AMD Ryzen 5 8640HS ベンチマークまとめ

CPU-AMD-Ryzen CPU・SoC

1. はじめに

目的と背景

本レポートは、AMDのノートPC向け最新APU(Accelerated Processing Unit)「Ryzen 5 8640HS」(開発コードネーム: Hawk Point)に焦点を当て、その性能特性を深く掘り下げることを目的としています。主に日本語のウェブサイトから収集した公開情報に基づき、仕様、各種ベンチマークスコア、実利用シナリオでの評価を統合・分析します。Ryzen 8000シリーズの中核を担うこのモデルは、性能と電力効率のバランス、そしてAI機能の統合という点で市場から注目を集めています。本レポートを通じて、その技術的詳細と市場における位置づけを明らかにします。

調査手法

本レポートの作成にあたり、AMD公式サイト 1、日本の主要なPC技術情報サイト(PC Watch 3、ITmedia PC USER 5 など)、ハードウェアレビューブログ(for-real.jp 7、ちもろぐ 9 など)、ベンチマークデータベースサイト(PassMark 10、UL Benchmarks 11 など)の公開情報、および実機レビュー記事を網羅的に調査しました。収集した情報を基に、仕様、CPUおよびGPUのベンチマークスコア、実際の利用感に関する評価を統合し、分析を行いました。引用元は各データポイントに明記しています。

対象読者

本レポートは、PC自作愛好家、高性能ノートPCの購入を検討しているユーザー、IT関連技術者など、最新プロセッサーの技術仕様や性能ベンチマークに深い関心を持つ読者を対象としています。専門用語も含まれますが、可能な限り平易な解説を心がけ、幅広い読者に理解されることを目指します。

2. AMD Ryzen 5 8640HS: 公式仕様とアーキテクチャ

概要

AMD Ryzen 5 8640HSは、AMDのモバイルプロセッサーラインナップ「Ryzen 8040シリーズ」に属するAPUです。開発コードネーム「Hawk Point」として知られ、前世代「Phoenix」の基本設計を踏襲しつつ、特にAI処理能力の強化が図られています 1。性能と電力効率のバランスを重視した設計が特徴であり、薄型からスタンダードなノートPCまで幅広い製品への搭載が見込まれます。

2.1. 基本仕様 (コア/スレッド、クロック、キャッシュ、TDP)

  • CPUコア構成: 6コア / 12スレッド構成を採用し、SMT(Simultaneous Multithreading)に対応しています 1。これは現代のミドルレンジノートPC向けCPUとして標準的な構成であり、複数のアプリケーションを同時に実行するマルチタスク処理能力と、単一のタスクを高速に処理するシングルスレッド性能の良好なバランスを提供します。HPの製品ページなどでもこのコア数が明記されています 13
  • クロック速度: ベースクロックは3.5 GHz、最大ブーストクロックは最大4.9 GHzに達します 1。高い最大ブーストクロックは、アプリケーションの起動やWebページの読み込みといった応答性が求められるタスクや、シングルスレッド性能が重要となる一部のゲームやソフトウェアにおいて有利に働きます。
  • キャッシュ構成: L1キャッシュは合計384KB(命令32KB + データ32KB を各コアに)、L2キャッシュは合計6MB(1MBを各コアに)、そして共有L3キャッシュは16MB搭載されています 1。L2とL3を合わせたキャッシュ容量は22MBとなります 4。十分なキャッシュ容量は、CPUが頻繁にアクセスするデータを高速に保持することでメモリアクセスのボトルネックを軽減し、特にゲームや複雑なデータ処理において性能向上に寄与します。
  • TDP (Thermal Design Power): デフォルトTDPは28Wに設定されています 1。さらに、ノートPCメーカーが製品の冷却設計に応じて設定可能なConfigurable TDP (cTDP) として、20Wから30Wの範囲に対応しています 1。このTDP範囲は、薄型・軽量ノートPCへの搭載を可能にしながらも、一定レベル以上のパフォーマンスを確保するための設計思想を示しています。

2.2. 製造プロセスとアーキテクチャ (TSMC 4nm FinFET, Zen 4)

  • 製造プロセス: 最先端のTSMC 4nm FinFETプロセス技術を用いて製造されています 1。この微細化されたプロセスは、トランジスタの集積度を高め、動作に必要な電圧を下げることを可能にし、結果として性能向上と消費電力削減の両立に貢献します。ダイサイズは178mm²と報告されており 1、約250億個のトランジスタが集積されています 15
  • CPUアーキテクチャ: CPUコアには「Zen 4」アーキテクチャが採用されています 1。Zen 4アーキテクチャは、前世代のZen 3と比較してIPC(Instruction Per Clock: クロックあたりの命令実行数)の向上、キャッシュ構造の最適化、そしてAVX-512命令セットへの対応 1 など、多くの改良が施されています。これにより、幅広いアプリケーションにおいて演算性能の向上が期待されます。

2.3. 内蔵GPU: AMD Radeon 760M 仕様

  • モデル名: 統合グラフィックスとして「AMD Radeon™ 760M」を搭載しています 1
  • GPUアーキテクチャ: 最新の「RDNA 3」アーキテクチャを採用しています 16。RDNA 3は、電力効率の向上とグラフィックス処理能力の強化を両立することを目指した設計です。
  • コア数: 8基のコンピュートユニット(CU)を搭載しており 1、これは合計512基のシェーダープロセッサーに相当します 15。これは上位モデルであるRadeon 780M(12 CU)16 より少ない構成ですが、ミドルレンジAPUとしては標準的な仕様です。
  • GPU周波数: 最大で2600 MHz(2.6 GHz)までブーストします 1。比較的高めのクロック設定により、CU数の少なさを補い、グラフィックス性能を引き出す設計となっています。ベースクロックについては情報源により異なり、800 MHz 15 や 1500 MHz 19 といった記述が見られますが、実際の性能は負荷状況に応じて動的に変動する最大周波数に大きく影響されます。
  • その他機能: 最新のグラフィックスAPIであるDirectX® 12に対応 1。映像出力はDisplayPort™ 2.1およびHDMI® 2.1をサポートし、高解像度・高リフレッシュレートのディスプレイ接続が可能です 1。最大で4台のディスプレイへの同時出力に対応しており 1、マルチモニター環境の構築も容易です。また、可変リフレッシュレート技術であるAMD FreeSync™にも対応しています 1

2.4. メモリ、接続性、AI機能

  • 対応メモリ: システムメモリは、ソケットタイプに応じてDDR5-5600(FP7r2ソケット時)またはLPDDR5x-7500(FP7/FP8ソケット時)に対応します 1。特にLPDDR5x-7500のような高速メモリは、メモリ帯域幅が性能に大きく影響する内蔵GPU(Radeon 760M)の性能を最大限に引き出す上で重要となります 21。最大メモリ容量は256GBです 1。ECCメモリは標準ではサポートされませんが、PRO版の8640HSをFP7r2ソケットで使用する場合、プラットフォーム側の対応があれば利用可能です 2
  • 接続性: 最新の高速ストレージや拡張カードに対応するため、PCI Express® 4.0を合計20レーンサポートしています 1。これにより、最大7.8 GB/sクラスのデータ転送速度を持つNVMe SSDの性能を活かすことができます 23。USBポートは、最大40Gbpsの帯域を持つNative USB4を2ポート、最大10GbpsのNative USB 3.2 Gen 2を2ポート、そしてNative USB 2.0を4ポートサポートしており、多様な周辺機器の接続に対応します 1。Wi-Fi 6Eへの対応は、このAPUを搭載するノートPC製品の仕様に依存します 7
  • AI機能 (Ryzen AI): 本APUの大きな特徴の一つとして、専用のAI処理エンジンである「AMD Ryzen™ AI」(NPU: Neural Processing Unit)を搭載している点が挙げられます 1。このNPUは最大で16 TOPS(Tera Operations Per Second、1秒間に1兆回の演算)の処理能力を持ちます 1。CPUコア、GPUコア、NPUを合わせたプラットフォーム全体でのAI処理性能(Overall TOPS)は最大31 TOPSに達するとされています 1。これにより、Windows Studio Effects(Web会議時の背景ぼかし、視線補正、オートフレーミングなど)24 や、将来的により多くのAIを活用したアプリケーションを、CPUやGPUに大きな負荷をかけることなく、低消費電力で効率的に実行することが期待されます。

