序論:RTX 5060 16GBモデルの解明と評価のスコープ
本レポートは、NVIDIAの最新ミドルレンジGPU、GeForce RTX 5060シリーズに関する詳細な性能分析を提供する。ユーザーからの調査依頼は「GeForce RTX 5060 16GB」モデルに焦点を当てていたが、まず冒頭で重要な事実を明確にする必要がある。NVIDIAが公式に市場へ投入したラインナップは、RTX 5060 8GBモデル、そして上位モデルであるRTX 5060 Tiの8GBおよび16GBモデルであり、「RTX 5060 16GB」という製品は存在しない 1。
この事実を踏まえ、本レポートではユーザーの真の関心事、すなわち「ミドルレンジGPUにおける16GB VRAMの価値と性能」というテーマを深掘りする。そのため、RTX 5060ファミリー全体(RTX 5060 8GB、RTX 5060 Ti 8GB/16GB)を包括的に分析対象とする 3。特に、VRAM容量がゲーミング、クリエイティブ制作、そしてAIパフォーマンスに与える具体的な影響を、豊富なベンチマークデータに基づいて解き明かす。
評価にあたっては、前世代(RTX 40シリーズ、RTX 30シリーズ)や直接の競合製品となるAMD Radeon RX 9000シリーズとの性能比較を徹底的に行う。これにより、RTX 5060ファミリーが現代のPC市場においてどのような位置づけにあるのか、その真のコストパフォーマンスはどの程度なのかを客観的に評価することを目指す。
第1章:Blackwellアーキテクチャの核心と技術的進化
GeForce RTX 50シリーズの性能を支えるのは、新開発の「Blackwell」アーキテクチャである。このアーキテクチャは、データセンター向けの巨大なマルチチップGPUから、コンシューマ向けのモノリシックGPUまで、幅広い製品群に展開されている。
1.1. GB206 GPUの概要と製造プロセス
RTX 5060およびRTX 5060 Tiに採用されているGPUは「GB206」と呼ばれるダイである 1。これは、データセンター向けに発表された2080億トランジスタを誇るB200スーパーチップとは異なり、ゲーミングやクリエイティブ用途に最適化された単一のダイ(モノリシック)構造を持つ 5。
製造プロセスには、NVIDIA向けにカスタマイズされたTSMCの4Nプロセスが採用されており、前世代のAda Lovelaceアーキテクチャからの効率改善と性能向上の基盤となっている 2。GB206のダイサイズは181mm²、トランジスタ数は219億とされ、前世代のAD106(RTX 4060 Ti)の187.8mm²、229億トランジスタと比較すると、サイズやトランジスタ数に大きな変化はない 2。この事実は、Blackwellアーキテクチャの進化が、単純な物量投入よりも、内部構造の効率化と機能強化に重点を置いていることを示唆している。
1.2. 新世代コアのアーキテクチャ的進化
Blackwellアーキテクチャは、構成する各コアユニットに重要な改良を施している。
- 第5世代Tensorコア: データセンター向けBlackwellで導入された新しい低精度浮動小数点フォーマット「FP4」および「FP8」のサポートが、コンシューマ向けGPUにも展開されている 6。これにより、AI推論性能が飛躍的に向上し、後述するDLSS 4の高品質なアップスケーリングや、AI Management Processor (AMP) による新たなAI機能の基盤を形成している 1。
- 第4世代RTコア: レイトレーシング処理の根幹を担うRTコアも進化を遂げた。特にレイ(光線)とトライアングル(ポリゴン)の交差判定スループットが向上しており、Unreal Engine 5などで採用が進む「Mega Geometry」のような、極めて複雑で高密度なジオメトリを持つシーンの描画能力が強化されている 9。
- Blackwell CUDAコア: 汎用演算を担うCUDAコアにも改良が加えられた。前世代のAdaアーキテクチャでは、ストリーミングマルチプロセッサ(SM)内のCUDAコアの半分がFP32(単精度浮動小数点)専用、もう半分がFP32とINT32(整数)の同時実行に対応していた。Blackwellでは、全てのCUDAコアがFP32とINT32の同時実行に対応するようになり、シェーダー処理が重いワークロードや、メモリアドレス計算などで多用される整数演算の効率が向上している 12。
1.3. メモリサブシステムの革新:GDDR7の採用
RTX 5060ファミリーにおける最も大きなハードウェア的進化の一つが、次世代メモリ規格「GDDR7」の全面採用である。RTX 5060およびRTX 5060 Tiには、28Gbpsという高速なGDDR7メモリチップが搭載されている 1。これにより、メモリバス幅は前世代と同じ128-bitに据え置かれながらも、メモリ帯域幅は
448 GB/sに達する 4。これは、前世代のRTX 4060 Tiが搭載する18GbpsのGDDR6メモリによる帯域幅288 GB/sから、実に55%以上もの向上である 2。
このメモリ帯域幅の飛躍的な向上が、Blackwell世代の性能を支える鍵となっている。RTX 5060 TiのCUDAコア数は、RTX 4060 Tiからわずかな増加(4352基から4608基へ)に留まっている 2。それにもかかわらず、世代間の性能向上が見られるのは、この広大なメモリ帯域幅によって、GPUコアへのデータ供給のボトルネックが大幅に緩和されたためである。特に、高解像度ゲーミングや高精細なテクスチャを使用する場面では、VRAMへのアクセスが頻繁に発生するため、この広い帯域幅が性能を直接的に底上げする。これは、NVIDIAの設計思想が、単純な演算ユニットの増設から、データパス全体の効率化へとシフトしていることを明確に示している。
1.4. DLSS 4とMulti-Frame Generation (MFG) の衝撃
NVIDIAは、ハードウェア性能の向上と並行して、AIを活用したソフトウェア技術で世代間の性能差を強調する戦略を採っている。その最たるものが「DLSS 4」である。
DLSS 4は、従来のDLSS 3(Super Resolution + Frame Generation)をさらに発展させた技術群の総称であり、その中核をなすのがBlackwellアーキテクチャ専用の新機能Multi-Frame Generation (MFG) だ 15。MFGは、ゲームエンジンが従来通りにレンダリングした1フレームを基に、AIが最大で3フレームもの中間フレームを新たに生成する 12。これにより、理論上はフレームレートを最大で4倍にまで引き上げることが可能となり、NVIDIAが「性能2倍」といった世代間比較を行う際の最大の根拠となっている 11。
また、アップスケーリングを担うSuper Resolution部分にも、新しいTransformer AIモデルが採用された。これにより、従来のCNN(畳み込みニューラルネットワーク)モデルと比較して、ゴースティング(残像感)の低減や、動きの激しいシーンでのディテール保持力が向上したとされている 10。この改良版Super Resolutionは、Blackwell世代だけでなく、RTX 20/30/40シリーズにもドライバアップデートを通じて提供されるため、幅広いユーザーがその恩恵を受けられる 19。
1.5. クリエイター向け機能の強化
ゲーミング性能だけでなく、クリエイティブ用途での機能強化もBlackwellアーキテクチャの重要な特徴である。第9世代に進化したNVENC(ハードウェアエンコーダー)と、第6世代のNVDEC(ハードウェアデコーダー)を搭載している 4。
