NVIDIA Quadro RTX 3000 ベンチマークまとめ

GPU・グラフィックボード

2025.03.21

1. はじめに
2. 主要ベンチマークソフトにおける性能評価
3. ゲーミング性能の詳細
4. プロフェッショナルアプリケーションにおける性能検証
5. 競合グラフィックボードとの性能比較
1. 5.1. 主要競合製品のベンチマークスコア
2. 5.2. 性能差と価格帯の分析
6. ドライバーバージョンによる性能変動の調査
1. 6.1. 異なるドライバーでのベンチマーク結果比較
7. システム構成が性能に与える影響
8. 消費電力と温度特性の評価
1. 8.1. ベンチマーク実行時の消費電力測定
2. 8.2. ベンチマーク実行時のGPU温度と冷却性能
9. 総合的なベンチマーク性能の分析と結論

1. はじめに

1.1. NVIDIA Quadro RTX 3000の概要と仕様

NVIDIA Quadro RTX 3000は、NVIDIAのTuringアーキテクチャ、特にTU106チップを基盤とするプロフェッショナルグレードのモバイルグラフィックスプロセッサ（GPU）です ¹。このアーキテクチャは、リアルタイムレイトレーシングやディープラーニングスーパーサンプリング（DLSS）などの先進的な機能を導入しました。2019年5月27日に発表され ¹、当時のミッドレンジからハイエンドのプロフェッショナルモバイルGPUとしての地位を確立しました。

このGPUは、並列処理のための1920個のCUDAコア、AIおよびディープラーニングタスクを加速する240個のTensorコア、そしてハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングのための30個のRTコアを搭載しています ¹。これらの仕様は、従来のグラフィックスレンダリングだけでなく、より高度な計算タスクにおいてもその能力を示しています。192ビットインターフェース上で動作する6 GBのGDDR6メモリを搭載し、336 GB/秒のメモリ帯域幅を提供します ¹。このメモリ構成は、プロフェッショナルアプリケーションにおける大規模なデータセットや複雑な3Dシーンの処理において重要です。

コアクロックは945 MHzのベース周波数で動作し、最大1380 MHzまでブースト可能です ¹。これは、さまざまなワークロード下でのGPUの処理速度を示しています。より低電力なバリアントであるQuadro RTX 3000 Max-Qは、TDPが70Wまたは60Wで、クロック速度が低く設定されており ²、電力効率を重視する薄型軽量のラップトップ向けに設計されています。

Quadro RTX 3000は、DirectX 12.1およびOpenGL 4.6を含むさまざまなグラフィックスAPIをサポートしており ¹、広範なソフトウェアとの互換性を保証します。一部の情報源ではDirectX 12.0が言及されており ⁹、TechPowerUpはDirectX 12 Ultimate（12_2）を指定していますが ³、これらはドライバのアップデートや報告の不一致を反映している可能性があります。

最大80 Wの熱設計電力（TDP）を備え ¹、十分な冷却能力を備えた大型で高性能なラップトップおよびモバイルワークステーションでの使用を意図しています ²。主な機能には、ディープラーニングスーパーサンプリング（DLSS）とリアルタイムレイトレーシング（RTRT）が含まれており ²、サポートされているアプリケーションで視覚的な忠実性とパフォーマンスの両方を向上させます。DisplayPort 1.4とHDMI 2.0bをサポートし ²、高解像度ディスプレイとの接続が可能です。NVIDIAはQuadro RTX 3000をプロフェッショナルグレードのソリューションとして位置づけており、エンタープライズレベルの管理とサポートを強調しています ⁸。これは、安定性と信頼性を求める企業およびプロフェッショナルユーザーにとって重要です。

