Crucial T700 (CT2000T700SSD3JP) 2TB PCIe 5.0 NVMe SSD ベンチマークまとめ

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Crucial T700は、コンシューマー向けPCI Express 5.0 (PCIe 5.0) NVMeソリッドステートドライブ(SSD)市場における先駆的製品の一つとして登場しました 1。前世代のPCIe 4.0を大幅に上回る理論上の転送速度を実現し、ハイエンドデスクトップPCユーザーやエンスージアストから注目を集めています。本レポートでは、Crucial T700シリーズの中でも2TB、ヒートシンク非搭載モデルであるCT2000T700SSD3JPに焦点を当てます 3

目的は、日本語および英語圏の信頼できるテクノロジーレビューサイトやハードウェア専門ブログから収集したベンチマークデータを詳細に分析することです。具体的には、公式仕様と実測性能の比較、主要なベンチマークソフトウェア(CrystalDiskMark, AS SSD Benchmark, ATTO Disk Benchmark, PCMark 10 Storage, 3DMark Storageなど)におけるシーケンシャルおよびランダム性能の評価、ファイルコピーやゲームロード時間などの実環境に近いテスト結果の検証、そして競合製品(他のPCIe 5.0 SSDや高性能PCIe 4.0 SSD)との性能比較を行います。これにより、Crucial T700 CT2000T700SSD3JPの実際の性能特性、長所、および潜在的な課題を明らかにします。

Crucial T700 CT2000T700SSD3JP 公式仕様

Crucial T700 CT2000T700SSD3JPの主要な公式仕様は以下の通りです。これらの仕様は、本ドライブの性能ポテンシャルを理解する上での基礎となります。

仕様項目詳細出典例
インターフェースPCI Express 5.0 x4, NVMe 2.03
フォームファクタM.2 22803
容量2TB3
NANDフラッシュMicron 232層 3D TLC NAND (2000 MT/sインターフェース速度)2
コントローラーPhison PS5026-E267
DRAMキャッシュ4GB LPDDR41
シーケンシャル読込最大 12,400 MB/s3
シーケンシャル書込最大 11,800 MB/s3
ランダム読込最大 $1,500$K IOPS5
ランダム書込最大 $1,500$K IOPS5
耐久性 (TBW)1200 TBW (Total Bytes Written)4
保証期間5年間限定保証3
セキュリティAES 256ビット ハードウェア暗号化, TCG Opal 2.01 サポート2
寸法 (ヒートシンク無)22 x 80 x 3.8 mm5

特筆すべきは、Phison E26コントローラーとMicronの232層TLC NANDの組み合わせです。特に、競合の初期PCIe 5.0 SSDが1600 MT/sのNANDを採用していたのに対し、T700ではより高速な2000 MT/sのNANDを採用したことが、公称スペックで12 GB/sを超えるシーケンシャル性能を実現する鍵となっています 2。耐久性(TBW)は、一部の旧世代ハイエンドSSDと比較すると標準的ですが、一般的なコンシューマー用途には十分なレベルです 12