特に注目すべきは、プロフェッショナル向けのビデオカメラで広く採用されているH.264およびH.265コーデックの10-bit 4:2:2クロマサブサンプリングフォーマットのハードウェアデコードおよびエンコードに、コンシューマ向けGPUとして初めて対応した点である 20。これにより、Adobe Premiere Proなどの対応ソフトウェアにおいて、これらの映像素材を扱う際の編集ワークフローが劇的に高速化される可能性を秘めている。また、高品質なストリーミング配信に不可欠なAV1コーデックのエンコード・デコードにも引き続き対応しており、クリエイターにとって魅力的な機能強化が図られている 22。
第2章:仕様の徹底比較
RTX 5060ファミリーの性能を客観的に評価するため、関連する主要グラフィックスカードの仕様を一覧化する。この表は、後続のベンチマーク分析を理解する上で不可欠な基礎情報となる。各GPUのハードウェアリソースを比較することで、性能差の背景にあるアーキテクチャ上の違いを直感的に把握できる。
仕様項目 | RTX 5060 | RTX 5060 Ti 8GB | RTX 5060 Ti 16GB | RTX 4060 | RTX 4060 Ti 8GB | RTX 4060 Ti 16GB | AMD RX 9060 XT 16GB |
アーキテクチャ | Blackwell | Blackwell | Blackwell | Ada Lovelace | Ada Lovelace | Ada Lovelace | RDNA 4 |
GPUダイ | GB206 | GB206 | GB206 | AD107 | AD106 | AD106 | Navi 48 |
CUDAコア数 | 3840 | 4608 | 4608 | 3072 | 4352 | 4352 | 2048 (Shader Units) |
Tensorコア | 120 (第5世代) | 144 (第5世代) | 144 (第5世代) | 96 (第4世代) | 136 (第4世代) | 136 (第4世代) | 128 (AI Accelerators) |
RTコア | 30 (第4世代) | 36 (第4世代) | 36 (第4世代) | 24 (第3世代) | 34 (第3世代) | 34 (第3世代) | 32 (Ray Accelerators) |
ベースクロック | 2.28 GHz | 2.41 GHz | 2.41 GHz | 1.83 GHz | 2.31 GHz | 2.31 GHz | 2.22 GHz |
ブーストクロック | 2.50 GHz | 2.57 GHz | 2.57 GHz | 2.46 GHz | 2.54 GHz | 2.54 GHz | 3.13 GHz |
VRAM容量 | 8 GB | 8 GB | 16 GB | 8 GB | 8 GB | 16 GB | 16 GB |
VRAM規格 | GDDR7 | GDDR7 | GDDR7 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 |
メモリバス幅 | 128-bit | 128-bit | 128-bit | 128-bit | 128-bit | 128-bit | 128-bit |
メモリ帯域幅 | 448 GB/s | 448 GB/s | 448 GB/s | 272 GB/s | 288 GB/s | 288 GB/s | 322.3 GB/s |
L2キャッシュ | 24 MB | 32 MB | 32 MB | 24 MB | 32 MB | 32 MB | N/A |
TBP (W) | 145 W | 180 W | 180 W | 115 W | 160 W | 165 W | 160 W |
発売時MSRP | $299 | $379 | $429 | $299 | $399 | $499 | $320 (8GB) / $390 (16GB) |
出典: 1
第3章:総合ベンチマーク性能分析 (3DMark)
GPUの純粋な3Dグラフィックス性能を測定する業界標準のベンチマークソフト「3DMark」を用いて、RTX 5060ファミリーの基本的なポテンシャルを評価する。
3.1. DirectX 12 Ultimate 性能 (Speed Way & Port Royal)
最新のグラフィックスAPIであるDirectX 12 Ultimateの総合性能を測る「Speed Way」と、レイトレーシング性能に特化した「Port Royal」のスコアは、GPUの世代とグレードを明確に反映する。日本のレビューサイト「ぬのゲームブログ」の検証によると、RTX 5060 Ti 16GBは、Speed Wayで4119、Port Royalで10318というスコアを記録した 4。これは、RTX 5060(Speed Way: 3424, Port Royal: 8462)に対して、それぞれ約20%、約22%高い数値であり、両者の間には明確な性能階層が存在することが確認できる 4。
特にPort Royalのスコアは、RTX 5060 Tiが前世代のRTX 4070に迫る性能を持つことを示しており、ミドルレンジGPUにおけるレイトレーシング性能の大幅な向上が見て取れる 23。
3.2. DirectX 12/11 性能 (Time Spy & Fire Strike)
より普及しているDirectX 12およびDirectX 11の性能を測る「Time Spy」と「Fire Strike」でも、同様の傾向が見られる。Time Spy(FHD)では、RTX 5060 Ti 16GBが15301、RTX 5060が13291と、約15%の差がついている 4。
BTO PCメーカーであるドスパラが公開しているベンチマークデータを見ると、RTX 5060 Ti 16GBのTime Spyスコア(CPU: Ryzen 7 9800X3D)は15,892であり、RTX 4070(同CPU)の17,216には及ばないものの、RTX 4060 Tiを大きく引き離していることがわかる 22。これにより、RTX 5060 Tiは、RTX 40シリーズにおけるRTX 4070とRTX 4070 SUPERの間に位置する性能を持つことが示唆される。
8GBモデルと16GBモデルの奇妙な関係
ここで興味深いのは、RTX 5060 Tiの8GBモデルと16GBモデルの性能関係である。VRAM負荷が低い3DMarkのような合成ベンチマークにおいては、両者のスコアはほぼ同一、一部のレビューでは8GBモデルが16GBモデルを僅かに上回るという結果まで報告されている 24。
この現象は、メモリチップの物理的な数に起因すると考えられる。8GBモデルは4つのメモリチップで構成されるのに対し、16GBモデルは8つのチップを搭載する。チップ数が少ない8GBモデルは、メモリサブシステム全体の消費電力が低く抑えられる。その結果、GPUに割り当てられた電力枠(TGP: Total Graphics Power)の中で、余剰となった電力をGPUコアのブーストクロック向上に振り分けることが可能になる 25。
この事実は、VRAM容量がボトルネックとならない限定的な条件下では、両モデルの演算性能に本質的な差がないことを証明している。しかし、これはあくまで合成ベンチマーク上の話であり、実際のゲームプレイでは全く異なる結果が待ち受けている。この一見矛盾した結果こそが、VRAM容量の問題の重要性を浮き彫りにしており、スコアだけを見て「8GBで十分」と判断することの危険性を示唆している。この問題については、第6章でさらに詳しく掘り下げる。
第4章:ゲーミング性能評価:ラスタライゼーション
ここでは、DLSSやレイトレーシングといった特殊機能を無効にした状態での、GPUの純粋な描画性能、すなわち「ラスタライゼーション性能」を検証する。これはGPUの基礎体力を示す最も重要な指標である。
