Samsung Exynos 1480 ベンチマークまとめ

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1. Exynos 1480: 基本仕様と概要

Exynos 1480は、サムスン電子が設計したミッドレンジのスマートフォンおよびタブレット向けシステムオンチップ(SoC)です。本セクションでは、その基本的な技術仕様と構成要素について詳述し、後続の性能分析の基盤を確立します。

1.1. 製造プロセスとCPUアーキテクチャ

Exynos 1480は、サムスンの4nmプロセス技術(具体的には第3世代4nmノードである4LPP)を用いて製造されています 1。これは、前世代のExynos 1380で採用されていた5nmプロセスからの微細化であり、電力効率と性能の向上に寄与します 8

CPUは、合計8コアの構成で、高性能コアと高効率コアを組み合わせたbig.LITTLEアーキテクチャを採用しています 1

  • 高性能コア: 4基のArm Cortex-A78コアを搭載し、最大クロック周波数は2.75 GHzに達します 1。これはExynos 1380のCortex-A78コアの最大クロック周波数(2.4 GHz)から引き上げられています 3
  • 高効率コア: 4基のArm Cortex-A55コアを搭載し、最大クロック周波数は2.0 GHzです(一部情報源では2.05 GHzとも記載 5)。これはExynos 1380の効率コアと同等です 1

命令セットアーキテクチャ(ISA)はARMv8.2-Aを採用しており 3、L3キャッシュ容量は4 MBと報告されています 8。サムスンは、前世代と比較してアプリ起動性能が約13%、マルチコア性能が約18%向上したと主張しています 1。このマルチコア性能の向上は、後述するベンチマーク結果とも概ね一致しています 8

(注記: 一部の情報源 14 では2x Cortex-A78 + 6x Cortex-A55という構成が述べられていますが、これはサムスンの公式仕様や他の複数の信頼できる情報源 1 と矛盾するため、本レポートでは4+4構成を正とします。)

Exynos 1480では、競合製品や上位モデル(Exynos 1580 2 や一部のSnapdragon/Dimensityチップ 15)で見られる新しいARMv9世代のコア(Cortex-A71x/A51xやA72x/A52xなど)ではなく、成熟したARMv8.2-A世代のCortex-A78/A55コアが採用されました。この選択は、Exynos 1480がミッドレンジ市場をターゲットとしていることを反映しています 5。実績のあるコアを採用することで、開発コストや市場投入までの時間を抑制しつつ、プロセス微細化(5nmから4nmへ) 8 と高性能コアのクロック周波数向上(2.4GHzから2.75GHzへ) 8 によって性能向上を図る戦略が見て取れます。これは、ミッドレンジの予算内で、CPUアーキテクチャの最先端化よりも、次項で述べるGPUの進化と製造効率を優先した結果と考えられ、同価格帯で新しいCPUコアを採用する競合に対してCPU性能面での潜在的な弱点となる可能性があります。

1.2. GPU: AMD RDNAベース Xclipse 530

Exynos 1480のグラフィックス処理ユニット(GPU)には、Samsung Xclipse 530が搭載されています 2。このGPUは、AMDのRDNAアーキテクチャ(具体的にはRDNA 2、コードネーム「Titan」)をベースとしています 2。これは、Exynos 1380のMali-G68 MP5など、従来のミッドレンジExynosチップに搭載されていたArm Mali GPUからの大きな転換点となります 3。Exynos 1480は、このAMD RDNA技術を搭載した初のミッドレンジチップセットとして注目されています 9

Xclipse 530は、1基のワークグループプロセッサ(WGP) 3(これは2基のコンピュートユニット(CU)に相当 18)、128基のシェーディングユニットで構成されています 8。GPUの最大クロック周波数は1300 MHzと報告されており 3、これはExynos 1380のMali-G68 MP5(949 MHzまたは950 MHz)と比較して大幅に高速化されています 3

サムスンは、Exynos 1380と比較してGPU性能が53%向上したと主張しています 6。実際のベンチマークテスト(例: 3DMark Wild Life)でも、Nanoreviewの比較では約41% 8、GSMArenaのWild Life Extremeテストでは約27% 12 の性能向上が確認されており、大幅な性能向上を示しています。機能面では、可変レートシェーディング(VRS)や超解像(アップスケーリング)技術をサポートし 6、APIはVulkan 1.3、OpenCL 2.0、DirectX 12に対応しています 8。理論演算性能(FP32)は332.8 GFLOPSと推定されています 3

