MediaTek M8183C ベンチマークまとめ

SoC_mediatek CPU・SoC

1. M8183Cプロセッサの特定と概要

1.1. M8183Cとは

調査の結果、M8183Cは特定のプロセッサモデル名やデバイス名そのものではなく、主にAcer製のChromebook製品(例: Chromebook Spin 311シリーズ)において、搭載されているCPUを示すために用いられている名称であることが判明しました 1

複数の技術情報サイトや製品仕様情報を照合すると、このM8183Cは、台湾の半導体メーカーMediaTek社が開発したMediaTek MT8183というSoC(System on a Chip)を指していると考えられます 11。M8183Cという表記は、Acerなどのデバイスメーカーが製品仕様を示す際に使用する固有の識別子、あるいはMT8183の特定のバリエーションや実装を示す可能性がありますが、基本的な性能特性はMediaTek MT8183に準拠するものと解釈できます。

このプロセッサは、主にエントリークラスからミドルレンジ下位のChromebookやAndroidタブレット向けに設計されており、省電力性とコストパフォーマンスを重視したセグメントをターゲットとしています 1

1.2. MediaTek MT8183としての仕様

MediaTek MT8183の主な技術仕様は以下の通りです。

  • CPU: オクタコア(8コア)構成。高性能コアとしてArm Cortex-A73を4コア、高効率コアとしてArm Cortex-A53を4コア搭載しています。最大動作クロック周波数は2.0GHzです 12。このbig.LITTLE構成により、処理負荷に応じて適切なコアを使用し、性能と消費電力のバランスを取ることが意図されています。
  • GPU: Arm Mali-G72 MP3を搭載。3つの実行ユニットを持ち、最大850MHzで動作します 13。グラフィックス処理能力は、主にHD解像度(1366×768)やフルHD解像度(1920×1080)のディスプレイ表示、および基本的な2D/3Dグラフィックス、動画再生支援などを担います 13
  • メモリ: LPDDR3およびLPDDR4x規格のメモリに対応しています 13。搭載デバイスでは、主に4GBのLPDDR4xメモリが採用される例が多く見られます 1
  • 製造プロセス: 12nmプロセス技術で製造されています 16。これは、同世代のエントリークラスプロセッサとしては標準的な微細化レベルであり、性能と消費電力のバランスに寄与します。
  • 接続性: Wi-Fi 5 (IEEE 802.11a/b/g/n/ac) やBluetoothに対応しています 11。一部のタブレット製品ではGPS、GLONASS、Galileo、QZSS(みちびき)といった衛星測位システムにも対応しています 12
  • その他: MediaTekのAI Processing Unit (APU) を内蔵しており、限定的ながらAI関連の処理を効率化する機能も備えています。また、最大32MPのカメラISPや、H.264エンコード、H.265/HEVCデコードといったビデオ処理機能もサポートしています 13

2. M8183C (MediaTek MT8183) のベンチマーク性能

各種ベンチマークテストにおけるM8183C (MediaTek MT8183) のスコアを、日本語の技術系レビューサイトやブログ、および関連する海外のデータベース情報から収集・分析しました。

2.1. Geekbenchスコア

GeekbenchはCPUのシングルコア性能とマルチコア性能を測定する代表的なベンチマークです。M8183Cを搭載したAcer Chromebook Spin 311の実機レビュー(GIGAZINE)によると、以下のスコアが報告されています 21

  • シングルコア: 260点
  • マルチコア: 918点

このスコアは、GIGAZINEの記事内で比較対象として挙げられている通り、シングルコア性能はiPhone 5s相当、マルチコア性能はiPhone 6s Plus相当と、近年のスマートフォンやPCと比較するとかなり低い水準です 21。これは、M8183Cがエントリークラス向けのプロセッサであることを示唆しています。