4.1. フルHD (1920×1080) での性能
フルHD解像度は、依然として多くのPCゲーマーにとって標準的な環境である。
- 軽量eスポーツタイトル: 『Apex Legends』や『Fortnite』といった比較的負荷の軽いeスポーツタイトルでは、RTX 5060 8GBでも極めて高いパフォーマンスを発揮する。『Apex Legends』では高設定で平均236fps、『Fortnite』では低設定で平均356fpsを記録し、高リフレッシュレートモニターの性能を最大限に引き出すことが可能である 4。これらのタイトルが主目的であれば、RTX 5060 Tiとの性能差は体感しにくく、RTX 5060で十分満足できる性能が得られる。
- 中量級タイトル: 『Call of Duty: Black Ops 6』のような中程度の負荷を持つタイトルでは、RTX 5060は最低設定で平均200fps、RTX 5060 Tiは237fpsを達成した 4。144Hzモニターを使用するユーザーにとってはRTX 5060で十分快適だが、240Hzモニターの性能をフルに活かしたい競技志向のプレイヤーにはRTX 5060 Tiがより適していると言える。
4.2. WQHD (2560×1440) での性能
WQHDは、画質とパフォーマンスのバランスに優れ、現代のミドルレンジGPUにとっての主戦場と言える解像度である。
RTX 5060は、多くのタイトルで平均60fps以上を維持する能力を持つが、特にグラフィックス負荷の高いAAAタイトルでは、高設定を維持するために一部の画質オプションを調整する必要が出てくる場面がある 4。
一方、RTX 5060 TiはWQHD解像度において、より安定した高設定でのプレイを提供する。レビューメディアHardware Unboxedの15ゲーム平均ベンチマークによると、RTX 5060 Tiは前世代のRTX 4060 Tiに対して、1440pラスタライズ性能で平均15%高速であると報告されている 26。これにより、多くの最新AAAタイトルを高品質な設定で快適に楽しむことが可能となる。
4.3. 4K (3840×2160) での挑戦
ラスタライゼーション性能のみで4K解像度のゲーミングに挑むことは、RTX 5060ファミリーにとって厳しい課題となる。
『モンスターハンターワイルズ』のような極めて負荷の高いタイトルでは、RTX 5060 Tiをもってしても中設定で平均60fpsに届かず、快適なプレイには後述するDLSSのようなアップスケーリング技術の活用が不可欠となる 4。4Kゲーミングを視野に入れる場合、これらのカードはDLSSと組み合わせて使用することが前提となるだろう。
世代間の性能向上の実態
各ベンチマークデータを総合すると、RTX 5060 Tiの純粋なラスタライゼーション性能は、前世代のRTX 4060 Tiに対して約15%から25%程度の向上に留まっていることがわかる 4。これは、かつての世代交代で見られたような飛躍的な性能向上とは言えない。例えば、GTX 1060がGTX 980に匹敵する性能を示したり、RTX 3060 TiがRTX 2080 Superに並んだりした時のような劇的なジャンプアップではない 28。
NVIDIAの公式発表が謳う「2倍の性能」というキャッチコピーは、あくまでDLSS 4のMulti-Frame Generation (MFG) を有効にした特定の条件下での最大値である 15。ハードウェア自体の地力向上は、より穏やかなものとなっている。この事実から、NVIDIAの製品戦略が、半導体プロセスの進化による性能向上だけに依存するのではなく、AIを活用したソフトウェア技術(DLSS)を組み合わせることで世代間の性能差を演出し、製品価値を高める方向へと明確にシフトしていることが読み取れる。ユーザーは、この「性能」という言葉の内訳を正しく理解し、自身のプレイスタイルや価値観に基づいて製品を評価する必要がある。
第5章:ゲーミング性能評価:レイトレーシングとDLSS 4
Blackwellアーキテクチャの真価が最も発揮されるのが、レイトレーシング(RT)とDLSS 4を組み合わせた次世代のゲーミング体験である。
5.1. レイトレーシング(RT)性能
第4世代に進化したRTコアにより、RTX 5060ファミリーはミドルレンジながら高いレイトレーシング性能を実現している。
特に負荷の高い『サイバーパンク2077』において、RTX 5060 Ti 16GBは「レイトレーシング:ウルトラ」設定で、FHD(1080p)解像度で平均86fps、WQHD(1440p)解像度でも平均67fpsという優れたパフォーマンスを記録した 4。これにより、WQHD解像度でも高品質なレイトレーシングを60fps以上の快適なフレームレートで楽しむことが可能になった。これは、前世代の同クラスのGPUでは難しかった領域である。
一方、RTX 5060 8GBもFHDで平均67fpsと健闘するが、WQHDでは平均56fpsとなり、快適性の基準とされる60fpsをわずかに下回る 4。最高のレイトレーシング体験を求めるのであれば、RTX 5060 Tiが明確に優位な選択肢となる。
5.2. Multi-Frame Generation (MFG) の効果
NVIDIAの発表通り、Blackwellアーキテクチャ専用機能であるMulti-Frame Generation (MFG) は、フレームレートを劇的に向上させる力を持つ。先述の『サイバーパンク2077』のFHDレイトレーシング・ウルトラ設定において、RTX 5060 TiはMFGを有効にすることで、200fpsを超える驚異的なパフォーマンスを発揮することが可能になる 4。
しかし、この技術には光と影の両側面が存在する。MFGは、過去のフレーム情報を基にAIが中間フレームを「生成」する技術である。そのため、ベースとなるフレームレート(GPUが実際にレンダリングしているフレームレート)が低い状態でMFGを使用すると、生成処理にかかる時間と画面に表示されるまでの遅延が積み重なり、入力遅延(レイテンシ)が増加する問題が指摘されている 19。操作に対する画面の反応が鈍くなるため、特に競技性の高いゲームではプレイフィールを損なう可能性がある。
また、動きの速いシーンや複雑なUIが表示される場面では、AIの予測が追いつかずにゴースティング(残像)やビジュアルアーティファクト(表示の乱れ)が発生することもある 19。
したがって、MFGは「低いフレームレートを快適にする魔法の杖」ではなく、「既に快適なフレームレートを、高リフレッシュレートモニターでさらに滑らかに表示するためのブースト技術」と捉えるのが適切である。一般的に、ベースFPSが40fpsから60fps程度確保できている状態で使用するのが最も効果的であり、それ以下のフレームレートから無理に引き上げようとすると、恩恵よりも弊害が目立つ可能性が高い。
5.3. VRAM容量とDLSS/RT性能の関係性
レイトレーシングやDLSSといった高度なグラフィックス機能は、VRAM(ビデオメモリ)の消費量を増加させる大きな要因となる 32。特に、高解像度のテクスチャとレイトレーシングを組み合わせ、さらにDLSS(特にMFG)を有効にすると、VRAMへの負荷は急増する。
このため、8GBのVRAMしか搭載していないモデルでは、これらの機能を有効にした際にVRAM容量がボトルネックとなり、性能が著しく低下したり、最悪の場合はゲームがクラッシュしたりするリスクを抱えることになる。特にMFGは、フレーム生成のために追加のデータをVRAM上に保持する必要があるため、8GBモデルではそのポテンシャルを最大限に発揮できない場面が想定される 24。このVRAM容量がもたらす深刻な影響については、次章でさらに詳しく分析する。
第6章:VRAM容量のジレンマ:8GB vs 16GB