Xclipse 530へのAMD RDNA 2アーキテクチャの採用は、Exynos 1480における最も重要なアーキテクチャ上のアップグレードと言えます。サムスンは以前、フラッグシップ向けのExynos 2200でAMDと協力してXclipse 920 GPUを開発しており 12、この技術をミッドレンジに導入したことは、グラフィックス性能、特にゲーミング体験の向上を戦略的に重視していることを示唆しています 1。公称53% 9 およびベンチマークで確認された大幅な性能向上 8 は、Exynos 1380からの世代交代における主要な改善点がGPUにあったことを裏付けています。これは、CPUのアップグレードが(同一コアアーキテクチャでのクロック向上という)より漸進的なものであったことと対照的です。このことから、サムスンはミッドレンジ市場においてGPU性能を重要な競争軸と捉えており、同価格帯で標準的なArm Mali GPUに依存する競合他社に対して、より優れたゲーミング体験を提供することを目指していると考えられます。

1.3. メモリ、ストレージ、接続性

Exynos 1480は、メモリとしてLPDDR4xおよびLPDDR5 RAMをサポートします 2。メモリバスはデュアルチャネル、16ビット幅(2×16ビット)構成で 3、LPDDR5(3200 MHz)使用時の最大帯域幅は25.6 GB/sに達します 3。サポートされる最大メモリ容量は12 GBです 8。ストレージはUFS 3.1規格に対応しています 2(一部情報源ではUFS 2.2互換性も記載 8)。

通信機能としては、Sub-6GHz帯とミリ波(mmWave)の両方をサポートする5Gモデムが統合されています 1

  • ダウンロード速度: 最大5.10 Gbps(Sub-6GHz)、最大4.84 Gbps(mmWave)1。サムスンはこれを前世代比で2倍高速であると主張しており 1、Exynos 1380の仕様 9 と比較しても、理論上のピーク速度は大幅に向上しています。
  • アップロード速度: 最大1.28 Gbps(Sub-6GHz)、最大0.92 Gbps(mmWave)5。これらの速度はExynos 1380/1280から変更されていないようです 5
  • LTEサポート: Cat.18に対応し、ダウンロード最大1.2 Gbps、アップロード最大211 Mbpsです 5。これも前世代から変更はありません 5

ワイヤレス接続としては、Wi-Fi 6E(802.11ax)1 およびBluetooth 5.3 1 をサポートします。ナビゲーションシステムは、GPS、GLONASS、BeiDou、Galileoに対応しています 1(QZSSも記載あり 10)。

Exynos 1480は、ミッドレンジに期待される現行のメモリ(LPDDR5)およびストレージ(UFS 3.1)規格をサポートし、堅実な基盤を提供します 2。主要な接続性のアップグレードは、Wi-Fi 6Eへの対応と、大幅に高速化された5Gダウンロード速度です。LPDDR5とUFS 3.1のサポートは、一般的なミッドレンジのタスクにおいてSoCがボトルネックになることを防ぎ、競合製品との性能バランスを保ちます。Wi-Fi 6Eへの移行 1 は、将来性を提供し、対応ネットワーク環境下でExynos 1380のWi-Fi 6 3 と比較して低遅延・高スループットの可能性をもたらします。理論上の5Gダウンロード速度が倍増したこと 1 は注目すべき改善点ですが、実際の利点はネットワークインフラに大きく依存します。一方で、アップロード速度とLTE性能が据え置かれたこと 5 は、モデムのアップグレードが主にダウンリンク性能に焦点を当てていたことを示唆しており、これはコスト削減策か、あるいは一般的なユーザーの利用傾向(コンテンツ消費>作成)を反映した結果かもしれません。

1.4. AI機能とISP

Exynos 1480は、AI処理専用の「AI Engine with 6K MAC NPU」を搭載しています 4。これはフラッグシップのExynos 2400に搭載される「17K MAC NPU」とは異なるものです 11。一部の情報源では、1066 MHzで動作するシングルコアNPUであると言及されています 3

AI性能に関しては、前世代(Exynos 1380、4.9 TOPS NPU搭載 3)と比較して約4倍高速であると主張されています 5。これが正しければ、理論上の性能は約19-20 TOPSに達する可能性がありますが、Exynos 1480の公式なTOPS値は一貫して提供されておらず(Nanoreviewでは「-」と記載 10)、Exynos 1580が14.7 TOPS 2 であることを考えると、Exynos 1480で4.9 TOPSから4倍の向上というのは考えにくいかもしれません。この「4倍高速」という主張 5 は、特定の指標を指しているか、あるいは誇張である可能性も否定できません。現時点で最も具体的な情報は「6K MAC」という呼称です 11