1.2. プロフェッショナルGPUとしての位置づけと重要性

Quadro RTX 3000の重要な特徴の一つは、CAD（コンピュータ支援設計）、DCC（デジタルコンテンツ制作）、医療画像処理、探査（石油・ガス探査など）、およびビジュアライゼーションにわたるプロフェッショナルアプリケーション向けに最適化された認定ドライバです ²。これらの認定は、GPUが業界標準のソフトウェアと確実に連携して動作することを保証します。最適化されたドライバと一部のプロフェッショナル構成におけるより大きなビデオメモリ（VRAM）により、Quadro RTX 3000はプロフェッショナルワークロードにおいて、同等のコンシューマ向けGeForce RTX 2070カードよりも優れたパフォーマンスを発揮する可能性があります ²。これは、プロフェッショナルな環境におけるソフトウェア最適化の重要性を示しています。

このGPUは、NVIDIA OptiX、Microsoft DXR、VulkanなどのTuringに最適化されたレイトレーシングAPIのサポートを通じて、リアルタイムで映画のような品質のレンダリングを可能にします ⁸。この機能は、フォトリアリスティックなビジュアルを必要とする設計およびアニメーションの専門家にとって非常に重要です。NVIDIAのNGX SDK（NVIDIA GPU eXperience Software Development Kit）により、強力なAI強化機能がビジュアルアプリケーションに統合され、インテリジェントな画像操作と自動化を通じてワークフローがさらに改善され、時間が節約されます ⁸。Quadro RTX 3000は、業界をリードするソフトウェアSDKとAPIを通じて、レイトレーシング、ディープラーニング、ラスタライズ機能のサポートを提供することで、アプリケーション開発を加速し ⁸、さまざまな業界の開発者にとって貴重なツールとなっています。6 GBの専用VRAMを備え ⁸、大規模なデータセットや遅延の影響を受けやすいアプリケーションの処理に適しており、データサイエンスやエンジニアリングなどの専門分野で一般的です。

Quadro RTX 3000は、Autodesk Maya、Bentley MicroStation、Dassault SystemesのCATIAおよびSolidworks、Esri ArcGIS Pro、Luxion KeyShotなどのアプリケーションについて、独立系ソフトウェアベンダー（ISV）によるテストと承認を受けています ⁸。これらの認定は、GPUが特定のソフトウェアのパフォーマンスおよび信頼性基準を満たしていることをプロフェッショナルに保証します。

1.3. ベンチマークテストの種類と目的

調査資料では、GPUの性能評価に使用されるいくつかの主要なベンチマークソフトウェアパッケージが頻繁に言及されています。3DMark ¹は、さまざまなDirectXバージョンにおけるゲームおよび一般的な3Dグラフィックス性能の評価に主に焦点を当てたベンチマークスイートです。SPECviewperf ²は、プロフェッショナルアプリケーションを実行しているシステムの3Dグラフィックス性能を測定するために特別に設計されています。そのテストであるビューセットは、実際のアプリケーションからのグラフィックスワークロードを表しています。PassMark ²は、CPU、メモリ、ディスク、グラフィックスのテストを含む一般的なシステムベンチマークであり、GPU（G3D Mark）を含むさまざまなコンポーネントの特定のスコアだけでなく、全体的なパフォーマンススコアを提供します。合成ベンチマークに加えて、資料には特定のビデオゲームのフレームレート（1秒あたりのフレーム数 – fps）を測定するゲーミングベンチマークの言及も含まれています ²。これらは、実際のゲームパフォーマンスをより直接的に評価します。

2. 主要ベンチマークソフトにおける性能評価

2.1. 3DMark ベンチマーク

2.1.1. Time Spy スコア分析

LaptopMediaは、NVIDIA Quadro RTX 3000を搭載したラップトップ構成で、3DMark Time Spy Graphicsスコアが5589であったと報告しています ¹。このスコアは、一般的なラップトップ環境におけるGPUのDirectX 12パフォーマンスの基準となります。UL Benchmarksは、ユーザーからの提出データを集計し、NVIDIA Quadro RTX 3000 Mobileの3DMark Time Spy Graphicsスコアの中央値が1288であると示しています ²⁰。LaptopMediaの結果と比較してこの差異が生じているのは、テストバージョンの違い、システム構成（CPU、RAM、ドライバ）、またはテストに使用された特定のラップトップの違いなど、さまざまな要因が考えられます。Notebookcheckのテストでは、平均Time Spy Graphicsスコアは約5702から5856の範囲であり、中央値スコアは5589から5923の間、最大スコアは6014から6080に達しています ²。これらのスコアはLaptopMediaの結果とより一致しており、このベンチマークにおけるGPUの典型的なパフォーマンス範囲を示唆しています。

