Microsoft SQ3 ベンチマークまとめ

cpu_microsoft CPU・SoC

1. Microsoft SQ3 プロセッサの概要と仕様

Microsoft SQ3は、Qualcommとの継続的な協力関係を通じて開発されたARMベースのカスタムプロセッサです。このチップは、特に2022年に発表された「Surface Pro 9 with 5G」モデルに搭載される形で市場に投入されました (1)。この動きは、Microsoftが従来展開してきたIntelベースのSurface Proラインと、ARMベースのSurface Pro Xラインを、「Surface Pro 9」という単一の製品名の下に統合するという戦略的な決断を反映したものです (1)。本セクションでは、公開されている日本語の技術情報やレビュー記事に基づき、Microsoft SQ3の技術的な仕様と、それを搭載するデバイスの特徴について詳述します。

アーキテクチャ、コア構成、クロック周波数

Microsoft SQ3は、スマートフォンやタブレットで広く採用されているARMアーキテクチャを基盤としています (3)。この選択は、PCにおいても省電力性と常時接続性(Always-Connected PC)を重視する設計思想の表れと言えます。具体的なコア構成に関して、法人向けモデルをレビューした記事では「8コア」であると記載されています (4)。また、同記事によれば、最大クロック周波数は「3.00 GHz」に達するとされていますが、これがPコア(高性能コア)の最大ブーストクロックなのか、あるいは異なる種類のコアを含む構成なのかといった詳細な情報は、提供された情報源からは確認できませんでした (4)。これらのスペック情報が単一の法人向けモデルレビューに由来する点には留意が必要であり、発表当初の広範な技術ニュース記事では、これらの具体的な数値は必ずしも強調されていなかった可能性があります。

統合GPU

グラフィックス処理を担当する統合GPUとしては、Qualcommのモバイル向けGPU技術を基にした「Adreno 8CX Gen 3」が採用されています (5)。このGPUの特定名は、SQ3がQualcommのSnapdragonコンピュートプラットフォーム、具体的にはSnapdragon 8cx Gen 3 SoCから派生した技術に基づいていることを示唆しています。これにより、先行世代のSQ1やSQ2(より旧世代のSnapdragon技術ベース)からの性能向上が期待される一方で、5で同時に言及されている次世代のSnapdragon X Elite/Plusに搭載されるAdreno GPUと比較すると、性能面では譲るであろうという技術的な位置づけが推測されます。

Neural Processing Unit (NPU) と関連機能

SQ3プロセッサの特筆すべき点として、NPU (Neural Processing Unit) の搭載が挙げられます (4)。これはAI(人工知能)に関連するタスクを、CPUやGPUよりも効率的に処理するために特化したプロセッサです。MicrosoftはこのNPUを活用し、「Windows Studio Effects」と呼ばれる一連の機能を提供しています。これらは特にWeb会議での利用を想定しており、カメラ映像中の話者を自動追尾する「オートフレーミング」、背景をぼかす「ポートレート背景ぼかし」、カメラを見ていなくても視線を補正する「アイコンタクト」、周囲の騒音を低減して話者の声を聞き取りやすくする「音声フォーカス」といった機能が含まれます (1)。複数の情報源でこれらの機能が強調されている事実は、MicrosoftがSQ3搭載モデルの主要な訴求点として、これらのAIを活用したコミュニケーション支援機能を位置づけていたことを強く示唆しています。これは、純粋な処理性能ではIntelモデルに及ばない可能性のある部分を、特定のユースケースにおける独自の利点で補う戦略であったと考えられます。

表1: Microsoft SQ3 技術仕様概要

項目仕様出典例
アーキテクチャARM (Qualcomm カスタム)3
CPUコア数8コア4
最大クロック周波数3.00 GHz4
統合GPUAdreno 8CX Gen 35
NPU搭載4
NPU関連機能Windows Studio Effects (オートフレーミング, 背景ぼかし, アイコンタクト, 音声フォーカス等)7

搭載デバイス: Surface Pro 9 with 5G の特徴

Microsoft SQ3は、現時点では「Surface Pro 9 with 5G」モデル専用のプロセッサとして提供されています (1)。このデバイスは、SQ3の特性を活かすべく、いくつかの点でIntel版のSurface Pro 9とは異なる特徴を持っています。