本レポートの核心部分として、ユーザーが最も関心を寄せるVRAM容量の問題に正面から向き合う。なぜRTX 5060ファミリーに8GBモデルが存在し、それが現代のPCゲーミングにおいてどのような意味を持つのかを徹底的に分析する。
6.1. なぜ8GBなのか? – 128-bitバスの制約
RTX 5060ファミリーが8GBというVRAM容量で登場した背景には、技術的およびコスト的な制約が存在する。これらのGPUは、128-bitという比較的狭いメモリバス幅を採用している 34。このバス幅の設計上、現在主流の2GB容量のGDDR7メモリチップを使用する場合、搭載できるチップの数は4枚または8枚となる。これにより、VRAM容量の選択肢は必然的に8GB(2GB x 4枚)か16GB(2GB x 8枚)に限定される。
12GB(3GBチップ x 4枚)のような中間的な構成も理論上は可能だが、3GBのGDDR7チップは製造コストが高く、供給量も限られるため、コストを重視するミドルレンジのRTX 5060に採用するのは現実的ではなかったと考えられる 35。結果として、NVIDIAは8GBと16GBという両極端な選択肢を用意することになった。
6.2. 8GBモデルの限界 – データが示す性能低下
8GBというVRAM容量は、2025年現在のAAAタイトルにおいて、すでに深刻なボトルネックとなりつつある。その影響は、単なる平均フレームレートの低下に留まらない。
- 1% Low FPSの劇的な低下: 最も顕著な影響は、フレームレートの安定性を示す「1% Low FPS」に現れる。レビューメディアHardware Unboxedによる詳細なテストでは、VRAM使用量が8GBを超えるゲーム(例:『The Last of Us Part II』、『Hogwarts Legacy』)において、8GBモデルの1% Low FPSが16GBモデルと比較して著しく低下し、プレイヤーが体感する激しいスタッタリング(カクつき)を引き起こすことが示されている 37。例えば、『Horizon Forbidden West』を4K解像度・DLSSパフォーマンス設定で実行した際、16GBモデルが平均70fps近くを維持したのに対し、8GBモデルは平均16fps程度まで落ち込み、1% Low FPSは一桁台という、プレイ不可能なレベルにまで低下した 37。
- テクスチャ品質の自動低下とクラッシュ: VRAMが不足すると、ゲームエンジンはパフォーマンスを維持しようとして、自動的に低解像度のテクスチャを読み込むことがある。これにより、意図しないグラフィック品質の低下が発生する 37。さらに深刻なケースでは、VRAM不足が原因でゲームがクラッシュすることもある。『Indiana Jones and the Great Circle』では、1080pのウルトラ設定で8GBモデルがクラッシュしたという報告がある 38。
- 解像度と設定の制約: これらの結果から、RTX 5060およびRTX 5060 Tiの8GBモデルは、多くの最新ゲームにおいて1080pや1440p解像度での「中設定」が実質的な上限となる 39。グラフィック設定を「高」以上にすると、VRAMがボトルネックとなり、快適なゲーム体験が損なわれるリスクが非常に高い。
6.3. 将来性(Future-Proofing)の観点
PCパーツ、特にGPUは数年間の使用を見越して購入されることが多い。その観点から見ると、8GBモデルの将来性は極めて限定的と言わざるを得ない。2025年時点ですでに8GBでは不足するゲームが登場している以上、今後リリースされるAAAタイトルではこの傾向がさらに加速することは確実である 36。
PlayStation 5やXbox Series Xといった現行の家庭用ゲーム機が、実質的に10GB以上のグラフィックスメモリを搭載していることも、この傾向を後押ししている 33。PCゲームはこれらのコンソール機を基準に開発されることが多く、VRAMの要求スペックもそれに追随するのが自然な流れである。
8GBモデルは「意図された妥協」である
一連の事実を総合すると、NVIDIAが8GBモデルを市場に投入した背景には、明確な戦略的意図が見え隠れする。NVIDIAは、RTX 5060 Ti 8GBモデルのレビュー用サンプルの提供を制限し、メディアには16GBモデルのレビューを優先させるよう働きかけた 24。これは、NVIDIA自身が8GBモデルの弱点を十分に認識しており、その性能限界を露呈する不利なレビューが広まることを避けたかったためと考えられる。
8GBモデルは、価格を最優先し、eスポーツタイトルや旧作ゲームを中心にプレイする層、あるいは最新ゲームでも画質設定の妥協を厭わないユーザーをターゲットとした製品である 39。しかし、そのわずかな価格差(RTX 5060 Tiの8GBと16GBのMSRP差は$50)に対して、性能低下のリスクはあまりにも大きい 44。これは、ユーザーをより高価な16GBモデルや、さらに上位のRTX 5070へと誘導するための、意図的な製品セグメンテーション戦略の一環と解釈するのが妥当だろう。結果として、8GBモデルは多くのユーザーにとって「安物買いの銭失い」となる可能性が非常に高い、注意を要する製品と言える。
第7章:クリエイティブ・AI性能評価
RTX 5060ファミリーの価値はゲーミングだけに留まらない。クリエイティブ制作やAI開発といったプロフェッショナルな用途においても、その性能は注目に値する。
7.1. 3Dレンダリング性能 (Blender)
業界標準の3D制作ソフト「Blender」の公式ベンチマーク「Blender Open Data」では、GPUのレンダリング性能がCUDAコア数にほぼ比例する、順当な結果が示されている。Redditユーザーの報告によると、RTX 5060はRTX 4060に対して約18%高速なスコアを記録した 43。
3DレンダリングにおいてVRAM容量は、制作するシーンの複雑さ(ポリゴン数やテクスチャサイズ)がVRAMに収まる限り、レンダリング速度自体に直接的な影響を与えることは少ない 14。しかし、大規模なシーンを扱う場合は、VRAM不足がパフォーマンスのボトルネックとなり得る。
7.2. AIパフォーマンス (Stable Diffusion, LLM)
AI分野では、VRAM容量が性能を決定づける重要な要素となる。
- 画像生成AI (Stable Diffusion): VRAM容量は、一度に生成できる画像の解像度や、同時に処理できる枚数(バッチサイズ)に直接影響する。16GBのVRAMを持つRTX 5060 Tiは、8GBモデルよりも高解像度・高品質な画像を効率的に生成する上で明確に有利である 45。
- 大規模言語モデル (LLM): ここで、VRAM容量の重要性を示す象徴的な結果が報告されている。UL ProcyonのAI Text Generation Benchmark(Llama-2-13Bモデルを使用)において、RTX 5060 Ti 16GBが、より上位で演算性能(TFLOPS)が高いはずのRTX 5070 12GBを上回るという性能の逆転現象が確認された 14。
VRAMがTFLOPSを凌駕する瞬間
この逆転現象は、特定のAIワークロードにおいてVRAM容量がいかに重要であるかを明確に示している。Llama-2-13Bのような大規模な言語モデルは、動作に12GBを超えるVRAMを必要とする。RTX 5070は12GBのVRAMしか搭載していないため、モデル全体をVRAM上にロードしきれず、低速なシステムメモリとの間で頻繁なデータのやり取り(スワッピング)が発生する。これが深刻なボトルネックとなり、GPUコアの高い演算性能を全く活かせずにパフォーマンスが大幅に低下する。
