AMD Ryzen 5 PRO 8640HS ベンチマークまとめ

CPU-AMD-Ryzen CPU・SoC

1. はじめに

1.1. 目的

本レポートは、AMD Ryzen 5 PRO 8640HSプロセッサに関して、その公式仕様、ベンチマークテストに基づく性能評価、主要な競合製品との比較分析、実際の利用シーンにおける実用性、消費電力とバッテリー持続時間、そしてビジネス利用におけるAMD PROテクノロジーの利点について、主に日本語のWebサイトから収集した情報を基に詳細に分析します。これにより、当該プロセッサの技術的特性、長所と短所、そして市場における位置づけを明確にすることを目的とします。

1.2. 背景

AMD Ryzen 8000シリーズ(開発コードネーム: Hawk Point)の一員として市場に投入されたRyzen 5 PRO 8640HSは、特にビジネス向けノートPC市場を主要ターゲットとして設計されたプロセッサです 1。このプロセッサは、AMDの最新CPUアーキテクチャである「Zen 4」、グラフィックス処理用の「RDNA 3」ベースの内蔵GPU、AI処理を高速化する「Ryzen AI」エンジン、そして企業利用に特化したセキュリティおよび管理機能群である「AMD PROテクノロジー」を統合しています 1。これらの技術的特徴により、性能、電力効率、そしてセキュリティのバランスがどのように実現されているかが、市場からの注目を集めています。本レポートでは、これらの要素を深く掘り下げ、Ryzen 5 PRO 8640HSの総合的な評価を提供します。

1.3. スコープ

本レポートの分析対象はAMD Ryzen 5 PRO 8640HSに限定し、提供されたリサーチマテリアル 6 に基づいて評価を行います。特に、日本語で公開されているテクノロジーレビューサイト、技術情報サイト、および公式情報を重視し、分析の根拠とします。

2. AMD Ryzen 5 PRO 8640HS: 公式仕様とアーキテクチャ

2.1. 概要

AMD Ryzen 5 PRO 8640HSは、AMDが展開するビジネス向けプロセッサ製品群「Ryzen PRO 8000 Series」に属するモデルです 1。製造プロセスにはTSMC社の4nm FinFET技術が採用されており、Zen 4アーキテクチャに基づくCPUコア、RDNA 3アーキテクチャに基づくGPUコア(Radeon 760M)、そして専用のAI処理ユニット(NPU)であるRyzen AIを一つのダイに統合したAPU(Accelerated Processing Unit)として構成されています 1。開発コードネームは「Hawk Point」として知られています 1

2.2. CPU仕様

Ryzen 5 PRO 8640HSのCPU部分は、6個の物理コアを持ち、それぞれが2つのスレッドを同時に処理できるSMT(Simultaneous Multithreading)に対応しているため、合計12スレッドの処理能力を持ちます 1。CPUコアのアーキテクチャは最新世代の「Zen 4」であり 1、高いクロックあたりの命令実行数(IPC)を実現しています。動作クロック周波数は、ベースクロックが3.5 GHz、最大ブーストクロックが4.9 GHzに達します 1。キャッシュメモリは、各コアに1MBずつ割り当てられた合計6MBのL2キャッシュと、全コアで共有される16MBのL3キャッシュを搭載しています 1。プロセッサの熱設計電力(TDP)は、デフォルトで28Wに設定されていますが、ノートPCメーカーは搭載する製品の設計に応じて20Wから30Wの範囲で調整可能なコンフィギャラブルTDP(cTDP)に対応しています 1。これにより、性能と消費電力のバランスを製品ごとに最適化できます。対応する命令セットには、AVX512などの最新拡張命令が含まれており、特定の科学技術計算やマルチメディア処理の高速化に寄与します 1

2.3. 内蔵GPU仕様 (AMD Radeon™ 760M)

内蔵されているグラフィックス機能は「AMD Radeon™ 760M」です。このGPUは、AMDの最新グラフィックスアーキテクチャ「RDNA 3」に基づいており 10 (Ryzen PRO 8000シリーズ全体の説明より)、8個のグラフィックスコア(Compute Units)を搭載しています 1。動作周波数は最大2600 MHz(2.6 GHz)です 1。グラフィックスAPIとしてはDirectX® 12をサポートしており 1、最新のWindows環境での描画に対応します。ディスプレイ出力インターフェースとしては、高解像度・高リフレッシュレート伝送が可能なDisplayPort™ 2.1(UHBR10対応)やHDMI® 2.1、そしてUSB Type-C®ポート経由でのDisplayPort Alternate Modeをサポートし、最大で4台の外部ディスプレイへの同時出力が可能です 1

2.4. メモリと接続性

対応するシステムメモリは、メモリスロット(SODIMM)を使用するプラットフォーム(FP7r2ソケット)ではDDR5-5600、マザーボードに直接メモリチップが実装されるオンボード形式のプラットフォーム(FP7ソケット)ではより高速なLPDDR5x-7500をサポートします 1。最大搭載可能メモリ容量は256GBです 1。特筆すべき点として、PRO版ではFP7r2ソケットを使用し、かつプラットフォーム側が対応している場合に限り、データエラーの検出・訂正機能を持つECCメモリを利用できます 1。これは、データの整合性が極めて重要なビジネスやワークステーション用途においてメリットとなります。

拡張性に関しては、PCI Express® 4.0に対応し、高速なNVMe SSDやその他の拡張カードを接続するためのレーンを合計20レーン(利用可能分)提供します 1。これにより、最大7.8 GB/sクラスのデータ転送速度を持つNVMe SSDの性能を活かすことができます 13。USBインターフェースとしては、最大40Gbpsの高速データ転送とDisplayPort出力を兼ね備えたNative USB4ポートを2つ、10GbpsのNative USB 3.2 Gen 2ポートを2つなど、豊富な接続オプションを提供します 1。

2.5. AIエンジン (AMD Ryzen™ AI)

Ryzen 5 PRO 8640HSは、専用のAI処理ハードウェアであるNPU(Neural Processing Unit)を「AMD Ryzen™ AI」として搭載しています 1。このNPUは最大で16 TOPS(Tera Operations Per Second)の演算性能を持ち、CPUやGPUと組み合わせることで、システム全体として最大31 TOPSのAI処理能力を発揮します 1。NPUの搭載により、ビデオ会議中の背景ぼかしやノイズ除去といったAI機能 3 を、CPUやGPUに大きな負荷をかけることなく、低消費電力で実行することが可能になります。