TDP設定とパフォーマンスの関係性

Ryzen 5 8640HSは、デフォルトTDPが28W、cTDPが20Wから30Wの範囲で設定可能であることが特徴です 1。これは、ノートPCメーカーが自社製品の冷却設計やターゲットとする市場セグメントに応じて、パフォーマンスと発熱・消費電力のバランスを調整できる柔軟性を提供します。例えば、より薄型で静音性を重視するモデルではTDPを低めの20Wに設定し、発熱を抑える代わりにピーク性能や持続性能をある程度制限する可能性があります。一方で、より冷却能力に余裕のあるスタンダードノートPCでは、TDPを高めの30Wに設定し、APUの持つポテンシャルを最大限に引き出すことを目指すかもしれません。しかし、TDP設定が高くても、実際の冷却が追いつかなければサーマルスロットリング(過熱防止のための性能抑制)が発生し、期待通りの性能が持続しないことも考えられます。このTDP設定の幅と、各ノートPCメーカーの実装(冷却機構の効率など)の違いは、後述するベンチマークスコアに見られるばらつきの大きな要因の一つと考えられます。したがって、同じRyzen 5 8640HSを搭載していても、ノートPCのモデルによって実際のパフォーマンス、特に長時間の高負荷がかかる作業(例:ゲーム、動画エンコード、レンダリング)における性能が異なる可能性があることを理解しておく必要があります。

Ryzen 5 8640HS vs 8640U vs PRO 8640HS

Ryzen 5 8640HSには、非常に似た名称を持つモデルとして「Ryzen 5 8640U」3 および「Ryzen 5 PRO 8640HS」2 が存在します。これらの違いを理解することは、製品選択において重要です。

  • 8640HS vs 8640U: 基本的なスペック、すなわちCPUコア数(6C/12T)、最大ブーストクロック(4.9GHz)、キャッシュ容量(合計22MB)、内蔵GPU(Radeon 760M)、そしてRyzen AI NPUの性能は共通しています 3。主な違いはcTDPの設定範囲にあり、HSモデルが20-30Wであるのに対し、Uモデルは15-30Wとなっています 4。これは、Uモデルがより低い消費電力での動作を想定しており、一般的にはさらに薄型・軽量なノートPCや、バッテリー持続時間を重視するデバイス向けであることを示唆しています。理論上の最大性能ポテンシャルは同等である可能性がありますが、実際の製品ではUモデルの方が低いTDP設定で運用されることが多く、結果としてHSモデルの方が性能面で優位であると一般的に認識されています 26
  • 8640HS vs PRO 8640HS: PRO 8640HSは、標準の8640HSとCPU、GPU、AIエンジンなどの基本的なハードウェアスペックは同一です 1。PROモデルの付加価値は、AMD PROテクノロジーにあります。これには、強化されたセキュリティ機能(例:AMD Memory Guard)、リモート管理機能(例:DASHサポート)、長期的なソフトウェアサポートと安定性、ビジネス環境での導入に適した機能が含まれます 2。したがって、PRO 8640HSは主に法人向けノートPCやモバイルワークステーションをターゲットとした製品です。PassMarkのベンチマークデータベースでは、PRO版の方が非PRO版よりも高いスコアを示している例がありますが 10、これはテストされたノートPCの構成やTDP設定の違いによるものである可能性が高いと考えられます。

これらのモデル選択においては、ユーザー自身のニーズを考慮する必要があります。最高のパフォーマンスを求めるならHSモデル、携帯性やバッテリー寿命を最優先するならUモデル搭載機(ただし性能はやや控えめになる可能性あり)、ビジネス用途で高度なセキュリティや管理機能が必要ならPROモデル搭載機、という選択が考えられます。

表1: AMD Ryzen 5 8640HS – 詳細スペック表

項目仕様出典例
開発コードネームHawk Point1
アーキテクチャCPU: Zen 4, GPU: RDNA 3, NPU: XDNA1
製造プロセスTSMC 4nm FinFET1
CPU コア/スレッド6 コア / 12 スレッド (SMT対応)1
CPU ベースクロック3.5 GHz1
CPU 最大ブースト最大 4.9 GHz1
L1キャッシュ384 KB (6 x 64 KB)1
L2キャッシュ6 MB (6 x 1 MB)1
L3キャッシュ16 MB (共有)1
合計キャッシュ22 MB4
デフォルトTDP28W1
Configurable TDP20-30W1
内蔵GPUモデルAMD Radeon™ 760M1
GPU CU数/シェーダー8 CU / 512 シェーダー1
GPU 最大クロック2600 MHz (2.6 GHz)1
対応メモリDDR5-5600 (FP7r2), LPDDR5x-7500 (FP7/FP8)1
最大メモリ容量256 GB1
PCI Express®PCIe 4.0 (合計20レーン)1
Native USBUSB4 (40Gbps) x2, USB 3.2 Gen 2 (10Gbps) x2, USB 2.0 (480Mbps) x41
Ryzen AI (NPU)搭載 (最大 16 TOPS)1
Overall TOPS最大 31 TOPS1
ソケットFP7, FP7r2, FP81
主な違い (vs 8640U)cTDP下限 (8640U: 15W)4
主な違い (vs PRO)AMD PROテクノロジー (セキュリティ、管理機能等) の有無2

3. CPU性能ベンチマーク分析

概要

このセクションでは、AMD Ryzen 5 8640HSのCPU性能を、広く利用されているベンチマークソフトウェアの結果を用いて分析します。Cinebench、Geekbench、PassMark、PCMark 10といったテストを通じて、レンダリング性能、クロスプラットフォーム性能、総合性能、実用性能を評価し、主要な競合製品であるIntel Core Ultra 5 125Hや、前世代のAMD Ryzen 5 7640HSと比較します。ただし、前述の通り、ノートPC向けプロセッサーのベンチマークスコアは、テストに使用された具体的なノートPCモデルの冷却性能、メーカーによるTDP設定(20W~30Wの範囲)、搭載メモリの速度や容量、さらにはOSやドライバのバージョンといった多くの要因によって変動します。そのため、ここで示すスコアはあくまで参考値であり、複数の情報源からの結果を総合的に評価することが重要です。

3.1. レンダリング性能 (Cinebench R23, Cinebench 2024)

Cinebenchは、CPUの3Dレンダリング性能を測定する定番のベンチマークです。マルチコアスコアは動画エンコードや3DCG制作など、CPUの全コアを長時間使用するタスクの性能指標となり、シングルコアスコアはソフトウェアの起動速度や一般的な応答性、一部のゲーム性能に関連します。

  • Cinebench R23:
  • マルチコアスコアは、レビューサイトによって10860点 8 から11040点 28、あるいはNotebookcheckによる平均値で11486点 23 といった結果が報告されています。
  • シングルコアスコアも同様に、1653点 8、1730点 28、平均1711点 23 など、情報源によって幅が見られます。
  • これらのスコア、特にシングルコア性能の高さ(1650点以上)は、Zen 4アーキテクチャの特徴を反映しており、6コア12スレッドのCPUとしては全体的に良好なレンダリング性能を示しています。
  • Cinebench 2024:
  • より新しいバージョンのCinebench 2024では、マルチコアスコアが553点 29 から624点 20、シングルコアスコアが97点 29 から100点 30 と報告されています。
  • Cinebench 2024はAVX命令セットの活用度などがR23と異なり、スコア体系も変更されているため、R23との直接比較はできません。データはまだ少ないものの、ここでもシングルコア性能の相対的な高さがうかがえます。

3.2. クロスプラットフォーム性能 (Geekbench 5 / 6)

Geekbenchは、CPU性能を測定するクロスプラットフォーム対応のベンチマークで、整数演算、浮動小数点演算、暗号化処理、機械学習推論など、実世界のタスクをシミュレートした多様なテスト項目を含みます。日常的なアプリケーションの応答性や処理能力を測る上で参考になります。

  • Geekbench 6:
  • マルチコアスコアは特にばらつきが大きく、低いものでは7865点 28、高いものでは10826点 20 といった結果が見られます。その他、9998点 8、10469点 32、Notebookcheck平均9729点 23 などが報告されています。
  • シングルコアスコアも2127点 28 から2559点 20 まで幅があります。その他、2399点 8、2276点 32、2479点 30、Notebookcheck平均2455点 23 などが見られます。
  • シングルコア性能はCinebench同様に非常に高いレベルを示しています。マルチコア性能の大きなばらつきは、テスト環境(特にTDP設定や冷却)の違いを強く反映していると考えられます。
  • Geekbench 5:
  • 旧バージョンですが、比較データとしてNotebookcheckの平均値ではマルチコア9060点、シングルコア1877点となっています 23

3.3. 総合・シングルスレッド性能 (PassMark)

PassMark PerformanceTestは、CPUの整数演算、浮動小数点演算、素数計算、ソート、暗号化、圧縮、物理シミュレーション、拡張命令セット(SSE, AVXなど)の性能を測定し、総合スコア(CPU Mark)とシングルスレッド性能(Single Thread Rating)を算出するベンチマークです。

