkomameblog.jp 33 のデータを基にした目安であり、実際のスコアはPCの構成や測定条件により変動します。
この比較から、Ryzen 5 5625Uの内蔵Radeon Graphics (Vega 7) の性能は、IntelのCore i5プロセッサに搭載されるIris Xe Graphics (DDR4メモリ構成時) と同程度か、わずかに上回るレベルにあることがわかります。しかし、より高速なLPDDR4xメモリと組み合わせたIris Xe Graphicsや、上位のCore i7に搭載されるIris Xe Graphicsには及ばない結果となっています。また、後継のRyzen 6000シリーズに搭載されたRDNA 2ベースのRadeon 600Mシリーズ (例: Radeon 680M) と比較すると、性能差は歴然としています。ascii.jpのレビュー 13 でも、デュアルチャネルメモリ構成のCore i5-1235U (Iris Xe) が、シングルチャネルメモリ構成のRyzen 5 5625U (Radeon Vega 7) を3DMarkスコアで終始上回ったと報告されており、メモリ構成の重要性も示唆されています。
5.3. グラフィック性能の限界
ベンチマークスコアが示すように、Ryzen 5 5625Uの内蔵グラフィックスは、最新のAAA(大作級)ゲームを高画質設定や高いフレームレートでプレイするには性能が不足しています 13。
主な用途としては、ウェブブラウジング、動画再生、オフィスアプリケーションといった日常的なタスクにおける画面表示は全く問題ありません。ゲームに関しては、フルHD(1920×1080)解像度よりも低い解像度(例: 1280×720)に設定したり、ゲーム内のグラフィック品質設定を「低」や「最低」に調整したりすることで、比較的負荷の軽いeスポーツタイトル(例: Valorant, League of Legends, Counter-Strike)や、数世代前のゲーム、あるいは2Dベースのゲームであればプレイ可能です 2。
内蔵GPUの性能は、システムメモリをビデオメモリ(VRAM)として共有する仕組み上、搭載されているメモリの速度と帯域幅に極めて大きく依存します 13。特に、メモリを1枚だけ搭載するシングルチャネル構成の場合、メモリ帯域幅がボトルネックとなり、内蔵GPUの性能が大幅に低下します 13。複数のレビューや検証で、シングルチャネル構成時のグラフィックス性能の低さが指摘されており 13、FF14ベンチマークスコアが半分近くになるという報告さえあります 37。
この事実は、Ryzen 5 5625U搭載ノートPCを選ぶ上で非常に重要な示唆を与えます。内蔵GPUはシステムメモリを共有するため、CPU以上にメモリ帯域幅の影響を受けやすいという特性があります。デュアルチャネル構成は、理論上シングルチャネルの2倍のメモリ帯域幅を提供するため、これが内蔵GPUの性能を大幅に引き上げる鍵となります。コスト削減のためにシングルチャネル構成(例: 8GBメモリ1枚)で販売されているノートPCも存在するため、少しでもゲームやグラフィック処理を行う可能性があるユーザーは、購入前に製品仕様を注意深く確認し、デュアルチャネル構成(例: 4GBメモリ2枚または8GBメモリ2枚)であることを確かめることが、期待通りの性能を得るためにほぼ必須と言えるでしょう。この確認を怠ると、期待を大きく下回るグラフィックス性能しか得られないリスクがあります。
6. 実使用感との関連性
ベンチマークスコアは性能の指標ですが、それが実際のPC利用体験にどのように結びつくかを考察します。
6.1. 一般的なオフィスワークとマルチタスク
Ryzen 5 5625Uが持つ6コア12スレッドのマルチコア性能 4 と、良好なシングルコア性能 6 は、日常的なPC作業において十分以上の快適さを提供します。具体的には、複数のウェブブラウザタブを開きながらの作業、Microsoft Officeスイート(Word, Excel, PowerPoint)の利用、ZoomやTeamsなどを用いたビデオ会議、そしてこれらのアプリケーションを同時に実行するマルチタスク環境においても、ストレスを感じることは少ないでしょう 2。
PCMark10のベンチマークスコア、特に「Productivity」(生産性)や「Essentials」(基本性能)のスコアが高いことは、これらのオフィスワークが快適に行えることを裏付けています 2。特定のアプリケーション、例えばLibreOfficeでは特に高い性能を示す場合があることも報告されています 13。