2.6. AMD PROテクノロジー

本プロセッサは「PRO」の名を冠する通り、ビジネス利用に特化した「AMD PROテクノロジー」を搭載しています 1。これには、多層的なセキュリティ機能(例: AMD Memory Guard、AMD Secure Processor)、IT管理者向けの管理機能(例: DASHサポート)、そしてビジネス環境で求められる長期的な安定性や信頼性に関する機能が含まれます 1。これらの機能は、企業のIT資産管理やセキュリティポリシーの遵守に貢献します(詳細はセクション5.2で後述)。

2.7. PRO版と非PRO版 (8640HS) の主な相違点

AMDの公式情報を見ると、「Ryzen 5 8640HS」6 と「Ryzen 5 PRO 8640HS」1 の両モデルが存在し、コア数、クロック速度、内蔵GPU、TDPといった基本的なハードウェア仕様は同一であることが確認できます。明確な違いとして挙げられているのは、「AMD PRO Technologies」の搭載有無(PRO版は「はい」、非PRO版は「いいえ」)と、PRO版におけるECCメモリへの対応(FP7r2ソケットかつプラットフォーム側のサポートが必要)です 1。これは、物理的なシリコン(半導体チップ)自体は同じか非常に近いものである可能性を示唆しつつ、PRO版ではビジネス・エンタープライズ市場向けに特定のファームウェアや機能が有効化され、より厳格な品質検証プロセスを経ていることを意味します 5。AMDが同じ基本設計のプロセッサを、機能セットや検証レベルを変えることでコンシューマ市場とビジネス市場それぞれに最適化して提供する戦略をとっていることがうかがえます。PRO版は、追加されたセキュリティ、管理性、信頼性といった要素を付加価値とし、企業IT部門の要求に応えることを目指しています。ECCメモリ対応の有無は、データ整合性が特に重視される特定の業務用途への配慮を示しています。

2.8. TDP設定の柔軟性とパフォーマンスへの影響

Ryzen 5 PRO 8640HSのデフォルトTDPは28Wと比較的低く抑えられていますが、ノートPCメーカーは製品の設計目標(薄さ、冷却能力、バッテリー寿命など)に応じて、cTDP機能を用いてTDPを20Wから30Wの範囲で調整することが可能です 1。この仕様は、本プロセッサが非常に薄型のノートPCから、より高性能なモバイルワークステーションまで、多様なフォームファクタへの搭載を想定していることを示しています 1。例えば、冷却能力に制限のある薄型筐体ではTDPを低め(例: 20W)に設定し、発熱と消費電力を抑える一方、より強力な冷却機構を持つ筐体ではTDPを高め(例: 30W)に設定して、持続的な高パフォーマンスを引き出すことが可能になります。このTDP設定の柔軟性は、OEMメーカー(例: HP 15、Lenovo 18 など)にとって製品設計の自由度を高める重要な要素です。しかし、これは同時に、同じ「Ryzen 5 PRO 8640HS」を搭載していても、ノートPCのモデルによって実際のパフォーマンスやバッテリー持続時間が異なる可能性があることを意味します。したがって、後述するベンチマーク結果や製品レビューを評価する際には、テストされたデバイスのTDP設定がどのようになっているかを考慮に入れることが、性能を正確に理解する上で重要となります。

表1: AMD Ryzen 5 PRO 8640HS 主要仕様

仕様項目詳細出典
CPUコア/スレッド6コア / 12スレッド1
CPUアーキテクチャZen 41
ベースクロック3.5 GHz1
最大ブーストクロック最大 4.9 GHz1
L2キャッシュ6 MB (1MB/コア)1
L3キャッシュ16 MB1
TDP (デフォルト)28W1
cTDP (調整可能範囲)20-30W1
内蔵GPUモデルAMD Radeon™ 760M1
GPUコア数8コア1
GPU最大周波数2600 MHz (2.6 GHz)1
対応メモリDDR5-5600 (SODIMM, FP7r2), LPDDR5x-7500 (オンボード, FP7)1
ECCメモリ対応はい (FP7r2ソケット、プラットフォームサポート要)1
Ryzen AI パフォーマンスNPU: 最大 16 TOPS / Overall: 最大 31 TOPS1
AMD PROテクノロジー搭載1

3. ベンチマークによる性能評価

3.1. 概要

ここでは、AMD Ryzen 5 PRO 8640HSの性能を、業界標準とされる各種ベンチマークソフトウェアを用いて定量的に評価します。特に、CPUの演算能力を示すシングルコア性能とマルチコア性能、そして内蔵グラフィックス(AMD Radeon™ 760M)の3D描画性能に焦点を当て、その実力を明らかにします。