ベンチマーク分析

収集したベンチマークデータを分析し、Crucial T700 CT2000T700SSD3JPの性能特性を評価します。

テスト環境に関する注意点

ベンチマーク結果を解釈する上で、以下の点に留意する必要があります。

  • テストベッドの差異: 各レビューサイトで使用されているテスト環境(CPU、マザーボード、メモリ、OS、ドライババージョンなど)は異なります 12。これにより、サイト間で結果に多少のばらつきが生じる可能性があります。
  • PCIe 5.0対応プラットフォーム: T700の最大性能を引き出すには、PCIe 5.0に対応したCPUとマザーボードが不可欠です。具体的には、Intelプラットフォームでは第12世代または第13世代CoreプロセッサとZ690またはZ790チップセット搭載マザーボード、AMDプラットフォームではRyzen 7000シリーズプロセッサとX670、X670E、またはB650Eチップセット搭載マザーボードが必要です 12。PCIe 4.0スロットで使用した場合、帯域幅がボトルネックとなり性能は制限されます 10
  • 冷却ソリューション: PCIe 5.0 SSDは高負荷時にかなりの熱を発生します 1。CT2000T700SSD3JPはヒートシンク非搭載モデルですが、マザーボード付属のM.2ヒートシンクや、別途用意された冷却ソリューションを使用することが強く推奨されます。適切な冷却が行われない場合、サーマルスロットリングが発生し、性能が大幅に低下する可能性があります 8。一部のテストでは、冷却不足により性能がHDDレベルまで低下するケースも報告されています 17。Crucialがオプションで提供するカスタムヒートシンクや、マザーボードのヒートシンクは、多くの場合、 throttling を防ぐのに十分な冷却性能を提供します 8

シーケンシャル性能

シーケンシャル性能は、大容量ファイルの読み書き速度を示す指標であり、特に動画編集や大容量データのコピーなどで重要となります。

読み取り速度

  • CrystalDiskMark: 多くのレビューサイトで、公称値である最大 12,400 MB/sに近い、あるいはわずかに上回る 12,300 MB/sから 12,440 MB/s程度のスコアが報告されています 7。これは、T700が公称通りの非常に高いシーケンシャル読み取り性能を発揮することを示しています。
  • AS SSD Benchmark: CrystalDiskMarkよりも一般的に低いスコアが出る傾向があり、T700では 9,200 MB/sから 9,300 MB/s台の結果が見られます 9。これはベンチマークツールの特性によるものです。
  • ATTO Disk Benchmark: 小さなブロックサイズから大きなブロックサイズまで安定した性能を示しますが、一部のレビューでは8GBなどの大容量テストにおいて、若干の性能低下が見られるケースも報告されています 15
  • TxBench: CrystalDiskMark同様、公称値に近い 12,400 MB/s前後の高いスコアが記録されています 10
  • AJA Video System Disk Test: 実際のビデオ編集ワークフローをシミュレートするテストでも、様々なコーデックや解像度で 10,000 MB/sを超える安定した読み取り性能が確認されています 10

総評: Crucial T700は、主要なシーケンシャルベンチマークにおいて、公称スペックである 12,400 MB/sに迫る、あるいは達成する、現行市場で最速クラスの読み取り性能を一貫して示しています 7

書き込み速度

  • CrystalDiskMark: 読み取り同様、公称値の最大 11,800 MB/sに近い 11,700 MB/sから 11,800 MB/s程度のスコアが安定して報告されています 7
  • AS SSD Benchmark: こちらもCDMより低い値が出る傾向があり、10,200 MB/sから 10,300 MB/s台の結果が見られます 9。一部レビューでは、AS SSDにおいて書き込み速度が読み取り速度を上回るという興味深い結果も報告されています 19
  • ATTO Disk Benchmark: 読み取りと同様、安定した性能を示しつつも、大容量テストでわずかな性能低下の可能性が指摘されています 15
  • TxBench: 公称値に近い 11,800 MB/s前後のスコアが記録されています 10
  • AJA Video System Disk Test: こちらも 10,000 MB/sを超える高い書き込み性能を示しています 10

総評: シーケンシャル書き込み性能においても、T700は公称スペック通りの市場最速クラスの性能を発揮します 7

ランダム性能

ランダム性能は、OSの起動、アプリケーションの応答性、小さなファイルの多数読み書きなど、日常的なPC操作の体感速度に大きく影響します。

4K Q1T1 (低キュー深度)

  • CrystalDiskMark: ランダム4KB、キュー深度1、スレッド1(Q1T1)のテストでは、特に読み取りレイテンシにおいて、Samsung 990 Proのような高性能PCIe 4.0 SSDに劣る結果が一部のレビューで見られます 15。これは、SamsungのNANDが持つ優れた読み取りレイテンシ特性に起因する可能性があります 15。書き込み性能も、PCIe 4.0の最速クラスに及ばない場合があります 21
  • AS SSD Benchmark: 4Kテストでは、読み取りが約 81 MB/s、書き込みが約 300 MB/sという結果が報告されています 9