  • CPU Mark (マルチコア総合): 平均スコアは約19915点 10 から19959点 31 と報告されています。これは、PassMarkのデータベースに登録されているノートPC向けCPU(1464種類中)で154位にランクインする性能であり、上位約10%に位置することを示します 10。なお、PRO版の8640HSでは21154点というより高いスコアも記録されていますが 27、これもテスト環境の違いによる可能性が高いです。
  • Single Thread Rating: 平均スコアは約3585点 10 から3590点 31 と報告されており、シングルスレッド性能も非常に高いレベルにあることが確認できます。

3.4. 実用性能シミュレーション (PCMark 10)

PCMark 10は、Webブラウジング、ビデオ会議、アプリ起動(Essentials)、文書作成や表計算(Productivity)、写真編集や動画編集、レンダリング(Digital Content Creation – DCC)といった、実際のPC利用シナリオをシミュレートして総合的な性能を評価するベンチマークです。

  • スコア例 (for-real.jpレビュー 8):
  • 総合スコア: 6577点
  • Essentials: 10622点
  • Productivity: 9349点
  • Digital Content Creation (DCC): 7777点
  • これらのスコア、特にEssentialsとProductivityの高さは、Ryzen 5 8640HSが日常的な作業やOfficeアプリケーションを極めて快適に、ストレスなく処理できる能力を持っていることを裏付けています 33。DCCスコアも7777点と、ディスクリートGPUを搭載しないノートPCとしてはかなり高く、軽度な写真編集や動画編集といったクリエイティブなタスクにも対応できるポテンシャルを示唆しています 33

3.5. 性能比較: vs Intel Core Ultra 5 125H

Intel Core Ultra 5 125Hは、14コア(4 P-core + 8 E-core + 2 LP E-core)18スレッド、最大ターボ周波数4.5GHz、18MBのL3キャッシュを持ち、ベースTDPは同じく28W(最大ターボパワーは115W)というスペックで、Ryzen 5 8640HSの直接的な競合製品と目されています 8

  • Cinebench R23: マルチコア性能ではCore Ultra 5 125Hが11000点と、Ryzen 5 8640HSの10860点をわずかに上回ります。一方、シングルコア性能ではRyzen 5 8640HSが1653点と、Core Ultra 5 125Hの1646点をわずかに上回り、非常に拮抗しています 8
  • Geekbench 6: マルチコア性能ではCore Ultra 5 125Hが10242点と、Ryzen 5 8640HSの9998点をわずかに上回ります。しかし、シングルコア性能ではRyzen 5 8640HSが2399点と、Core Ultra 5 125Hの2184点を明確に上回っています 8
  • PCMark 10: 総合スコア、Essentials(基本性能)、Productivity(生産性)ではRyzen 5 8640HSがCore Ultra 5 125Hを上回っています。一方で、Digital Content Creation(コンテンツ作成)ではCore Ultra 5 125Hの方が高いスコアを示しています 8
  • PassMark CPU Mark: for-real.jpのデータによると、Core Ultra 5 125Hが24203点、Ryzen 5 8640HSが21222点と、Core Ultra 5 125Hが優位な結果となっています 8
  • 考察: 両者のCPU性能は非常に近く、一概にどちらが優れているとは言えません。シングルコア性能や一般的な応答性、Office作業などではRyzen 5 8640HSが有利な場面が多く、マルチコア性能が重要なレンダリングや一部のコンテンツ作成、PassMarkのような総合ベンチマークではCore Ultra 5 125Hが有利な傾向が見られます。ただし、Ryzen 5 8640HSの最大TDPは30Wであるのに対し、Core Ultra 5 125Hは最大115Wまで許容される設計であり 8、実際のノートPCにおける持続性能や電力効率の面では、Ryzen 5 8640HSの方が有利である可能性も考えられます。

3.6. 性能比較: vs AMD Ryzen 5 7640HS

Ryzen 5 7640HSは、Ryzen 5 8640HSの前世代(開発コードネーム: Phoenix)にあたるAPUです。アーキテクチャ(Zen 4)、コア/スレッド数(6C/12T)、内蔵GPU(Radeon 760M)など、基本的なスペックは8640HSと非常に似通っていますが、最大ブーストクロックは5.0GHzと、8640HSの4.9GHzよりもわずかに高く設定されています 3

  • Cinebench R23: 複数の比較データによると、マルチコア性能では7640HSが8640HSを明確に上回る傾向があります(例: 13029 vs 11040 28、平均13029 vs 11486 23)。シングルコア性能はほぼ互角です(例: 1715 vs 1730 28、平均1715 vs 1711 23)。
  • Geekbench 6: マルチコア性能では7640HSが優位な結果が多く見られます(例: 10193 vs 7865 31、平均10936 vs 9729 23)。シングルコア性能についても、7640HSがやや上回る結果が多いようです(例: 2466 vs 2127 31、平均2620 vs 2455 23)。ただし、Tom’s Hardwareが引用したデータでは8640HSが上回るケースも報告されています 32
  • PassMark: マルチコア(CPU Mark)では7640HSが16%高いスコア(23222 vs 19959 31)、シングルスレッドレーティングでも7640HSがわずかに高いスコア(3672 vs 3590 31)を示しています。
  • 考察: 驚くべきことに、多くのベンチマークテスト、特にマルチコア性能において、前世代の7640HSが現行の8640HSを上回る結果を示しています 23。これは、8640HSが純粋な性能向上を目指したメジャーアップデートではなく、前世代の設計(Phoenix)をベースにしたリフレッシュ版(Hawk Point)であり、性能向上よりもRyzen AI NPUの機能強化(NPUクロック向上の示唆あり 23)や電力効率の最適化に重点を置いている可能性を示唆しています。したがって、8640HSは7640HSの直接的な性能後継というよりは、AI機能と効率性を強化した派生モデルと捉えるのが適切かもしれません。ユーザーが純粋なCPU処理能力の最大化を求める場合、旧モデルの7640HS搭載機の方がコストパフォーマンスに優れる可能性があります。一方で、最新のAI機能の活用やバッテリー寿命を重視する場合は、8640HSが適していると考えられます。この世代交代は、単なる性能向上ではなく、AIという新たな機能軸が加わったことを示しています。

ベンチマークスコアのばらつきとその要因

これまでの分析で見てきたように、同じRyzen 5 8640HSというプロセッサーであっても、報告されるベンチマークスコアにはしばしば顕著な差が見られます。例えば、Geekbench 6のマルチコアスコアは、情報源によって7865点から10826点まで大きな幅があります 20。このようなばらつきが生じる主な要因としては、以下の点が挙げられます。

  1. TDP設定: ノートPCメーカーがcTDP(20W~30W)をどの値に設定しているか 1
  2. 冷却性能: 搭載されているノートPCの冷却機構の設計と効率。冷却が不十分だとサーマルスロットリングが発生し、性能が低下します。
  3. メモリ: 搭載されているメモリの速度(DDR5-5600かLPDDR5x-7500か、またそのクロック設定)と容量、チャンネル構成(シングルかデュアルか)。特に内蔵GPU性能はメモリ帯域幅に大きく依存します 21
  4. ソフトウェア環境: OS(Windows 10/11)のバージョンや設定、インストールされているドライバ(特にチップセットドライバやグラフィックスドライバ)のバージョン。
  5. バックグラウンドプロセス: ベンチマーク実行中にバックグラウンドで動作している他のソフトウェアやサービス。
  6. 個体差: CPU自体のわずかな個体差。

これらの要因が複合的に作用するため、単一のベンチマークスコアだけを見てプロセッサーの絶対的な性能を判断することは困難であり、注意が必要です。特にノートPCにおいては、メーカーによる実装(冷却設計や電源供給の最適化)が実際のパフォーマンスに与える影響がデスクトップPC以上に大きくなります。したがって、ベンチマークスコアはあくまで性能の目安として捉え、購入を検討する際には、特定のノートPCモデルに関する詳細なレビュー(冷却性能や持続性能、実際の使用感など)を参考にすることが、より現実に即した性能評価につながります。「最高スコア」だけでなく、「平均的なスコア」や、場合によっては「最低スコア」も考慮に入れ、自身の期待値を調整することが推奨されます。

表2: Ryzen 5 8640HS vs Core Ultra 5 125H vs Ryzen 5 7640HS – CPUベンチマーク比較 (代表値)