3.2. CPU性能分析

  • Cinebench R23:
    3Dレンダリングを通じてCPUの性能を測定するCinebench R23では、レビューサイト「for-real.jp」によるテストで、マルチコアスコアが10860、シングルコアスコアが1653という結果が報告されています 8。Zen 4アーキテクチャによる高いIPCと最大4.9GHzに達するブーストクロック 1 が、良好なシングルコア性能に貢献していると考えられます。また、6コア12スレッド構成 1 は、複数の処理を同時に行うマルチタスクや、多くのビジネスアプリケーションにおいて十分なマルチコア性能を提供します。
  • Geekbench 6:
    クロスプラットフォーム対応のCPUベンチマークであるGeekbench 6では、「for-real.jp」のレビューにおいてマルチコアスコア9998、シングルコアスコア2399という高い値が記録されています 8。特にシングルコアスコアの高さは、OSやアプリケーションの起動、Webブラウジングといった日常的な操作の応答性や快適性に直結します。マルチコアスコアも、一般的なマルチタスク処理や、ある程度のコンテンツ作成作業には十分なレベルを示しています。一方で、Geekbench Browserに集計されているスコアの中央値を見ると、シングルコアは約2136となっています 22。このように、同じプロセッサでもテスト環境(特に搭載されるノートPCの冷却性能やメモリ速度、TDP設定)によってスコアにばらつきが見られる点は留意が必要です。しかし、いずれのスコアもノートPC向けプロセッサとしては高い水準にあると言えます。
  • PassMark CPU Mark:
    多岐にわたるCPU演算テストを総合的に評価するPassMark CPU Markでは、複数の情報源から異なるスコアが報告されています。Lenovo ThinkPad P14s Gen 5を用いた「for-real.jp」のレビューでは22218というスコアが記録され、「グラボがない機種としてはハイエンドモデル」「ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い」と高く評価されています 8。一方、ベンチマークデータベースサイト「cpubenchmark.net」では、平均スコアとして19915 24、Intel Core Ultra 5 135Hとの比較ページでは21154 25 という値が掲載されています。これらのスコア差は、前述のGeekbenchと同様に、テストされたマシンの構成(メモリの種類や速度、TDP設定、OS環境など)の違いに起因すると考えられます。それでもなお、いずれのスコアも、一般的な事務作業やビジネスアプリケーションを快適にこなすには十分以上の性能レベルを示しています。
  • PCMark 10:
    PCMark 10は、実際のアプリケーションシナリオ(Webブラウジング、ビデオ会議、オフィススイート利用、写真・動画編集など)をシミュレートし、システム全体の総合的な性能を測定するベンチマークです。「for-real.jp」のレビューでは、総合スコア6577、基本性能を示すEssentialsスコア10622、Officeソフトなどの生産性を示すProductivityスコア9349、コンテンツ制作能力を示すDigital Content Creationスコア7777という結果が得られています 8。レビューではこれらのスコアに基づき、「ビジネス用途でもかなり快適に使える」と評価されています 8。特にEssentialsとProductivityのスコアが高いことは、日常的なオフィスワークやWeb会議などにおける快適な動作を裏付けています。Digital Content Creationのスコアも、ディスクリートGPUを搭載しないノートPCとしては高性能な部類に入り 8、簡単な写真編集や動画編集であれば対応可能であることを示唆しています。

3.3. 内蔵GPU (Radeon 760M) 性能分析

  • 3DMark:
    3Dグラフィックス性能を測定する3DMarkでは、Radeon 760M(8コア、最大2.6GHz 1)の性能が評価されています。RDNA 3アーキテクチャの採用により、前世代の内蔵GPUと比較して性能向上が図られています。「for-real.jp」のテスト結果によると、比較的負荷の軽いDirectX 11ベースのテストであるFire Strikeではスコア6614 8、DirectX 12ベースの軽量テストであるNight Raidではスコア24814 8 を記録しています。これらのスコアは、Webブラウジング中の動画再生支援や、設定を調整した上でのカジュアルなゲームプレイがある程度可能であることを示しています。しかし、よりグラフィックス負荷の高いクロスプラットフォームテストであるWild Lifeではスコア13987 8 となり、後述する競合GPUに比べて低い値となっています。DirectX 12を用いたより高負荷なテストであるTime Spyに関する具体的なスコアは、提供された資料からは確認できませんでした (3は別CPU、26はディスクリートGPU搭載機や他CPUのスコア、13はCPU情報や他ベンチマークのみ)。総じて、Radeon 760Mは日常的なグラフィックスタスクには十分な性能を持ちますが、最新のAAAタイトルのような高負荷なゲームを高画質でプレイするには性能が不足しています。
  • ゲームベンチマーク:
    実際のゲームを用いたベンチマークでは、「for-real.jp」のテストにおいて、比較的軽量なMMORPGである「ドラゴンクエストX オンライン」のベンチマーク(フルHD解像度、標準品質)でスコア8954を記録し、「とても快適」という評価を得ています 8。一方、よりグラフィックス負荷が高い「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」のベンチマーク(標準品質)では、「普通」という評価でした 8。これは、ゲームタイトルや画質設定によってはプレイ可能であるものの、常に高いフレームレートを維持するのは難しいレベルであることを示唆しています。

3.4. ベンチマークスコアの解釈における注意点

これまでに示したように、同じRyzen 5 PRO 8640HSというプロセッサであっても、異なるレビューサイトやベンチマークデータベース間でスコアに差異が見られます(例: Geekbench 8 vs 22、PassMark 8 vs 24 vs 25)。このばらつきが生じる主な要因としては、テストに使用されたノートPC固有の冷却システムの性能差、メーカーによって設定されたTDP値(20W~30Wの範囲 1)、搭載されているメモリの速度や容量、構成(デュアルチャネルかシングルチャネルかなど LPDDR5x-7500 vs DDR5-5600 1)、OSやドライバのバージョン、テスト実行時にバックグラウンドで動作していたプロセス、そしてベンチマークソフト自体のバージョンなどが考えられます。特に、TDP設定はCPUが持続的に発揮できる性能に直接影響するため、重要です。したがって、単一のベンチマークスコアを絶対的な性能指標と見なすのではなく、複数の情報源からのデータを比較検討し、可能であればテスト環境(特にノートPCのモデル名やTDP設定)を確認することが、プロセッサの性能をより正確に把握するために不可欠です。cTDP 1 の存在は、同じCPU名でも実際の性能体験が異なる可能性があることを示しており、最終的な製品選びにおいては個別のレビューを参照することが強く推奨されます。

表2: AMD Ryzen 5 PRO 8640HS ベンチマークスコア概要

ベンチマークテスト代表的なスコア引用元サイト名
Cinebench R23 (Single Core)1653for-real.jp 8
Cinebench R23 (Multi Core)10860for-real.jp 8
Geekbench 6 (Single Core)2399for-real.jp 8
Geekbench 6 (Multi Core)9998for-real.jp 8
PassMark CPU Mark22218for-real.jp (ThinkPad P14s G5) 8
19915 (Avg)cpubenchmark.net 24
PCMark 10 (Total)6577for-real.jp 8
PCMark 10 (Essentials)10622for-real.jp 8
PCMark 10 (Productivity)9349for-real.jp 8
PCMark 10 (Digital Content Creation)7777for-real.jp 8
3DMark Fire Strike (Graphics)6614for-real.jp 8
3DMark Night Raid (Graphics)24814for-real.jp 8
3DMark Wild Life (Graphics)13987for-real.jp 8