総評: Q1T1ランダム性能は、OSやアプリケーションの応答性に直結する重要な指標ですが、T700はこの点で必ずしもPCIe 5.0の帯域幅の恩恵を最大限に受けているわけではありません。一部のテストでは、最先端のPCIe 4.0 SSDと比較して同等か、わずかに劣る性能を示すことがあります 15。これは、PCIe 5.0の主な利点が現時点ではシーケンシャル性能の向上に集中していることを示唆しています。

4K Q32T1 / Q64T1 / Q128T1 (高キュー深度)

  • CrystalDiskMark (QD32T8): 高いキュー深度と複数スレッドでのテストでは、読み取り約 1491 MB/s、書き込み約 1421 MB/sといった高いスループットが報告されています 24
  • AS SSD Benchmark (4K-64Thrd): 64スレッドでのテストでは、読み取り約 3235 MB/s、書き込み約 2272 MB/sと、非常に高い性能を示します 9
  • Anvil’s Storage Utilities: QD128でのランダム読み取りテストでは、公称値の $1,500$K IOPSにはわずかに届かないものの、$1,350$K IOPSという非常に高いIOPSを記録しています 7。しかし、書き込みスコアに関しては、他のPhison E26コントローラー搭載Gen 5 SSD(例: Seagate FireCuda 540, Inland製ドライブ)と比較して低い値を示す傾向が見られます 18。これは、T700がシーケンシャルスループットを重視したチューニングが施されているため、高キュー深度のランダム書き込み性能が相対的に抑えられている可能性を示唆しています 18
  • AS SSD Benchmark (Score): Anvil’sと同様の傾向が見られ、読み取りスコアは高いものの、マルチスレッドランダム書き込み性能が影響し、総合的な書き込みスコアは他のGen 5 SSDに劣る場合があります 18

総評: サーバーワークロードや高度なマルチタスクなど、高いキュー深度が要求されるシナリオにおいては、T700は非常に高いIOPS性能を発揮します。ただし、特にランダム書き込み性能においては、他の同世代SSDと比較して、シーケンシャル性能を優先する設計思想の違いが現れている可能性があります 18

実環境性能テスト

合成ベンチマークだけでなく、実際のアプリケーション使用状況を模したテストにおける性能も重要です。

PCMark 10 Storage Benchmark

  • 総合スコア: PCMark 10の総合ストレージベンチマークにおいて、T700はテストされたドライブの中で最高クラスのスコアを記録しています 12。これは、OS起動、アプリケーション起動、ファイルコピー、編集作業など、多様な日常的タスクにおける優れた総合性能を示唆します。
  • 帯域幅とアクセス時間: 高い帯域幅(例: 770 MB/s超 24, 1148 MB/s 1)と低い平均アクセス時間(例: 36 µs 1, 40 µs 24)が報告されており、応答性の良さを示しています。
  • 個別テスト: 特にファイルコピー関連のテストでは、PCIe 4.0 SSDに対して顕著な性能向上(最大60%高速など)が見られます 12。一方で、アプリケーション起動などの一部テストでは、PCIe 4.0の最速ドライブとの差がそれほど大きくない場合もあります 12

総評: PCMark 10の結果は、T700が一般的なPC利用環境において、現行最高レベルのパフォーマンスを提供することを示しています。特に大容量データの扱いでその差が顕著になりますが、全体的な体感速度向上という点では、トップクラスのドライブ間の差は比較的小さいとも言えます 12

3DMark Storage Benchmark

  • スコアと帯域幅: ゲーム関連のストレージタスク(ゲームのロード、進行状況の保存、インストール、ゲームプレイ録画など)に特化した3DMark Storage Benchmarkにおいて、T700はレビュー時点でテストされた全SSDの中で最高スコアと最高帯域幅(例: 1058 MB/s超 24, 1148 MB/s 1)を記録しています 7。他のPCIe 5.0 SSDに対しても4-7%程度のリードを示しています 15
  • アクセス時間: 平均アクセス時間も非常に低く(例: 36 µs 1, 53 µs 24)、ゲーム中のデータアクセスが高速であることを示唆します。
  • DirectStorage: T700はMicrosoftのDirectStorage APIに最適化されたファームウェアを搭載しており、将来的により効率的なゲームデータロードが期待されます 2

