MediaTek Dimensity 1000/1000+ パフォーマンス評価レポート

SoC_mediatek CPU・SoC

1.0 概要

MediaTek Dimensity 1000シリーズは、2019年末から2020年初頭にかけて発表され、MediaTekがフラッグシップスマートフォン向けシステムオンチップ(SoC)市場へ意欲的に再参入したことを示す製品群です 1。特にDimensity 1000+は、Dimensity 1000の改良版としてコンシューマー向けデバイスやベンチマークソースでより一般的に見られるバージョンです 3。本レポートでは、主にDimensity 1000+のパフォーマンスを、各種ベンチマークスコア、競合製品との比較、実使用感の観点から詳細に分析・評価します。

Dimensity 1000シリーズは、当時の最先端技術を積極的に採用していました。主要なアーキテクチャ上の特徴は以下の通りです。

  • プロセスノード: TSMCの7nm FinFETプロセスで製造されており 2、これは同世代のフラッグシップ競合製品であるSnapdragon 865、Kirin 990 5G、Exynos 990と同等の製造技術です 7
  • CPU構成: オクタコアCPUを搭載し、4つの高性能ARM Cortex-A77コア(最大2.6GHz)と4つの電力効率に優れたARM Cortex-A55コア(最大2.0GHzまたは一部情報では2.2GHz)で構成されています 2。当時最新のCortex-A77コアの採用は、MediaTekにとって大きな前進でした 2。QualcommのSnapdragon 865がプライムコア1つ、パフォーマンスコア3つ、効率コア4つという3クラスタ構成(すべてA77/A55ベース)を採用したのに対し 5、Dimensity 1000+が4つの高性能コアをすべて同じ2.6GHzで動作させる構成を選んだことは注目に値します。このアプローチは、ピーク時のシングルコア性能よりも、持続的なマルチコア性能と、設計や検証の簡略化、あるいはコスト効率を重視した戦略を示唆している可能性があります。均一な高性能コアはスケジューリングを単純化し、マルチタスクや複雑なアプリケーションといった一般的なスマートフォンの利用パターンにおいて強力な性能を発揮することが期待されます。これにより、特に価格競争力のあるフラッグシップモデルを構築するメーカーにとって魅力的な選択肢となり得ました 14
  • GPU構成: ARMのValhallアーキテクチャに基づくMali-G77 MP9(9コア)GPUを統合しています 3。ARMはこの世代で、前世代のMali-G76と比較して大幅な性能向上と効率改善を謳っていました 16。GPU周波数は最大836MHzまたは850MHzと報告されています 5
  • AI処理ユニット(APU): MediaTek独自のAPU 3.0を搭載しています。これはヘキサコア(6コア)のAIプロセッサで、4.5 TOPS(Tera Operations Per Second)の性能を持つとされています 7。発表当初のAI-Benchmarkでは、Kirin 990 5GやSnapdragon 855+を上回る高いスコアを記録し、注目を集めました 7
  • 統合5Gモデム: 当時の大きな差別化要因として、5GモデムをSoCに統合していた点が挙げられます。Sub-6GHz周波数帯、デュアル5G SIM、キャリアアグリゲーション(2CC)、VoNR(Voice over New Radio)に対応していました 2。これは、Snapdragon 865(X55モデム)やExynos 990(Exynos 5123モデム)が外部モデムを採用していたのとは対照的です 7。MediaTekは、統合による大幅な電力効率の向上を主張していました 4。ただし、初期のバージョンではミリ波(mmWave)には対応していませんでした 7。5Gモデムの統合は、技術的およびマーケティング的な大きな声明であり 2、ミリ波非対応という点はありつつも、当時のQualcommに対して統合化で先行する形となりました。これは、特にSub-6GHzが主流の市場において、より電力効率が高く、基板実装面積を節約できるソリューションとしてアピールしたと考えられます 11
  • メモリサポート: LPDDR4X RAMに対応しています 5。これは、LPDDR5にも対応していたSnapdragon 865やExynos 990とは異なる点です 5。ストレージはUFS 2.1またはUFS 2.2に対応しており 7、競合製品がUFS 3.0を搭載することが多かった点とも異なります 7

市場においては、Dimensity 1000シリーズは、QualcommのSnapdragonシリーズに対する高性能かつコスト効率の高い代替品として位置づけられ、特に「フラッグシップキラー」と呼ばれる価格帯のデバイスをターゲットとし、既存の有力プレイヤーに挑戦する製品となりました 1

2.0 CPU パフォーマンス分析

Dimensity 1000+のCPU性能を評価するために、主にGeekbench 5およびGeekbench 6のベンチマークスコアを分析します。これらのベンチマークは、CPUの純粋な演算性能を測定するために広く用いられています 5

Geekbench 5 スコア(代表値):