1つの異常な3DMarkの結果（スイート内の別のテストの可能性あり）では、古いIntel Core i7-3940XMプロセッサで非常に高いGraphicsスコア38373が示されています ²¹。これは、他の報告されたTime Spyスコアから大幅に逸脱しているため、おそらく外れ値であるか、3DMarkスイート内の別のベンチマークを表しています。UL Benchmarksは、他の人気のあるグラフィックスカードのTime Spy Graphicsスコアをリストアップすることで、比較の視点を提供しています。Quadro RTX 3000 Mobileのスコア1288は、NVIDIA GeForce RTX 4090（9221）やAMD Radeon RX 7900 XTX（6833）などの最新のハイエンドゲーミングGPU、およびハイエンドプロフェッショナルカードよりも大幅に低くなっています。ただし、NVIDIA RTX A2000 12 GB（1312）やGeForce GTX 1660 Ti（1309）などの古いまたはローエンドのカードと同等のパフォーマンスを示しています ²⁰。このコンテキストは、Quadro RTX 3000のパフォーマンスを市場の他のGPUと比較して位置づけるのに役立ちます。Notebookcheckの全体的なパフォーマンレーティングは、3DMark 11、Fire Strike、Time Spyのスコアを組み合わせたもので、Quadro RTX 3000（Laptop）に比較チャートで4.6ポイント（14％）のスコアを与えています ²。これは、Notebookcheckの広範なテスト済みGPUデータベース内での一般的な3Dパフォーマンスの正規化された尺度を提供します。

2.1.2. Fire Strike スコア分析

Notebookcheckは、Quadro RTX 3000（Laptop）の3DMark Fire Strike Standard Graphicsスコアの平均値を約13568から14842ポイントの範囲で報告しており、中央値スコアは13570から14841.5の間、最大スコアは14442から15881に達しています ¹⁷。これらのスコアは、DirectX 11ベースのワークロードにおけるGPUのパフォーマンスを反映しています。セクション2.1.1で述べたように、Notebookcheckの全体的なパフォーマンレーティングにはFire Strikeベンチマークも組み込まれており ²、GPUの3Dパフォーマンスの全体的な評価への貢献を示しています。

2.1.3. その他の 3DMark テスト結果

Notebookcheckは、Quadro RTX 3000（Laptop）の平均3DMark Cloud Gateスコアを約35433と報告しており、Graphicsスコアは約86865から91394の範囲です ¹³。Cloud Gateは、主流PC向けに設計された負荷の低いベンチマークであり、このクラスのGPUではこれらのより高いスコアが予想されます。3DMark 11 Performance GPUについては、Notebookcheckは約19467から19878.5ポイントの平均スコアを示しています ¹³。3DMark 11は古いDirectX 11ベンチマークであり、これらのスコアはGPUのこのAPIでのパフォーマンスに関するさらなる洞察を提供します。前述の孤立した結果である38373 ²¹は、Time SpyやFire Strikeよりも数値スコアがはるかに高くなる傾向がある、ローエンドハードウェア向けに設計されたIce StormやSky Diverなど、別の3DMarkテストのスコアである可能性があります。ただし、特定のテスト識別がないため、これは推測の域を出ません。

2.2. SPECviewperf ベンチマーク

2.2.1. SPECviewperf 12 結果詳細

Notebookcheckは、SPECviewperf 12におけるさまざまなビューセットでのNVIDIA Quadro RTX 3000（Laptop）の平均フレームレート（fps）の詳細を提供しています ²:

specvp12 sw-03 (SolidWorks): 112.1 fps
specvp12 snx-02 (Siemens NX): 112.7 fps
specvp12 showcase-01 (Autodesk Showcase): 81 fps
specvp12 medical-01 (Medical Imaging): 46 fps
specvp12 maya-04 (Autodesk Maya): 78.2 fps
specvp12 energy-01 (Energy Exploration): 11.8 fps
specvp12 creo-01 (PTC Creo): 118.2 fps
specvp12 catia-04 (Dassault Systèmes CATIA): 117.5 fps
specvp12 3dsmax-05 (Autodesk 3ds Max): 157.3 fps