  • 接続性: 最大の特徴は、第5世代移動通信システム(5G)への対応です (1)。これにより、Wi-Fi環境がない場所でも高速なモバイルデータ通信を利用できます。より高速なミリ波(対応バンド: n257, n260, n261)に対応するモデルと、より広範なエリアをカバーするSub6に対応するモデルが存在します (10)。理論上の最大通信速度はミリ波で下り4.2Gbps、Sub6で下り2.8Gbpsとされていますが、実際の速度は通信事業者のサービス提供状況に依存します (13)。無線LANについても、Wi-Fi 6Eに対応しています (2)。
  • 設計: SQ3モデルはファンレス設計を採用しており、動作音が極めて静かです (9)。本体サイズ(287 x 209 x 9.3 mm)はIntelモデルとほぼ共通ですが、重量はミリ波対応モデルが883g、Sub6対応モデルが878gと若干異なります (5)。インターフェースはUSB 3.2 Type-Cポートが2基搭載されており、Intelモデルが搭載するThunderbolt 4ポート(2基)とは異なります (2)。Thunderbolt 4非搭載という点は、高速な外部ストレージやeGPU、多画面出力など、高い帯域幅を要求する周辺機器の利用において、Intelモデルに対する機能的な制約となります。
  • バッテリー: 公称のバッテリー駆動時間は最大19時間とされており、Intelモデルの最大15.5時間と比較して長時間の利用が想定されています (2)。これはARMプロセッサの電力効率の高さによるものと考えられます。
  • メモリ・ストレージ: 搭載可能な最大メモリ容量は16GB、最大ストレージ容量は512GBとなっています (2)。これはIntelモデル(最大32GBメモリ、最大1TBストレージ)と比較して上限が低く設定されています。市場投入時の構成例としては、8GBメモリ/256GB SSDモデルが多く挙げられています (1)。
  • 価格: 発売当初の8GBメモリ/256GB SSDモデルの価格は216,480円からと設定されていました (1)。

これらの仕様差異、特にポート構成(USB 3.2 vs Thunderbolt 4)やメモリ/ストレージの上限の違いは、MicrosoftがSQ3モデルとIntelモデルで異なるユーザー層や利用シナリオを想定していたことを示唆しています。Intelモデルはより高いパフォーマンスや拡張性を求めるユーザー向け、SQ3モデルは常時接続性、バッテリー持続時間、静音性、そしてAIを活用したコミュニケーション機能を重視するモバイルユーザー向け、という位置づけが明確に見て取れます。

表2: Surface Pro 9 モデル比較 (SQ3 vs. Intel搭載モデル)

項目Surface Pro 9 with 5G (SQ3)Surface Pro 9 (Intel)出典例
CPUMicrosoft SQ3 (ARM)第12世代 Intel Core i5 / i7 (x86)2
モバイル通信5G (ミリ波/Sub6), nanoSIM/eSIMなし5
Wi-FiWi-Fi 6EWi-Fi 6E2
ポートUSB 3.2 Type-C x 2USB 4.0 / Thunderbolt 4 (Type-C) x 25
最大メモリ16GB (LPDDR4x)32GB (LPDDR5)2
最大ストレージ512GB (リムーバブルSSD)1TB (リムーバブルSSD)2
公称バッテリー駆動時間最大 19 時間最大 15.5 時間2
重量878g (Sub6) / 883g (ミリ波)879g10
冷却機構ファンレスファン搭載 (想定)9
NPU 機能Windows Studio Effectsなし (CPU/GPUで処理)6

2. ベンチマークによる性能測定

Microsoft SQ3プロセッサの性能を客観的に評価するためには、標準的なベンチマークテストのスコアが重要な指標となります。しかしながら、本レポート作成にあたり参照した日本語のウェブサイトやレビュー記事においては、ユーザーが要求した主要なベンチマーク(Geekbench, Cinebench, PCMarkなど)の具体的な数値データを確認することができませんでした。ベンチマークテストを実施する意向を示す記述 (18) や、特定のベンチマークソフトウェア(3DMark)の実行に困難があったという報告 (19) は存在するものの、実際のスコアが掲載された情報は見当たりませんでした。

この情報不足は、SQ3の性能を定量的に評価する上で重大な制約となります。したがって、本セクションにおける性能分析は、入手可能な断片的な情報、定性的な評価、および間接的な指標(ストレージ速度など)に基づいて行わざるを得ません。

CPU パフォーマンス

前述の通り、Geekbench(シングルコア/マルチコア)、Cinebench、PCMarkといった標準的なCPUベンチマークテストのスコアは、参照した情報源からは得られませんでした。

定性的な評価としては、SQ3はARMアーキテクチャの特性から、電力効率に優れる反面、特に高負荷が継続するような状況におけるピークパフォーマンスでは、同世代のIntel Core iプロセッサ(Surface Pro 9のIntelモデルに搭載された第12世代Core i5-1235U/i7-1255Uや、ビジネス向けモデルのi5-1245U/i7-1265U 2)と比較して劣る可能性があると一般的に考えられます。プロセッサ間の競争激化に関する記事 (12) や、ARM版Windowsにおけるエミュレーション技術の解説 (3) も、ARM系プロセッサがx86系とは異なる特性を持つことを示唆しています。