  • Dimensity 1000+: マルチコアスコアは約3100〜3123点の範囲で報告されています 5。シングルコアスコアは報告頻度が低いものの、Snapdragon 865のピーククロック速度がより高いため、それよりは低いと予想されます 7。ある情報源では、特定のGeekbenchバージョンでマルチコアスコアが12,096点に達し、Snapdragon 865とされるスコア13,344点と比較されていました 7
  • Snapdragon 865: シングルコアは約929点 26、マルチコアは約3450点 26 と報告されています。
  • Kirin 990 5G: シングルコアは約750〜770点 17、マルチコアは約2887〜3213点 9 の範囲です。Dimensity 1000+は一般的にシングルコアでKirin 990 5Gを上回りますが、マルチコアではわずかに下回るケースもありました 9
  • Exynos 990: マルチコアスコアはGeekbench 6で約2670点 10、Geekbench 5のパフォーマンス評価ではDimensity 1000+と同等レベルとされています 23。シングルコア性能は、Geekbench 6ではDimensity 1000+より低いことが多いですが 10、Geekbench 5ではカスタムM5コアにより高い可能性があります 23

Geekbench 6 スコア(Nanoreviewより – 手法による差異の可能性に注意):

  • Dimensity 1000+: シングルコア 約1031点、マルチコア 約3123点 5
  • Snapdragon 865: シングルコア 約1117点 (+8%)、マルチコア 約3274点 (+5%) 5
  • Snapdragon 865+: シングルコア 約1162点 (+13%)、マルチコア 約3276点 (+5%) 6
  • Kirin 990 5G: シングルコア 約964点 (-7%)、マルチコア 約3146点 (+1%) 9
  • Exynos 990: シングルコア 約840点 (-19%)、マルチコア 約2670点 (-14%) 10

分析:

Dimensity 1000+に搭載されたCortex-A77コアは、MediaTekにとって大きな世代的飛躍をもたらしました。マルチコア性能は非常に競争力が高く、Kirin 990 5GやExynos 990と同等かそれを上回り、Snapdragon 865/865+にも肉薄するレベルでした 5。シングルコア性能も強力でしたが、QualcommのSnapdragon 865がより高いクロック周波数のプライムコアを搭載していたため、一般的にはSnapdragon 865に一歩譲る形となりました 5。旧世代のCortex-A76コアを使用するKirin 990 5Gとの比較では 2、Dimensity 1000+が持つA77コアのアーキテクチャ上の優位性が明確に示されました 2

Dimensity 1000+とSnapdragon 865のマルチコア性能が、CPUアーキテクチャの違い(均一コア vs 3クラスタ)にもかかわらず非常に近接していたことは、MediaTekがCortex-A77アーキテクチャとTSMCの7nmプロセスを効果的に活用し、高度に並列化されたワークロードにおいてほぼ同等の性能を達成したことを示唆しています。これは、システムの全体的な応答性や複雑なアプリケーションの実行能力にとって重要な要素です。Snapdragon 865の複雑なコア構成と高いピーククロックに対して 5、Dimensity 1000+がこれに近いスコアを達成したことは 5、MediaTekによる効果的な実装と最適化が行われたことを示しており、MediaTekがCPU性能でQualcommに大きく遅れをとっているという従来の認識を覆すものでした 1

一方で、異なる情報源やベンチマークバージョン間で報告されるスコアにばらつきが見られることは 5、テスト環境(使用デバイス、OS、ベンチマークバージョン、熱状態など)を考慮することの重要性を強調しています。最も信頼性の高い結論を得るためには、単一のスコアに依存するのではなく、複数の情報源からのデータを集約したり、同一レビュー内での直接比較を参照したりすることが不可欠です。

表1: Geekbench 5/6 CPUベンチマーク比較

SoCGeekbench Versionシングルコアスコアマルチコアスコア出典例
MediaTek Dimensity 1000+5~310014
MediaTek Dimensity 1000+6~1031~31235
Qualcomm Snapdragon 8655~929~345026
Qualcomm Snapdragon 8656~1117~32745
Qualcomm Snapdragon 865+6~1162~32766
HiSilicon Kirin 990 5G5~750-770~2887-321314
HiSilicon Kirin 990 5G6~964~31469
Samsung Exynos 9906~840~267010
Samsung Exynos 9905 (Performance Rating)(同等レベル)(同等レベル)23 (対Dimensity 1000+との比較)

注意: スコアは代表値または範囲を示しており、テスト環境によって変動します。Geekbench 5と6のスコアは直接比較できません。

3.0 GPU パフォーマンス分析

Dimensity 1000+のGPU性能は、主に3DMark(Sling Shot、Sling Shot Extreme – OpenGL/Vulkan、Wild Life)およびGFXBench(Manhattan、Car Chase、Aztec Ruins、T-Rex – 解像度に依存しないOffscreen版)のベンチマークスコアを用いて評価します 5

Mali-G77 MP9 の性能:

Dimensity 1000+に搭載されたMali-G77 MP9は、新しいValhallアーキテクチャを採用した9コア構成のGPUであり 16、MediaTekの以前のGPUやKirin 990に搭載されていたMali-G76と比較して大幅な性能向上を実現しました 2

  • 3DMark スコア:
  • Sling Shot Extreme (Unlimited Graphics): 平均約8264点。デバイスにより7501〜8601点の範囲 16
  • Sling Shot (ES 3.0) Unlimited Graphics: 平均約11258点。デバイスにより9823〜11824点の範囲 15
  • Wild Life (Vulkan): 約3752点 5。安定性(Stability)は非常に高い値(例: 98%)が報告されることが多いです 5
  • GFXBench スコア (代表的なOffscreen): Snapdragon 865と同等か、わずかに下回るスコアを示すことが多く、Kirin 990 5Gは一般的に上回ります 14