総評: 3DMarkの結果に基づけば、T700は現時点で最高のゲーミングSSDの一つと言えます。ロード時間の短縮やスムーズなゲーム体験に貢献する可能性が高く、DirectStorage対応ゲームが登場すれば、その優位性はさらに増すと考えられます 2

ファイルコピーテスト (DiskBench, AS SSD Copy, etc.)

  • DiskBench (50GB): 写真、PDF、動画など多様なファイルタイプを含むカスタムデータセットのコピーテストにおいて、T700は従来テストされたドライブを大幅に上回るコピー速度を記録しました 15。これはPCIe 5.0の帯域幅が活きる典型的なシナリオです。
  • AS SSD Copy Benchmark: ISO(大容量ファイル)、Program(多数の小ファイル)、Game(混合ファイル)の各コピーシナリオにおいて、非常に高速な転送レート(例: ISOで 4877 MB/s 9、Gameで 3444 MB/s 9 または 3964 MB/s 21)を示しました。特に大容量ファイルや混合ファイルのコピーでその性能が際立ちます。
  • 100GB File Transfer (TweakTown): 62,000以上のファイルを含む非常に負荷の高い100GBデータ転送テストにおいて、特に読み取り(データ供給)性能で前例のないレベルを達成し、Intelテストプラットフォームでは 6,000 MB/sを超える速度を記録しました 7

総評: 大容量ファイルのコピーや移動といったタスクにおいて、Crucial T700はPCIe 5.0インターフェースの恩恵を最大限に発揮し、PCIe 4.0 SSDを圧倒する性能を示します。これが現時点でPCIe 5.0 SSDを選択する最も明確な理由の一つと言えるでしょう 7

ゲームロード時間 (Shadow of the Tomb Raiderなど)

  • 特定のゲームでの結果: 一部のレビュー(RockPaperShotgun)で実施されたShadow of the Tomb Raiderのロード時間テストでは、T700(7.3秒~7.4秒)は、最速クラスのPCIe 4.0 SSDであるWD Black SN850x(6.7秒)やSamsung 990 Pro(6.6秒)よりもわずかに遅いという結果が報告されました 21。これは、同レビューサイトでのT700のランダム読み取り性能が競合に劣っていたことと関連している可能性があります。
  • 3DMarkとの比較: 3DMark Storage BenchmarkではT700が最速であったにもかかわらず、特定のゲームのロード時間では必ずしも最速とは限らないことを示唆しています 21。これは、実際のゲームエンジンがストレージアクセスをどのように行うか、またテスト対象ゲームの特性に依存するためと考えられます。

総評: T700はDirectStorageへの最適化など将来性を見据えた設計がされていますが、現行のゲームタイトルにおけるロード時間短縮効果という点では、PCIe 4.0の最速SSDと比較して劇的な差があるとは限らず、タイトルによってはわずかに劣る可能性も否定できません。ゲームロード時間のみを重視する場合、PCIe 5.0へのアップグレードのメリットは限定的かもしれません 7

持続書き込み性能とSLCキャッシュ

SSDの書き込み性能は、一時的に高速な書き込みを行うSLC(Single-Level Cell)キャッシュによって支えられています。キャッシュが満杯になると、本来のTLC(Triple-Level Cell)NANDへの書き込み速度に低下します。