また、SQ3上で動作するWindows 11 on ARMは、x86およびx64アーキテクチャ向けにコンパイルされたアプリケーションをエミュレーションによって実行する機能を備えています (3)。このエミュレーション層を介して動作するアプリケーションは、ネイティブARMコードで実行される場合に比べてパフォーマンスが低下する可能性があります。特にCPU負荷の高い処理を行うソフトウェアでは、その影響が顕著になることが懸念されます。

GPU パフォーマンス

SQ3は統合GPUとしてAdreno 8CX Gen 3を搭載しています (5)。しかし、その3Dグラフィックス性能を示す標準的なベンチマークである3DMarkの具体的なスコアは、参照した情報源には記載されていませんでした。

さらに、あるレビュー記事 (19) では、「3DMarkの多くは起動できません」という記述が見られました。これは、レビュー時点でのグラフィックスドライバーの互換性や安定性に何らかの問題が存在した可能性を示唆しています。ARM版Windows環境におけるゲームや高度なグラフィックス処理を行うアプリケーションの互換性や性能は、依然として発展途上であり、特に比較的新しいハードウェアであるSQ3とそのGPUドライバーが、一部の標準的なテストツールに完全に対応できていなかった可能性が考えられます。この事実は、SQ3搭載デバイスが、基本的なデスクトップ表示やビデオ再生を超えた、より要求の厳しいグラフィックスタスク(例: 最新ゲーム、GPUアクセラレーションを利用するクリエイティブツール)において、潜在的な制約を抱えている可能性を示唆するものと言えます。

ストレージアクセス速度

CPUやGPUのベンチマークスコアが不足している一方で、ストレージ性能に関する具体的な測定値は報告されています。Surface Pro 9 with 5Gモデルのディスク速度について、シーケンシャルマルチアクセスのリード(読み込み)速度が3200MB/s、ライト(書き込み)速度が1625MB/sであったという実測値が示されています (19)。

これらの数値は、NVMe SSDを搭載したプレミアムクラスの薄型モバイルデバイスとしては良好なレベルです。PCIe 3.0接続のNVMe SSDとして標準的な性能であり、アプリケーションの起動、ファイルの読み込み、OSの応答性など、ストレージアクセスが関わる一般的な操作においては、十分な速度を提供できると考えられます。このことから、SQ3搭載モデルにおける全体的なシステムパフォーマンスのボトルネックは、CPU/GPU性能やエミュレーションのオーバーヘッドにある可能性はあっても、ストレージ速度そのものが主要な要因となる可能性は低いと推測されます。

表3: Microsoft SQ3 ベンチマークスコア概要

ベンチマーク種類テスト項目スコア出典例
CPUGeekbench (Single/Multi)データなし
Cinebench R23 (Single/Multi)データなし
PCMark 10データなし
GPU3DMark (各種テスト)データなし (一部実行不可との報告あり 19)
ストレージシーケンシャルリード3200 MB/s19
シーケンシャルライト1625 MB/s19
注記:\multicolumn{3}{l}{参照した日本語情報源において、主要なCPU/GPUベンチマークスコアは確認できませんでした。}

3. 競合プロセッサとの性能比較

Microsoft SQ3の性能特性をより深く理解するためには、先行世代のチップや、市場に存在する他の競合プロセッサとの比較が不可欠です。しかし、ここでも具体的なベンチマークスコアの不足が比較分析を困難にしています。以下では、利用可能な情報に基づき、定性的な比較と位置づけを行います。

Microsoft SQ1 / SQ2 からの進化

参照した情報源の中には、SQ3とその直接の前世代にあたるSQ1(Surface Pro X初代に搭載)およびSQ2(Surface Pro X後期モデルに搭載)との間で、性能を直接比較したベンチマークデータは含まれていませんでした。しかし、SQ3がこれらの後継チップであること (1 – Surface Pro XラインがSQ3搭載のSurface Pro 9に統合された経緯から)、および統合GPUがより新しい世代のAdreno 8CX Gen 3 (5) であることから、特にGPU性能やNPU機能を中心に、SQ1/SQ2からの性能向上が図られていると考えるのが自然です。Surface Pro Xの長期ユーザーによるレビュー (21) も存在しますが、SQ3搭載機との直接比較には言及していません。

Apple Mシリーズ チップとの対比

Appleが自社設計するMシリーズチップ(M1, M2, M3など)もARMアーキテクチャを採用しており、SQ3としばしば比較対象となります。しかし、直接的なベンチマーク比較データは提供されていません。Apple SiliconはmacOSおよびiPadOSに高度に最適化されており、特に「Rosetta 2」によるx86_64エミュレーションは、互換性と性能の両面で高い評価を得ています。一方、SQ3はWindows on ARM環境で動作し、OS標準のx86/x64エミュレーション機能 (3) に依存します。市場における一般的な認識や各種レビューを考慮すると、Apple Mシリーズチップは、特に電力効率と高性能の両立において非常に高いレベルを達成しており、SQ3が同等のパフォーマンスを発揮するかどうかについては疑問符が付きます。実際に、より新しいSnapdragon X Eliteを搭載したSurface Laptopの性能評価レポート (15) では、Apple M3チップが比較対象として挙げられていますが、SQ3はその比較の俎上に載っていません。これは、SQ3がAppleの主力チップと直接競合する性能レベルとは見なされていなかった可能性を示唆しています。