4. 競合プロセッサとの比較分析

4.1. 概要

AMD Ryzen 5 PRO 8640HSの市場における競争力を評価するため、主要な競合製品であるIntel Core Ultra 5シリーズ(特に125Hおよび135H)や、関連するAMD製プロセッサ(上位モデルのRyzen 7 PRO 7840HS、PRO機能を持たない非PRO版の8640HS)との性能比較を行います。これにより、本プロセッサの相対的な強みと弱みを明らかにします。

4.2. vs Intel Core Ultra 5 125H

Intel Core Ultra 5 125Hは、Ryzen 5 PRO 8640HSの直接的な競合製品の一つです。両者を比較すると、以下の点が挙げられます。

  • CPU性能:
    Cinebench R23のスコアでは、マルチコア性能はほぼ同等(8640HS: 10860 vs 125H: 11000)、シングルコア性能も僅差(8640HS: 1653 vs 125H: 1646)であり、レンダリング性能においては互角と言えます 8。Geekbench 6では傾向が異なり、マルチコア性能では125Hがやや優位(8640HS: 9998 vs 125H: 10242)ですが、シングルコア性能では8640HSが明確に上回っています(8640HS: 2399 vs 125H: 2184)8。実用的なアプリケーション性能を測るPCMark 10では、総合スコアで8640HSが125Hを上回り(8640HS: 6577 vs 125H: 6168)、特にEssentials(基本操作)とProductivity(Office作業)で優位性を示しています。一方で、Digital Content Creation(コンテンツ制作)では125Hの方が高いスコアです 21。このように、CPU性能に関しては、テストの種類やタスクの内容によって優劣が変わる一長一短の関係にあります。
  • GPU性能 (Radeon 760M vs Intel Arc Graphics 7-cores):
    内蔵GPUの性能比較では、多くのテストでIntel Core Ultra 5 125Hに統合されたArc Graphics(7 Xe-cores)が優位性を示しています。3DMark Fire Strikeでは125Hが約19%高いスコア(8640HS: 6614 vs 125H: 7888)8、Night Raidでは約6%高いスコア(8640HS: 24814 vs 125H: 26261)8、そしてWild Lifeでは125Hが約65%も高いスコア(8640HS: 13987 vs 125H: 23037)を記録しています 8。実際のゲームベンチマーク(ドラゴンクエストX)でも、125Hが8640HSのほぼ倍のスコアを出しており 8、グラフィックス性能においてはCore Ultra 5 125Hの方が明らかに強力です。
  • 消費電力:
    電力効率の観点では、Ryzen 5 PRO 8640HSが有利である可能性が高いです。8640HSのTDPは最大でも30W 1 であるのに対し、Core Ultra 5 125Hの仕様を見ると最大ターボパワーは115Wに達します [8 (135Hの仕様参照)]。TDPと最大ターボパワーは直接比較できる指標ではありませんが、この大きな差は、特に高負荷が続く状況下での持続的な電力消費において、8640HSの方が効率的である可能性を示唆しています 8。
  • 分析: Ryzen 5 PRO 8640HSとCore Ultra 5 125Hを比較すると、CPU性能はタスクによって優劣が入れ替わるものの、一般的なビジネス用途(PCMark 10)では8640HSが有利な場面が見られます。しかし、内蔵GPU性能ではCore Ultra 5 125Hが明確に勝っており、グラフィックス処理やゲーム性能を重視する場合はIntel製CPUが有利です。一方で、電力効率やそれに伴うバッテリー持続時間、発熱の観点からは、Ryzen 5 PRO 8640HSに分があると考えられます 8

4.3. vs Intel Core Ultra 5 135H

Core Ultra 5 135Hは、125HよりもPコア(Performance-cores)とEコア(Efficient-cores)の構成が強化されたモデルです 34

  • CPU性能 (PassMark):
    ベンチマークデータベース「cpubenchmark.net」の比較データ 25 によると、シングルスレッド性能(Single Thread Rating)は両者ほぼ同等(8640HS: 3546 vs 135H: 3517)です。しかし、マルチスレッド性能(CPU Mark)では、Core Ultra 5 135HがRyzen 5 PRO 8640HSを約6%上回るスコア(8640HS: 21154 vs 135H: 22434)を示しています。
  • 消費電力:
    ベースパワー(Intel)とデフォルトTDP(AMD)は共に28Wで同等です 1。ただし、最大ターボパワーは135Hが115W 34 であり、8640HSの最大cTDP 30W 1 と比較すると、ピーク時の消費電力には大きな差があります。
  • 分析: PassMarkのデータ 25 に基づけば、マルチスレッド性能ではCore Ultra 5 135Hにやや分がありますが、シングルスレッド性能は互角レベルです。125Hとの比較と同様に、GPU性能(135Hは8 Xe-coresのArc Graphicsを搭載 34)や実際の運用における電力効率が重要な比較ポイントとなりますが、両者を直接比較した詳細なレビューデータは限定的です。コア構成が強化されている分、135Hはマルチタスク性能で125Hよりも有利になる可能性があります。

4.4. vs AMD Ryzen 7 PRO 7840HS

Ryzen 7 PRO 7840HSは、Ryzen 5 PRO 8640HSと同じ世代(Zen 4アーキテクチャ、PROシリーズ)の上位モデルにあたります。

  • 仕様差:
    主な仕様を比較すると、コア/スレッド数(8640HS: 6C/12T vs 7840HS: 8C/16T)、最大ブーストクロック(8640HS: 4.9GHz vs 7840HS: 5.1GHz)、L2キャッシュ容量(8640HS: 6MB vs 7840HS: 8MB)、内蔵GPU(8640HS: Radeon 760M 8CU vs 7840HS: Radeon 780M 12CU)、デフォルトTDP(8640HS: 28W vs 7840HS: 35W)の全てにおいて、Ryzen 7 PRO 7840HSが上回っています 35。
  • 性能差:
    上記の仕様差から、CPU性能(特にマルチコア性能)および内蔵GPU性能の両方において、Ryzen 7 PRO 7840HSがRyzen 5 PRO 8640HSよりも高いパフォーマンスを発揮することは明らかです 35。特にコア数とGPUのCU数の違いは、マルチスレッド処理やグラフィックス負荷の高いタスクにおいて顕著な性能差となって現れると予想されます。
  • 分析: Ryzen 7 PRO 7840HSは、より高い演算能力やグラフィックス性能を必要とするユーザー、例えば、より高度なデータ分析、プログラミング、あるいは比較的負荷の高いコンテンツ作成を行うビジネスユーザーやモバイルワークステーションのユーザーに適しています。一方、Ryzen 5 PRO 8640HSは、標準的なビジネスタスクを快適にこなしつつ、性能と電力効率のバランスを重視するメインストリームのビジネスノートPC向けという位置づけになります。