競合製品との比較 (代表的なスコア):

  • Snapdragon 865 (Adreno 650): グラフィックスベンチマークにおいて、Dimensity 1000+を上回ることが多いです 5。3DMark Wild Lifeスコアは約3875点 (+3%) 5。GFXBenchスコアも一般的に高い傾向にあります 14。Adreno 640から25%の性能向上を謳っていました 8
  • Snapdragon 865+ (Adreno 650 オーバークロック版): さらにリードを広げます。3DMark Wild Lifeスコアは約4180点 (+11%) 6
  • Kirin 990 5G (Mali-G76 MP16): Dimensity 1000+のMali-G77 MP9に性能で劣ることが一般的です 9。3DMark Wild Lifeスコアは約3286点 (-12%) 9。GFXBenchスコアも通常低めです 14
  • Exynos 990 (Mali-G77 MP11): Dimensity 1000+よりも多い11コアのGPUを搭載しています 10。3DMark Wild Lifeスコアは約3784点 (+1%) と非常に近接しています 10。Geekbench 6 Computeスコアは大幅に高く (+23%) 10、これは強力な演算性能を示唆しますが、ゲーミングベンチマークスコアはDimensity 1000+とほぼ同等です。

分析:

Mali-G77 MP9は、その時代のフラッグシップレベルのグラフィックス性能を提供し、要求の厳しいゲームや高リフレッシュレートディスプレイ(Dimensity 1000+は最大144Hzをサポート 3)に対応可能でした。これはMediaTekにとって大きな進歩であり、QualcommのAdreno GPUとの差を縮め、HuaweiのKirin 990 5Gのグラフィックス性能を凌駕しました 9。ピーク性能のベンチマークではAdreno 650にわずかに及ばないものの 5、その性能は堅牢で非常に競争力があり、特に搭載デバイスの価格帯を考慮すると優れたものでした 14。Exynos 990の11コアG77と性能が近接している点は、アーキテクチャ効率やドライバ最適化の違いを示唆している可能性があります 10

3DMark Wild Lifeのようなストレステストで報告されているDimensity 1000+の高い安定性スコア(例: 98% 5)は、競合製品(例: Snapdragon 865+で82% 6、Exynos 990で60% 10)と比較して、テストされたDimensity 1000+デバイスまたはチップ自体の熱管理が優れているか、より保守的な電力制御戦略を採用している可能性を示唆しています。これは、ピーク性能が一部のライバルよりわずかに低くても、長時間のゲームセッションにおいてより一貫したパフォーマンスにつながる可能性があります。安定したフレームレートはスムーズなゲームプレイにとって極めて重要であり、これはMediaTekまたはデバイスメーカーが、不安定なピーク性能よりも持続的な体験を優先した意図的な設計選択であった可能性も考えられます。

また、Dimensity 1000+の9コアMali-G77が、Exynos 990の11コアMali-G77と一部のゲーミングベンチマークで非常に近い性能を示すという事実は 10、一般的なモバイルゲーミングのワークロードにおいて、ある点を超えてコア数を増やしても性能向上の効果が薄れる可能性、あるいはMediaTekによる9コア構成に対するドライバ最適化や周波数管理が優れていた可能性を示唆しています。これは、GPU性能が単純なコア数だけでなく、クロック速度、メモリ帯域幅の利用効率、ドライバ効率、熱制限など、他の要因にも大きく影響されることを浮き彫りにします。

表2: GPUベンチマーク比較 (3DMark Wild Life & GFXBench)

SoCGPU3DMark Wild Life ScoreGFXBench Aztec Ruins High Tier Offscreen (Vulkan) FPSGFXBench Manhattan 3.1 Offscreen FPS出典例
MediaTek Dimensity 1000+Mali-G77 MP9~3752~22~67-88 (Test dependent)5
Qualcomm Snapdragon 865Adreno 650~3875~20~885
Qualcomm Snapdragon 865+Adreno 650~4180~256
HiSilicon Kirin 990 5GMali-G76 MP16~3286~16-18~679
Samsung Exynos 990Mali-G77 MP11~3784~2210

注意: スコアは代表値であり、テスト環境やベンチマークバージョンによって変動します。GFXBenchのスコアはOffscreen(解像度非依存)の結果です。Aztec Ruins (Vulkan) と Manhattan 3.1 は異なるテストシナリオです。

4.0 総合システムパフォーマンス

スマートフォンの全体的なパフォーマンスを評価するために、AnTuTuベンチマーク(v8およびv10が引用されています)のスコアを分析します。AnTuTuはCPU、GPU、メモリ(RAMおよびストレージ)、ユーザーエクスペリエンス(UX)のテストを組み合わせた総合スコアを提供します 1。PCMark Work 2.0も関連するシステムベンチマークの一つです 26

AnTuTu スコア:

