はじめに
本レポートでは、シャープのAQUOS sense8のベンチマーク性能について、詳細な調査結果を報告します。近年、スマートフォンの性能は日々向上しており、その実力を測る上でベンチマークテストは重要な指標となります。特に、AQUOS sense8はミドルレンジモデルとして注目されており、その搭載するSnapdragon 6 Gen 1の性能がどの程度のものなのか、ユーザーの関心も高いと考えられます。本調査では、複数のベンチマークテストの結果を分析し、競合機種との比較を行うことで、AQUOS sense8の性能を明らかにすることを目的とします。
AQUOS sense8の主な仕様とベンチマーク概要
AQUOS sense8は、Qualcomm Snapdragon 6 Gen 1を搭載し、日常的な利用から moderate なゲームまで、幅広い用途に対応できる性能を持つとされています 1。6.1インチのディスプレイ、6GB/8GBのRAM、128GB/256GBのストレージといった仕様も、その性能に影響を与える要素です 2. 本レポートでは、AnTuTu Benchmark、Geekbench、3DMark、PCMarkといった主要なベンチマークテストの結果を基に、AQUOS sense8の性能を詳細に分析します。これらのテスト結果は、CPU、GPU、メモリ、UX(ユーザーエクスペリエンス)といった各要素の性能を数値化し、総合的なパフォーマンスを評価する上で役立ちます。
AnTuTu Benchmark v10 実測結果
AQUOS sense8(Snapdragon 6 Gen 1)のAnTuTuスコア
AQUOS sense8に搭載されたSnapdragon 6 Gen 1のAnTuTu Benchmark(Ver10.2.4)の実測結果として、トータルスコアが50万点を超えるデータが得られています 4。具体的には、あるテスト環境において、539,822点、514,548点、514,671点という3回の連続測定結果が報告されています 4。これらのスコアの内訳を見ると、CPUスコアは189,351点、170,559点、169,574点、GPUスコアは110,678点、110,000点、109,890点、MEMスコアは108,873点、105,059点、103,694点、そしてUXスコアは130,920点、128,930点、131,513点となっています 4。これらの数値から、AQUOS sense8はバランスの取れた性能を持つことが示唆されます。また、別の情報源では、AnTuTu Benchmark v10のスコアとして485,604点が報告されています 5。測定環境や条件によってスコアに差異が見られるものの、いずれの結果も50万点に近いスコアを示しており、ミドルレンジスマートフォンとしては高い性能を持つと言えるでしょう。
他モデル(Snapdragon 695 5G)とのAnTuTuスコア比較
AQUOS sense8の性能をより深く理解するために、Snapdragon 695 5Gを搭載する他のモデルとの比較を行います 4。比較対象となるのは、AQUOS sense7、OPPO Reno9 A、Motorola moto g52j 5G、Xiaomi Redmi Note 11 Pro 5Gです 4。これらのモデルのAnTuTu Benchmark(Ver10.2.4)のトータルスコアは、概ね430,000点から450,000点の範囲に収まっています 4。これに対し、AQUOS sense8は50万点を超えるスコアを記録しており、明確な性能向上が見られます 4。特に、CPUスコアとUXスコアにおいては、AQUOS sense7と比較して顕著な向上が確認できます 4。この結果は、Snapdragon 6 Gen 1が前世代のSnapdragon 695 5Gと比較して、CPU処理能力やユーザーインターフェースの快適性において大幅な進化を遂げていることを示唆しています。
AnTuTu Benchmark結果の評価
Snapdragon 6 Gen 1を搭載するAQUOS sense8のAnTuTu Benchmarkトータルスコアが50万点を超えたことは、実用レベルとして十分な性能を持つことを示唆しています 4。特に、CPUとGPUのスコア向上が著しく、これにより、アプリの動作速度やグラフィック処理能力が向上していると考えられます 4。実際に、GPU性能を検証する3DMarkのスコアも向上していることが示唆されており、ゲームなどのグラフィック負荷の高い処理においても、より快適な動作が期待できます 4。また、動画撮影時の解像度設定に4K(30fps)が追加されたことも、GPU性能の向上やISP(イメージシグナルプロセッサ)の刷新による影響と考えられます 4。
Geekbench 6 実測結果
AQUOS sense8と他モデルのGeekbench 6スコア比較
CPUのシングルコアおよびマルチコア性能を測るGeekbench 6においても、AQUOS sense8(Snapdragon 6 Gen 1)は良好な結果を示しています 4。シングルコアスコアは947、マルチコアスコアは2763を記録しています 4。一方、Snapdragon 695 5Gを搭載するAQUOS sense7、OPPO Reno9 A、Motorola moto g52j 5G、Xiaomi Redmi Note 11 Pro 5Gといった他モデルのスコアと比較すると、AQUOS sense8のマルチコアスコアが大幅に高いことがわかります 4。シングルコアスコアにおいても、AQUOS sense8はわずかに上回る結果となっています 4。この結果は、AQUOS sense8が複数の処理を同時に行うようなマルチタスク環境や、負荷の高いアプリケーションの実行において、より優れたパフォーマンスを発揮できる可能性を示唆しています。
3DMark(Wild Life)実測結果
AQUOS sense8と他モデルの3DMarkスコア比較