2.2.2. SPECviewperf 13 結果詳細

Notebookcheckは、より新しいSPECviewperf 13ベンチマークを使用したNVIDIA Quadro RTX 3000（Laptop）の平均フレームレートも提供しています ²:

specvp13 sw-04 (SolidWorks): 120.2 fps
specvp13 snx-03 (Siemens NX): 204.3 fps
specvp13 showcase-02 (Autodesk Showcase): 79.3 fps
specvp13 medical-02 (Medical Imaging): 59.8 fps
specvp13 maya-05 (Autodesk Maya): 182.3 fps
specvp13 energy-02 (Energy Exploration): 28.2 fps
specvp13 creo-02 (PTC Creo): 182.5 fps
specvp13 catia-05 (Dassault Systèmes CATIA): 199 fps
specvp13 3dsmax-06 (Autodesk 3ds Max): 156.7 fps

2.3. PassMark ベンチマーク

2.3.1. PassMark G3D Mark スコア分析

Videocardbenchmark.netは、Quadro RTX 3000のPassMark G3D Markのパフォーマンスに基づいて、全体的なランク212を割り当てています ¹⁶。これらのスニペットでは正確なスコアは直接提供されていませんが、このランクはそのテストされた多数のグラフィックスカードの中での相対的な位置を示しています。同じサイトでの比較では、Quadro RTX 3000のG3D Markは、TITAN RTX（+84.4%）、Quadro GV100（+80.8%）、Quadro RTX 8000（+80.6%）、RTX A4000（+78.8%）などのハイエンドプロフェッショナルGPUよりも大幅に低いことが示されています ¹⁶。これは、NVIDIAのプロフェッショナルGPUラインナップ内での明確なパフォーマンスの階層を示しています。さらなる比較により、Quadro RTX 3000はGeForce RTX 5090 Laptop GPU（+164.0%）、RTX 4090 Laptop GPU（+150.5%）、RTX 4080 Laptop GPU（+127.6%）などの最新のハイエンドモバイルゲーミングGPUにも遅れをとっていることが明らかになっています ¹⁶。これは、Quadro RTX 3000と最新世代のハイパフォーマンスグラフィックスとの間のパフォーマンスギャップを強調しています。Notebookcheckは、比較表でQuadro RTX 3000（Laptop）のPassMark G3D Markスコアを140064としてリストアップしています ²。このスコアは、NVIDIA Quadro P3200よりも高く、その特定の比較では統合されたIntel Arc 8-Coreおよび7-Core iGPUよりも低い位置にあります。これは、専用GPUであるにもかかわらず、PassMarkで測定された一般的な3Dパフォーマンスは、特定の中間レンジのティアにあることを示唆しています。

2.3.2. その他の PassMark テスト結果

Videocardbenchmark.netは、PassMark内のさまざまなDirectXテストスイートでQuadro RTX 3000が達成した平均フレームレートを提供しています。DirectX 9（166 fps）、DirectX 10（75 fps）、DirectX 11（86 fps）、およびDirectX 12（43 fps）です ¹⁶。これらのフレームレートは、GPUが異なるバージョンのDirectXグラフィックスAPIでどのように機能するかについての洞察を提供します。同じソースは、Quadro RTX 3000の平均GPU Computeスコアが3819 Operations/Secであることも報告しています ¹⁶。このスコアは、GPUの並列処理能力を示しており、ビデオ編集、科学シミュレーション、およびGPUアクセラレーションを活用できるその他の計算負荷の高いワークロードなどのタスクにとって重要です。Notebookcheckは、NVIDIA Quadro RTX 3000（Laptop）の全体的なパフォーマンレーティングを4.59としてリストアップしています。これは、3DMarkおよびPassMarkスイートからのものを含む、さまざまなベンチマークに基づいた独自の集計スコアである可能性があります ²。このレーティングは、Notebookcheckのテストフレームワーク内でのGPUの一般的なパフォーマンスレベルを示す単一の数値を提供します。