一方で、RTX 5060 Tiは16GBのVRAMを持つため、モデル全体を高速なVRAM上に完全に展開できる。その結果、演算性能では劣るにもかかわらず、VRAM容量のアドバンテージによってRTX 5070を凌駕するパフォーマンスを発揮する。これは、AI開発や研究といった用途を少しでも視野に入れるユーザーにとって、16GB以上のVRAMが単なる「快適性の向上」ではなく、「タスクの実行可否」を左右する必須要件となり得ることを示している。
7.3. 動画編集 (Adobe Premiere Pro)
動画編集ワークフローにおいても、Blackwellアーキテクチャの進化は大きな恩恵をもたらす。
Puget Systemsの分析によると、RTX 50シリーズに搭載された新しいNVDEC/NVENCは、特にプロフェッショナルカメラで多用されるH.264/H.265の10-bit 4:2:2コーデックのハードウェアアクセラレーションに初めて対応したことで、前世代を凌駕するポテンシャルを秘めている 20。
GPUアクセラレーションが効くエフェクト(Lumetriカラー、ブラーなど)の処理性能は、RTX 30シリーズから比較すると約66%という大幅な向上を見せるが、RTX 40シリーズからは10%程度の向上に留まる 20。
また、4Kや8Kといった高解像度素材の編集では、VRAMの使用量も増大する。Puget Systemsは、8K以上の編集には16GB以上のVRAMを推奨しており、この点においてもRTX 5060 Ti 16GBモデルは、8GBモデルや12GBの上位モデルに対して明確なアドバンテージを持つ 46。
第8章:競合製品との対決:AMD Radeon RX 9000シリーズ
NVIDIA GeForce RTX 5060ファミリーの市場価値を正確に評価するには、直接のライバルであるAMD Radeon RX 9000シリーズとの比較が不可欠である。
8.1. 対 Radeon RX 9060 XT 16GB 性能比較
RTX 5060ファミリーの直接の競合となるのは、AMDのRadeon RX 9060 XTである。特に16GBモデルは、RTX 5060 Ti 16GBと真っ向からぶつかる存在だ。
- ラスタライゼーション性能: 多くのレビューにおいて、RX 9060 XTはRTX 5060を5%から10%程度上回り、RTX 5060 Tiと同等か、それに近い性能を示すと報告されている 47。特にWQHD(1440p)解像度では、16GBという豊富なVRAMも相まって優位に立つ場面が多い 47。
- レイトレーシング性能: この分野では、依然としてNVIDIAに軍配が上がる。RTX 5060 Tiは、第4世代RTコアの性能を活かし、RX 9060 XTに対して明確なアドバンテージを維持している 49。高画質なレイトレーシング体験を重視するユーザーにとっては、NVIDIA製品が依然として魅力的な選択肢となる。
- 消費電力: 電力効率の面では、RTX 5060ファミリーの方が優れている。HotHardwareのレビューでは、RX 9060 XTはRTX 5060 Tiよりもわずかに多くの電力を消費するとされている 48。
8.2. アップスケーリング技術対決 (DLSS 4 vs. FSR 4)
現代のGPU性能を語る上で、アップスケーリング技術は欠かせない要素となっている。
- パフォーマンス: AMDのFSR 4は、NVIDIAのDLSS 4に匹敵する、あるいはそれを上回るフレームレート向上率を示すことがあると報告されている 17。純粋なパフォーマンス向上という点では、両者は互角の戦いを繰り広げている。
- 画質: 画質の面では、DLSS 4が優位に立つという評価が多い。DLSS 4に採用された新しいTransformer AIモデルは、従来のCNNモデルをベースとするFSR 4よりも、アーティファクトが少なく、よりシャープで安定した高品質な画像を生成する傾向にある 17。特に細かいディテールの再現性や、動きの激しいシーンでの画像の安定性において、DLSS 4に一日の長があるとされる 50。
- アーティファクト: ただし、どちらの技術も完璧ではなく、特に低い解像度からのアップスケーリングやフレーム生成機能を使用する際には、ゴースティングやブラーといったアーティファクトが発生しうる 19。これらのアーティファクトは、ベースとなるフレームレートが低いほど顕著になる傾向がある。
エコシステムと機能セットの戦い
これらの比較から見えてくるのは、現代のGPU選びが単なる「ゲームでのFPS競争」ではなくなっているという事実である。
純粋なラスタライゼーション性能や、価格あたりのVRAM容量といった点では、AMDが優位に立つことが多い。しかし、NVIDIAは、より高品質なアップスケーリング(DLSS)と優れたレイトレーシング性能、そして動画編集やAI開発などクリエイティブ分野における「CUDA」という圧倒的なソフトウェアエコシステムを付加価値として提供する。
したがって、ユーザーは自身の主要な用途(ゲームのみか、クリエイティブ作業も行うか)、そして重視する機能(最高のレイトレーシング画質か、コストパフォーマンスか)を明確にし、どちらの「エコシステム」が自身のニーズに合致しているかを総合的に判断する必要がある。RTX 5060 Tiは、この強力な「NVIDIAエコシステム」への、比較的手の届きやすいエントリーチケットとしての価値を持っていると言えるだろう。
第9章:物理特性と冷却性能
GPUの性能を最大限に引き出し、安定して使用するためには、消費電力や冷却性能といった物理的な特性も重要な評価項目となる。
9.1. 消費電力と推奨電源ユニット
RTX 5060ファミリーは、ミドルレンジGPUとして比較的低い消費電力に抑えられている点が大きな特徴である。TGP(Total Graphics Power)は、RTX 5060が145W、RTX 5060 Tiが180Wと、前世代から微増に留まっている 2。
この優れた電力効率により、多くのAIB(アドインボード)パートナー製モデルでは、旧来のPCIe 8ピン補助電源コネクタ1つでの動作が可能となっている 4。これは、高価なATX 3.0規格の電源や、扱いにくい12VHPWR(16ピン)変換アダプタを必須としないことを意味する。既存のPCからGPUのみをアップグレードしたいユーザーにとって、追加の出費や配線の手間を抑えられる、非常に大きな実用上のメリットである。
NVIDIAやAIBパートナーが推奨するシステム全体の電源容量は、RTX 5060で550W、RTX 5060 Tiで600W程度となっており、多くの標準的な構成のPCで問題なく対応できる 4。
9.2. AIBパートナーモデルの冷却性能と動作音
市場には、ASUS、MSI、GIGABYTEといった主要なAIBパートナーから、多様な冷却ソリューションを搭載したモデルが供給されている。
- ASUS: 定評のある「TUF Gaming」シリーズは、大型のヒートシンクと3連ファンを搭載し、優れた冷却性能と静音性を両立していると評価されている 54。一方、「Prime」シリーズはよりコンパクトで、コストを抑えた設計が特徴である 54。
- MSI: 「Gaming Trio」シリーズは、洗練されたデザインと高い冷却性能、静音性を兼ね備えたプレミアムモデルとして知られるが、その分、NVIDIAの希望小売価格(MSRP)からの価格プレミアムが大きい傾向にある 11。よりシンプルな構成の「Ventus」シリーズもラインナップされている 23。
- GIGABYTE: 「Eagle」シリーズは、コンパクトな設計ながら効率的な冷却性能で評価が高い。特に、小型PCケースへの組み込みに適している 7。
AIBモデルの価格設定と価値