なお、海外のハードウェア情報サイトNotebookcheckでは、MediaTek MT8183 (Kompanio 500) のGeekbench 5.1 – 5.4における集計値として、シングルコアが平均約280点、マルチコアが平均約1300点というデータも存在します 16。ベンチマークのバージョンや測定環境の違いによりスコアは変動するため、GIGAZINEのスコアは特定のデバイスにおける実測値として、Notebookcheckのスコアはより広範なデータに基づく参考値として捉えるのが適切でしょう。

2.2. PassMarkスコア

PassMark PerformanceTestは、CPUの総合的な演算性能を評価するベンチマークです。CPUBenchmark.netのデータベースによると、MediaTek MT8183のスコアは以下の通りです 15

  • CPU Mark (総合スコア): 2,581点
  • Single Thread Rating (シングルスレッド性能): 902点

CPU Markのスコアは、複数のコアを利用した処理能力を反映します。一方、Single Thread Ratingは、単一のコアで処理を実行する際の性能を示します。後述する競合比較で詳しく触れますが、8コア構成がCPU Markスコアに寄与している一方で、シングルスレッド性能はそれほど高くないことがうかがえます。

2.3. その他のベンチマーク指標

Notebookcheckなどの情報源では、他のベンチマークスコアも断片的に確認できますが、これらは主にKompanio 500 (MT8183) として集計された参考値です 16

  • AnTuTu Benchmark v8 (CPU): 平均 約18,000点
  • PCMark for Android – Work 3.0 performance: 平均 約7,000点
  • 3DMark Sling Shot Extreme (ES 3.1) Total Score: 平均 約1,000点

これらのスコアも、M8183Cがエントリークラスの性能帯に位置することを示しています。特に3DMarkのスコアからは、GPU (Mali-G72 MP3) の性能が限定的であり、高度な3Dグラフィックス処理には向かないことがわかります。

なお、Cinebenchのような主にPC向けのCPUレンダリング性能を測るベンチマークについては、M8183C (MT8183) 単体のスコアを掲載している信頼性の高い日本語の情報源は見当たりませんでした 14

2.4. ベンチマークスコアから見る性能特性

上記のベンチマークスコアを総合すると、M8183C (MediaTek MT8183) は以下の性能特性を持つと考えられます。

  • マルチコア性能: 8コア構成(Cortex-A73 x4 + Cortex-A53 x4)により、複数のタスクを並行して処理する能力は、同世代のエントリークラスのデュアルコアプロセッサ(例: Celeron N4000)よりも高い傾向にあります 17。PassMark CPU Markのスコアがこれを裏付けています。
  • シングルコア性能: 個々のコアの性能は高くありません 17。Geekbench Single CoreやPassMark Single Thread Ratingのスコアが示すように、単一の処理を高速に実行する能力は限定的です。
  • GPU性能: Mali-G72 MP3は、基本的な画面表示や動画再生には十分ですが、最新の3Dゲームや高度なグラフィック処理には性能が不足しています 16
  • 総合性能: 全体として、Webブラウジング、メール、動画視聴、軽めのドキュメント作成といった日常的なタスクをこなすための基本的な性能は備えていますが、要求の高い処理には向きません。エントリークラスのプロセッサとして位置づけられます。

3. M8183C搭載デバイスの実使用感とレビュー

M8183C (MediaTek MT8183) を搭載したデバイス、特にChromebookに関する日本語のレビューやユーザーの声を調査し、ベンチマークスコアとの関連性を考察します。

3.1. 主な搭載デバイス

M8183C (MediaTek MT8183) は、主に以下のデバイスに搭載されています。

  • Acer Chromebook Spin 311 (CP311-3Hシリーズ): 11.6インチの2-in-1コンバーチブル型Chromebook。タッチパネル搭載で、複数のメモリ/ストレージ構成(例: 4GB/32GB, 4GB/64GB)が存在します 1。レビュー数が多く、M8183C搭載機の代表例と言えます。
  • Acer Chromebook 312 (リニューアル版): 11.6インチのクラムシェル型Chromebook 20
  • HP Chromebook 11: 11.6インチのクラムシェル型Chromebook 11
  • Lenovo IdeaPad 3 Chromebook: 11.6インチまたは14インチのクラムシェル型Chromebook 14
  • Lenovo 300e Chromebook 2nd Gen: 11.6インチの2-in-1コンバーチブル型Chromebook。教育市場向けで頑丈な設計が特徴です 28
  • aiwa 8インチタブレット: Android OSを搭載したタブレット 12