ベンチマーク (スコア種別)AMD Ryzen 5 8640HSIntel Core Ultra 5 125HAMD Ryzen 5 7640HS出典例 (主に比較に使用)
Cinebench R23 (Multi-Core)1086011000130298
Cinebench R23 (Single-Core)1653164617158
Geekbench 6 (Multi-Core)999810242101938
Geekbench 6 (Single-Core)2399218424668
PassMark CPU Mark (Multi Overall)21222 (for-real)24203 (for-real)23222 (nanoreview)8
PassMark Single Thread Rating3585 (PassMark)N/A3672 (nanoreview)10
PCMark 10 (Overall)65776168N/A8
  • 注: スコアはテスト環境により変動します。太字は比較対象内で最も高いスコアを示します (N/Aを除く)。出典によりスコアが異なる場合があるため、代表的な値を記載しています。PassMarkの8640HSスコアはfor-real.jpとPassMark公式サイトの値を併記、7640HSはnanoreviewの値を使用。

4. 内蔵GPU (AMD Radeon 760M) 性能分析

概要

Ryzen 5 8640HSに統合されているGPU「AMD Radeon 760M」のグラフィックス性能を評価します。ここでは、業界標準の合成ベンチマークである3DMarkのスコアと、実際のゲームタイトルにおけるフレームレート測定結果を基に分析を行います。内蔵GPUの性能は、システムメモリの速度、容量、チャンネル構成(デュアルチャンネルが強く推奨される)、そしてAPUに割り当てられたTDP設定によって大きく左右されるため 21、ここでもテスト環境によるスコアの変動を考慮に入れる必要があります。

4.1. グラフィックステスト (3DMark Time Spy, Fire Strike, Night Raid, Wild Life)

3DMarkは、様々なグラフィックス負荷をシミュレートするテストスイートです。

  • 3DMark Time Spy (DirectX 12, 標準負荷): Radeon 760MのGraphics Scoreは、ノートPCでの実装例として2411点から2617点 36、あるいは2586点 12 といったスコアが報告されています。デスクトップ版APUであるRyzen 5 8600Gに搭載された同GPUでは2783点 37 というスコアもあり、冷却や電力供給に余裕がある環境ではより高い性能を発揮できる可能性を示しています。ノートPCでは概ね2500点前後が一つの目安となりそうです。
  • 3DMark Fire Strike (DirectX 11, 高負荷): Graphics Scoreは、for-real.jpのレビューでは6614点 8、Ryzen 5 7640HS搭載機でのレビューでは6265点 9、デスクトップ版のRyzen 5 8600G搭載構成では6976点 38 と報告されています。DirectX 11ベースのテストでは比較的高いスコアを出す傾向があるようです。
  • 3DMark Night Raid (DirectX 12, 軽量負荷): 内蔵GPUやエントリークラスGPU向けのテストで、for-real.jpのレビューでは24814点 8、デスクトップ版Ryzen 5 8600Gでは27512点 39 というスコアが記録されています。
  • 3DMark Wild Life (クロスプラットフォーム, Vulkan): スマートフォンなどとの比較も可能なテストで、for-real.jpのレビューでは13987点 8 となっています。
  • 3DMark Wild Life Extreme (高負荷版): Unlimitedスコアで4800点から4838点 36 が報告されています。
  • 3DMark Steel Nomad Light (最新DirectX 12, 中負荷): 新しいベンチマークで、Unlimitedスコアとして2286点から2288点 36 が報告されています。

これらのスコアから、Radeon 760Mは内蔵GPUとしては優れた性能を持っていることがわかります。特にDirectX 11 (Fire Strike) や比較的負荷の軽いDirectX 12 (Night Raid) において良好な結果を示しています。しかし、より負荷の高いDirectX 12テスト (Time Spy) や、特定のAPIを使用するテスト (Wild Life) では、後述する競合GPUに比べて見劣りする場面も見られます。

4.2. ゲーム性能: 主要タイトルにおけるフレームレート

合成ベンチマークスコアだけでなく、実際のゲームがどの程度プレイ可能かを見ていきます。解像度はフルHD(1920×1080)を想定し、設定は快適性を重視して調整されている場合が多い点に注意が必要です。

  • Apex Legends: 人気のバトルロイヤルゲーム。グラフィック設定を低めに調整すれば、フルHD解像度で平均60fps以上を維持してプレイできる可能性があります 9。AMDのフレーム生成技術AFMF(後述)を有効にすることで、見かけ上のフレームレートを大幅に向上させることも可能です(例: AFMF無効時159.9fps → AFMF 2有効時264.1fps 41)。ただし、AFMFは入力遅延を増加させる可能性があるため、競技性の高いプレイには注意が必要です 9。また、安定したフレームレートを得るためには、システムメモリの容量(32GB推奨)や速度、デュアルチャンネル構成が重要になると指摘されています 22
  • VALORANT: 比較的軽量なタクティカルシューター。高いフレームレートでのプレイが期待でき 42、フルHDの中~高設定でも100fps以上を安定して維持できる可能性があります 43。このゲームもメモリ構成の影響を受けやすいとされています 22
  • 原神 (Genshin Impact): 広大なオープンワールドRPG。ゲーム自体に60fpsの上限が設定されていますが 46、Radeon 760MであればフルHDの最高画質設定でも、ほぼ60fpsに張り付いた快適なプレイが可能です 9。AFMFを使用すれば、表示フレームレートを100fps以上に引き上げることも報告されています 41
  • ファイナルファンタジーXIV (FF14): MMORPGの定番。公式ベンチマーク「暁月のフィナーレ」において、フルHD解像度・標準品質(ノートPC設定)であれば、「快適」以上の評価を得られる性能が期待できます 9。高品質設定ではフレームレートが低下し、快適なプレイが難しくなる可能性があります 52。参考として、上位GPUのRadeon 780M (Ryzen 7 7840HS) では標準品質(デスクトップPC設定)で約8330点のスコアが出ており 51、760Mではこれよりやや低いスコアになると予想されます。
  • ドラゴンクエストX: 軽量なMMORPG。公式ベンチマークにおいて、フルHD・最高品質設定で「すごく快適」の評価、スコアは8954点と報告されており、全く問題なくプレイできます 7
  • その他AAAタイトル: サイバーパンク2077のようなグラフィックス負荷が非常に高い最新AAAタイトルでは、フルHD・最低設定にしても、AMD FSR(アップスケーリング技術)などを併用しない限り、平均60fpsを維持することは困難な場合が多いでしょう 40
  • フォートナイト: 設定次第ではフルHD・低設定で100fpsを超えるフレームレートでのプレイも可能です 40

AMD Fluid Motion Frames (AFMF): Radeon 700Mシリーズ(760M含む)で利用可能な機能で、対応するゲームにおいてドライバレベルでフレームを補間生成し、表示されるフレームレートを引き上げる技術です 9。これにより、GPU負荷が高くてフレームレートが伸び悩むゲームでも、より滑らかな映像表示を得られる可能性があります。ただし、生成されたフレームは実際のレンダリングに基づかないため、動きの激しいシーンでは映像の破綻(アーティファクト)が見られる場合があるほか、入力遅延が増加する傾向があるため、特に反応速度が重要なFPS/TPSゲームなどでの利用には向き不向きがあります 9

考察: Radeon 760Mは、VALORANTやApex Legendsといった人気のeスポーツタイトル、原神やFF14(標準品質)、ドラクエXのような比較的負荷の軽いRPGなどを、フルHD解像度で設定を調整すれば快適にプレイできる実力を持っています。しかし、グラフィックス要求の高い最新のAAAタイトルを高画質・高フレームレートで楽しむには性能が不足しています。AFMFは特定の状況下で有効な補助機能ですが、万能ではありません。

4.3. 性能比較: vs Intel Arc Graphics (Core Ultra 5 125H)

Intel Core Ultra 5 125Hに統合されているGPUは「Intel Arc Graphics」です(Xe-LPGアーキテクチャ、7 Xeコア)。Radeon 760Mとの性能比較を見てみましょう。

  • 3D Graphics Mark: このテストではRadeon 760Mが6065点と、Arc Graphicsの5507点を上回っています 8
  • 3DMark Fire Strike (Graphics Score): Arc Graphicsが7888点と、Radeon 760Mの6614点を上回っています 8
  • 3DMark Night Raid: Arc Graphicsが26164点と、Radeon 760Mの24814点を上回っています 8
  • 3DMark Wild Life: Arc Graphicsが23037点と、Radeon 760Mの13987点を大幅に上回っています 8
  • ゲーム (ドラゴンクエストX ベンチマーク): Arc Graphicsが17314点と、Radeon 760Mの8954点をダブルスコア近く引き離して圧勝しています 8