多くのユーザーレビューにおいても、日常的な作業における動作の快適さや、処理の遅延を感じない点が高く評価されています 5。製品レビューでは「必要にして十分」11、「普段使いを快適にサポート」11 といった表現が見られ、一般的な用途には十分な性能を持っていることが伺えます。
6.2. 軽いゲーム
前述の通り、Ryzen 5 5625Uに内蔵されたRadeon Graphicsは、最新のAAAタイトルを高設定でプレイするには力不足ですが、設定を調整すれば比較的軽いゲームを楽しむことは可能です 13。
- Valorant: 低設定であれば、1080p解像度でも比較的高フレームレート(多くの場面で60fps以上)でのプレイが期待できます 43。YouTubeでのテスト動画 45 では、ノートPCのTDP設定次第では144Hzディスプレイを飽和させるほどのパフォーマンスを発揮する可能性も示唆されています。
- Final Fantasy XIV (FF14): 「標準品質(ノートPC)」設定であれば、フルHD解像度で「普通」から「やや快適」程度の評価(スコア4000~6000程度)が得られることが多いようです 2。暁月のフィナーレベンチマークでスコア4254(普通)2、漆黒のヴィランズベンチマークで最低設定ならプレイ可能 10 といった報告があります。ただし、最新拡張パッケージ「黄金のレガシー」のベンチマークは要求スペックが上がっている可能性があり 46、快適なプレイにはさらなる設定の見直しが必要になるかもしれません。
- その他のゲーム: Team Fortress 2, Ultrakill, Minecraft, Terraria といった比較的軽量なゲームも問題なくプレイできると期待されます 35。また、Project Cars, Forza Horizon 4, Dirt Rally 2.0, Destiny 2, No Man’s Sky といった少し前の3Dゲームについても、設定を調整すれば動作するとの報告があります 35。
ただし、これらのゲームにおける実際のフレームレートは、メモリ構成(デュアルチャネル構成が強く推奨される 36)、ゲーム内のグラフィック設定、グラフィックドライバのバージョン、そしてノートPC本体の冷却性能に大きく左右される点には、常に留意が必要です。
6.3. 動画・画像編集
Ryzen 5 5625Uのマルチコア性能は比較的高いため、CPUパワーが主に要求される処理、例えばHandBrakeを用いたソフトウェアエンコードなどでは、同クラスの競合CPU(例: Core i5-1235U)に対して有利な場合があります 13。
しかし、Adobe Premiere Proのような多くの動画編集ソフトウェアは、プレビュー再生、エフェクト処理、そして書き出し(エクスポート)の高速化のためにGPUアクセラレーション(ハードウェアエンコード/デコード)を活用します。この点において、Ryzen 5 5625Uの内蔵Radeon Graphics (Vega 7) の性能は、IntelのIris Xe Graphics(特に上位版や適切なメモリ構成時)と比較して劣ることがあり、これが編集作業の快適さや書き出し時間に影響を与える可能性があります 13。
また、動画・画像編集作業はメモリ容量も重要となります。レビューでは、標準的な8GBメモリ構成では、特に複数の処理を同時に行う場合や高解像度データを扱う場合に不足気味となり、PCMark10のDigital Content Creationスコアが伸び悩むといった指摘があります 12。快適な編集作業のためには、16GB以上のメモリ搭載が推奨されます 10。
実用性としては、軽い写真編集 5 や、カット編集主体でエフェクトの少ない簡単なフルHD動画編集であれば可能です 38。しかし、本格的な4K解像度での編集や、複雑なエフェクト、カラーグレーディングなどを多用する作業には性能不足であり、プレビューがカクついたり、書き出しに非常に長い時間を要したりする可能性があります 13。Premiere Proで50分程度の動画書き出しに12時間かかったという報告 49 もありますが、これはメモリ不足(8GB)やプロジェクトの複雑さ、設定など複数の要因が複合した結果と考えられます。