これらのデバイスは、いずれも11.6インチのHD解像度(1366×768)ディスプレイ、4GBメモリ、32GBまたは64GBのeMMCストレージという構成が多く、エントリークラスの仕様となっています 1

3.2. ポジティブな評価点

レビューからは、以下の点が肯定的に評価されています。

  • コストパフォーマンス: 販売価格が3万円台前半、時にはポイント還元を含めると2万円台で購入可能であり、価格の安さが最大の魅力として挙げられています 8
  • 軽量・コンパクト: 約1kg程度の軽量設計で、A4用紙よりも小さいモデルが多く、持ち運びに便利であると評価されています 4
  • バッテリー駆動時間: 省電力なARMプロセッサの恩恵もあり、10時間以上のバッテリー持ちが報告されており、外出先での利用に適しています 10
  • 起動速度: Chrome OS自体の軽快さに加え、プロセッサとの組み合わせにより、起動が速いと感じるユーザーが多いようです 27
  • 基本的なタスクの快適性: Webブラウジング、メール、動画視聴、Googleドキュメントなどを使った簡単な文書作成といった、負荷の低い作業は問題なくこなせるとされています 19。特に、同価格帯のWindows PCと比較した場合、Chrome OSの軽さから、より快適に動作するという意見が見られます 19
  • タッチパネルと2-in-1: 多くのモデルでタッチパネルが搭載されており、Androidアプリの操作やタブレットモードでの利用が可能です 4。360度回転ヒンジによるタブレットモードやテントモードは、プレゼンテーションや動画視聴時に便利だと評価されています 8
  • 静音性・低発熱: ファンレス設計のモデルが多く、動作音が静かです。また、高負荷時でも本体が極端に熱くなることは少ないと報告されています 21

3.3. ネガティブな評価・注意点

一方で、価格やクラス相応の限界や注意点も指摘されています。

  • 処理性能の限界: ベンチマークスコアが示す通り、絶対的な処理性能は高くありません。複数のタブを開きすぎたり、重いWebアプリケーションを使用したり、複雑な処理を行ったりすると、動作が遅くなったり、「間」を感じたりすることがあると指摘されています 19
  • メモリ容量 (4GB): 搭載メモリが4GBのモデルが多く、これがボトルネックになる場面があるようです。特にAndroidアプリの実行環境 (ARCVM) を有効にしていると、起動時やアプリ利用時にメモリを消費し、動作が遅くなる原因となり得るとの指摘があります 24。マルチタスク性能には限界があります。
  • ストレージ (eMMC 32GB/64GB): ストレージ容量が少なく、速度もSSDに比べて遅いeMMCが採用されています 1。多くのデータをローカルに保存する用途には向きません。
  • ディスプレイ品質: 多くのモデルでHD解像度 (1366×768) のディスプレイが採用されており、フルHD (1920×1080) と比較すると表示領域が狭く、精細さに欠けます 10。また、モデルによっては色再現性やコントラストが低いTNパネルや、IPSパネルでも輝度や色域が控えめなものが使われている場合があります 26。光沢(グレア)液晶の場合、映り込みが気になるという意見もあります 26
  • デザイン・質感: 低価格を実現するため、筐体には樹脂(プラスチック)が多く使われており、質感がチープに感じられる場合があるようです 19。また、ディスプレイ周りのベゼル(額縁)が太いデザインが多いことも指摘されています 21
  • Androidアプリの互換性: 全てのAndroidアプリが快適に動作するわけではありません。特にグラフィック負荷の高い3Dゲームなどは、起動しなかったり、動作が不安定になったりする場合があります 21
  • インターフェース: 搭載されているポート類が少ないモデルもあり、USB Type-Cポートしかない場合、周辺機器の接続や外部ディスプレイ出力に変換アダプタが必要になることがあります 1
  • その他: ACアダプターが比較的大きいという指摘も見られました 25