4.5. vs AMD Ryzen 5 8640HS (非PRO版)

Ryzen 5 8640HS(非PRO版)6 とRyzen 5 PRO 8640HS 1 は、基本的なCPUおよびGPUのハードウェア仕様(コア数、クロック、キャッシュ、GPUモデルなど)は同一です。

  • 仕様差:
    両者の主な違いは、PRO版にのみ搭載される「AMD PROテクノロジー」(セキュリティ、管理性、信頼性機能)と、PRO版でのみ(特定の条件下で)サポートされるECCメモリ対応です 1。
  • 性能差:
    基本的な演算性能やグラフィックス性能に関するベンチマークスコア自体には、両者間で大きな差はないと考えられます。
  • 分析: もし企業利用で求められる高度なセキュリティ機能や集中管理機能、長期的な製品供給保証といったPROテクノロジー特有のメリットが不要であれば、非PRO版のRyzen 5 8640HSを搭載したコンシューマ向けノートPCも選択肢に入ります。ただし、本レポートはPRO版に焦点を当てています。

4.6. 市場におけるポジショニング

競合製品との比較を通じて、AMD Ryzen 5 PRO 8640HSの市場における位置づけが見えてきます。Intel Core Ultra 5シリーズとの比較では、CPU性能で一概に優劣をつけるのは難しいものの、PCMark 10のような実用的なベンチマークでは健闘し 8、電力効率の面では有利である可能性が高いです 8。GPU性能では劣る場面があるものの、ビジネス用途で必須とされるレベルは満たしています。そして何よりも、「AMD PROテクノロジー」という、ビジネス市場に特化した明確な付加価値を持っています 1。これらの要素は、単に最高の演算性能を追求するのではなく、企業IT部門が重視するセキュリティ、管理性、信頼性、そしてTCO(総所有コスト)といった側面を考慮した製品戦略を示唆しています 5。特に、推定される電力効率の良さ 8 は、モバイルワークが主流となる現代のビジネス環境において、薄型軽量ノートPCでのバッテリー持続時間や静音性、持続的なパフォーマンスに繋がり、重要な訴求ポイントとなります。PROテクノロジーは、コンシューマ向けCPUに対する明確な差別化要因であり、企業がPCを選定する際の意思決定を後押しする重要な要素と言えるでしょう。

表3: AMD Ryzen 5 PRO 8640HS と競合プロセッサのベンチマーク比較

ベンチマーク / 仕様Ryzen 5 PRO 8640HSCore Ultra 5 125HCore Ultra 5 135HRyzen 7 PRO 7840HS引用元
CPU
コア/スレッド6 / 1214 (4P+8E+2LPE) / 1814 (4P+8E+2LPE) / 188 / 161
最大クロック (GHz)4.94.5 (P-core)4.6 (P-core)5.11
Cinebench R23 (Single)165316468
Cinebench R23 (Multi)10860110008
Geekbench 6 (Single)239921848
Geekbench 6 (Multi)9998102428
PassMark CPU Mark211542243425 (vs 135H)24 (8640HS Avg 19915)8 (8640HS 22218)
PCMark 10 (Total)6577616821
GPURadeon 760M (8CU)Arc Graphics (7CU)Arc Graphics (8CU)Radeon 780M (12CU)1
3DMark Fire Strike (Total)661478888
TDP / Power28W (20-30W cTDP)28W (Base), 115W (Max Turbo)28W (Base), 115W (Max Turbo)35W (35-54W cTDP)1
PROテクノロジーありなしなしあり1

(注: Core Ultra 5 135H および Ryzen 7 PRO 7840HS の一部ベンチマークスコアは直接比較データが見当たらなかったため空欄または仕様比較ベースとしています。PassMarkスコアは情報源により変動があります。)

5. 実用性とユースケース

5.1. 概要

これまでに見てきたAMD Ryzen 5 PRO 8640HSの仕様とベンチマーク性能が、実際のノートPC利用環境においてどのような意味を持つのかを考察します。特に、ターゲットとされるビジネス用途でのパフォーマンス、複数のアプリケーションを同時に使用するマルチタスク処理能力、簡単なコンテンツ制作やAIを活用したタスクへの適性について評価します。