  • SLCキャッシュサイズ: Crucial T700 2TBモデルのSLCキャッシュサイズは、総容量の約11%に相当する約220GBと報告されています 15。これは、一度に大量のデータを書き込む場合でも、最初の約220GBまでは最高速度に近いパフォーマンスが維持されることを意味します。ただし、ssd-tester.comやTechPowerUpのデータベースでは、約212GB 9 や約320GB 25 という異なる値も示されており、測定方法やファームウェアによる違いの可能性があります。
  • キャッシュ内書き込み速度: SLCキャッシュが利用可能な状態では、最大 12 GB/sに近い書き込み速度を20秒以上持続できます 15
  • キャッシュ枯渇後の書き込み速度: SLCキャッシュが満杯になった後、TLC NANDへの直接書き込み速度に移行します。この速度は約 3.6 GB/s 15 から 4 GB/s 1 程度と報告されており、これは高性能なPCIe 4.0 SSDに匹敵するレベルです。
  • フォールディング状態: さらに書き込みを続けると、NANDの内部的なデータ整理(フォールディング)のために、書き込み速度が一時的にさらに低下する状態(約 1.16 GB/s 26 や 1.4 GB/s 20、あるいはTLC速度の約半分 15)に入る可能性があります。
  • キャッシュ回復: 書き込み負荷がなくなると、SLCキャッシュは比較的速やかに回復し、再び高速な書き込みが可能になります 15

総評: T700は比較的大容量のSLCキャッシュを備えており、バースト書き込み性能は非常に高いです。キャッシュが枯渇した後の持続書き込み性能も、依然として高速な部類に入ります。ただし、レビューソースによって報告されるキャッシュサイズに差異がある点には注意が必要です。

消費電力と発熱

PCIe 5.0 SSDの高性能化に伴い、消費電力と発熱は重要な考慮事項となっています。

  • 消費電力: T700は、高性能なPCIe 4.0 SSDと比較しても、アイドル時、平均負荷時、最大負荷時のいずれにおいても消費電力が高い傾向にあります 15。これはPhison E26コントローラーと高速NANDの組み合わせによるもので、性能とのトレードオフと言えます。
  • 発熱: 高い消費電力は必然的に高い発熱を伴います。高負荷時にはコントローラー温度が80℃以上に達することもあり 24、適切な冷却が不可欠です 1
  • 冷却の重要性: CT2000T700SSD3JPはヒートシンク非搭載モデルのため、ユーザーはマザーボード付属のM.2ヒートシンクや市販のヒートシンクを使用する必要があります 2。Crucialがオプションで提供するパッシブ(ファンレス)ヒートシンクも効果的であると評価されています 1。冷却が不十分な場合、コントローラーの温度がTjmax(約86℃)に達すると、性能を大幅に低下させるサーマルスロットリングが発生します 17。最悪の場合、HDD並みの速度(約100 MB/s)まで低下する可能性も指摘されています 17

総評: Crucial T700を含む現行のPCIe 5.0 SSDは、その卓越した性能と引き換えに、高い消費電力と発熱という課題を抱えています。特にヒートシンク非搭載モデルを使用する場合は、マザーボードの冷却能力を確認するか、別途効果的な冷却ソリューションを導入することが、安定した性能を維持するために極めて重要です 12

競合製品との比較

Crucial T700の性能をより深く理解するために、他のSSDとの比較を行います。

他のPCIe 5.0 SSD (Gigabyte Aorus Gen5 10000, Corsair MP700, Inland TD510など)

  • NAND速度とシーケンシャル性能: Crucial T700は、初期の競合製品(例: Aorus Gen5 10000, MP700初期版)が1600 MT/sのNANDを採用していたのに対し、より高速な2000 MT/sのMicron 232層NANDを採用しています 2。これにより、シーケンシャル読み書き速度において、T700は 12 GB/sを超える性能を実現し、競合に対して明確な優位性を示しました 7
  • 実環境性能: PCMark 10や3DMarkといった総合ベンチマークにおいても、T700は他の初期Gen 5 SSDをリードする傾向が見られます 15
  • ランダム性能: 一方で、Anvil’s Storage UtilitiesやAS SSD Benchmarkなどのテストでは、特に高キュー深度のランダム書き込みにおいて、T700が他のGen 5 SSD(Seagate FireCuda 540やInland製ドライブなど)よりも低いスコアを出す場合があります 18。これは前述の通り、各ドライブのチューニング方針(シーケンシャル重視か、ランダム性能重視か)の違いを反映している可能性があります。
  • 冷却: 冷却ソリューションにも違いがあり、T700は効果的なカスタム設計のパッシブヒートシンクをオプションで提供していますが、一部の競合製品(例: Inland TD510)はファン付きの冷却ソリューションを採用しています 1