  • AnTuTu v8: Dimensity 1000/1000+のスコアは、約511,363点 8 から50万点台前半の範囲で報告されており、競争力のある位置づけでした。v8.4.3を使用した一部の比較では、Dimensity 1000+(約50万点台と推測)はKirin 990 5Gを上回りましたが、Snapdragon 865(約56.5万点)には及びませんでした 14。AnTuTu自身が発表した2020年上半期のSoCチャート(CPU+GPUのみのスコアに基づく)では、Snapdragon 865が1位、Dimensity 1000+が2位でした 1
  • AnTuTu v10 (Nanoreviewより – 手法による差異の可能性に注意): Dimensity 1000+のスコアは約582,561点 5。Snapdragon 865は約758,854点 (+30%) 5、Snapdragon 865+は約737,495点 (+27%) 6、Kirin 990 5Gは約714,339点 (+23%) 9、Exynos 990は約737,285点 (+27%) 10 と報告されています。
  • AnTuTu v10 (BajajFinservより – 異なる内訳/スコアリング): Dimensity 1000+の合計スコアは約605,000点(CPU 18万, GPU 23万, Mem 9.5万, UX 10万)。対するSnapdragon 865の合計スコアは約655,000点(CPU 19万, GPU 25万, Mem 10.5万, UX 11万)とされています 22

分析:

AnTuTuスコアは、Dimensity 1000+がその世代のトップティアのパフォーマーであることを一貫して示しています。ただし、使用されたAnTuTuのバージョン(v8とv10ではスコアや相対的な位置づけ、特にKirin/Exynosの評価が大きく異なる)や情報源によって具体的なランキングは大きく変動します 1。それでも、Dimensity 1000+は全体的に強力な能力を示しています。v8とv10の結果の間の大きな乖離は、ベンチマークの進化と、AnTuTu v10がメモリ(LPDDR4X vs LPDDR5)やストレージ速度の違いをより重視している可能性を浮き彫りにしています。AnTuTu v8では、Dimensity 1000+は非常に競争力があり、しばしばKirin/Exynosを打ち負かし、Snapdragonに挑戦していました 1。NanoreviewによるAnTuTu v10のスコアでは、競合他社がLPDDR5をサポートしているのに対し、Dimensity 1000+がLPDDR4Xメモリサブシステムを採用していることが影響し、相対的に順位を下げているように見えます 5

AnTuTu v8とv10の間で見られる相対的なランキングの大きな変動、特にv10におけるKirin 990 5GとExynos 990のDimensity 1000+に対する相対的な順位向上は 5(v8の傾向 1 と比較して)、AnTuTu v10がメモリ帯域幅やストレージ性能をより重視するようになったことを強く示唆しています。これは、Dimensity 1000+(LPDDR4X, UFS 2.x)が、LPDDR5やUFS 3.0をサポートする競合製品に対してアーキテクチャ的に不利な領域です 5。AnTuTuにはメモリとUXのテストが含まれており 5、Dimensity 1000+はLPDDR4Xを使用するのに対し 5、Snapdragon 865/Exynos 990はより高速なLPDDR5をサポートしています 5。このメモリサブシステムの既知のアーキテクチャ差と相対スコアの変化が一致することから、v10におけるベンチマークの重み付けやテスト方法の変更が推測されます。

それでもなお、発売当初のAnTuTu v8 1 やAIベンチマーク 7 におけるMediaTekの好成績は、市場の認識を変え、プレミアムティアでQualcommやHiSiliconと直接競争できる能力を示す上で極めて重要でした。たとえ後のベンチマークバージョンや特定のテストでアーキテクチャ上のトレードオフ(メモリサブシステムなど)が明らかになったとしても、この成功はMediaTekにとって大きなマーケティング上の武器となり 1、より多くのメーカーがハイエンドデバイスにDimensityチップを採用するきっかけとなったと考えられます 1

表3: AnTuTuベンチマーク比較 (v8およびv10)

SoCAnTuTu VersionTotal ScoreCPU ScoreGPU ScoreMEM ScoreUX Score出典例
MediaTek Dimensity 1000+v8~511,3638
MediaTek Dimensity 1000+v8 (CPU+GPU)(2位)1 (vs SD865 1位)
MediaTek Dimensity 1000+v10 (Nano)~582,5615
MediaTek Dimensity 1000+v10 (Bajaj)~605,000~180,000~230,000~95,000~100,00022
Qualcomm Snapdragon 865v8~565,38426
Qualcomm Snapdragon 865v8 (CPU+GPU)(1位)1
Qualcomm Snapdragon 865v10 (Nano)~758,8545
Qualcomm Snapdragon 865v10 (Bajaj)~655,000~190,000~250,000~105,000~110,00022
Qualcomm Snapdragon 865+v10 (Nano)~737,4956
HiSilicon Kirin 990 5Gv8~389,50526 (Note: Lower than D1000+ in other v8 tests)
HiSilicon Kirin 990 5Gv10 (Nano)~714,3399
Samsung Exynos 990v10 (Nano)~737,28510

注意: スコアは情報源やテスト環境によって大きく異なります。特にAnTuTu v8とv10のスコアは直接比較できません。Nanoreview (Nano) と BajajFinserv (Bajaj) のv10スコア間にも差異が見られます。