3.4. ベンチマークスコアと実使用感の関連性

ベンチマークスコアで示された性能特性は、実際のユーザーレビューと概ね一致しています。

  • 低いシングルコア性能 17 は、単一の重い処理を実行した際に「間」を感じる原因となります 19
  • 限定的なGPU性能 16 は、重いAndroidゲームが動作しない、または不安定になるというレビュー結果に直結しています 21
  • 比較的良好なマルチコア性能 17 は、Webブラウジングやドキュメント作成など、複数の軽いタスクを組み合わせた日常的な利用シーンにおいて、最低限の快適性を支えている要因と考えられます。しかし、メモリ4GBという制約 24 が、そのマルチコア性能を十分に活かしきれない場面を生んでいる可能性があります。特にAndroidアプリ環境 (ARCVM) のメモリ消費が影響しているようです 24
  • 省電力設計 12 は、レビューで高く評価されている長いバッテリー駆動時間に繋がっています 10

総じて、M8183Cはベンチマークスコア通りのエントリークラスの性能であり、「価格相応の性能」と「優れた省電力性」を両立しているプロセッサと言えます。ユーザーは、その性能限界を理解した上で、軽作業中心の用途に活用することで満足度を得ている傾向が見られます 8

4. 競合プロセッサとの性能比較

M8183C (MediaTek MT8183) の性能をより明確にするため、同価格帯のChromebookに搭載されることが多い競合プロセッサと比較します。

4.1. Intel Celeron Nシリーズ (N4000/N4020) との比較

Intel Celeron N4000およびその後継であるN4020は、M8183C搭載機と同様に、エントリークラスのChromebookや安価なWindowsノートPCに広く採用されていました 10

  • コア構成: M8183Cは8コア(4x A73 + 4x A53)であるのに対し、Celeron N4000/N4020は2コア/2スレッドです 10
  • ベンチマーク比較 (PassMark):
  • CPU Mark (総合): M8183C (2,581) > Celeron N4000 (1,428) 17
  • Single Thread Rating: M8183C (902) < Celeron N4000 (1,037) 17
  • 性能特性: PassMarkのスコアが示すように、M8183Cはコア数が多いため、マルチスレッド処理が有利な場面(複数の軽いタスクの並行処理など)ではCeleron N4000/N4020を上回る可能性があります。Redditの議論でも、M8183CはN4000/N4020と比較してマルチタスク性能で有利であるとの意見が見られます 24。一方で、シングルスレッド性能ではCeleron N4000/N4020の方がやや高いスコアを示しており、単一の処理の応答性では有利な場合があります。
  • アーキテクチャ: M8183CはARMアーキテクチャ、Celeron Nシリーズはx86_64アーキテクチャです。Chrome OSは両方のアーキテクチャをサポートしていますが、Androidアプリの互換性やネイティブな動作効率ではARMベースのM8183Cに利点がある可能性も考えられます。ただし、実用上はChrome OSの最適化により、どちらのプロセッサでも基本的なタスクは比較的軽快に動作します 10
  • 消費電力: 一般的にARMベースのプロセッサはx86ベースのプロセッサよりも消費電力が低い傾向があり、M8183C搭載機はバッテリー駆動時間の面で有利な場合が多いです。

総合的に見ると、M8183CとCeleron N4000/N4020はエントリークラスの競合であり、一長一短があります。マルチタスク性能やバッテリー持ちを重視する場合はM8183C、わずかながらシングルコア性能を重視する場合はCeleron Nシリーズ、という選択肢になり得ますが、実用上の体感差は用途やメモリ搭載量にも左右されるでしょう。