高性能PCIe 4.0 SSD (Samsung 990 Pro, WD Black SN850xなど)

  • シーケンシャル性能とファイルコピー: PCIe 5.0の帯域幅を活かし、T700はシーケンシャル読み書き速度や大容量ファイルコピー性能において、Samsung 990 ProやWD Black SN850xといった最速クラスのPCIe 4.0 SSDを大幅に上回ります 12
  • ランダム性能とゲームロード: しかし、OSの応答性や一般的なアプリケーションの動作に影響するランダムQ1T1性能、特に読み取りレイテンシにおいては、990 ProなどがT700と同等か、わずかに優れている場合があります 15。また、特定のゲームロード時間テストでも、PCIe 4.0の最速ドライブがT700を上回る結果が見られました 21
  • 価格と効率: 最大の相違点は価格であり、T700は同容量の高性能PCIe 4.0 SSDと比較して大幅に高価です 2。また、消費電力と発熱に関しても、PCIe 4.0 SSDの方が一般的に有利です 15

Crucial T705 (後継モデル)

  • CrucialはT700の後継としてT705をリリースしました 14。T705は、さらに高速な2400 MT/sのMicron 232層NANDを採用し、シーケンシャル読み取り速度は最大 14.5 GB/s、書き込み速度は最大 12.7 GB/sに達します 14
  • これにより、T700からさらに性能が向上し、PCIe 5.0 SSD市場におけるリーダーシップを強化しています 14

結論

Crucial T700 CT2000T700SSD3JPは、その登場時点において、コンシューマー向けSSD市場で最速クラスの性能を提供する製品です。特に、最大 12,400 MB/sのシーケンシャル読み取り、最大 11,800 MB/sのシーケンシャル書き込みという公称スペックに違わぬ性能を多くのベンチマークで実証しており、大容量ファイルの転送や処理においてPCIe 5.0インターフェースのポテンシャルを明確に示しています 2

PCMark 10や3DMark Storageといった総合的な実環境性能テストでもトップクラスのスコアを記録し、一般的なPC利用やゲーミングシナリオにおいても高いパフォーマンスを発揮します 7。また、Microsoft DirectStorageへの最適化は、将来的なゲーム体験の向上に寄与する可能性があります 2

一方で、いくつかの課題も存在します。OSやアプリケーションの応答性に影響するランダムQ1T1性能、特に読み取りレイテンシにおいては、Samsung 990 Proなどの最先端PCIe 4.0 SSDに対して明確な優位性を示すには至っていません 15。一部のゲームロード時間テストでも同様の傾向が見られました 21。これは、現時点でのPCIe 5.0の主なメリットが、まだシーケンシャル性能の向上に偏っていることを示唆しています。

さらに、PCIe 5.0 SSDに共通する課題として、高価格、高消費電力、そして高発熱が挙げられます 2。T700も例外ではなく、その性能を安定して引き出すためには、効果的な冷却ソリューションが不可欠です。

ターゲットユーザー:

Crucial T700 CT2000T700SSD3JPは、最新のPCIe 5.0対応プラットフォームを所有し、可能な限り最高のシーケンシャル性能やファイル転送速度を求めるエンスージアスト、あるいは日常的に大容量データを扱うプロフェッショナルやコンテンツクリエイターにとって魅力的な選択肢となります。

しかし、一般的なゲーミング用途や日常的なPC利用においては、ランダム性能や実際のアプリケーション応答性で大きな差が見られない場合があり、依然としてコストパフォーマンスに優れる高性能PCIe 4.0 SSDも有力な選択肢であり続けます 15。予算、利用目的、そして冷却環境を考慮した上で、最適なドライブを選択することが推奨されます。