5.0 ベンチマークスコアの比較検討

収集したベンチマークスコアを比較検討する際には、いくつかの要因によるスコアの変動を考慮する必要があります。

  • 変動要因:
  • デバイス実装: 同じSoCを搭載していても、デバイスメーカーによる熱設計(冷却機構)、搭載されているRAMの容量(例: 8GB 15)や速度、ストレージの種類や速度、そしてデバイス固有のチューニングは、特に持続的な負荷がかかる場合のスコアに大きく影響します。Redmi K30 Ultra 15 や iQOO Z1 27 などが、Dimensity 1000+のテストによく用いられたデバイスです。
  • ベンチマークバージョン: 前述の通り、Geekbench 5と6、AnTuTu v8とv10など、異なるバージョンのベンチマークスコアは、テスト方法やスコアリングアルゴリズムの変更により、直接比較できないことがよくあります 5
  • テスト条件: テスト時の環境温度、バックグラウンドで動作しているプロセス、OSのバージョン、そしてテストが1回の実行結果なのか、複数回の実行の平均値なのか(例: AnTuTu 4回目実行 27)といった条件も結果に影響を与えます。
  • データの一貫性評価:
    数値的なばらつきはあるものの、パフォーマンスの相対的な傾向はおおむね一貫しています。
  • 傾向: ほとんどの情報源と関連するベンチマークバージョンにおいて、Snapdragon 865/865+が全体的にリードし、Dimensity 1000+がそれに僅差で続き、Kirin 990 5GやExynos 990と同等かそれを上回る、という相対的な位置づけが維持されています 1
  • 例外/矛盾: AnTuTu v10のランキングが情報源によって異なる点 5 や、Dimensity 1000+のGeekbench Computeスコアが特に高い点 5 など、結果が大きく異なる特定のケースも存在します。
  • 情報源の信頼性:
    異なるウェブサイトは、異なるテストプロトコルを使用したり、異なる側面(例: ピーク性能 vs 持続性能)に焦点を当てたりする可能性があります。Notebookcheck 1、AnandTech(1で言及)、XDA-Developers 26、Nanoreview 5 などは、詳細なベンチマークデータを提供する一般的な情報源です。

スコアの変動にもかかわらず、Dimensity 1000+がその価格帯において優れた性能を発揮するという一貫した傾向は 14、当時のフラッグシップセグメントにおいて強力な価格性能比を提供したという評価を裏付けています。Dimensity 1000+搭載デバイス(例: Redmi K30 Ultra)は、Snapdragon 865搭載デバイス(例: Xiaomi Mi 10, OnePlus 8)よりも大幅に安価であることが多く 14、ベンチマーク結果はDimensity 1000+がSnapdragon 865に大きく劣るわけではなく、高価なHuaweiフラッグシップに搭載されていたKirin 990 5Gをしばしば上回ることを示していました 14。この一貫したパターンは、MediaTekの成功した市場ポジショニング戦略を示唆しています。

しかしながら、すべての競合SoCについて、完全に同一のテスト条件(同じデバイスモデル、OSバージョン、ベンチマークバージョン、環境温度)で標準化されたベンチマークデータが容易に入手できないため、厳密で詳細な性能ランキングを決定することは困難です。結論は、多くの場合、同一でないテストから得られた傾向を集約することに依存せざるを得ず、異なる情報源からの直接比較には一定の不確実性が伴うことを認識する必要があります。

6.0 競合プロセッサとの比較

これまでのセクションでのベンチマーク結果を統合し、CPU、GPU、および総合システム性能の観点から、Dimensity 1000+と主要な競合プロセッサを直接比較します。

  • 直接比較概要:
  • vs. Snapdragon 865/865+: Dimensity 1000+は競争力のあるマルチコアCPU性能と強力なGPU性能を提供しますが、ピーク時のシングルコアCPU性能、ピーク時のGPUベンチマーク、メモリ帯域幅(LPDDR4X vs LPDDR5)、および5G機能(当初はミリ波非対応)では、一般的にSnapdragonに劣ります 1。Snapdragonは、より優れた電力効率 8 と、優れたISP機能(例: 8K録画、高メガピクセルサポート)を持つと認識されることが多いです 7
  • vs. Kirin 990 5G: Dimensity 1000+は、CPU(特にA77 vs A76のためシングルコアで優位)およびGPUベンチマークにおいて、一般的にKirin 990 5Gを上回りますが、マルチコアCPU性能は近接することがあります 2。両者とも統合型Sub-6GHz 5Gモデムを搭載していましたが、Dimensityはキャリアアグリゲーション対応により、より高いピーク速度を主張していました 2。また、初期のAIベンチマークでもDimensity 1000+がリードしていました 7
  • vs. Exynos 990: パフォーマンスはしばしば僅差で競合します。Dimensity 1000+はCPUマルチコア(Geekbench 6 10)でリードする可能性がありますが、Exynos 990はGPU演算性能(MP11 vs MP9のため 10)とメモリ帯域幅(LPDDR5対応 10)で優位性を持つ可能性があります。AnTuTu v10のスコアはExynos 990に有利ですが 10、他の比較ではほぼ同等であることが示唆されています 23。Exynos 990も8Kビデオ録画に対応していました 10
  • アーキテクチャの違い(再掲):
  • CPUコア: Dimensity (4xA77+4xA55) vs Snapdragon (1xA77+3xA77+4xA55) vs Kirin (2xA76+2xA76+4xA55) vs Exynos (2xM5+2xA76+4xA55) 5
  • GPU: Mali-G77 MP9 vs Adreno 650 vs Mali-G76 MP16 vs Mali-G77 MP11 5
  • メモリ: LPDDR4X vs LPDDR5/4X vs LPDDR4X vs LPDDR5 5
  • モデム: 統合Sub-6GHz vs 外部Sub-6/mmWave vs 統合Sub-6GHz vs 外部Sub-6/mmWave 2
  • 機能差: ディスプレイリフレッシュレート対応(Dimensity 1000+ 最大144Hz 3, Snapdragon 865 最大144Hz 8, Exynos 990 最大120Hz 24)、カメライメージシグナルプロセッサ(ISP)機能(Snapdragon/Exynosは高解像度/8Kビデオ対応 7)、AV1ハードウェアデコード(Dimensity 1000が初のハードウェア対応 2)など、その他の差別化要因も存在します。