4.2. その他の競合プロセッサとの位置づけ

  • Qualcomm Snapdragonシリーズ: Chromebook向けにはSnapdragon 7cなどが競合となります。一般的にSnapdragon 7c Gen 2などは、M8183Cよりもやや高いCPUおよびGPU性能を持つとされています。Notebookcheckのデータでは、M8183Cは旧世代のSnapdragon 660や730Gに近い性能レンジと評価されています 16
  • MediaTek Kompanioシリーズ: M8183Cは、MediaTekのChromebook/タブレット向けプロセッサシリーズ「Kompanio」の中では、Kompanio 500シリーズに相当すると考えられます。後継のKompanio 520などは、M8183Cよりも性能が向上しています 31
  • Intel Core iシリーズ (Chromebook Plusなど): 近年登場している「Chromebook Plus」認定モデルには、Intel Core i3-N305やCore i3-1215Uといった、より高性能なプロセッサが搭載されています 32。これらのプロセッサは、M8183Cと比較してCPU性能、GPU性能ともに大幅に高く、メモリも8GB以上搭載しているため、より快適なマルチタスクや負荷の高い作業に対応できますが、価格帯も7万円前後からと高くなります 32。M8183Cは、これらの上位モデルとは明確に異なるエントリーセグメントのプロセッサです。

5. M8183Cの総合評価

5.1. 性能特性のまとめ

  • クラス: エントリークラスのARMベースSoC。
  • CPU: 8コア構成(4x A73 + 4x A53 @最大2.0GHz)。マルチコア性能は同世代のエントリー向けデュアルコアCPUより有利な場面もあるが、シングルコア性能は低い。
  • GPU: Mali-G72 MP3。基本的な描画や動画再生は可能だが、3D性能は限定的。
  • 省電力性: 12nmプロセスとARMアーキテクチャにより、消費電力が低く、バッテリー駆動時間に優れる。
  • 発熱: 低発熱でファンレス設計のデバイスが多い。
  • その他: 限定的なAI処理機能(APU)を内蔵。

5.2. 適した用途

M8183C (MediaTek MT8183) は、その性能特性から以下の用途に適しています。

  • 基本的なインターネット利用: Webサイトの閲覧、メールの送受信、SNSの利用。
  • コンテンツ消費: YouTubeなどの動画ストリーミングサービスの視聴。
  • 軽作業: Googleドキュメント、スプレッドシートなどを使った簡単な文書作成や編集。
  • Androidアプリ利用: メッセージングアプリ、情報収集アプリ、簡単な2Dゲームなど、比較的軽量なAndroidアプリの利用(タッチパネル搭載機推奨)。
  • セカンドデバイス: メインPCの補助として、あるいは持ち運び専用機として。
  • 教育用途: 子供向けの初めてのコンピュータとして、あるいは学校での学習用端末として(頑丈設計モデルも存在 28)。
  • 携帯性重視: 軽量・コンパクトでバッテリー持ちが良い点を活かしたモバイル用途。

5.3. 不向きな用途

一方で、以下の用途には性能的に不向きです。

  • 高度なマルチタスク: 多数のブラウザタブを開きながら他のアプリケーションを同時に利用するなど、メモリやCPUに高い負荷がかかる作業。
  • 重いWebアプリケーション: 高度な編集機能を持つオンラインツールや、複雑なWebベースのアプリケーション。
  • クリエイティブ作業: 動画編集、RAW画像の現像、本格的なグラフィックデザインなど。
  • 高性能を要求するゲーム: 最新の3Dゲームや、高いフレームレートが要求されるゲーム。
  • Windowsソフトウェアの利用: Chrome OSであるため、基本的にWindows用ソフトウェアは動作しません(仮想環境などを除く)。
  • 大容量データの扱いや高速なストレージアクセス: eMMCストレージの容量と速度の限界。

6. 結論

M8183Cは、実質的にMediaTek MT8183を指す、エントリークラスのChromebookやタブレット向けに設計されたARMベースのSoCです。ベンチマークスコアおよび実機レビューから、その性能はWebブラウジング、動画視聴、軽度のドキュメント作成といった基本的なタスクをこなすには十分ですが、決して高くはありません。特にシングルコア性能やGPU性能は限定的です。