MSI Gaming Trioのようなファクトリーオーバークロック(OC)が施されたプレミアムモデルは、MSRP準拠の標準モデルに対して数パーセントの性能向上と、より優れた冷却・静音性を提供する 11。しかし、その価格プレミアムは100ドルを超えることもあり、その価格帯になると、より上位のGPU(例えばRTX 5070の標準モデル)が購入の視野に入ってくる 12。
この点を考慮すると、多くのユーザーにとっては、OCモデルのわずかな性能向上のために大きな追加コストを支払うよりも、MSRPに近い価格の標準モデルを選択し、浮いた予算をSSDの増設やメモリの増量といった、システム全体の快適性向上に繋がる他のパーツに投資する方が、総合的な満足度は高くなる可能性がある。OCモデルの付加価値は、静音性やデザイン性といった要素をどれだけ重視するかという、個人の価値観や好みに大きく左右されると言えるだろう。
第10章:結論と購入推奨ガイド
本レポートで分析してきた仕様、性能、価格、そして競合製品との比較に基づき、RTX 5060ファミリーの総合的な評価と、ユーザータイプ別の購入推奨ガイドを以下に示す。
10.1. 総合評価
- RTX 5060 8GB: 1080p(フルHD)ゲーミングにおけるエントリーモデル。前世代のRTX 4060から順当なラスタライゼーション性能の向上を遂げ、DLSS 4という最新技術へのアクセスも可能にする。しかし、8GBというVRAM容量が将来性への大きな足枷となっている。多くの最新AAAタイトルでは、高画質設定を諦め、中設定以下でのプレイが前提となるカードである 29。
- RTX 5060 Ti 8GB: RTX 5060よりも高い演算性能を持つものの、VRAM容量の制約は同様に深刻である。16GBモデルとのわずかな価格差を考慮すると、このモデルを積極的に選ぶ理由はほとんど見当たらない。レビューメディアからは「意図的に避けるべき製品」という厳しい評価も下されており、VRAM不足による性能低下のリスクが非常に高い 37。
- RTX 5060 Ti 16GB: RTX 5060ファミリーにおける**「本命」**と言えるモデル。WQHD(1440p)解像度でのゲーミングにおいて、高設定で安定したパフォーマンスを発揮する。そして、16GBという潤沢なVRAMは、将来登場するであろうVRAMを大量に消費するAAAタイトルや、クリエイティブ、AIといった専門的な用途にも対応できる大きな安心感を提供する。性能、価格、将来性のバランスが取れた、現代のミドルレンジGPUとして最も魅力的な選択肢である 37。
10.2. 価格とコストパフォーマンス分析
NVIDIAが設定したMSRP(希望小売価格)は、RTX 5060が299、RTX5060Ti8GBが379、そしてRTX 5060 Ti 16GBが$429となっている 1。特にRTX 5060 Ti 16GBの価格は、前世代のRTX 4060 Ti 16GBのMSRP($499)から大幅に引き下げられており、NVIDIAがVRAM容量の重要性を市場価格に反映させたことが伺える 2。
ただし、これはあくまでMSRPであり、実際には需要と供給のバランスによって市場価格は変動する。特に性能とVRAM容量のバランスが良い16GBモデルは人気が集中し、MSRPを上回る価格で取引される可能性も十分に考えられる 60。
競合であるAMD Radeon RX 9060 XTとの比較では、純粋なラスタライズ性能におけるコストパフォーマンスではAMDが優位に立つ場面が多い。しかし、DLSSの画質、レイトレーシング性能、そしてCUDAを用いるクリエイティブ・AIエコシステム全体を考慮すると、NVIDIA製品の付加価値も依然として高い。
10.3. ユーザータイプ別推奨モデル
以上の分析を踏まえ、想定されるユーザータイプごとに最適なモデルを推奨する。
- 予算最優先の1080pゲーマー:
RTX 5060 8GBは選択肢に入るが、最新ゲームをプレイする際には画質設定の妥協が必須となることを覚悟する必要がある。もし可能であれば、将来的な快適性を考慮し、もう少し予算を確保してRTX 5060 Ti 16GBを狙うことを強く推奨する。 - WQHD (1440p) メインのゲーマー:
RTX 5060 Ti 16GBが最適な選択肢である。多くのAAAタイトルを高設定・高フレームレートで快適にプレイでき、16GBのVRAMがもたらす安定性と将来性は何物にも代えがたい。 - クリエイターおよびAIホビイスト:
RTX 5060 Ti 16GBが必須と言える。特に、12GBを超えるVRAMを要求する大規模AIモデルの実行や、4K/8K素材を用いた動画編集など、専門的なタスクにおいては8GBや12GBのVRAMでは不可能なワークロードをこなすことができる。 - RTX 30シリーズ以前のGPUからのアップグレード:
RTX 5060 Ti 16GBは、例えばRTX 3060 Tiからでも明確な性能向上を体感でき、DLSS 4 (MFG) という強力な新機能の恩恵も受けられるため、非常に価値のあるアップグレードとなる 27。 - RTX 40シリーズからのアップグレード:
RTX 4060や4060 Tiからのアップグレードは、純粋な性能向上幅が限定的であるため、コストに見合わない可能性が高い。MFGという新機能に強い魅力を感じない限り、次世代以降の製品を待つのが賢明な判断だろう。
引用文献
- Nvidia announces RTX 5060 release date of May 19 for both the …, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.pcgamer.com/hardware/graphics-cards/nvidia-announces-rtx-5060-release-date-of-may-19-for-both-the-usd299-desktop-gpu-and-usd1-099-laptops/
- Nvidia announces GeForce RTX 5060 Ti and RTX 5060, starting at $379 and $299 — reviews coming tomorrow, April 16 | Tom’s Hardware, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.tomshardware.com/pc-components/gpus/nvidia-announces-geforce-rtx-5060-ti-and-rtx-5060-starting-at-usd379-and-usd299
- NVIDIA announces GeForce RTX 5060 Ti at $429 (16GB) and $379 …, 6月 14, 2025にアクセス、 https://videocardz.com/newz/nvidia-announces-geforce-rtx-5060-ti-at-429-16gb-and-379-8gb-299-rtx-5060-launches-next-month
- RTX 5060とRTX 5060 Ti 16GBはどっちがいい?ベンチマークで …, 6月 14, 2025にアクセス、 https://nunogameblog.jp/rtx5060-rtx5060ti-16gb/
- www.nvidia.com, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.nvidia.com/en-us/data-center/technologies/blackwell-architecture/#:~:text=NVIDIA%20Blackwell%2Darchitecture%20GPUs%20pack,in%20a%20unified%20single%20GPU.