考察: 合成ベンチマークや一部のゲーム(特にドラクエXやWild Life)においては、Core Ultra 5 125Hに統合されたIntel Arc Graphicsが、Ryzen 5 8640HSのRadeon 760Mを上回る性能を示しています 8。しかし、3D Graphics MarkのようにRadeon 760Mが優位なテストも存在します。Intel Arc Graphicsは比較的新しいアーキテクチャであり、ドライバの成熟度やゲームタイトルとの相性によって性能が変動する可能性がRadeonよりも大きいと考えられます。現時点では、テストによって優劣が分かれる状況であり、一概にどちらが常に優れているとは言えません。ユーザーがプレイしたいゲームや使用するアプリケーションとの相性を考慮する必要があります。

Radeon 760Mの位置づけ

Radeon 760Mのベンチマークスコア 8 や実際のゲームにおけるフレームレート 8 を総合的に見ると、これは内蔵GPUとしては非常に高性能な部類に入ります。特に、AMDの前世代Vegaグラフィックスや、Intelの旧世代UHD Graphics / Iris Xe Graphicsと比較すると、その性能向上は目覚ましいものがあります。これにより、従来はエントリークラスのディスクリートGPU(dGPU)が必要だったような、比較的軽い3Dゲームのプレイや、簡単な動画編集といったタスクが、内蔵GPUのみで実用的にこなせるようになりました。

しかしながら、その性能は依然としてエントリークラスのdGPU、例えばNVIDIA GeForce GTX 1650 Max-Q 8 や、それ以降の世代のdGPUには及びません。最新のAAAタイトルを高画質設定で快適にプレイするには、明らかに力不足です。

したがって、Ryzen 5 8640HS(Radeon 760M)を搭載したノートPCは、「高いCPU性能を持ち、軽いゲームもそこそこ楽しめる高性能な汎用ノートPC」と位置づけるのが最も適切です。これを「ゲーミングノートPC」として捉え、本格的なゲームプレイ体験を期待すると、多くの場面でグラフィック設定の大幅な妥協を強いられたり、目標とするフレームレートに届かなかったりする可能性があります。ユーザーは、自身が求めるゲーム体験のレベルと、Radeon 760Mの性能的な限界を正しく理解した上で、製品を選択する必要があります。もし、より高度なゲームプレイを望むのであれば、dGPUを搭載したモデルを検討すべきでしょう。

表3: Radeon 760M vs Intel Arc Graphics (Core Ultra 5 125H) – GPUベンチマーク比較 (代表値)

ベンチマーク (スコア種別)AMD Radeon 760M (Ryzen 5 8640HS)Intel Arc Graphics (Core Ultra 5 125H)出典 (主にfor-real.jp)
3D Graphics Mark606555078
3DMark Fire Strike (Graphics)661478888
3DMark Night Raid (Overall)24814261648
3DMark Wild Life (Overall)13987230378
3DMark Time Spy (Graphics, 参考)~2500-2600~2800-3000 (推定)12
  • 注: スコアはテスト環境により変動します。太字は比較対象内で高いスコアを示します。Time SpyのArcスコアは直接的な比較データが見当たらなかったため推定値。

表4: Radeon 760M – 主要ゲーム フレームレート目安 (フルHD解像度)

ゲームタイトル推奨設定期待される平均FPS備考 (出典例)
Apex Legends低~中60 fps 以上設定調整、メモリ重要 9
VALORANT中~高100 fps 以上軽量、メモリ重要 22
原神 (Genshin Impact)最高60 fps (上限)ほぼ上限張り付き可能 9
FF14 (暁月のフィナーレ)標準(ノート)60 fps 前後「快適」評価以上期待 9
ドラゴンクエストX最高60 fps 以上「すごく快適」評価 (ベンチスコア 8954) 7
フォートナイト100 fps 前後設定次第で高FPS可能 40
AAAタイトル (例: Cyberpunk)低 (FSR併用)30-40 fps 程度快適プレイは困難 40
  • 注: フレームレートは搭載されるノートPCのTDP設定、メモリ構成(速度、容量、デュアルチャンネル必須)、ドライババージョン、ゲーム内のシーンによって大きく変動します。上記はあくまで一般的な目安です。AFMF有効化により表示FPSは向上する場合がありますが、入力遅延等に注意が必要です。

5. 実利用シナリオにおける評価と考察

概要

ベンチマークスコアはプロセッサーの潜在能力を示す重要な指標ですが、実際のユーザー体験はそれだけでは決まりません。ここでは、Ryzen 5 8640HSを搭載したノートPCの実機レビュー記事から、日常的な作業、クリエイティブなタスク、ゲームプレイ体験(フレームレート以外の側面)、そしてノートPCとして不可欠な要素である熱管理やバッテリー持続時間に関する評価を抽出し、このAPUの実用性を多角的に考察します。

5.1. 日常・ビジネス用途 (Web閲覧、Office作業)

Ryzen 5 8640HSは、日常的なコンピューティングタスクにおいて非常に優れたパフォーマンスを発揮します。PCMark 10のEssentials(アプリ起動、Web閲覧、ビデオ会議)スコアが10622点、Productivity(文書作成、表計算)スコアが9349点と非常に高いことからも裏付けられるように 8、Webブラウジング、メールの送受信、Microsoft Officeスイート(Word, Excel, PowerPointなど)を用いた資料作成といった一般的な作業は極めて快適にこなせます 33。特に、PassMarkで示された高いシングルスレッド性能 10 は、OSやアプリケーションの応答性の良さに直結し、キビキビとした操作感をもたらします。複数のアプリケーションを同時に起動して作業するようなマルチタスク環境においても、6コア12スレッドの処理能力によりスムーズな動作が期待でき 9、「ビジネス用途でストレスを感じることはほぼ無い」レベルと評価されています 33。HP Envy x360のような搭載製品レビューでも、ビジネスシーンでの活躍が強調されています 53

5.2. クリエイティブ用途 (写真編集、軽度な動画編集)

クリエイティブなタスクに関しては、その内容によって評価が分かれます。PCMark 10のDigital Content Creationスコアが7777点と比較的高いため 8、Adobe LightroomやPhotoshopを用いた写真編集、あるいはフルHD解像度程度の比較的単純な動画編集であれば、実用的な速度でこなせるレベルにあります 7。レビューでも、軽い動画編集や写真編集なら問題なくこなせるとの評価が見られます 53

しかし、より負荷の高い作業、例えば高解像度のRAW写真の現像処理を多数行う場合や、複雑なエフェクト、カラーグレーディングを多用する4K動画編集などでは、性能的な限界が見えてきます。CPUのコア数(6コア)や、システムメモリの容量(レビューによっては16GBでは不足気味との指摘あり 9)がボトルネックとなり、処理に時間がかかったり、プレビューがカクついたりする可能性があります 9。本格的なプロフェッショナルレベルのクリエイティブワークには、より多くのコアを持つCPUや、高性能なディスクリートGPUを搭載したマシンが依然として推奨されます。しかし、「趣味の範囲で写真や動画を楽しみたい」「簡単なコンテンツ作成を行いたい」といったニーズに対しては、Ryzen 5 8640HSは十分に対応できる、バランスの取れた性能を持っていると言えるでしょう 53

5.3. ゲーミング体験 (フレームレート以外の要素)

第4節で見たフレームレート性能に加え、ゲームプレイ全体の質も重要です。Radeon 760Mは、グラフィック設定を適切に調整すれば、多くの人気タイトルをプレイ可能なレベルで動作させます。特に、VALORANTやApex Legendsのようなeスポーツタイトル、あるいは原神のような比較的負荷の軽いゲームでは、ノートPC側のディスプレイが高リフレッシュレート(例:165Hz 35)に対応していれば、その滑らかな描画の恩恵を受けることができます。

ただし、CPU負荷が極端に高くなるシーンや、メモリ帯域がボトルネックとなる状況では、フレームレートが不安定になる可能性も指摘されています 9。また、AMD Fluid Motion Frames (AFMF) は、対応ゲームにおいてフレームレートを補間し、見た目の滑らかさを向上させる魅力的な技術ですが 9、生成されたフレームは実際のレンダリングではないため、動きの速い映像では不自然さ(アーティファクト)が生じたり、入力に対する反応が遅れる(入力遅延の増加)といった副作用もあります。このため、特に反応速度が勝敗を左右するような競技性の高いFPS/TPSゲームには不向きな場合があり、利用シーンを選ぶ機能と言えます 9