引用文献

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  5. [bn:8]【送料無料】crucial 内蔵型 M.2 SSD T700 CT2000T700SSD3JP 2TB:オンラインショッピングエクセラー JRE MALL店通販, 4月 25, 2025にアクセス、 https://shopping.jreast.co.jp/products/detail/S210/S210-1000024994
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  26. Crucial T705 2TB SSD Review: The Fastest SSD on The Planet – Tom’s Hardware, 4月 25, 2025にアクセス、 https://www.tomshardware.com/pc-components/ssds/crucial-t705-2tb-ssd-review/2
  27. Crucial’s hyper-fast 4TB T700 PCIe Gen 5 SSD drops to its lowest-ever price of 9 cents per GB | Tom’s Hardware, 4月 25, 2025にアクセス、 https://www.tomshardware.com/pc-components/ssds/crucials-hyper-fast-4tb-t700-pcie-gen-5-ssd-drops-to-its-lowest-ever-price-of-9-cents-per-gb
  28. Best SSDs 2025: From blazing-fast M.2 NVMe down to budget SATA | Tom’s Hardware, 4月 25, 2025にアクセス、 https://www.tomshardware.com/reviews/best-ssds,3891.html
  29. Crucial T705 2TB SSD Review: The Fastest SSD on The Planet | Tom’s Hardware, 4月 25, 2025にアクセス、 https://www.tomshardware.com/pc-components/ssds/crucial-t705-2tb-ssd-review
  30. Ultimate Crucial T700 2Tb PCIe Gen5 NVMe SSD Review | TMP – YouTube, 4月 25, 2025にアクセス、 https://www.youtube.com/watch?v=wUdIflVNza4
  31. Crucial T700 2TB PCIe Gen5 NVMe M.2 SSD | CT2000T700SSD3, 4月 25, 2025にアクセス、 https://www.crucial.com/ssd/t700/ct2000t700ssd3
  32. Crucial T700 CT2000T700SSD3JP (M.2 2280 2TB) | パソコン通販のドスパラ【公式】, 4月 25, 2025にアクセス、 https://www.dospara.co.jp/SBR1144/IC503042.html
  33. Crucial T700 2TB PCIe Gen5 NVMe M.2 SSD | CT2000T700SSD3, 4月 25, 2025にアクセス、 https://www.crucial.jp/ssd/t700/ct2000t700ssd3
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  35. SSD Benchmarks Hierarchy 2025: We’ve tested over 100 different SSDs over the past few years, and here’s how they stack up. | Tom’s Hardware, 4月 25, 2025にアクセス、 https://www.tomshardware.com/features/ssd-benchmarks-hierarchy
  36. Crucial 2TB T500 SSD Review: The All-Around Gen 4 SSD | Tom’s Hardware, 4月 25, 2025にアクセス、 https://www.tomshardware.com/reviews/crucial-2tb-t500-ssd-review
  37. T700 – Latest Articles and Reviews on AnandTech, 4月 25, 2025にアクセス、 https://www.anandtech.com/tag/t700
  38. Crucial – Latest Articles and Reviews on AnandTech, 4月 25, 2025にアクセス、 https://www.anandtech.com/tag/crucial
  39. Crucial T500 Gen4 NVMe SSD: New Flagship Melds Micron 232L 3D TLC and Phison E25, 4月 25, 2025にアクセス、 https://www.anandtech.com/show/21115/crucial-t500-gen4-nvme-ssd-new-flagship-melds-micron-232l-3d-tlc-and-phison-e25-controller
  40. Crucial T700 Pro 4 TB Review – 4 TB of Gen 5 Goodness | TechPowerUp, 4月 25, 2025にアクセス、 https://www.techpowerup.com/review/crucial-t700-pro-4-tb/
  41. Crucial Reviews | TechPowerUp Review Database, 4月 25, 2025にアクセス、 https://www.techpowerup.com/reviewdb/SSD/Crucial/
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