- NVIDIA Blackwell GPU architecture: Unleashing next‑gen AI performance | genai-research, 6月 14, 2025にアクセス、 https://wandb.ai/onlineinference/genai-research/reports/NVIDIA-Blackwell-GPU-architecture-Unleashing-next-gen-AI-performance–VmlldzoxMjgwODI4Mw
- Gigabyte GeForce RTX 5060 Ti Eagle OC 16GB Review: Minimalism – HWCooling.net, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.hwcooling.net/en/gigabyte-geforce-rtx-5060-ti-eagle-oc-16gb-review-minimalism/
- NVIDIA Blackwell GPUs: Architecture, Features, Specs – NexGen Cloud, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.nexgencloud.com/blog/performance-benchmarks/nvidia-blackwell-gpus-architecture-features-specs
- Nvidia Blackwell architecture deep dive: A closer look at the upgrades coming with RTX 50-series GPUs | Tom’s Hardware, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.tomshardware.com/pc-components/gpus/nvidia-blackwell-architecture-deep-dive-a-closer-look-at-the-upgrades-coming-with-rtx-50-series-gpus
- Gigabyte RTX 5060 Ti EAGLE OC 16GB Video Card Review – Overclockers, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.overclockers.com/gigabyte-rtx-5060-ti-eagle-oc-16gb-video-card-review/
- MSI GeForce RTX 5060 Ti Gaming Trio 16GB OC Review – Impressive OC Performance, But Pricey – TweakTown, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.tweaktown.com/reviews/11031/msi-geforce-rtx-5060-ti-gaming-trio-16gb-oc-impressive-performance-but-pricey/index.html
- MSI GeForce RTX 5060 Ti Gaming Trio OC 16 GB Review | TechPowerUp, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.techpowerup.com/review/msi-geforce-rtx-5060-ti-gaming-trio-16-gb/
- GeForce RTX 5060 Ti と RTX 5060 が正式発表。RTX 5060 が55,800円と高めに – ギャズログ, 6月 14, 2025にアクセス、 https://gazlog.jp/entry/geforce-rtx-5060-series-official-announcement/
- GeForce RTX 5070とRTX 5060 Ti 16GBモデルはどっちを選べば …, 6月 14, 2025にアクセス、 https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/special/2010114.html
- GeForce RTX 5060 Out Now: DLSS 4 With Multi Frame Generation …, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.nvidia.com/en-us/geforce/news/rtx-5060-out-now/
- NVIDIA Blackwell GeForce RTX Arrives for Every Gamer, Starting at $299, 6月 14, 2025にアクセス、 https://nvidianews.nvidia.com/news/nvidia-blackwell-geforce-rtx-arrives-for-every-gamer-starting-at-299
- AMD’s FSR 4 beats DLSS 4 in one surprising way – XDA Developers, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.xda-developers.com/amd-fsr-4-vs-nvidia-dlss-4/
- FSR 3 VS FSR 4 VS DLSS 4 DLSS 4 is on another level entirely. – Reddit, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.reddit.com/r/radeon/comments/1l84n4p/fsr_3_vs_fsr_4_vs_dlss_4_dlss_4_is_on_another/
- 4 reasons why Nvidia’s DLSS is ruining PC gaming – XDA Developers, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.xda-developers.com/why-nvidias-dlss-ruins-pc-gaming/
- Do Video Editors Need GeForce RTX 50 Series GPUs? – Puget Systems, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.pugetsystems.com/labs/articles/do-video-editors-need-geforce-rtx-50-series-gpus/
- GeForce RTX 5060 Ti Review Megathread : r/nvidia – Reddit, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.reddit.com/r/nvidia/comments/1k0lndt/geforce_rtx_5060_ti_review_megathread/
- GeForce RTX™ 5060 Ti ベンチマーク・性能比較|パソコン通販の …, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.dospara.co.jp/contents/geforce-rtx-5060ti.html
- MSI GeForce RTX 5060 Ti 16GB Review: Perfect Upgrade for Budget Gamers | Beebom, 6月 14, 2025にアクセス、 https://beebom.com/msi-nvidia-geforce-rtx-5060-ti-review/
- Reviews show the Nvidia RTX 5060 Ti 8GB matches the 16GB model in most tests, falls behind in DLSS 4 | Tom’s Hardware, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.tomshardware.com/pc-components/gpus/reviews-show-the-nvidia-rtx-5060-ti-8gb-matches-the-16gb-model-in-most-tests-falls-behind-in-dlss-4
- NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti 8 GB Review – So Many Compromises : r/hardware – Reddit, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.reddit.com/r/hardware/comments/1k5f0dt/nvidia_geforce_rtx_5060_ti_8_gb_review_so_many/
- [HWUB] The Not Great, Not Terrible GeForce RTX 5060 Ti 16GB…. Review & Benchmarks : r/nvidia – Reddit, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.reddit.com/r/nvidia/comments/1k0kcpb/hwub_the_not_great_not_terrible_geforce_rtx_5060/
- More Marketing BS: NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti Review & Benchmarks vs GTX 1060, 4060 Ti, & More | GamersNexus, 6月 14, 2025にアクセス、 https://gamersnexus.net/gpus/more-marketing-bs-nvidia-geforce-rtx-5060-ti-review-benchmarks-vs-gtx-1060-4060-ti-more
- [Gamers Nexus] More Marketing BS: NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti Review & Benchmarks vs GTX 1060, 4060 Ti, & More – Reddit, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.reddit.com/r/nvidia/comments/1k0k7ae/gamers_nexus_more_marketing_bs_nvidia_geforce_rtx/
- NVIDIA GeForce RTX 5060 8 GB Review – Reddit, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.reddit.com/r/nvidia/comments/1kx6c4a/nvidia_geforce_rtx_5060_8_gb_review/
- We’ve tried MindsEye, and here’s how it runs on the PC – DSOGaming, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.dsogaming.com/articles/weve-tried-mindseye-and-heres-how-it-runs-on-the-pc/
- AMD says its ghostly ‘Toyshop tech demo is truly not reflective’ of what FSR4 will look like when it ships with the RDNA 4 cards this week | PC Gamer, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.pcgamer.com/hardware/graphics-cards/the-rx-9070-series-cards-look-impressive-but-amds-toyshop-tech-demo-shows-some-ghosting-and-artifacting-thats-had-me-scratching-my-head/
- Hardware Unboxed: GeForce RTX 5060 Review – Nvidia Didn’t Want You to See This, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.reddit.com/r/pcmasterrace/comments/1kranph/hardware_unboxed_geforce_rtx_5060_review_nvidia/
- [Digital Foundry] Nvidia GeForce RTX 5060 Review: Better Than PS5 GPU Perf – But 8GB Is Not Enough – Reddit, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.reddit.com/r/nvidia/comments/1kufzun/digital_foundry_nvidia_geforce_rtx_5060_review/
- Nvidia will release its $299 RTX 5060 on May 19th : r/pcmasterrace – Reddit, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.reddit.com/r/pcmasterrace/comments/1kg8fs3/nvidia_will_release_its_299_rtx_5060_on_may_19th/