5.4. ノートPCでの搭載時の熱・消費電力

ノートPCにとって、性能と同じくらい重要なのが熱管理とバッテリー持続時間です。Ryzen 5 8640HSは、この点で優れた特性を示しています。

  • 熱管理: Lenovo Yoga 7 2-in-1 Gen 9 7 や HP Envy x360 14 53 といった薄型ノートPCに搭載された際のレビューを見ると、ベンチマークテストのような高負荷がかかる状況でも、CPU温度は概ね70℃台に抑えられており、過度な発熱を起こすことなく安定して動作していると評価されています 7。これは、4nmプロセスによる効率改善と、ノートPCメーカーによる適切な冷却設計の組み合わせによるものと考えられます。HP Smart Senseのような、AIを活用して利用パターンを学習し、温度、ファンノイズ、パフォーマンスを最適化する機能 13 も、良好な熱管理に貢献している可能性があります。ただし、どのようなノートPCでも、非常に長時間の連続した高負荷状態では、TDP制限やサーマルスロットリングにより、一時的にパフォーマンスが抑制される可能性は考慮しておく必要があります 55
  • 消費電力とバッテリー: Ryzen 8000シリーズ全体として電力効率の改善が図られており 56、Ryzen 5 8640HSもその恩恵を受けています。比較的低いTDP(20-30W)で高いパフォーマンスを発揮できるため 1、バッテリー駆動時間の面でも有利です。実機レビューでは、Lenovo Yoga 7 Gen 9(71Whrバッテリー搭載)で最大約11.8時間(動画再生時、JEITA 3.0測定基準)7、HP Envy x360ではモデルにより最大14時間半駆動といった記載 13 も見られ、搭載ノートPCは総じて良好なバッテリー持続時間を示す傾向にあります 7。後述するNPUによるAI処理のオフロードなども、特定のタスクにおける省電力化に寄与している可能性があります 24

AI機能の実用性と将来性

Ryzen 5 8640HSにおける「Ryzen AI」 NPUの搭載は、AMDが強くアピールしているポイントです 1。このAI専用エンジンの実用性は、現時点と将来の両面から評価する必要があります。

現時点での具体的な活用例としては、Windows Studio Effectsが挙げられます 24。これは、Microsoft TeamsなどのWeb会議ツールにおいて、背景のぼかし、自動的な人物フレーミング、視線補正といった処理を、CPUやGPUに大きな負荷をかけることなくNPUで実行する機能です。これにより、これらの機能を多用する場合でも、PC全体の応答性が低下したり、バッテリー消費が激しくなったりするのを防ぐ効果が期待できます。Web会議を頻繁に行うユーザーにとっては、すぐに体感できるメリットと言えるでしょう。また、HP Smart Sense 13 のように、PCメーカーが独自の機能(パフォーマンスや電力の最適化など)にNPUを活用している可能性もあります。

しかし、NPUの持つポテンシャル(最大16 TOPSの処理能力)を最大限に引き出すには、NPUの利用に対応したアプリケーションソフトウェアの普及が不可欠です。AMDは開発者向けにRyzen AI Softwareを提供し 4、NPUを活用したソフトウェア開発を後押ししていますが、現状では対応アプリケーションはまだ限定的です。将来的には、画像生成AI、高度なノイズキャンセリング、リアルタイム翻訳、データ分析支援など、様々なタスクがローカルのNPUで効率的に実行されるようになる可能性があります。そうなれば、Ryzen 5 8640HSのようなNPU搭載プロセッサーは大きなアドバンテージを持つことになります。

現時点では、NPU搭載の価値は、Windows Studio Effectsのような特定の機能における直接的なメリットと、「将来のAIアプリケーションへの対応」という投資的な側面が大きいと言えます。ユーザーは、自身の現在の利用シナリオと、将来のソフトウェアエコシステムの発展への期待度を考慮して、NPU搭載の価値を評価する必要があります。

6. 総括: AMD Ryzen 5 8640HS の評価

性能特性

AMD Ryzen 5 8640HSは、最新のZen 4アーキテクチャを採用した6コア12スレッドのCPUコア、RDNA 3アーキテクチャに基づくRadeon 760M GPUコア、そして専用のAIエンジンであるRyzen AI NPUを一つのダイに統合した、非常にバランスの取れたAPUです。PassMarkやGeekbenchで示されるように、シングルスレッド性能は特筆すべきレベルにあり、OSやアプリケーションの応答性に優れ、日常的なタスクやOffice作業では極めて快適な動作を提供します。マルチスレッド性能も6コアCPUとして良好ですが、一部のベンチマークテストや特定の負荷状況においては、直接的な競合製品であるIntel Core Ultra 5 125Hや、場合によっては前世代のRyzen 5 7640HSにわずかに及ばない場面も見られました 8

グラフィックス性能

内蔵されているRadeon 760M GPUは、統合グラフィックスとしては優れた3D描画性能を持っています。VALORANT、Apex Legends、原神といった人気の軽量級ゲームやeスポーツタイトルであれば、フルHD解像度でグラフィック設定を調整することにより、十分に楽しむことが可能です。しかし、その性能は依然としてエントリークラスのディスクリートGPUには及ばず、最新のAAAタイトルを高画質設定で快適にプレイするには力不足です。また、競合するIntel Arc Graphicsと比較した場合、テストによって優劣が分かれる状況であり、常にRadeon 760Mが優位というわけではありません 8

強み

  • 高いシングルスレッド性能: アプリケーションの起動やWebブラウジングなど、体感速度に直結する応答性が良好です。
  • 優れた電力効率: TSMC 4nmプロセスと最適化されたアーキテクチャにより、比較的低い消費電力で高い性能を発揮します 33。これはノートPCのバッテリー持続時間の向上に貢献します 7
  • Ryzen AI NPU搭載: Windows Studio Effectsのような特定のAI機能を低消費電力で実行できるほか、将来的なAIアプリケーションへの対応という点でアドバンテージがあります 24
  • 汎用性: CPU性能とGPU性能のバランスが良く、ビジネス用途から軽度なクリエイティブ作業、カジュアルなゲームまで、幅広い用途に一台で対応できる汎用性の高さを持っています。

弱み

  • マルチコア性能: 一部のベンチマークにおいて、前世代のRyzen 5 7640HSに劣る結果が見られることがあります 23。これは、8640HSが性能向上よりもAI機能や効率性に重点を置いたリフレッシュモデルである可能性を示唆しています。
  • GPU性能の限界: 内蔵GPUとしては高性能ですが、本格的なゲーミングやヘビーな3Dレンダリングには性能が不足しています。

理想的な用途

Ryzen 5 8640HSは、高性能でありながら薄型軽量なノートPCを求めるユーザーにとって、非常に魅力的な選択肢となります。主な用途として、日常的な作業(Web閲覧、メール、SNS)、Officeスイートを用いたビジネス文書作成、オンライン会議などは極めて快適に行えます。それに加えて、趣味レベルの写真編集や簡単な動画編集、そしてVALORANT、原神、FF14(標準設定)といった比較的負荷の軽いゲームも楽しみたい、という欲張りなニーズに応えることができます。また、最新のAI機能に関心がある、あるいは将来的なソフトウェアの進化に期待するユーザーにとっても適しています。

総合評価

AMD Ryzen 5 8640HSは、CPU性能、グラフィックス性能、電力効率、そしてAI機能という現代のノートPCに求められる要素を高次元でバランスさせた、メインストリーム市場向けの非常に競争力のあるAPUです。純粋なピークパフォーマンスでは他の選択肢にわずかに譲る場面もありますが、実用的な処理能力と優れた効率性を両立しており、多様なニーズを持つ多くのユーザーにとって満足度の高いコンピューティング体験を提供するでしょう。ただし、その性能を最大限に引き出すためには、搭載されるノートPC自体の品質、特に冷却設計、メーカーによるTDP設定、そして搭載されているメモリの構成(速度、容量、デュアルチャンネル)が重要となります。購入を検討する際には、APUのスペックだけでなく、これらのノートPC側の要素にも注意を払い、信頼できるレビュー情報を参考にすることが、期待通りの性能と体験を得る上で不可欠です。