他のARMベース SoC (Snapdragon等) との比較

Microsoft SQ3はQualcommとの共同開発チップであり (1)、そのベースにはSnapdragon 8cx Gen 3 SoCがあると広く推測されています。この世代のSnapdragonコンピュートプラットフォームは、当時のWindows on ARMデバイス向けとしては高性能な部類に属していました。

しかし、技術の進歩は速く、5で示されている比較表は、SQ3の登場から比較的短期間のうちに、より高性能なARMチップが登場したことを明確に示しています。この比較表では、SQ3を搭載したSurface Pro 9 with 5Gと、その次世代機にあたるSnapdragon X Plus/Eliteを搭載した新しいSurface Proが対比されています。CPU/GPUの世代(Adreno 8CX Gen 3 vs 新しいAdreno GPU)、搭載可能な最大メモリ/ストレージ容量(16GB/512GB vs 32GB/1TB)、Wi-Fi規格(Wi-Fi 6E vs Wi-Fi 7)など、多くの点でSnapdragon X世代がSQ3世代を凌駕していることが分かります。このMicrosoft自身の製品ラインナップ内での比較は、SQ3がWindows on ARMエコシステムの進化における過渡的な役割を担っていた可能性を強く示唆しています。つまり、SQ3はARM版Windowsの可能性を広げる一歩ではあったものの、Apple Siliconやハイエンドx86チップに対抗しうる性能の頂点を代表するものではなく、次世代のより強力なチップへの橋渡し的な存在であったと位置づけることができます。

同世代・同クラス Intel / AMD x86 プロセッサとの比較

SQ3を評価する上で最も直接的な比較対象となるのは、同じSurface Pro 9の筐体で併売されたIntelプロセッサ搭載モデルです。これらのモデルには、第12世代Intel Core i5-1235U/i7-1255U (2) や、法人向けのCore i5-1245U/i7-1265U (20) が搭載されました。

前述の通り、IntelモデルはThunderbolt 4ポートを搭載し、より大容量のメモリ(最大32GB)とストレージ(最大1TB)を選択可能であるなど、拡張性と潜在的な性能上限においてSQ3モデルを上回ります (2)。純粋なCPU/GPUのピークパフォーマンスにおいても、特に高負荷なタスクではIntelモデルが優位である可能性が高いと考えられます。

一方で、SQ3モデルは、公称値でより長いバッテリー駆動時間(最大19時間 vs 15.5時間)、内蔵5Gによる常時接続性、ファンレス設計による完全な静音性、そしてNPUを活用したWindows Studio Effectsといった、Intelモデルにはない独自の利点を提供します (1)。

このように、MicrosoftはSurface Pro 9において、SQ3モデルとIntelモデルで明確な差別化を図りました。これは、どちらか一方が全ての面で優れているという単純な比較ではなく、ユーザーが自身の優先順位(接続性・バッテリー・静音性・AI機能か、あるいはピーク性能・拡張性・幅広いソフトウェア互換性か)に応じて最適なモデルを選択できるようにするための戦略的な製品展開であったと言えます (12)。Intelもまた、ARM系の台頭を意識し、第12世代以降のプロセッサで消費電力効率や内蔵GPU性能の向上に努めており、プロセッサ市場全体の競争がPCの進化を加速させている状況がうかがえます (12)。

表4: Microsoft SQ3 と競合プロセッサの比較概要 (定性的評価)

プロセッサ主な特徴・SQ3との比較出典例
Microsoft SQ3強み: 省電力/バッテリー, 5G接続, ファンレス/静音, NPU機能 (Windows Studio Effects)<br>弱み: ピーク性能(推定), アプリ互換性/エミュレーション依存, Thunderbolt非搭載
Microsoft SQ1/SQ2SQ3は後継であり性能向上(特にGPU/NPU)と推測されるが、直接比較データなし
Apple Mシリーズ (M1~)強み: 高い電力効率と性能の両立, 成熟したRosetta 2エミュレーション (macOS)<br>SQ3比: 一般的に性能・効率で優位とされる15 (間接)
Snapdragon X Elite/PlusSQ3比: CPU/GPU性能, 最大メモリ/ストレージ, Wi-Fi等で明確に次世代・高性能5
Intel 第12世代 Core (SP9搭載)強み: 高いピークCPU/GPU性能(推定), 幅広いx86アプリ互換性, Thunderbolt 4<br>SQ3比: 接続性(5Gなし), バッテリー(公称値短), ファンノイズの可能性, NPU機能なし2