ベンチマークソフトウェア	テスト/指標	スコア/値	ソース
3DMark	Time Spy Graphics	5589	¹

3. ゲーミング性能の詳細

3.1. DirectX 12 対応ゲームにおけるフレームレート

Videocardbenchmark.netは、Quadro RTX 3000のDirectX 12テストスイートで平均43フレーム/秒（fps）を報告しています ¹⁶。Max-Qバリアントでは36 fpsを示しています ¹⁰。Notebookcheckは、さまざまな設定でのさまざまなゲームのフレームレートを提供しています ²:

Total War: Three Kingdoms: 46 fps (Ultra, 1920×1080)
Assassin’s Creed Odyssey: 39 fps (Ultra, 1920×1080)
Shadow of the Tomb Raider: 79 fps (Ultra, 1920×1080)
Dota 2 Reborn: 121 fps (Ultra, 1920×1080), 88 fps (4K)
The Witcher 3: ~56 fps (Ultra, 1920×1080)

3.2. レイトレーシング技術を活用したゲームでの性能

Quadro RTX 3000は、ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングのための30個のRTコアを搭載しています ³。Microsoftは、Quadro RTX 3000がTuringに最適化されたレイトレーシングAPIを通じてリアルタイムで映画のような品質のレンダリングを可能にすると述べています ⁸。あるRedditユーザーは、Quadro RTX 3000は電力に関してほぼRTX 2060と同等であると述べています ²⁴。RTX 2060は、限定的ではあるものの、機能的なレイトレーシング機能を備えていることで知られています。Notebookcheckは、Quadro RTX 3000 Max-QをRTX 4070と比較し、RTX 4070の専用レイトレーシングコアによる優れたレイトレーシング性能を指摘しています ¹¹。これは、RTX 3000 Max-Qのレイトレーシング性能が低いことを暗に示唆しています。

3.3. その他のゲーミングベンチマーク結果

Notebookcheckは、古いゲームのフレームレートを提供しています ²:

F1 2019: 73 fps (Ultra, 1920×1080)
Far Cry New Dawn: 77 fps (Ultra, 1920×1080)
X-Plane 11.11: 86 fps (High, 1920×1080)
Rocket League: 219.1 fps (High, 1920×1080)
Rise of the Tomb Raider: 83 fps (Ultra, 1920×1080)
BioShock Infinite: ~144 fps (Ultra, 1920×1080)

4. プロフェッショナルアプリケーションにおける性能検証

4.1. CAD ソフトウェアのパフォーマンス

NotebookcheckのSPECviewperfの結果（セクション2.2）には、creo-01/02やcatia-04/05など、CADソフトウェアに関連するベンチマークが含まれています ²。Microsoftは、Quadro RTX 3000は、大規模で複雑なCADモデルを使用する建築家やエンジニアに適していると述べています ⁸。Bentley MicroStationとDassault Systemes Solidworksは、ISVテスト済みおよび承認済みとしてリストされています ⁸。あるフォーラムのユーザーは、Quadro RTX 3000 Max-Qを使用中に、不明なCADソフトウェアで138/100のベンチマークスコアを報告しています ¹²。Dassault Systemes CATIAは、Surface Book 3とQuadro RTX 3000の組み合わせで、Surface Book 2 15インチと比較して100%以上高速に動作すると報告されています ⁸。

4.2. CAM ソフトウェアのパフォーマンス

提供されたスニペットには、CAMソフトウェアの具体的なベンチマーク結果は直接言及されていません。ただし、Quadro RTX 3000の一般的なプロフェッショナルアプリケーションへの焦点は、CAMワークフローにも適していることを示唆しています。