5.2. ビジネス用途でのパフォーマンスとAMD PROテクノロジーの利点

  • パフォーマンス:
    Ryzen 5 PRO 8640HSは、一般的なビジネス業務において非常に快適なパフォーマンスを提供します。PCMark 10のベンチマーク結果 8 が示すように、Webブラウジング、アプリケーションの起動、ビデオ会議といった基本的な操作(Essentials)や、Microsoft Officeスイートなどの事務作業(Productivity)に関するスコアが高く、これらのタスクがスムーズに実行できることを裏付けています。PassMark CPU Markで2万点を超えるスコア 8 は、レビューで「ビジネス用途でがっつり使ってもストレスを感じることはほぼ無い」レベルと評価されており 8、高い処理能力を持っていることがわかります。実際にこのプロセッサを搭載したLenovo ThinkPad P14s Gen 5のレビュー 23 でも、Officeアプリケーションの利用やWeb会議における快適性が示唆されています。
  • AMD PROテクノロジーの利点:
    ビジネス用途においては、純粋な処理性能だけでなく、セキュリティ、管理性、信頼性といった要素も極めて重要です。Ryzen 5 PRO 8640HSに搭載されているAMD PROテクノロジーは、これらの要求に応える機能を提供します 1。
  • セキュリティ: シリコンレベルで組み込まれたAMD Secure Processorや、メモリ全体を暗号化するAMD Memory Guardといった多層的な防御機能により、マルウェア感染や不正アクセス、物理的な盗難によるデータ漏洩のリスクを低減します 1。これは、企業の機密情報や顧客データを扱う上で不可欠な要素です。また、Microsoftが提唱する高度なセキュリティ基準「Secured-Core PC」の要件を満たしている点 10 も、その信頼性を示すものと言えます。
  • 管理性: DASH (Desktop and mobile Architecture for System Hardware) 標準規格への対応 1 などにより、IT管理者はネットワーク経由で多数のPCをリモートから効率的に展開、監視、保守、管理することが可能になります 5。これにより、PCのセットアップやトラブルシューティングにかかる時間とコストを削減し、IT部門の運用負荷を軽減、従業員のダウンタイム短縮にも繋がります 5
  • 信頼性と安定性: AMDはPROプロセッサに対して、18ヶ月間の計画的なソフトウェア(ドライバ等)の安定性保証と、24ヶ月間の計画的な製品供給保証を提供しています 5。さらに、エンタープライズグレードの品質基準に基づいた厳格なプラットフォーム検証プロセスを実施しており、長期にわたる安定稼働を実現します 5。これは、企業がITインフラの長期計画を策定し、投資対効果(ROI)を最大化する上で大きなメリットとなります 38
  • 搭載製品例:
    これらの特徴から、Ryzen 5 PRO 8640HSは主にビジネス向けのノートPCに搭載されます。具体的な製品例としては、LenovoのThinkPad P14s Gen 5 20 や、HPのEliteBook/ProBookシリーズ(HPとAMDの協業に関する記事 16 から推測)などが挙げられます。これらの製品は、企業の要求する性能、セキュリティ、管理性を満たすように設計されています 10。

5.3. マルチタスク、コンテンツ制作、AIタスクへの適性

  • マルチタスク:
    6コア12スレッドのCPU 1 と、DDR5/LPDDR5xメモリによる十分なメモリ帯域幅 1 は、現代のビジネスシーンで一般的なマルチタスク処理をスムーズにこなす能力を提供します。例えば、Webブラウザで多数のタブを開きながら、Officeドキュメントを編集し、同時にビデオ会議に参加するといった状況でも、快適な動作が期待できます。PCMark 10のProductivityスコアの高さ 21 も、このマルチタスク性能を裏付けています。AMD自身も、Ryzen PROプロセッサのマルチタスク性能の高さをアピールしています 40。
  • コンテンツ制作:
    内蔵のRadeon 760M GPUは、PCMark 10のDigital Content Creationテストで、ディスクリートGPU非搭載機としては良好なスコアを示しています 8。これにより、Adobe Photoshopなどを用いた写真編集や、簡単な動画編集(カット編集、テロップ挿入など)は十分に可能です。実際に、Ryzen 8640HS搭載のLenovo Yoga 7 Gen 9のレビュー動画 41 では、動画編集への言及が見られます。また、別のレビュー 8 でも「動画編集も余裕」との記述がありますが、これは比較的負荷の軽い作業を指していると考えるのが妥当でしょう。4K解像度の動画編集や、複雑なエフェクト処理、本格的な3Dレンダリングといった高負荷なクリエイティブワークには、専用のディスクリートGPUを搭載したマシンが依然として推奨されます。
  • AIタスク:
    Ryzen 5 PRO 8640HSの大きな特徴の一つが、専用AIエンジン「Ryzen AI」(NPU)の搭載です 1。このNPUは、特定のAI処理をCPUやGPUに代わって効率的に実行する役割を担います。現在、その主な活用例として挙げられるのが、Windows OS標準機能である「Windows Studio Effects」3 です。これにより、ビデオ会議中に背景をぼかしたり、話者の顔を自動で追従してフレーム内に収めたり(オートフレーム)、カメラ目線を維持するように映像を補正したり、周囲のノイズを低減したりといった処理 15 を、PC全体のパフォーマンスを低下させることなく、またバッテリー消費を抑えながら利用できます 15。Adobe Premiere Proのシーン編集検出など一部機能 4 や、ローカル環境で大規模言語モデル(LLM)を実行するための「LM Studio」4 など、対応するアプリケーションも徐々に増えつつあります。今後、AIを活用した機能がソフトウェアに組み込まれていく流れの中で、NPUの重要性はさらに高まると考えられます 8。

5.4. AI PCとしての将来性

Ryzen 5 PRO 8640HSはNPUを搭載していることから 1、AMDはこのプロセッサを搭載したPCを、次世代の「AI PC」を構成する要素として積極的に位置づけています 3。実際に、AIアシスタント機能を素早く呼び出すための専用「Copilotキー」を備えたノートPCも登場しています 3。NPUの搭載は、前述のWindows Studio EffectsのようなOSレベルの機能強化に加え、将来的にはより高度なAIアプリケーションをローカル環境で快適に動作させるための基盤となります。これにより、クラウドへの依存を減らし、応答性の向上やプライバシー保護に繋がる可能性があります。現状では、NPUをフル活用するキラーアプリケーションはまだ限定的であり、「AI PC」がもたらす具体的なメリットが一般ユーザーにとってどの程度大きいかは、ソフトウェアエコシステムの今後の発展に依存する部分が大きいと言えます。しかし、特にビジネスシーンにおいては、AIによる生産性向上(文章作成支援、データ分析、自動化など)やセキュリティ強化への期待は高く、PROテクノロジーとRyzen AIを併せ持つ本プロセッサは、将来のAI活用を見据えた企業向けPCの選択肢として、重要な位置を占める可能性があります。

6. 消費電力、発熱、バッテリー持続時間

6.1. 概要

ノートPCのプロセッサ評価において、性能と同じく重要なのが、消費電力、それに伴う発熱、そして最終的なバッテリー持続時間です。これらの要素は、特にモバイル環境での利便性や快適性に直結します。ここでは、Ryzen 5 PRO 8640HSのこれらの側面について、仕様やレビュー情報から考察します。