4. 実環境での使用感と評価

ベンチマークスコアだけでは分からないプロセッサの真価は、実際の利用シーンにおける体験によって明らかになります。ここでは、日本語のレビュー記事や技術解説から読み取れる、Microsoft SQ3搭載デバイス(Surface Pro 9 with 5G)の実使用におけるパフォーマンスや利便性に関する評価をまとめます。

アプリケーション互換性の実情

ARM版Windowsの長年の課題であったアプリケーション互換性は、SQ3が搭載されたWindows 11 on ARMにおいて、一定の改善が見られます。OSレベルでx86アプリケーションだけでなく、x64アプリケーションのエミュレーションにも対応したことにより (3)、原理的にはより多くの従来のWindowsソフトウェアが動作可能になりました。レビュー記事でも、「Windows 10の時はx64エミュレーション非対応で制約があったが、Windows 11で対応し制約は緩和された」と評価されています (4)。解説記事によれば、「大半のソフトがそのまま動作する」とも述べられています (3)。

しかし、エミュレーションは万能ではなく、一部のソフトウェアでは依然として問題が発生する可能性があります。「ゲームやシステム系ユーティリティなど、一部動かないソフトももちろんある」(3)、「一部のセキュリティ ソフトなどは互換性の観点で非対応が続いていた」(4) といった指摘があります。前述の3DMarkが一部実行できなかったという報告 (19) も、グラフィックス関連の互換性問題の一例と考えられます。

一方で、Microsoft OfficeやAdobeの主要なクリエイティブツール(Photoshopなど)のように、開発元がARMアーキテクチャにネイティブ対応したバージョンを提供し始めています (3)。これらのネイティブアプリは、エミュレーションを介さずにプロセッサの性能を直接引き出せるため、エミュレーションで動作させる場合よりも快適なパフォーマンスが期待できます。

結局のところ、SQ3搭載デバイスのアプリケーション互換性に関するユーザー体験は二分される可能性があります。日常的に使用するソフトウェアがネイティブARM版で提供されているか、あるいはエミュレーションで問題なく動作するものであれば、大きな不満はないかもしれません。しかし、特定の古いソフトウェア、特殊なドライバを必要とする周辺機器、最新のPCゲーム、あるいは一部の業務用ソフトウェアなどを使用する場合、互換性の問題や予期せぬパフォーマンス低下に直面するリスクが残ります。ARMネイティブアプリのエコシステムの成熟度が、依然としてユーザー体験を左右する重要な要因であると言えます。

x86 / x64 エミュレーションのパフォーマンスと限界

前述の通り、Windows 11 on ARMはx86/x64エミュレーションを提供し、多くのアプリケーションの動作を可能にしていますが (3)、そのパフォーマンスには限界があります。エミュレーションは、異なるプロセッサアーキテクチャの命令セットをリアルタイムで変換しながら実行するため、原理的にネイティブ実行よりもオーバーヘッドが発生します。このオーバーヘッドは、アプリケーションの種類や処理内容によって異なりますが、特にCPU負荷が高い計算処理、頻繁なシステムコール、あるいはハードウェアへの低レベルアクセスを伴うようなソフトウェア(例: 一部のPCゲーム、仮想化ソフトウェア、デバイスドライバ)では、顕著なパフォーマンス低下として現れる可能性があります。

Windows 11におけるエミュレーションの改善 (4) は評価されるべき点ですが、それが全てのアプリケーションにおいてネイティブ実行と同等の性能や完全な互換性を保証するものではないことを理解しておく必要があります。ユーザーは、自身の利用したいソフトウェアがエミュレーション環境下でどの程度快適に動作するか、事前に情報を収集するか、あるいは試用してみる必要があるかもしれません。

バッテリー持続時間: 公称値と実測値の傾向

SQ3搭載のSurface Pro 9 with 5Gの大きなセールスポイントの一つが、そのバッテリー持続時間です。公称値では最大19時間とされており、Intelモデルの最大15.5時間と比較して大幅に長い駆動時間が謳われています (2)。これは、ARMプロセッサが一般的にx86プロセッサよりも電力効率に優れているという特性 (3) を反映したものです。

しかしながら、参照した日本語の情報源の中には、この公称値を裏付けるような、標準的なベンチマーク(例: PCMark 10 Battery Lifeテストなど)を用いた実測データや、具体的な利用シナリオにおける詳細なバッテリー駆動時間のレポートは見当たりませんでした。22ではバッテリーテストについて言及がありますが、これは比較対象のThinkPadに関するものであり、SQ3搭載機のものではありません。