4.3. DCC ソフトウェアのパフォーマンス

NotebookcheckのSPECviewperfの結果には、maya-04/05や3dsmax-05/06など、DCCソフトウェアに関連するベンチマークが含まれています ²。Microsoftは、Quadro RTX 3000は、デザイナーやアニメーターなどのクリエイティブプロフェッショナルに適していると述べています ⁸。Autodesk Mayaと3ds Maxは、SPECviewperfベンチマークで高いパフォーマンススコアを示しています ²。Autodesk Mayaは、ISVテスト済みおよび承認済みとしてリストされており、ArnoldレンダラーによるRTXアクセラレーテッドレイトレーシングとAIデノイジングが可能です ⁸。

5. 競合グラフィックボードとの性能比較

5.1. 主要競合製品のベンチマークスコア

UL Benchmarksは、Quadro RTX 3000 MobileをさまざまなGeForce RTXカード（RTX 4090、RTX 4080 SUPER、RTX 4070 Ti SUPERなど）と比較しており、3DMark Time SpyではQuadro RTX 3000のパフォーマンスが大幅に低いことを示しています ²⁰。また、UL Benchmarksは、RTX A2000 12 GB、GTX 1660 Ti、GTX 1660 SUPER、GTX 1070などの古いまたはローエンドのカードとも比較しており、3DMark Time Spyでは同等のパフォーマンスを示しています ²⁰。Videocardbenchmark.netは、Quadro RTX 3000をTITAN RTX、Quadro GV100、Quadro RTX 8000、RTX A4000などのハイエンドQuadroカードと比較しており、PassMark G3D MarkではRTX 3000が大幅に遅いことを示しています ¹⁶。Notebookcheckは、Quadro RTX 3000（Laptop）をNVIDIA RTX 3000 Ada Generation Laptop GPUと比較しており、Ada世代のカードの方が3DMark Time Spyスコアが大幅に高いことを示しています ¹⁸。Notebookcheckは、古いQuadroカードであるM4000Mとも比較しており、RTX 3000の方が3DMark Time Spyで優れたパフォーマンスを発揮することを示しています ¹⁴。

5.2. 性能差と価格帯の分析

UL Benchmarksの比較では、Quadro RTX 3000 MobileのMSRP価格はN/Aと記載されています ²⁰。あるRedditユーザーは、Lenovo P53（Quadro RTX 3000搭載）が400ドルでリストされているのはお買い得だと述べており ²⁴、このカードを搭載した中古または旧式のシステムが比較的低価格で入手可能であることを示唆しています。UL Benchmarksの比較チャートには価格とパフォーマンスの分析が示されていますが、Quadro RTX 3000の実際の価格がないため、直接的な価値評価は困難です ²⁰。あるフォーラムの専門家は、NvidiaはGeForceカードと比較してQuadroカードで大幅に高い利益を得ていると示唆しており ¹²、同等のパフォーマンスレベルであってもQuadroには価格プレミアムが付いている可能性があることを示唆しています。

6. ドライバーバージョンによる性能変動の調査

6.1. 異なるドライバーでのベンチマーク結果比較

ある3DMarkの結果にはドライバーバージョン（10.18.10.5161）が記載されていますが、他のドライバーバージョンとの比較は提供されていません ²¹。TechPowerUpは、最新のGeForceおよびQuadroドライバをリストアップしており ³、コンシューマ向けカードとプロフェッショナル向けカードの両方で定期的にドライバアップデートがリリースされていることを示唆しています。

7. システム構成が性能に与える影響

7.1. CPU の影響

いくつかのベンチマーク結果には、テストシステムで使用されたCPUが記載されています。Intel Core i7-3940XM ²¹、i7-9850H ¹³、i7-9750H ¹³、i9-9980HK ¹³、Ultra 9 185H ¹⁸などです。ある3DMarkの結果 ²¹では、古いi7-3940XMで非常に高いGraphicsスコアが示されていますが、これはおそらく異常値です。NotebookcheckのベンチマークテーブルにはCPUモデルが頻繁に含まれており、全体的なシステムパフォーマンスに影響を与える要因であることを示唆しています ¹³。

7.2. メモリ容量と速度の影響

ベンチマーク結果には、システムRAM容量（例：16 GB、32 GB）と、場合によっては速度（¹³）が記載されていることがよくあります。ある3DMarkの結果 ²¹では、DDR3メモリが1596 MHzで動作していることが明記されています。