しかし、8コア構成は同価格帯に多いIntel Celeron Nシリーズ(2コア)と比較して、特定のマルチタスク環境で有利に働く可能性があります。また、最大の強みはその優れた省電力性にあり、搭載デバイスは軽量・コンパクトかつ長時間のバッテリー駆動を実現しているものが多く見られます。

M8183C搭載デバイスは、2万円台から3万円台という非常に安価な価格帯で入手可能であり、コストパフォーマンスを最重視するユーザーにとっては魅力的な選択肢です。サブマシンとして、あるいは子供用・教育用として、性能要求の低い用途に割り切って使うのであれば、十分な価値を提供します。

ただし、複数のアプリケーションを同時に快適に使いたい、より多くのタブを開きたい、あるいは特定のAndroidアプリ(特にゲーム)を利用したいといった要求がある場合は、メモリ4GBという搭載機の多い仕様も相まって、力不足を感じる場面が多くなるでしょう。より高いパフォーマンスや快適性を求めるのであれば、Intel Core iシリーズなどを搭載したChromebook Plusモデルなど、上位の製品を検討することが推奨されます。

引用文献

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  25. Amazon.co.jp: Chromebook Acer 11.6型 ノートパソコン Spin 311 MediaTek M8183C 4GBメモリ 32GB eMMC 360°ヒンジ 英語キーボード タッチパネル搭載 CP311-3H-A14N/E, 4月 16, 2025にアクセス、 https://www.amazon.co.jp/Chromebook-%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%91%E3%82%BD%E3%82%B3%E3%83%B3-CP311-3H-A14N-MediaTek-%E3%82%BF%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%91%E3%83%8D%E3%83%AB%E6%90%AD%E8%BC%89/dp/B08GS4SPTW
  26. [かぶ] Acer Chromebook Spin 311(CP311-3H-A14N)レビュー。ASUSの名機C101PAの後継を待ち望んでいる人も一考の価値ありの非常に面白いモデル。[PR] – おふぃすかぶ.jp, 4月 16, 2025にアクセス、 https://office-kabu.jp/chromebook/review-chromebook/pr-acer-cb-spin311-cp311-01
  27. 【Amazon.co.jp 限定】 Chromebook Acer 11.6型 ノートパソコン Spin 311 MediaTek M8183C 4GBメモリ 64GB eMMC 360°ヒンジ 日本語キーボード タッチパネル搭載 CP311-3H-A14P, 4月 16, 2025にアクセス、 https://www.amazon.co.jp/%E3%80%90Amazon-co-jp-%E9%99%90%E5%AE%9A%E3%80%91Google-Chromebook-CP311-3H-A14P-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%89/dp/B08GS9NXNC
  28. Lenovo 300e Chromebook 2nd Gen(2020年モデル)レビュー:頑丈でコンパクトな激安2-in-1, 4月 16, 2025にアクセス、 https://komameblog.jp/review/lonovo-300e-2ndgen/
  29. エイサー Acer Chromebook Spin 311 11.6型/MediaTek M8183C/メモリ 4GB/eMMC 32GB/ドライブレス/Google Chrome OS/ピュアシルバー CP311-3H-A14N 通販【全品無料配達】 – ヨドバシ.com, 4月 16, 2025にアクセス、 https://www.yodobashi.com/product/100000001005798744/
  30. 【おすすめ】Chromebookの比較&選び方! 人気のメーカーもご紹介 – ジョーシン, 4月 16, 2025にアクセス、 https://joshinweb.jp/pc/chrome.html
  31. Lenovo Chromebook Duet Gen 9 Chrome OS MediaTek Kompanio 838 95型 Office無し, 4月 16, 2025にアクセス、 https://2tom.jp/vs.php?i=641813&vs=643422,409718,622239,489541,653821,558374,540452,402357,482730,554080
  32. Chromebook Plus |買うべきオススメのモデル 5選+海外モデル3選, 4月 16, 2025にアクセス、 https://chromebookguide.net/Chromebook-how-to-choice/plus-recommend.html
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