Dimensity 1000シリーズは、コアとなるCPU/GPUアーキテクチャ(A77/G77を競合と同時期に採用 2)においてMediaTekが追いついた瞬間を示すものでしたが、同時にメモリコントローラ(LPDDR4X)やISP機能といった周辺機能においては、Qualcomm/Samsungと比較して戦略的な選択や限界があったことを明らかにしました。コアアーキテクチャは最先端に並びましたが 2、LPDDR5非対応 5 はSD865/Exynos990と比較してメモリ帯域幅に影響を与え 5、カメラ/ビデオ機能(例: 8Kビデオ非対応)もSD865/Exynos990に後れを取りました 7。これは、MediaTekが特定のコスト/設計目標内でコア性能と5G統合を優先し、この世代では最先端のメモリやISP機能への投資を見送った可能性を示唆しています。

また、2020年当時の断片化した5G環境(Sub-6GHz vs mmWave)とモデム統合戦略(統合型 vs 外部型)は、ターゲット市場やデバイスメーカーの優先順位(コスト、電力、基板スペース、ネットワーク互換性)に応じて、各SoCに明確な利点/欠点をもたらしました。Dimensity/Kirinは統合型Sub-6GHzを提供し、世界の多くの市場で電力/コスト面で有利な可能性がありました 2。一方、Snapdragon/Exynosは(外部モデム経由で)ミリ波を含む広範な互換性を提供し、特定のキャリア(例: 米国Verizon)には不可欠でしたが、コスト/消費電力が高くなる可能性がありました 7。これは、メーカーが2020年に5Gプラットフォームを選択する際に直面した複雑なトレードオフを反映しています。

表4: 競合SoC仕様・機能比較

機能MediaTek Dimensity 1000+Qualcomm Snapdragon 865HiSilicon Kirin 990 5GSamsung Exynos 990
プロセスノード7nm TSMC7nm (EUV) TSMC7nm EUV TSMC7nm EUV Samsung
CPU構成4xA77@2.6GHz+4xA55@2.0GHz1xA77@2.84+3xA77@2.42+4xA55@1.8GHz2xA76@2.86+2xA76@2.36+4xA55@1.95GHz2xM5@2.73+2xA76@2.5+4xA55@2.0GHz
GPUMali-G77 MP9Adreno 650Mali-G76 MP16Mali-G77 MP11
最大ディスプレイリフレッシュレート144Hz (FHD+)144Hz (QHD+)120Hz (QHD+)
メモリサポートLPDDR4XLPDDR5 / LPDDR4XLPDDR4XLPDDR5
ストレージサポートUFS 2.1 / 2.2UFS 3.0UFS 3.0 / 2.1UFS 3.0 / 2.1
モデム統合 / Sub-6GHz外部 / Sub-6GHz, mmWave統合 / Sub-6GHz外部 / Sub-6GHz, mmWave
5Gピーク速度(DL/UL)4.7 / 2.5 Gbps7.5 / 3.0 Gbps2.3 / 1.25 Gbps7.35 / – Gbps
最大カメラ解像度80MP single200MP snapshot / 64MP single64MP single108MP single
最大ビデオ録画4K@60fps8K@30fps / 4K@120fps4K@60fps8K@30fps / 4K@120fps
AI性能 (TOPS/ランク例)4.5 TOPS / 高ランク (初期)15 TOPS / 高ランク高ランク10+ TOPS / 高ランク
特徴的な機能AV1 HWデコード, Dual 5G SIMElite Gaming, Driver UpdateDa Vinci NPUDual-core NPU
出典例55210