7.3. ストレージの種類と速度の影響

ある3DMarkの結果にはハードドライブが記載されていますが、種類（HDD/SSD）や速度に関する詳細は記載されていません ²¹。

8. 消費電力と温度特性の評価

8.1. ベンチマーク実行時の消費電力測定

Quadro RTX 3000の最大TDPは80 Wです ¹。Max-QバリアントのTDPはより低く（70 Wまたは60 W）です ²。あるスニペットでは、モバイルバージョンのワットあたりの3DMarkスコアが16であると述べられています ²⁰。

8.2. ベンチマーク実行時のGPU温度と冷却性能

ある3DMarkの結果では、平均GPU温度が66 °Cと報告されています ²¹。

9. 総合的なベンチマーク性能の分析と結論

9.1. 各ベンチマーク結果の総括

3DMarkベンチマークの結果は、Quadro RTX 3000がDirectX 11およびDirectX 12のワークロードにおいて、中程度の性能を示すことを示唆しています。Time Spyスコアにはばらつきが見られますが、Notebookcheckの報告では5500〜6000ポイントの範囲に集中しており、UL Benchmarksの報告する中央値1288ポイントとの間に差異があります。Fire Strikeスコアは比較的安定しており、13500〜15000ポイントの範囲です。SPECviewperf 12および13の結果は、SolidWorks、Siemens NX、PTC Creo、Dassault Systèmes CATIA、Autodesk 3ds Maxなどのプロフェッショナルアプリケーションにおいて良好なパフォーマンスを示していますが、エネルギー探査や医療画像処理などの特定のワークロードでは性能が低い傾向が見られます。PassMark G3D Markのランクおよびスコアは、Quadro RTX 3000がハイエンドプロフェッショナルGPUや最新のハイエンドゲーミングGPUと比較して性能が低いものの、依然として一定の3D性能を提供していることを示しています。DirectXのバージョンが上がるにつれてフレームレートが低下する傾向や、GPU Computeスコアから中程度の並列処理能力が伺えます。

9.2. Quadro RTX 3000 の総合的な評価

Quadro RTX 3000は、2019年に発売されたTuringアーキテクチャに基づくプロフェッショナルモバイルGPUであり、リアルタイムレイトレーシングやAIアクセラレーションなどの先進的な機能を備えています。その性能は、主要なベンチマークスイートの結果から、中程度の範囲にあると評価できます。プロフェッショナルアプリケーションにおいては、特にCADおよびDCCソフトウェアにおいて、最適化されたドライバと認定により、安定したパフォーマンスを発揮することが期待されます。ゲーミング性能は、DirectX 12対応のゲームにおいては設定を調整することでプレイ可能なフレームレートが得られるものの、最新のハイエンドGPUと比較すると見劣りします。レイトレーシング機能は搭載されていますが、その性能は限定的である可能性があります。競合製品との比較では、最新のハイエンドGPUに対して明確な性能差が見られる一方、旧世代またはローエンドのGPUと比較すると優位性があります。

9.3. 利用シーンに応じた推奨事項

CAD/CAM/DCCのプロフェッショナルユーザーにとって、Quadro RTX 3000は、ISV認定と最適化されたドライバにより、特定のアプリケーションにおいて十分なパフォーマンスを提供する可能性があります。特に、SolidWorks、Siemens NX、PTC Creo、CATIA、3ds Maxなどのソフトウェアを使用するユーザーは、良好な動作を期待できるでしょう。ただし、非常に大規模なモデルや複雑なレンダリングを扱う場合は、より高性能なGPUの検討が必要となるかもしれません。ゲーマーにとっては、Quadro RTX 3000は一部のゲームをプレイできますが、最新のAAAタイトルを高設定で快適にプレイするには性能が不足している可能性があります。レイトレーシングを活用したゲームを楽しみたい場合は、より新しい世代のGPUを推奨します。全体として、Quadro RTX 3000は、プロフェッショナルワークロードと一定のゲーミング能力を両立したいユーザー、または予算が限られている場合に適した選択肢となる可能性があります。