スマートフォンのGPU性能を評価する3DMark(Wild Life)のテストにおいても、AQUOS sense8(Snapdragon 6 Gen 1)は優れた結果を示しています 4。Overall Scoreは2371、平均フレームレートは14.20fpsを記録しています 4。これは、Snapdragon 695 5Gを搭載するAQUOS sense7をはじめとする他のモデルと比較して、約2倍の性能差となります 4。これらのモデルのOverall Scoreは概ね1200点台、平均フレームレートは7fps台に留まっており、AQUOS sense8のグラフィック処理能力が大幅に向上していることが明確に示されています 4。この結果から、AQUOS sense8は、より高度なグラフィック処理を必要とするゲームやアプリケーションにおいても、快適な動作を提供できると考えられます。
3DMark Sling Shot Extreme および PCMark for Android Work 3.0 のスコア
UL Benchmarksのデータによると、AQUOS sense8は3DMark Sling Shot Extreme (OpenGL ES 3.1) ベンチマークで4043のスコアを獲得しています 3。このスコアの内訳は、Physics scoreが4368、Graphics scoreが3976となっています 3。また、PCMark for Android Work 3.0 ベンチマークでは、11266のスコアを記録しており、バッテリーライフは14時間59分と評価されています 3。PCMarkの個別のスコアを見ると、Web 3.0が9831、Video Editing 3.0が6465、Data Manipulation 3.0が9534、Writing 3.0が13677、Photo Editing 3.0が21830となっています 3。これらの結果は、AQUOS sense8がウェブブラウジング、動画編集、データ処理、文書作成、写真編集といった幅広い日常的なタスクにおいて、高いパフォーマンスを発揮できることを示唆しています。
Snapdragon 6 Gen 1 の性能評価
AQUOS sense8に搭載されているSnapdragon 6 Gen 1は、前モデルのAQUOS sense7に搭載されていたSnapdragon 695と比較して、CPU性能が最大36%向上し、グラフィック性能も33%高速化しているとされています 5。この性能向上は、AnTuTu、Geekbench、3DMarkといったベンチマークテストの結果にも明確に表れており、AQUOS sense8がミドルレンジスマートフォンの中でも高いパフォーマンスを発揮できる大きな要因となっています。Snapdragon 6 Gen 1は、2.2 GHzで動作する4つのCortex-A78コアと、1.8 GHzで動作する4つのCortex-A55コアで構成されるオクタコアプロセッサであり、Adreno 710 GPUと組み合わされることで、日常的なタスクだけでなく、moderate なゲームも快適にこなせる性能を実現しています 1。
その他の性能に関する考察
ストレージ性能を測るPCMark for Android Storage 2.0のベンチマーク結果を見ると、AQUOS sense8は23580のスコアを記録しており、内部ストレージのシーケンシャルリードは752 MB/s、シーケンシャルライトは673 MB/sとなっています 3。ランダムアクセス速度も一定の性能を示しており、アプリの起動やデータの読み書きにおいてもストレスを感じにくいと考えられます。また、AQUOS sense8は5000mAhの大容量バッテリーを搭載しており、PCMark for Android Work 3.0のバッテリーライフ測定では約15時間という結果が出ています 3。実際の利用においても、1日を通してバッテリー切れの心配をせずに使用できる可能性が高いと言えるでしょう。
まとめ
本レポートでは、AQUOS sense8のベンチマーク性能について詳細な分析を行いました。搭載されたSnapdragon 6 Gen 1は、AnTuTu、Geekbench、3DMarkといった主要なベンチマークテストにおいて、前世代のSnapdragon 695を搭載する機種と比較して大幅な性能向上を示しており、ミドルレンジスマートフォンの中でも高いパフォーマンスを発揮することが明らかになりました。特に、CPU、GPU、UXの各性能がバランス良く向上しており、日常的な利用はもちろん、ゲームやマルチタスクといった負荷の高い処理においても、快適な動作が期待できます。バッテリー持続時間やストレージ性能も実用的な水準にあり、AQUOS sense8はコストパフォーマンスに優れた、魅力的なミドルレンジスマートフォンと言えるでしょう。
引用文献
- www.helpmax.net, 3月 20, 2025にアクセス、 http://www.helpmax.net/en/sharp/sharp-aquos-sense8-performance#:~:text=This%20octa%2Dcore%20processor%20configuration,day%20tasks%20and%20moderate%20gaming.
- Sharp Aquos sense8 Performance – Helpmax, 3月 20, 2025にアクセス、 http://www.helpmax.net/en/sharp/sharp-aquos-sense8-performance
- Sharp Aquos Sense8 Review – Benchmarks – UL Solutions, 3月 20, 2025にアクセス、 https://benchmarks.ul.com/hardware/phone/Sharp+Aquos+Sense8+review
- AQUOS sense8のAnTuTuベンチマーク実測!695を突破した …, 3月 20, 2025にアクセス、 https://hypergadget.jp/aquossense8_benchmark/
- Review Sharp Aquos Sense8: Tahan Banting, Tapi Speknya Terlalu …, 3月 20, 2025にアクセス、 https://uzone.id/review-sharp-aquos-sense8-tahan-banting-tapi-speknya-terlalu-standar