したがって、公称値である「最大19時間」という数値は非常に魅力的であるものの、実際の利用状況においてどの程度の駆動時間が得られるのかについては、提供された情報だけでは客観的に検証することができません。バッテリー持続時間は、画面輝度、実行するアプリケーション、ネットワーク接続状況など、多くの要因によって大きく変動するため、公称値はあくまで理想的な条件下での最大値と捉えるべきでしょう。この重要なセールスポイントに関する実測データが不足している点は、評価上の留意点となります。

日常タスク (Webブラウジング、オフィス作業、Web会議) での快適性

Webブラウジング、メールの送受信、Microsoft Office(Word, Excel, PowerPointなど)を用いた文書作成や表計算といった、日常的な生産性タスクにおいては、SQ3搭載デバイスは十分快適に動作することが期待されます。特に、Microsoft OfficeのようにネイティブARM版が提供されているアプリケーション (3) を使用する場合、パフォーマンスは良好であると考えられます。ストレージアクセス速度も十分高速であるため (19)、一般的な操作における応答性は問題ないレベルでしょう。

さらに、Web会議の利用シーンにおいては、SQ3モデルはNPUを活用したWindows Studio Effects (1) という明確な利点を持ちます。背景ぼかし、ノイズ除去、オートフレーミング、アイコンタクト補正といった機能により、より快適でプロフェッショナルなオンラインコミュニケーション体験が得られる可能性があります。リモートワークやオンライン授業が普及した現代において、これは大きな付加価値となり得ます。

ファンレス設計による静音性と熱管理

SQ3搭載のSurface Pro 9 with 5Gは、ファンレス設計を採用している点が大きな特徴です (9)。これにより、CPUに負荷がかかる作業を行っている際でも、冷却ファンの回転音が発生しません。レビュー記事では、アイドル時・高負荷時ともに動作音は31dB程度と非常に静かであったと報告されており (16)、これは深夜の郊外や鉛筆での執筆音と同レベルの静けさです。他の比較対象(ファン付きノートPC)の騒音レベルと比較しても、SQ3モデルの静音性は際立っています (15)。

この静音性は、図書館や静かなオフィス、会議中、あるいは寝室など、音が気になる環境での利用において大きなメリットとなります (9)。「社外や客先で使っても、ブヲーンと排気音がしないのはスマートでうれしい」(19) というコメントは、その利点を端的に表しています。

一方で、ファンレス設計のため、高負荷が長時間続くと筐体に熱がこもりやすくなる可能性があります。レビューでは、「ボディー背面は暖かくなるが、持てないまではいかない」(19) と報告されており、通常の使用範囲であれば問題ないレベルと考えられますが、極端に重い処理を連続して行うような場合には、サーマルスロットリング(過熱防止のための性能抑制)が発生する可能性も考慮に入れるべきでしょう。

5G 接続機能の利点と評価

SQ3モデルの名称にも含まれる「5G」は、その中核的な機能の一つです (1)。Wi-Fi環境がない場所でも、携帯電話ネットワークを介してインターネットに接続できる常時接続性は、外出先での作業が多いユーザーにとって大きな利便性をもたらします。

ミリ波に対応したモデルでは、理論上ギガビットクラスの超高速通信が可能ですが (13)、その恩恵を受けられるエリアはまだ限定的であり、実際の通信速度は利用する通信キャリアのネットワークカバレッジや契約プランに大きく左右されます (13)。Sub6はより広いエリアで利用可能ですが、速度はミリ波に劣ります。

いずれにせよ、場所を選ばずにセキュアなインターネット接続を確保できる5G機能は、リモートワーカー、フィールドワーカー、あるいは頻繁に出張するビジネスパーソンなどにとって、生産性を高める上で非常に価値の高い機能と言えるでしょう。

5. Microsoft SQ3 の総合分析: 強みと弱み

これまでの分析を踏まえ、Microsoft SQ3プロセッサおよびそれを搭載したSurface Pro 9 with 5Gの強みと弱みを整理します。

主な強み

  • 卓越した省電力性とバッテリー持続時間(公称値): ARMアーキテクチャの恩恵により、長時間のバッテリー駆動が期待されます (2)。
  • シームレスな常時接続性: 内蔵された5Gモデムにより、Wi-Fiがない環境でもインターネット接続を維持できます (1)。
  • 完全な静音性: ファンレス設計により、負荷時でも動作音がなく、静かな環境での利用に適しています (9)。
  • 先進的なAI機能: NPUを活用したWindows Studio Effectsにより、Web会議などでのコミュニケーション体験が向上します (1)。