- [PC Gamer] Nvidia RTX 5060 review live: we’ve been black-listed for this review, but I’m a professional so we’re doing this live! – Reddit, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.reddit.com/r/nvidia/comments/1kqgc8v/pc_gamer_nvidia_rtx_5060_review_live_weve_been/
- Nvidia GeForce RTX 5060 review – Gigabyte Gaming OC graphics card benchmarks, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.pcgamesn.com/nvidia/geforce-rtx-5060-review
- NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti with 8GB memory is far behind 16GB model in gaming performance, review shows – VideoCardz.com, 6月 14, 2025にアクセス、 https://videocardz.com/newz/nvidia-geforce-rtx-5060-ti-with-8gb-memory-is-far-behind-16gb-model-in-gaming-performance-review-shows
- Nvidia RTX 5060 Ti 8GB struggles due to lack of VRAM — and not just at 4K ultra, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.tomshardware.com/pc-components/gpus/nvidia-rtx-5060-ti-8gb-struggles-due-to-lack-of-vram-and-not-just-at-4k-ultra
- Daniel Owen – Oh no… RTX 5060 and 5060 Ti 8GB vs 16GB Review : r/hardware – Reddit, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.reddit.com/r/hardware/comments/1kxzp1s/daniel_owen_oh_no_rtx_5060_and_5060_ti_8gb_vs/
- Nvidia RTX 5060 Ti 8GB vs 16GB: Which One Should You Buy – ComputerCity, 6月 14, 2025にアクセス、 https://computercity.com/hardware/video-cards/16gb-vs-8gb-rtx-5060-ti-how-much-vram-do-you-actually-need-in-2025
- Nvidia GeForce RTX 5060 Review: Better Than PS5 GPU Perf – But 8GB Is Not Enough, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.reddit.com/r/hardware/comments/1kur7ty/nvidia_geforce_rtx_5060_review_better_than_ps5/
- NVIDIA doesn’t want GeForce RTX 5060 (Ti) 8GB reviews – VideoCardz.com, 6月 14, 2025にアクセス、 https://videocardz.com/newz/nvidia-doesnt-want-geforce-rtx-5060-ti-8gb-reviews
- The RTX 5060 Scores 18% Faster Than A 4060 In Blender! : r/Amd_Intel_Nvidia – Reddit, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.reddit.com/r/Amd_Intel_Nvidia/comments/1krbsut/the_rtx_5060_scores_18_faster_than_a_4060_in/
- Nvidia GeForce RTX 5060 Ti 16GB review: More VRAM and a price ‘paper cut’ could make for a compelling GPU | Tom’s Hardware, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.tomshardware.com/pc-components/gpus/nvidia-geforce-rtx-5060-ti-16gb-review
- Asus GeForce RTX 5060 Ti PRIME non-oc or oc for gaming and AI : r/nvidia – Reddit, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.reddit.com/r/nvidia/comments/1kuz39g/asus_geforce_rtx_5060_ti_prime_nonoc_or_oc_for/
- Hardware Recommendations for Adobe Premiere Pro – Puget Systems, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.pugetsystems.com/solutions/video-editing-workstations/adobe-premiere-pro/hardware-recommendations/
- Nvidia’s RTX 5060 is embarrassing against the RX 9060 XT – XDA Developers, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.xda-developers.com/nvidia-rtx-5060-vs-amd-rx-9060-xt/
- Gigabyte Radeon RX 9600 XT GPU Review: AMD’s RTX 5060 Rival …, 6月 14, 2025にアクセス、 https://hothardware.com/reviews/gigabyte-radeon-rx-9600-xt-gpu-review?page=5
- Daniel Owen – Price is everything- RX 9060 XT 16GB vs RTX 5060 Ti 16GB: The Ultimate Comparison : r/hardware – Reddit, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.reddit.com/r/hardware/comments/1l44498/daniel_owen_price_is_everything_rx_9060_xt_16gb/
- FSR 4 vs FSR 3 vs DLSS: FSR 4 shows remarkable improvement over FSR 3 and approaches latest DLSS version in quality – Notebookcheck, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.notebookcheck.net/FSR-4-vs-FSR-3-vs-DLSS-FSR-4-shows-remarkable-improvement-over-FSR-3-and-approaches-latest-DLSS-version-in-quality.973137.0.html
- Sure, Nvidia DLSS 4 is incredibly impressive – but AMD’s improved upscaling tech could be a real game-changer | TechRadar, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.techradar.com/computing/gpu/sure-nvidia-dlss-4-is-incredibly-impressive-but-amds-improved-upscaling-tech-could-be-a-real-game-changer
- I think FSR 4 is better than DLSS 4 at high framerates : r/FuckTAA – Reddit, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.reddit.com/r/FuckTAA/comments/1kx1abm/i_think_fsr_4_is_better_than_dlss_4_at_high/
- Embrace frame gen. It really does make all the difference. :: Monster Hunter Wilds General Discussions – Steam Community, 6月 14, 2025にアクセス、 https://steamcommunity.com/app/2246340/discussions/0/596268233570433717/
- Nvidia GeForce RTX 5060 Ti 16GB review: course correction – Club386, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.club386.com/nvidia-geforce-rtx-5060-ti-16gb-review-course-correction/
- What’s the right RTX 5060 TI 16GB to buy if I’m a stickler about fan noise? – Reddit, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.reddit.com/r/buildapc/comments/1l09sc0/whats_the_right_rtx_5060_ti_16gb_to_buy_if_im_a/
- ASUS GeForce RTX 5060 Prime review (Page 32) – www.guru3d.com, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.guru3d.com/review/asus-geforce-rtx-5060-prime-review/page-32/
- MSI RTX 5060 Ti 16G Gaming Trio OC review – PC Gamer, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.pcgamer.com/hardware/graphics-cards/msi-rtx-5060-ti-16g-gaming-trio-oc-review/
- Review: Gigabyte GeForce RTX 5060 Ti EAGLE OC ICE 16G Graphics Card – ALKtech, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.alktech.co/articles/review-gigabyte-geforce-rtx-5060-ti-eagle-oc-ice-16g
- Nvidia GeForce RTX 5060 Ti 16GB review: an all-rounder that’s better all round, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.rockpapershotgun.com/nvidia-geforce-rtx-5060-ti-16gb-review
- Where to buy Nvidia’s RTX 5060 8GB GPU | Tom’s Hardware, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.tomshardware.com/pc-components/gpus/where-to-buy-nvidias-rtx-5060-8gb-gpu
- RTX 5060 retail listings spotted at Best Buy but I hope they’re a placeholder as only one is at MSRP | PC Gamer, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.pcgamer.com/hardware/graphics-cards/rtx-5060-retail-listings-spotted-at-best-buy-but-i-hope-theyre-a-placeholder-as-only-one-is-at-msrp/
- Asus RTX 5060 cards range between $340 and $410 in early Best Buy listings — That’s at least $40 above Nvidia’s MSRP, 6月 14, 2025にアクセス、 https://www.tomshardware.com/pc-components/gpus/asus-rtx-5060-cards-range-between-usd340-and-usd410-in-early-best-buy-listings-thats-at-least-usd40-above-nvidias-msrp