6.2. 消費電力と電力効率

Ryzen 5 PRO 8640HSのデフォルトTDPは28W、調整可能なcTDPの下限は20W、上限は30Wと設定されており 1、これは高性能なモバイル向けプロセッサとしては比較的低い値です。特に、競合となるIntel Core Ultra 5 125Hの最大ターボパワーが115W [8 (135H)] であることと比較すると、TDPの数値からはRyzen 5 PRO 8640HSの高い電力効率が期待されます 8。この電力効率の高さは、最新のZen 4アーキテクチャと先端的な4nm製造プロセス 1 の採用によって実現されていると考えられます。AMDは、過去の製品と比較して大幅な電力効率の改善を実現してきたことをアピールしています 7

6.3. 発熱と冷却

プロセッサの消費電力が低いことは、一般的に発熱量の抑制にも繋がります。TDPが低めに抑えられているRyzen 5 PRO 8640HSは、特に薄型のノートPC筐体に搭載された場合でも、過度な発熱による性能低下(サーマルスロットリング)を起こしにくく、比較的安定したパフォーマンスを長時間維持できる可能性があります。あるレビューでは、「CPUの発熱が低いので長時間重たい作業もできます」と述べられています 8。

しかしながら、実際のCPU温度やPC表面の温度は、プロセッサ自体の特性だけでなく、搭載されるノートPCの冷却設計(ヒートパイプの本数や太さ、ファンのサイズや回転数制御など)に大きく左右されます。例えば、モバイルワークステーションであるThinkPad P14s Gen 5のレビューでは、軽量化を優先したためか、冷却機構としてファンとヒートパイプが1本ずつ搭載されているとの記述が見られます 23。これは、筐体の設計思想によって冷却能力が異なることを示唆しています。また、HP Envy x360 14-faの製品ページ 15 では、PCの使用状況に応じてCPU温度やファンノイズを最適化する「HP Smart Sense」という独自機能について言及されていますが、具体的な高負荷時の温度データなどは提供されていません 15。

6.4. バッテリー持続時間

プロセッサの電力効率はバッテリー持続時間に影響を与える重要な要素の一つですが、ノートPC全体のバッテリー駆動時間は、搭載されているバッテリー自体の容量、ディスプレイの種類(一般的にOLEDはIPSよりも消費電力が大きい傾向 44)や輝度設定、Wi-Fiなどの通信機能の利用状況、そして実行しているアプリケーションの種類など、多くの要因によって決まります。

メーカーが公表しているバッテリー駆動時間は、特定の標準的な測定方法(例: JEITA測定法 45)に基づいた理想的な条件下での最大値であることが多く、実際の利用状況下での駆動時間とは乖離があるのが一般的です。例えば、HP Envy x360 14-fa(AMDモデル)の公称値として「最大14時間30分」という長時間が謳われていますが 15、これはあくまで特定の構成・条件下でのテスト結果であり、Ryzen 5 8640HS搭載モデル固有の値とは限りません 15。実際に、同シリーズのIntelモデル(OLEDディスプレイ搭載)のレビュー 44 では、YouTube動画再生時の実測値が約7時間32分であったと報告されています。このレビューではバッテリー容量が59Whであると述べられており、別の情報源 49 でも同シリーズAMDモデルのバッテリー容量が59.1Whとされていることから、軽量設計とのトレードオフでバッテリー容量が抑えられている可能性も示唆されています。一方、ThinkPad P14s Gen 5(Ryzen 5 PRO 8640HS搭載)のレビュー 23 では、メーカー公称値として最大約10.2時間という数値が紹介されています。

6.5. 実用性とTDP設定の影響

メーカー公称値と実際の利用シーンでのバッテリー駆動時間には、しばしば大きなギャップが存在します(例: 公称最大14.5時間 15 vs 実測約7.5時間 44)。これは、測定条件の違いや、ディスプレイ輝度、実行タスクといった実利用環境の多様性に起因します。Ryzen 5 PRO 8640HS自体の電力効率は良好である可能性が高いものの 8、最終的なバッテリー体験は、ノートPC全体の設計思想(バッテリー容量、ディスプレイ選択など)とユーザーの使い方に大きく依存します。特に、OEMメーカーが設定するcTDPの値(20W~30W 1)は、高負荷時のパフォーマンスとバッテリー寿命のトレードオフに直接影響を与えます。低めのTDP設定(例: 20W)はバッテリー駆動時間を延ばす可能性がありますが、ピーク性能は抑制されます。逆に高めのTDP設定(例: 30W)は性能を引き出しますが、バッテリー消費は増加します。したがって、ノートPCを選ぶ際には、公称スペックだけでなく、自身の利用目的に合った実測レビュー(特定のタスクでの駆動時間など)や、搭載されているバッテリー容量、ディスプレイの種類などを確認し、メーカーがどのような性能とバッテリー寿命のバランスを選択しているかを考慮することが不可欠です。公称値はあくまで一つの参考情報として捉えるべきでしょう。

7. 総括と結論

7.1. 性能特性の要約

AMD Ryzen 5 PRO 8640HSは、最新のZen 4アーキテクチャに基づく6コア12スレッドのCPUコア、RDNA 3アーキテクチャに基づくRadeon 760M内蔵GPU、そして専用AIエンジンであるRyzen AIを一つのチップに統合した、ビジネス向けノートPC市場をターゲットとする高性能モバイルプロセッサです。CPU性能においては、主要な競合製品であるIntel Core Ultra 5シリーズと同等レベルの性能を発揮し、特にシングルコア性能や、PCMark 10で測定されるような実用的なアプリケーションにおける応答性や処理能力で強みを見せます。内蔵GPU(Radeon 760M)の性能は、日常的なデスクトップ操作、ビデオ再生支援、そして設定を調整した上での軽いゲームプレイには十分なレベルですが、グラフィックス負荷の高いタスクや最新ゲームにおいては、競合となるIntel Arc Graphics搭載モデルに劣る場面が見られます。電力効率に関しては、28Wという比較的低いデフォルトTDP設定 1 や、競合製品との比較 8 から、優れていると推測され、バッテリー駆動時間や発熱抑制に貢献することが期待されます。