注意: 仕様は情報源により若干異なる場合があります。AI性能の比較は指標やベンチマークにより変動します。

7.0 実使用感とベンチマークスコアの関連性

ベンチマークスコアはSoCの潜在能力を示す重要な指標ですが、実際のユーザー体験は、ソフトウェアの最適化やデバイス固有の要因にも大きく左右されます。

  • ゲーミング性能:
  • ベンチマークスコアは、Dimensity 1000+が高いゲーミング能力を持つことを示唆しています 5。MediaTek自身も、ネットワーク安定性、タッチ応答性、リソース管理などを最適化する「HyperEngine 2.0」といったゲーミング技術を推進していました 4
  • 実際の使用レポートでは、一般的に良好なゲーミング性能が報告されており、要求の厳しいタイトルを高設定でプレイ可能であることが示されています 13。例えば、Dimensity 1000+搭載デバイスでPUBG Mobile(おそらくスムーズ/極限設定)で中央値59 FPSを達成した例があります 33
  • しかしながら、一部のユーザーからは、特定のゲームにおけるFPSの不安定さ、最適化不足(例: Warzone MobileでDimensityチップの問題が指摘されている 34)、同等のSnapdragonデバイスと比較してグラフィック設定が低く制限されることがある、といった問題も報告されています 35。一部のゲームでは、Adreno GPUと比較してMali GPU向けの特定の最適化やドライバサポートが不足している可能性も考えられます 34
  • マルチタスクと一般使用:
  • 高いマルチコアCPUスコア 5 やクアッドチャネルLPDDR4Xメモリ 13 といった特徴は、スムーズなマルチタスク処理能力を示唆しています。MediaTekのプロモーション比較では、アプリ起動時間がSnapdragon 865と同等かそれ以上であると主張されていました 18。全体的なユーザーエクスペリエンスはスムーズであると宣伝されています 13
  • 熱性能(発熱):
  • ベンチマークテストにおける安定性は高い場合がありますが 5、実際のゲームプレイでは依然として発熱が発生する可能性があります 33。ゲーム中に温度が43°Cに達したという報告もあります 33
  • 一部のユーザーは、激しいゲームプレイ中にDimensityチップセットで特に発熱問題を報告しています 34。効果的な熱管理は、スマートフォンの冷却システムの設計に大きく依存します 37
  • ベンチマークと実使用感の相関:
  • 高いベンチマークスコアは、一般的に良好な実世界パフォーマンスの「可能性」と相関します。
  • しかし、ソフトウェアの最適化(OSおよび特定のアプリ/ゲーム)、ドライバサポート、実際の使用シナリオにおけるサーマルスロットリング、そして(当時は)Qualcommと比較してMediaTekプラットフォーム向けの開発者ツール/サポートが未成熟であった可能性などが、乖離を生む要因となり得ます 34。最適化が不足している場合、高いベンチマークスコアが必ずしもすべてのアプリケーションやゲームで完璧なパフォーマンスを保証するわけではありません。

ベンチマーク性能は高いものの、一部の要求の厳しいゲームで最適化のギャップや不安定さが見られるという繰り返されるテーマは 34、MediaTekが純粋なハードウェア設計だけでなく、特に開発者エコシステムへの関与やドライバの成熟度において、より確立されたQualcomm Adrenoプラットフォームと比較して課題に直面していた可能性を示唆しています。ベンチマークは潜在能力をテストしますが、ゲームは特定のチューニングを必要とします。利用可能なグラフィック設定が低いという報告 35 やFPSの不安定さ 34 は、ソフトウェア/ドライバの制限を示唆しています。Qualcommの長年の優位性は、開発者との関係やツールチェーンにおいて有利に働いた可能性があります。これは、SoCの性能がハードウェアとその周りに構築されたソフトウェアエコシステムの組み合わせであることを強調しています。

一方で、HyperEngineのようなゲーミング強化技術への注力は 4、MediaTekが純粋なFPSを超えた実世界のゲーミング体験に取り組む必要性を認識していたことを示しています。ネットワーク遅延、タッチ応答性、電力管理といった領域は、プラットフォーム間の認識される違いがユーザー満足度に大きく影響する可能性があり、HyperEngineはこれらの側面に直接対応しています 13。これは、ベンチマークだけではゲームプレイ中のユーザー体験の全体像を捉えきれないことを認識した、パフォーマンスへの包括的なアプローチを表しています。

8.0 結論:MediaTek Dimensity 1000/1000+ パフォーマンス評価

  • パフォーマンス概要: Dimensity 1000/1000+は、Cortex-A77 CPUコアとMali-G77 MP9 GPUを搭載し、2020年において真のフラッグシップレベルのパフォーマンスを提供しました。非常に競争力のあるマルチコアCPU性能、強力なグラフィックス能力、そして効率的な統合型5G(Sub-6GHz)を実現しました。
  • 競争力: 既存の有力プレイヤーに成功裏に挑戦し、多くの側面でKirin 990 5GやExynos 990と同等かそれを上回り、Snapdragon 865との差を大幅に縮めました。これはMediaTekのハイエンドポートフォリオにとって大きな飛躍でした。
  • 強み: 強力なマルチコア性能、競争力のあるGPU、統合型5Gモデム(Sub-6GHzにおける電力/スペース効率)、高度なAI機能、高リフレッシュレート対応(1000+で144Hz)、AV1デコード対応、そしてしばしば魅力的な価格性能比 14 が挙げられます。
  • 弱み/トレードオフ: ピーク時のシングルコア性能とGPU性能でSnapdragon 865にわずかに劣る点、初期のミリ波5G非対応、競合がLPDDR5へ移行する中でLPDDR4Xメモリを採用した点、Qualcommと比較して開発者/ゲーミング最適化が未成熟であった可能性、そしてISP機能がトップ競合に劣る点が挙げられます。
  • 市場における意義: MediaTekがプレミアムSoCスペースへ確実に復帰したことを示し、実行可能な競争を提供し、メーカーに強力な代替選択肢、特に価格重視のフラッグシップモデル向けに提供しました 1。これは、その後の成功したDimensity世代の基礎を築きました。