これらの点を踏まえると、Ryzen 5 5625Uは、ウェブ閲覧や動画視聴といったコンテンツ「消費」や、Officeソフト利用などの軽作業には非常に適したプロセッサであると言えます。一方で、動画編集や高度な画像処理といった本格的なコンテンツ「制作」においては、その性能には限界があります。特にGPU支援機能が重要となるソフトウェアでは、内蔵GPU性能がボトルネックとなり、競合するIntelプロセッサ(Iris Xe Graphics搭載)の方が有利な場面も想定されます。Ryzen 5 5625U搭載PCを動画編集目的で購入する場合は、主に趣味レベルのフルHD編集が中心となり、4K編集やプロレベルの作業には向かないことを理解しておく必要があります。また、メモリは最低でも16GB(デュアルチャネル)を搭載することが望ましいでしょう。より快適な編集環境を求めるのであれば、より強力な専用GPU(dGPU)を搭載したモデルや、より高性能な内蔵GPUを持つ新しい世代のAPU(例: Ryzen 6000/7040シリーズ以降)を検討することが推奨されます。
6.4. メモリ構成の影響 (シングル vs デュアルチャンネル)
Ryzen APU(CPUとGPUを統合したプロセッサ)の性能、特に内蔵グラフィックス性能を最大限に引き出す上で、メモリ構成は極めて重要な要素です 13。
デュアルチャネル構成(例: 8GBメモリを2枚装着して合計16GBにする)は、シングルチャネル構成(例: 16GBメモリを1枚だけ装着する)と比較して、メモリ帯域幅が理論上2倍になります。内蔵グラフィックスはシステムメモリをVRAMとして共有するため、この帯域幅の差がグラフィックス性能に直接的な影響を与えます 13。実際に、ゲームのフレームレートや3DMarkのようなベンチマークスコアにおいて、デュアルチャネル構成がシングルチャネル構成を大幅に上回ることが多くの検証で示されています 36。FF14ベンチマークでスコアに約1000ポイントの差が出たり 36、グラフィック性能が半分近くまで低下したりする 37 という報告もあります。
CPU処理においても、メモリ帯域幅は無視できない影響を与えます。blog.endstart.netのレビュー 10 では、メモリを8GBシングルチャネルから16GBデュアルチャネルに増設した結果、Cinebench R23のマルチコアスコアが向上したことが示されており、CPUパフォーマンスにも寄与することがわかります。
したがって、Ryzen 5 5625U搭載ノートPCの性能を最大限に活かすためには、デュアルチャネルメモリ構成を選択することが強く推奨されます 10。購入時には、製品仕様を確認し、「8GBx2」や「16GB (8GBx2)」といった表記になっているかを確認することが重要です(Insight 3参照)。
6.5. バッテリー持続時間
Ryzen 5 5625Uは、電力効率に優れたZen 3アーキテクチャと15Wという低い標準TDPにより、一般的に良好なバッテリー持続時間を示すことが期待されます 2。
実際のレビューにおいても、その傾向は確認されています。ascii.jpの比較テスト 13 では、競合のCore i5-1235U搭載機よりも1時間以上長く動画再生が可能でした。blog.endstart.netのInspiron 14レビュー 10 では、YouTubeの連続再生テストで約11時間30分という非常に長い駆動時間を記録しています。また、HP 14s-fqの製品仕様 53 では、最大9時間30分のバッテリー駆動時間が謳われています。
もちろん、実際のバッテリー持続時間は、搭載されるノートPCのバッテリー容量、ディスプレイの輝度設定、Windowsの電源プラン、実行するアプリケーションの種類といった多くの要因によって大きく変動します。しかし、CPU自体の電力効率は良好なレベルにあると考えてよいでしょう。
6.6. ユーザーレビューからの考察
実際にRyzen 5 5625U搭載ノートPCを使用したユーザーのレビューからは、以下のような評価が見られます。
- コストパフォーマンス: 最も多く言及される点の一つが、価格に対する性能の高さ、すなわちコストパフォーマンスの良さです 9。レビューでは「格安なのに爆速」9、「業界最高クラスのコスパ」12、「かなりお買い得」39 といった肯定的な評価が目立ちます。
- 発熱・騒音: 高負荷時のCPU温度は、多くのレビューで70℃台程度に収まっており、過度な発熱は抑えられているようです 12。冷却ファンの動作音については、高負荷時には認識できるものの、「非常に静か」12 や「気になるほどではない」55 といった評価がある一方で、静かな環境(例: 図書館やカフェ)での高負荷作業時には気になる可能性も指摘されています 10。これは、ノートPC本体の冷却システムの設計に大きく依存する部分です。