認識されている弱み

  • ピークパフォーマンスの限界: 特にCPUやGPUに高い負荷がかかるタスクにおいて、同世代のIntel Coreプロセッサ搭載機と比較して性能が劣る可能性があります (ベンチマークデータ不足のため推定、19の3DMark問題も示唆的)。
  • アプリケーション互換性の懸念: 多くのx86/x64アプリはエミュレーションで動作しますが、一部のソフトウェアでは互換性の問題やパフォーマンス低下が発生するリスクがあります (3)。ネイティブARMアプリのエコシステムは依然として発展途上です (3)。
  • 限定的なI/O: 高速な外部デバイス接続に有利なThunderbolt 4ポートが搭載されていません (2)。
  • 構成オプションの制限: 選択可能な最大メモリ容量とストレージ容量が、Intelモデルよりも低く抑えられています (2)。
  • 客観的性能データの不足: 提供された日本語情報源には、SQ3の性能を定量的に評価するための主要なベンチマークスコアが含まれておらず、性能評価の精度に限界があります。

最適な利用シナリオ

  • モバイルワーカー/リモートワーカー: 外出先での作業が多く、場所を選ばない5G接続と長時間のバッテリー駆動を重視するユーザー。
  • Web会議ヘビーユーザー: オンラインでのコミュニケーションが多く、Windows Studio Effectsによるカメラ・マイク機能の向上に価値を見出すユーザー。
  • 静音性重視ユーザー: 図書館、会議室、寝室など、静かな環境でPCを使用したいユーザー。
  • ライトユーザー: 主な用途がWebブラウジング、メール、Officeドキュメント作成など、標準的な生産性タスク中心のユーザー。

性能が不足する可能性のあるタスク

  • ヘビークリエイティブワーク: 高度な動画編集、3Dレンダリング、CAD設計など、CPUおよびGPUに極めて高い負荷がかかる作業。
  • ハイエンドゲーミング: 最新のAAAタイトルなど、高いグラフィックス性能と安定したドライバー、そしてx86/x64互換性を要求するPCゲーム (19の3DMark問題が示唆)。
  • 特定のレガシー/業務用ソフトウェア: エミュレーションとの相性が悪い、あるいは動作しない可能性のある特定の古いアプリケーションや、特殊なシステムツール、ドライバなど (3)。
  • ヘビーマルチタスク: 多数の重いアプリケーションを同時に起動し、頻繁に切り替えながら作業するような使い方(メモリ容量の上限やエミュレーション性能の観点から)。

6. 結論

Microsoft SQ3は、Surface Pro 9 with 5Gという先進的なデバイスに搭載され、Windows on ARMプラットフォームの可能性を追求したプロセッサです。その最大の価値は、ARMアーキテクチャ固有の利点である優れた電力効率(公称値ベースでの長いバッテリー寿命)、内蔵5Gモデムによる場所を選ばない常時接続性、ファンレス設計がもたらす完全な静音性、そしてNPUを活用したインテリジェントなコミュニケーション機能(Windows Studio Effects)に集約されます (1)。これらの特徴は、従来のx86ベースのノートPCとは異なる価値を提供し、特にモビリティ、接続性、静音性、そしてオンラインコミュニケーションの質を最優先するユーザー層にとっては、非常に魅力的な選択肢となり得ます。

しかしながら、本レポートで分析した日本語の情報源からは、いくつかの課題も浮かび上がりました。純粋な演算性能、特にCPUやGPUに高い負荷がかかるタスクにおけるピークパフォーマンスにおいては、同世代のIntel Coreプロセッサ搭載モデルに対して譲る可能性が高いと推測されます。また、x86/x64アプリケーションの互換性はWindows 11で改善されたものの、依然として一部のソフトウェアでは問題が発生するリスクが残り、エミュレーションに起因するパフォーマンス低下も無視できません (3)。特に、性能を客観的に比較するための主要なベンチマークスコアが参照した情報源に欠けていたことは、SQ3の真の実力を正確に評価することを困難にしています。

結論として、Microsoft SQ3とそれを搭載したSurface Pro 9 with 5Gは、絶対的なパフォーマンスを追求するのではなく、特定の利用シーンにおける利便性と快適性を最大化することに焦点を当てた製品と言えます。接続性、バッテリー持続時間、静音性、AI支援機能を重視するユーザーにとっては、そのユニークな価値提案が光るでしょう。一方で、その登場後にSnapdragon X Elite/Plusといった、より高性能なARMベースのチップが市場に投入された事実は (5)、SQ3がWindows on ARMの進化の過程における重要な一歩ではあったものの、過渡的な存在であった可能性を示唆しています。SQ3搭載デバイスの導入を検討する際には、自身の主な用途がその強みを活かせるものであるか、また、利用したいソフトウェアの互換性やエミュレーション性能に対する許容度を慎重に見極めることが肝要です。