引用文献

  1. Snapdragon 865 vs Dimensity 1000+: Qualcomm’s chip heads AnTuTu’s Android SoC performance chart but MediaTek shows it can compete with the best – Notebookcheck, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.notebookcheck.net/Snapdragon-865-vs-Dimensity-1000-Qualcomm-s-chip-heads-AnTuTu-s-Android-SoC-performance-chart-but-MediaTek-shows-it-can-compete-with-the-best.484475.0.html
  2. MediaTek Surprises With Dimensity 1000 5G Smartphone SoC – Moor Insights & Strategy, 4月 21, 2025にアクセス、 https://moorinsightsstrategy.com/mediatek-surprises-with-dimensity-1000-5g-smartphone-soc/
  3. MediaTek Dimensity 1000+ revealed with support for 144 Hz displays – Pokde.Net, 4月 21, 2025にアクセス、 https://pokde.net/gadget/smartphone/dimensity-1000-144-hz-displays
  4. MediaTek Dimensity 1000+ launched with support for 144Hz screens – PhoneArena, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.phonearena.com/news/MediaTek-Dimensity-1000-launched-with-support-for-144Hz-screens_id124460
  5. Snapdragon 865 vs Dimensity 1000 Plus: tests and benchmarks – NanoReview, 4月 21, 2025にアクセス、 https://nanoreview.net/en/soc-compare/qualcomm-snapdragon-865-vs-mediatek-dimensity-1000-plus
  6. Snapdragon 865 Plus vs Dimensity 1000 Plus: tests and benchmarks – NanoReview, 4月 21, 2025にアクセス、 https://nanoreview.net/en/soc-compare/qualcomm-snapdragon-865-plus-vs-mediatek-dimensity-1000-plus
  7. Qualcomm Snapdragon 865 vs MediaTek Dimensity 1000 specs: A rivalry renewed, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.androidauthority.com/snapdragon-865-vs-dimensity-1000-specs-1063105/
  8. Snapdragon 865 vs Dimensity 1000: The 5G Chipset War | Beebom, 4月 21, 2025にアクセス、 https://beebom.com/snapdragon-865-vs-dimensity-1000/
  9. Dimensity 1000 Plus vs Kirin 990 (5G): tests and benchmarks – NanoReview, 4月 21, 2025にアクセス、 https://nanoreview.net/en/soc-compare/mediatek-dimensity-1000-plus-vs-hisilicon-kirin-990-5g
  10. Exynos 990 vs Dimensity 1000 Plus: tests and benchmarks – NanoReview, 4月 21, 2025にアクセス、 https://nanoreview.net/en/soc-compare/samsung-exynos-990-vs-mediatek-dimensity-1000-plus
  11. MediaTek Dimensity 1000 Infographic120419, 4月 21, 2025にアクセス、 https://newsletter.mediatek.com/hubfs/mediatek5gprogress/Dimensity-5G%20progress-info/1000_Infographic.pdf
  12. Qualcomm Snapdragon 865 vs Kirin 990 vs Exynos 990: How do they compare?, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.androidauthority.com/qualcomm-snapdragon-865-vs-kirin-990-vs-exynos-990-1060885/
  13. MediaTek Dimensity 1000+, 4月 21, 2025にアクセス、 https://i.mediatek.com/dimensity-1000-plus
  14. Dimensity 1000+ vs Snapdragon 865 vs Kirin 990 5G: MediaTek’s SoC demonstrates itself as a price-performance powerhouse in the Redmi K30 Ultra – NotebookCheck.net News, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.notebookcheck.net/Dimensity-1000-vs-Snapdragon-865-vs-Kirin-990-5G-MediaTek-s-SoC-demonstrates-itself-as-a-price-performance-powerhouse-in-the-Redmi-K30-Ultra.486108.0.html
  15. ARM Mali-G77 MP9 vs Qualcomm Adreno 732 – Notebookcheck, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.notebookcheck.net/Mali-G77-MP9-vs-Adreno-732_10491_12763.247598.0.html
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  34. Please fix the FPS instability issues on MediaTek Dimensity chipsets. – Reddit, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.reddit.com/r/officialwarzonemobile/comments/1c0j4js/please_fix_the_fps_instability_issues_on_mediatek/
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  37. POCO X7 Pro – Xiaomi Global, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.mi.com/global/product/poco-x7-pro/
  38. Mediatek Dimensity 1000+ vs Snapdragon 865 – YouTube, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.youtube.com/watch?v=Sm1dUgHtS60
  39. Mediatek Dimensity 1000+ vs Samsung Exynos 990 | Which is better? – YouTube, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.youtube.com/watch?v=DsRSrYkti9E
  40. MediaTek Dimensity 1000 vs MediaTek Dimensity 8100 Comparison | Bajaj Finserv, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.bajajfinserv.in/mediatek-dimensity-1000-vs-mediatek-dimensity-8100
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