- ビルドクオリティ・その他: キーボードの打鍵感 10、タッチパッドの操作性 10、スピーカーの音質 12、Webカメラの画質 10 といった要素は、CPU性能とは別に、搭載されるノートPCのモデルや価格帯によって評価が異なります。指紋認証センサー 6 は、利便性を高める機能として多くのモデルで搭載され、評価されています。
- 総合的な満足度: 総じて、ウェブブラウジング、Officeソフトの利用、動画視聴といった一般的な用途や、それらを組み合わせた軽度のマルチタスクにおいては、非常に快適に動作し、コストパフォーマンスに優れた選択肢として、ユーザーから肯定的に受け止められているようです 5。
7. 総括:AMD Ryzen 5 5625U の強みと弱み
これまでの分析に基づき、AMD Ryzen 5 5625Uプロセッサの主な強みと弱みを以下にまとめます。
強み
- 優れたマルチコア性能: 6コア12スレッド構成と効率的なZen 3アーキテクチャにより、同価格帯・同TDP帯のCPU、特にマルチスレッド処理が重要となるタスクにおいて高いパフォーマンスを発揮します。複数のアプリケーションを同時に利用するマルチタスク環境や、一部のCPU負荷が高い処理(ソフトウェアエンコードなど)で有利です。(出典: ascii.jp 13, cpubenchmark.net 17, for-real.jp 2)
- 高いコストパフォーマンス: プロセッサ自体の性能と、それを搭載したノートPCが比較的手頃な価格で提供される傾向があることから、非常にコストパフォーマンスが高い選択肢として多くのレビューで評価されています。予算を抑えつつ、日常的な用途で十分な性能を求めるユーザーに適しています。(出典: YouTube 9, blog.endstart.net 10, usshi-na-life.com 12, amazon.co.jp 39)
- 良好な電力効率とバッテリー持続時間: Zen 3アーキテクチャの採用と15Wという低い標準TDPにより、電力効率が良く、ノートPCのバッテリー駆動時間の長さに貢献する傾向があります。モバイル環境での利用において有利な特性です。(出典: ascii.jp 13, blog.endstart.net 10, for-real.jp 2)
- 安定したプラットフォーム: Zen 3は市場投入から時間が経過し、広く採用されている実績のあるアーキテクチャです。これにより、ドライバの成熟度やシステムの安定性が期待でき、安心して利用できるプラットフォームと言えます。
弱み
- シングルコア性能の限界: 最新世代のIntel Coreプロセッサ(特に第12世代以降のPコア)と比較した場合、シングルコア性能を重視するベンチマークやアプリケーションにおいては、スコアで見劣りする場合があります。(出典: ascii.jp 13, nanoreview.net 24)
- 内蔵グラフィックス性能の限界: 統合されているRadeon Vega 7グラフィックスは、日常的な画面表示や動画再生には十分ですが、最新の3Dゲームを高設定でプレイしたり、要求の高いグラフィック処理を行ったりするには性能が不足しています。特に、Intelの高性能なIris Xe Graphics(適切なメモリ構成時)と比較すると性能差があります。(出典: ascii.jp 13, komameblog.jp 33)
- メモリ構成への強い依存: 特に内蔵グラフィックス性能は、搭載されるメモリがデュアルチャネル構成であるかシングルチャネル構成であるかによって大きく変動します。シングルチャネル構成では性能が大幅に低下するため、性能を最大限に引き出すにはデュアルチャネル構成が不可欠であり、購入前の確認が重要です。(出典: ascii.jp 13, mogalabo-gaming.jp 36)
- 最新技術の非搭載: PCIe Gen 3.0対応であり 1、DDR5メモリやPCIe Gen 4.0といった最新のインターフェース規格には対応していません。将来的な拡張性や、最新規格による最高性能を求めるユーザーにとっては、物足りなさを感じる可能性があります。
引用文献
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