7.2. 長所

  • バランスの取れたCPU性能: 一般的なビジネスアプリケーション、Webブラウジング、ビデオ会議、そして複数のアプリケーションを同時に使用するマルチタスクを快適に処理できる、十分かつバランスの取れた演算能力を提供します。
  • 高い電力効率(推定): 低いTDP設定 1 により、特に薄型軽量ノートPCにおいて、長時間のバッテリー駆動と、高負荷時でも過度な発熱を抑えた安定動作が期待できます。
  • AMD PROテクノロジー: 企業環境で不可欠とされる、ハードウェアレベルからの多層的なセキュリティ機能、IT部門による効率的なリモート管理機能、そして長期的な運用を支える信頼性と安定性を提供します 5
  • Ryzen AI(NPU)搭載: Windows Studio Effects 3 などのAI機能を低消費電力で実行し、ユーザー体験を向上させるとともに、将来的に登場するであろうローカルAIアプリケーションへの対応基盤を提供します。
  • 最新プラットフォーム対応: 高速なDDR5/LPDDR5xメモリ、PCIe 4.0規格のSSDや拡張カード、そして最大40Gbpsのデータ転送が可能なUSB4といった最新のインターフェース規格に対応しており 1、システム全体の応答性向上に寄与します。

7.3. 短所

  • 内蔵GPU性能: Radeon 760Mは日常用途には十分ですが、3DMarkなどのベンチマークテストや実際のゲームプレイにおいて、競合するIntel Core Ultra 5シリーズに搭載されているArc Graphicsに対して性能面で劣る結果が報告されています 8。グラフィックス性能を重視する用途にはやや不向きです。
  • 性能の可変性: cTDP(20W-30W)1 によるTDP設定の柔軟性は利点である一方、搭載されるノートPCの冷却設計やメーカーの設定によって、同じプロセッサ名でも実際のパフォーマンスやバッテリー持続時間に差が生じる可能性があります。購入時には個別の製品レビューの確認が推奨されます。

7.4. 市場における位置づけ

AMD Ryzen 5 PRO 8640HSは、メインストリームからプレミアムクラスに位置づけられるビジネスノートPC市場において、CPU性能、電力効率、ビジネス向け専用機能(AMD PROテクノロジー)、そしてAI機能という複数の要素を高いレベルでバランスさせた、非常に競争力のある選択肢です。特に、データの機密性保護やデバイスの集中管理、長期的な運用計画とTCO(総所有コスト)の最適化を重視する企業IT部門にとって、PROテクノロジーが提供する価値は大きな魅力となります。絶対的なピーク性能よりも、モバイル環境での実用性、信頼性、セキュリティを重視するビジネスユーザーや企業にとって、最適なプロセッサの一つと言えるでしょう。

7.5. 最終評価

AMD Ryzen 5 PRO 8640HSは、現代の多様なビジネスニーズに応える堅実なパフォーマンスと、AMD PROテクノロジーによる企業向けの付加価値を兼ね備えた、完成度の高いモバイルプロセッサです。特に、ノートPCとしての基本的な使い勝手(応答性、バッテリー持続時間、静音性)に影響する電力効率と、ビジネス利用で不可欠なセキュリティ・管理機能が重要な選択基準となる場合には、市場において有力な候補となることは間違いありません。

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  55. HP Envy全機種の評判と比較レビュー – パソコンガイド, 4月 13, 2025にアクセス、 https://for-real.jp/pc/hp-envy-series-review/
  56. ThinkPad P14s Gen 5 AMD | パワフルでスマートな14型ワークステーション – Lenovo, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.lenovo.com/jp/ja/p/laptops/thinkpad/thinkpad-p-series/lenovo-thinkpad-p14s-gen-5-14-inch-amd-mobile-workstation/len101t0104
  57. 最適な AMD ビジネス向けノートパソコン | レノボ・ ジャパン – Lenovo, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.lenovo.com/jp/ja/faqs/amd/amd-business-laptops/
  58. 新大学生・新社会人にお伝えしたい「パソコンを買う前に知っておきたい基礎知識」 – ケータイ Watch, 4月 13, 2025にアクセス、 https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/review/1574531.html
  59. Core Ultra 5 226Vのベンチマーク – the比較, 4月 13, 2025にアクセス、 https://org.thehikaku.net/pc/other/CoreUltra5-226V.html
  60. HP Envy x360 14-fcの実機レビュー – 様々な場所や用途で使いやすい 2 in 1 PC – the比較, 4月 13, 2025にアクセス、 https://org.thehikaku.net/pc/hp/24Envy-x360-14-fc.html
  61. Core Ultra 5 125HとRyzen 5 8640HS どっちが良い?ベンチマークの比較 – YouTube, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.youtube.com/watch?v=FsLD8BG7Ndw&pp=0gcJCfcAhR29_xXO
  62. AMD Ryzen 5 8640HS vs AMD Ryzen 7 7840HS Technical Comparison – YouTube, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.youtube.com/watch?v=tBEaYCsWTrI
  63. 【12万円台〜】3月まで限定特価!ThinkPad P14s Gen5 AMDレビュー – YouTube, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.youtube.com/watch?v=axCFZy4OZtM
  64. AMD Ryzen™ PROプロセッサーが IT プロフェッショナルの悩みを, 4月 13, 2025にアクセス、 https://biz.amd-heroes.jp/wp-content/uploads/2022/09/amd-ryzen-pro-whitepaper-IT-pros-jp.pdf
  65. AMD Ryzen 5 8640HS – 仕様、テスト、比較、およびノートパソコンのオファー | LaptopMedia 日本, 4月 13, 2025にアクセス、 https://laptopmedia.com/jp/processor/amd-ryzen-5-8640hs/
  66. Intel Core Ultra 5 225H vs AMD Ryzen 5 7535HS: performance comparison – NanoReview, 4月 13, 2025にアクセス、 https://nanoreview.net/en/cpu-compare/intel-core-ultra-5-225h-vs-amd-ryzen-5-7535hs
  67. Ryzen 7 7840hs vs ryzen 5 8645hs : r/AMDLaptops – Reddit, 4月 13, 2025にアクセス、 https://www.reddit.com/r/AMDLaptops/comments/1dqqvsd/ryzen_7_7840hs_vs_ryzen_5_8645hs/
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