引用文献

  1. AMD Ryzen™ 5 8640HS, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.amd.com/ja/products/processors/laptop/ryzen/8000-series/amd-ryzen-5-8640hs.html
  2. AMD Ryzen™ 5 PRO 8640HS, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.amd.com/ja/products/processors/laptop/ryzen-pro/8000-series/amd-ryzen-5-pro-8640hs.html
  3. これが噂のCopilotキー搭載PCか……しかもAI対応Ryzen採用で8万円台だと!? – PC Watch, 4月 13, 2025にアクセス、 https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/special/1583376.html
  4. AMD、AI PCを実現する「Ryzen 8040」シリーズ発表 – PC Watch – インプレス, 4月 13, 2025にアクセス、 https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1552464.html
  5. AI対応でCore Ultraよりも高いパフォーマンスをアピール! 企業PC向け「Ryzen PRO 8000シリーズ」登場(2/3 ページ) – ITmedia PC USER, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/2404/16/news154_2.html
  6. AMDがモバイル向け「Ryzen 8040シリーズ」をリリース Ryzen AIのパフォーマンスを改善(非対応モデルもあり) – ITmedia PC USER, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/2312/07/news093.html
  7. Lenovo Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14型AMDの実機購入レビュー …, 4月 13, 2025にアクセス、 https://for-real.jp/lenovo-yoga-7-2-in-1-gen-9-amd-14-review/
  8. Core Ultra 5 125HとRyzen 5 8640HS どっちが良い?ベンチマーク …, 4月 13, 2025にアクセス、 https://for-real.jp/comparison-core-ultra-5-125h-ryzen-5-8640hs/
  9. MINISFORUM UM760 Slimレビュー:5万円台で「Ryzen 5 7640HS …, 4月 13, 2025にアクセス、 https://chimolog.co/um760-slim/
  10. AMD Ryzen 5 8640HS – CPU Benchmarks, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.cpubenchmark.net/cpu.php?cpu=AMD+Ryzen+5+8640HS&id=6079
  11. AMD Radeon 760M (desktop) レビュー – Benchmarks – UL Solutions, 4月 13, 2025にアクセス、 https://benchmarks.ul.com/jp/hardware/gpu/AMD+Radeon+760M+(desktop)/review
  12. AMD Radeon 760M video card benchmark result – AMD Ryzen 5 7640HS,HONOR FRI-HXXB-PCB – 3DMark.com, 4月 13, 2025にアクセス、 http://www.3dmark.com/spy/49930381
  13. HP Envy x360 14-fa(AMD) 製品詳細 | 日本HP, 4月 13, 2025にアクセス、 https://jp.ext.hp.com/notebooks/personal/envy_x360_14_fa/
  14. AMD Ryzen 5 8640HS Processor – Benchmarks and Specs – NotebookCheck.net Tech, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.notebookcheck.net/AMD-Ryzen-5-8640HS-Processor-Benchmarks-and-Specs.780987.0.html
  15. AMD Ryzen 5 8640HS: benchmarks and specs | NR – NanoReview, 4月 13, 2025にアクセス、 https://nanoreview.net/en/cpu/amd-ryzen-5-8640hs
  16. 【Hothotレビュー】ついにデスクトップにも到来!待望の高性能APU「Ryzen 8000G」をテスト, 4月 13, 2025にアクセス、 https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hothot/1564587.html
  17. ビデオカードなしで「FFXIV: 黄金のレガシー」の60fps超えが狙える!? 「AMD Ryzen 5 8600G」の実力を見た! (1/4) – ASCII.jp, 4月 13, 2025にアクセス、 https://ascii.jp/elem/000/004/217/4217633/
  18. NVIDIA GeForce GTX 1660 Super (Desktop) vs AMD Radeon 760M vs NVIDIA GeForce GTX 1650 Ti Max-Q – Notebookcheck, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.notebookcheck.net/GeForce-GTX-1660-Super-Desktop-vs-Radeon-760M-vs-GeForce-GTX-1650-Ti-Max-Q_9970_11566_10309.247598.0.html
  19. AMD Ryzen 5 8640HS – 仕様、テスト、比較、およびノートパソコンのオファー | LaptopMedia 日本, 4月 13, 2025にアクセス、 https://laptopmedia.com/jp/processor/amd-ryzen-5-8640hs/
  20. AMD Ryzen 5 8640HS – Specs, Benchmark Tests, Comparisons, and Laptop Offers, 4月 13, 2025にアクセス、 https://laptopmedia.com/processor/amd-ryzen-5-8640hs/
  21. Ryzen 5 7640HS / RX 760Mレビュー – Toolify.ai, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.toolify.ai/ja/hardwarejp/ryzen-5-7640hs-rx-760m-2878799
  22. Is AMD RADEON GRAPHICS good for valaorant I’m aiming for 80 FPS – Reddit, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.reddit.com/r/GamingLaptop/comments/1i9kvoe/is_amd_radeon_graphics_good_for_valaorant_im/
  23. AMD Ryzen 5 7640HS vs AMD Ryzen 5 8640HS … – Notebookcheck, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.notebookcheck.net/R5-7640HS-vs-R5-8640HS-vs-R7-8840HS_14950_16411_16413.247596.0.html
  24. 日本HP、Core Ultra/Ryzen 8000搭載でOLEDも選べる14型/16型2in1 – PC Watch, 4月 13, 2025にアクセス、 https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1579644.html
  25. 「Inspiron」に統合されたデルの法人向けPCブランドは安心して選べる? コスパに優れるRyzenモデルの実力を検証 – ITmedia, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/2407/12/news004.html
  26. 新大学生・新社会人にお伝えしたい「パソコンを買う前に知っておきたい基礎知識」 – ケータイ Watch, 4月 13, 2025にアクセス、 https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/review/1574531.html
  27. AMD Ryzen 5 PRO 8640HS – CPU Benchmarks, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.cpubenchmark.net/cpu.php?cpu=AMD+Ryzen+5+PRO+8640HS&id=6094
  28. AMD Ryzen 5 8645HS vs Ryzen 5 8640HS: performance comparison – NanoReview, 4月 13, 2025にアクセス、 https://nanoreview.net/en/cpu-compare/amd-ryzen-5-8645hs-vs-amd-ryzen-5-8640hs
  29. Core Ultra 5 226Vのベンチマーク – the比較, 4月 13, 2025にアクセス、 https://org.thehikaku.net/pc/other/CoreUltra5-226V.html
  30. AMD Ryzen 5 8640HS: Datasheet and benchmarks – Rankbench, 4月 13, 2025にアクセス、 https://rankbench.com/cpus/amd-ryzen-5-8640hs
  31. AMD Ryzen 5 8640HS vs Ryzen 5 7640HS: performance comparison – NanoReview, 4月 13, 2025にアクセス、 https://nanoreview.net/en/cpu-compare/amd-ryzen-5-8640hs-vs-amd-ryzen-5-7640hs
  32. AMD Ryzen 8040HS Hawk Point CPU benchmarks show modest gains — Phoenix reborn to fight Intel Meteor Lake | Tom’s Hardware, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.tomshardware.com/news/amd-ryzen-8040hs-hawk-point-cpu-benchmarks
  33. AMD Ryzen 5 8640HSのベンチマーク – パソコンガイド, 4月 13, 2025にアクセス、 https://for-real.jp/amd-ryzen-5-8640hs-benchmarks/
  34. Intel Core Ultra 5 125H vs AMD Ryzen 5 8645HS: performance comparison – NanoReview, 4月 13, 2025にアクセス、 https://nanoreview.net/en/cpu-compare/intel-core-ultra-5-125h-vs-amd-ryzen-5-8645hs
  35. 12万円からのRyzen搭載ゲーミングノート「デル G15」、実はAIにも対応しています。配信や切り抜き動画の編集もAIで高速化! – PC Watch[Sponsored], 4月 13, 2025にアクセス、 https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/special/1580126.html
  36. AMD Radeon 760M – スペック、テスト、比較、ノートPCのオファー | LaptopMedia 日本, 4月 13, 2025にアクセス、 https://laptopmedia.com/jp/video-card/amd-radeon-760m/
  37. Score 3 094 with AMD Radeon 760M (desktop)(1x) and AMD Ryzen 5 8600G – 3DMark.com, 4月 13, 2025にアクセス、 http://www.3dmark.com/spy/46134403
  38. 【2025最新】GPU(グラフィックボード)性能比較~3Dベンチマークについて – パソコン工房, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.pc-koubou.jp/pc/benchmark.php
  39. AMD Radeon 760M (desktop) video card benchmark result – AMD Ryzen 5 8600G,ASUSTeK COMPUTER INC. TUF GAMING B650M-E – 3DMark.com, 4月 13, 2025にアクセス、 http://www.3dmark.com/nr/1173016
  40. グラボなしでPCゲームはできる?実際に検証してみた。 – モガラボ, 4月 13, 2025にアクセス、 https://mogalabo-gaming.jp/no-gpu-game/
  41. フレームレート倍増「AFMF 2」を検証:入力遅延と平均フレームレートをテスト | ちもろぐ, 4月 13, 2025にアクセス、 https://chimolog.co/radeon-afmf-2/