引用文献

  1. Microsoft、「Surface Pro 9」「Surface Laptop 5」「Surface Studio 2+」発表 – ITmedia NEWS, 4月 19, 2025にアクセス、 https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2210/13/news063.html
  2. 「Surface Pro 9」登場、第12世代Coreに強化 – Microsoft SQ3搭載の5G対応モデルも, 4月 19, 2025にアクセス、 https://news.mynavi.jp/article/20221013-2479569/
  3. 【西田宗千佳連載】なぜSurface Pro 9ではいつもと違うCPUを採用したのか – GetNavi web, 4月 19, 2025にアクセス、 https://getnavi.jp/digital/822030/
  4. [Review] Surface Pro 9 with 5G – Inside SCCM / Intune Japan, 4月 19, 2025にアクセス、 https://sccm.jp/2023/01/29/review-surface-pro-9-with-5g/
  5. 新Surface Proは「5G対応Surface Pro 9」から何がどう変わった?仕様/価格比較 – PC Watch, 4月 19, 2025にアクセス、 https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1593230.html
  6. Windows 11「Microsoft Teams」以外でも自動フレーム化などに対応 – ASCII.jp, 4月 19, 2025にアクセス、 https://ascii.jp/elem/000/004/112/4112628/
  7. Surface Pro 9 つの機能と仕様 – Microsoft サポート, 4月 19, 2025にアクセス、 https://support.microsoft.com/ja-jp/surface/surface-pro-9-%E3%81%A4%E3%81%AE%E6%A9%9F%E8%83%BD%E3%81%A8%E4%BB%95%E6%A7%98-f3f523e6-4f0e-487d-a95c-6115ab55477d
  8. インテルとArm系CPUを2モデル選べる最新2in1PC「Surface Pro 9」 – PC-Webzine, 4月 19, 2025にアクセス、 https://www.pc-webzine.com/article/533
  9. ファンレスを維持し、NPU活用で最強のWeb会議用モバイルPCになった「Surface Pro 9 with 5G」, 4月 19, 2025にアクセス、 https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/1450404.html
  10. 第12世代Core搭載「Surface Pro 9」登場。SQ3プロセッサモデルは「with 5G」でミリ波対応も, 4月 19, 2025にアクセス、 https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1446448.html
  11. マイクロソフトの2in1 PC「Surface Pro 9」が発売、第12世代Coreと5G対応/SQ3搭載の2機種, 4月 19, 2025にアクセス、 https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/news/news/1459673.html
  12. マイクロソフト、新発表のSurface Pro 9で「ARM系チップ」拡大の狙い…インテルに逆風, 4月 19, 2025にアクセス、 https://www.businessinsider.jp/article/260511/
  13. Pro XとPro 8がニコイチになった「Surface Pro 9」と、Intelだけになった「Surface Laptop 5」, 4月 19, 2025にアクセス、 https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/1446678.html
  14. Surface Pro 9:ビジネスに最適な最もパワフルな 2-in-1 タイプの Surface ノート PC – Microsoft, 4月 19, 2025にアクセス、 https://www.microsoft.com/ja-jp/surface/business/surface-pro-9
  15. モダンなAI PCデザイン – Signal65, 4月 19, 2025にアクセス、 https://signal65.com/wp-content/uploads/2025/04/NewSurfaceLaptop2024_Signal65LabInsights_ja-JP.pdf
  16. ファンレスノートPCの人気3モデルをガチで検証してみた – エキサイト, 4月 19, 2025にアクセス、 https://www.excite.co.jp/news/article/Ascii_4181213/
  17. マイクロソフトがSurfaceの2022年モデルを一気に発表 = 「Surface Pro 9」の5G内蔵モデルはSnapdragon搭載! – ASCII.jp, 4月 19, 2025にアクセス、 https://ascii.jp/elem/000/004/108/4108558/
  18. Microsoft独自CPU“SQ3”でどこまで戦える?最新にして異色のモバイルノート「Surface Pro 9 with 5G」の性能、ルックス、使い勝手をライブでチェック! – PC Watch, 4月 19, 2025にアクセス、 https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1451195.html
  19. Surface Pro 9」 5Gモデル実機レビュー = 最強タブレットPCが最新CPUで最速化していた!, 4月 19, 2025にアクセス、 https://ascii.jp/elem/000/004/110/4110141/
  20. 「Surface Pro 9」はIntelモデルとArmモデルの“2本立て” Windows 11 Bloomから着想を得たスペシャルモデルも – ITmedia PC USER, 4月 19, 2025にアクセス、 https://www.itmedia.co.jp/pcuser/spv/2210/12/news200.html
  21. Surface Pro Xの長期ユーザーが語る!Surface Pro 9 5Gで実現する効率的な仕事術! – note, 4月 19, 2025にアクセス、 https://note.com/yamahachi_sensei/n/n5cf4c83fad9c
  22. ファンレスノートPCの人気3モデルをガチで検証してみた – 週刊アスキー, 4月 19, 2025にアクセス、 https://weekly.ascii.jp/elem/000/004/181/4181213/3/
タイトルとURLをコピーしました