  42. 【240fps】VALORANTのお勧めPC:複数グラボでスペック検証と性能比較 – クロックアップコア, 4月 13, 2025にアクセス、 https://clockupcore.com/valorant/
  43. Valorant – Ryzen 5 8600G with Radeon 760M & 32GB RAM – YouTube, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.youtube.com/watch?v=d3ZnOjx-MQM
  44. Ryzen 5 8600G with AMD Radeon 760M : Test in 40 Games – YouTube, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.youtube.com/watch?v=iJO49qlrbZ4&pp=0gcJCfcAhR29_xXO
  45. Getting low fps than other benchmarks on the Radeon 760M : r/pcmasterrace – Reddit, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.reddit.com/r/pcmasterrace/comments/1gqy3rq/getting_low_fps_than_other_benchmarks_on_the/
  46. 【実測】原神をウルトラワイドで必要なグラボは?お勧めPCも紹介 – クロックアップコア, 4月 13, 2025にアクセス、 https://clockupcore.com/ultrawide/genshinbtopc/
  47. 原神の推奨スペックは? おすすめのゲーミングPC9選も紹介 | PicoGame, 4月 13, 2025にアクセス、 https://pico.inc/game/genshin-gamingpc/
  48. 「2024年版」後悔しないミニPCの選び方|ゆあ – note, 4月 13, 2025にアクセス、 https://note.com/you21979/n/n4c97f2da1441
  49. AFMF 2とDLSSのフレーム生成は併用できるのか?最新のゲームタイトルで検証してみた, 4月 13, 2025にアクセス、 https://zack-it.com/gaming-frame-generation-afmf2-dlss-combination-test/2/
  50. ミドルスペックでも200fps越え!モンハンワイルズBetaの各設定項目ごとにフレームレート検証してみた その2 – ZACK IT, 4月 13, 2025にアクセス、 https://zack-it.com/mhwilds-pc-steam-play-8600g-rtx4060-200fps-try/
  51. MINISFORUM UM780 XTXレビュー:最強の内蔵GPU「Radeon 780M」を搭載 | ちもろぐ, 4月 13, 2025にアクセス、 https://chimolog.co/bto-um780-xtx/
  52. Lewenhart Reed 日記「PC設定まとめ(GeForce 760)」 | FINAL FANTASY XIV, The Lodestone, 4月 13, 2025にアクセス、 https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/3705941/blog/392686
  53. HP Envy x360 14-fa(AMD)【2024年モデル】レビュー! – note, 4月 13, 2025にアクセス、 https://note.com/juku_support/n/n540afe4b6e8e
  54. HP Envy x360 14-fa 実機レビュー Intel版とAMD版の違いも徹底解説! – note, 4月 13, 2025にアクセス、 https://note.com/juku_support/n/n546ae141f057
  55. Lenovo Yoga 7 2-in-1 Gen 9 (14 AMD)レビュー – 日常使いに最適なトランスフォーマー, 4月 13, 2025にアクセス、 https://laptopmedia.com/jp/review/lenovo-yoga-7-2-in-1-gen-9-14-amd-review-a-solid-transformer-for-everyday-use/
  56. Ryzen 8000シリーズ搭載ノートパソコン, 4月 13, 2025にアクセス、 https://for-real.jp/pc/ryzen-8000-series-laptops/
  57. プロセッサの仕様 – AMD, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.amd.com/ja/products/specifications/processors.html
  58. 【本日みつけたお買い得品】360度回るRyzen 5 8640HS搭載2in1が約3万6千円引き – PC Watch, 4月 13, 2025にアクセス、 https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/todays_sales/1597824.html
  59. Core Ultra 5 125HとRyzen 5 8640HS どっちが良い?ベンチマークの比較 – YouTube, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.youtube.com/watch?v=FsLD8BG7Ndw&pp=0gcJCfcAhR29_xXO
  60. おすすめなグラフィックボード5選:グラボ40枚もってる筆者が解説 | ちもろぐ, 4月 13, 2025にアクセス、 https://chimolog.co/bto-best-gpu/
  61. Radeon 760M – Price performance comparison – Video Card Benchmarks, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.videocardbenchmark.net/gpu.php?id=4902&gpu=Radeon+760M
  62. AMD Ryzen 5 8640HS vs Ryzen 5 7640HS [cpubenchmark.net] by PassMark Software, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.cpubenchmark.net/compare/6079vs5594/AMD-Ryzen-5-8640HS-vs-AMD-Ryzen-5-7640HS
  63. AMD Radeon 760M (desktop) レビュー – UL Benchmarks, 4月 13, 2025にアクセス、 https://benchmarks.ul.com/jp/hardware/gpu/AMD+Radeon+760M+(desktop)
  64. AMD Ryzen 7 8840HS vs Ryzen 5 8640HS: performance comparison – NanoReview, 4月 13, 2025にアクセス、 https://nanoreview.net/en/cpu-compare/amd-ryzen-7-8840hs-vs-amd-ryzen-5-8640hs
  65. AMD Ryzen 9 8945HS vs AMD Ryzen 5 8640HS – Notebookcheck, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.notebookcheck.com/R9-8945HS-vs-R5-8640HS_16397_16411.247552.0.html
  66. AMD Ryzen 5 8640HS vs AMD Ryzen 5 7640HS – Notebookcheck, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.notebookcheck.net/R5-8640HS-vs-R5-7640HS_16411_14950.247596.0.html
  67. AMD Radeon 760M vs NVIDIA GeForce RTX 4050 Laptop GPU – Notebookcheck, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.notebookcheck.net/Radeon-760M-vs-NVIDIA-GeForce-RTX-4050-Laptop-GPU_11566_11457.247598.0.html
  68. Processor Benchmarks – Geekbench Browser, 4月 13, 2025にアクセス、 https://browser.geekbench.com/processor-benchmarks
  69. AMD Ryzen 5 8640HS Benchmarks – Geekbench Browser, 4月 13, 2025にアクセス、 https://browser.geekbench.com/processors/amd-ryzen-5-8640hs
  70. AMD Ryzen 5 8640HS vs INTEL Core Ultra 5 125H Technical Comparison – YouTube, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.youtube.com/watch?v=y2fGly9OI94
  71. AMD Ryzen 5 7640HS vs AMD Ryzen 5 8640HS Technical Comparison – YouTube, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.youtube.com/watch?v=0LoSjs9NAys
  72. Lenovo Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14型AMDの購入レビュー!Ryzen 5 8640HSモデルでも動画編集もサクサクできちゃう2 in 1 PC – YouTube, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.youtube.com/watch?v=brdCdUGzYgA
  73. Ryzen 5 8600G with AMD Radeon 760M : Test in 40 Games – YouTube, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.youtube.com/watch?v=iJO49qlrbZ4
  74. Radeon 760M: Alan Wake 2, Apex Legends, Baldur’s Gate 3, Call of Duty: Warzone, Counter-Strike 2 – YouTube, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.youtube.com/watch?v=I-UI9B_eJR0
  75. 「Core i」と「Ryzen」の違いを徹底比較!各CPUが適している作業・業務は何か? – ドスパラプラス, 4月 13, 2025にアクセス、 https://dosparaplus.com/library/details/000629.html
  76. ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマークスコア | パソコン工房【公式通販】, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.pc-koubou.jp/pc/ff14bench.php
  77. CPU-Z Benchmark for AMD Ryzen 5 8640HS w/ (1T), 4月 13, 2025にアクセス、 http://valid.x86.fr/bench/t7w42a
  78. グラボなしの低予算でゲームができる!?コスパ強めなAMD RYZEN 5 8600Gの性能を各種ベンチマークで徹底検証してみた! – ZACK IT, 4月 13, 2025にアクセス、 https://zack-it.com/amd-ryzen-5-8600g-review/
  79. Ryzen搭載のBTOゲーミングPCでおすすめ7選【2025年4月】 – こまたろPC, 4月 13, 2025にアクセス、 https://jiyunagomataro.com/pc_smartphone/ryzengamingpc/
  80. 『FragPunk』推奨スペックまとめとおすすめゲーミングPC できるだけ高フレームレートを狙おう!, 4月 13, 2025にアクセス、 https://jtgkn.xsrv.jp/fragpunk/
  81. Apex Legendsの推奨スペック・おすすめゲーミングPC5選!10万円台のPCでも十分!, 4月 13, 2025にアクセス、 https://gamepc-lab.jp/apex-suisyo/
  82. Supercharger Turbo 日記「WindowsとかMacの(内蔵含む)GPU比較」 | FINAL FANTASY XIV, The Lodestone, 4月 13, 2025にアクセス、 https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/3626474/blog/5415118/
  83. Question about iGPU performance : r/Genshin_Impact – Reddit, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.reddit.com/r/Genshin_Impact/comments/1eazkdh/question_about_igpu_performance/
  84. AMDのRyzenシリーズはIntelのCPUとは何が違うの?おすすめはどれ? – NEC・Lavie, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.nec-lavie.jp/products/contents/ryzen_pc.html
タイトルとURLをコピーしました