イメージシグナルプロセッサ(ISP)は、最大2億画素(200MP)のシングルカメラセンサーをサポートする高度なものが搭載されています 1。ISPは、ハイダイナミックレンジ(HDR)撮影と、最大64MPでのゼロシャッターラグ(ZSL)に対応します 1。また、AIを活用したコンテンツ認識型ISPにより、様々な照明条件下で最適な画質を実現するとされています 1。デュアルカメラ構成では、最大32MP+32MP(30fps)をサポートします 8

動画機能については、最大4K解像度、毎秒60フレーム(4K/60fps)でのエンコードおよびデコードに対応しています(コーデックはH.264, HEVC/H.265, VP9)2。これは、4K/30fpsが上限だったExynos 1380からの重要なアップグレードです 8。ディスプレイは、最大FHD+解像度で144Hzのリフレッシュレートまでサポートします 4

Exynos 1480は、特に4K/60fps動画への対応と、潜在的により高速なAI処理による画像処理能力の向上により、カメラとビデオ機能において明確な改善をもたらしています。4K/60fps動画撮影・再生機能の追加 5 は、Exynos 1480を上位チップセットに見られる機能レベルに引き上げ、前世代の制限 8 を解消しました。200MPセンサーのサポート 1 は、OEMが高解像度センサーを(マーケティング上の利点として)採用することを可能にしますが、実際の出力品質はISPの処理能力とソフトウェアに大きく依存します。AI強化ISP 1 と専用NPU(6K MAC)11 の搭載は、コンピュテーショナルフォトグラフィーやオンデバイスAIタスクへの注力を示唆していますが、競合他社と比較したNPUの正確な性能レベルは、一貫したTOPS値がないため不明瞭なままです。「4倍」という主張 5 については、さらなる検証が必要です。144Hzディスプレイのサポート 5 は、向上したGPU性能を活用し、対応パネル上でより滑らかなスクロールや、場合によってはより良いゲーミングビジュアルを提供するための余地を与えます。

1.5. 発表時期と搭載デバイス

Exynos 1480は、Galaxy A55への搭載という形で市場に登場した後、サムスンによって2024年3月28日頃に正式に詳細が発表されました 9。ただし、Galaxy A55自体の発表日である2024年3月11日を発表日とする情報源もあります 7。搭載デバイスの市場投入は2024年3月15日頃から始まりました 25

現在確認されている、または搭載が噂されている主なデバイスは以下の通りです。

  • Samsung Galaxy A55 5G: Exynos 1480を搭載する主要なデバイスであり、多くの情報源で唯一の搭載機種として挙げられています 4
  • Samsung Galaxy M56 / M56 5G (予想/噂/リスト): Geekbenchのリスト情報やスペック集約サイトの情報から、この次期モデルにもExynos 1480が搭載されることが示唆されています 4
  • Samsung Galaxy F45 (噂): 搭載の噂があります 29

その能力にもかかわらず、Exynos 1480の採用は現時点では限定的であり、主にサムスン自身のGalaxy A55およびそのMシリーズ相当モデルに搭載されています。サムスンはしばしば特定のExynosチップを自社のGalaxy A/Mシリーズ向けに確保する傾向があります 28。過去にExynosチップを採用していた他のメーカー(例: Vivo 28)による採用が見られない理由は、Qualcomm/MediaTekからの競合製品の存在、サムスン自身の供給・価格戦略、あるいはメーカーが自社のミッドレンジポートフォリオに他のソリューションを好むなど、様々な要因が考えられます。この限定的な採用状況は、チップの実際の性能データや最適化が、主にGalaxy A55/M56という特定のデバイスの文脈に結びついていることを意味します 4

表1: Exynos 1480 主要仕様概要

機能仕様出典例
製造プロセス4nm (Samsung 4LPP)1
CPUコア (高性能)4x Arm Cortex-A781
CPUコア (高効率)4x Arm Cortex-A551
CPUクロック (高性能)最大 2.75 GHz1
CPUクロック (高効率)最大 2.0 GHz1
GPUモデルSamsung Xclipse 5302
GPUアーキテクチャAMD RDNA 2 (“Titan”)3
GPUクロック最大 1300 MHz3
メモリサポートLPDDR4x, LPDDR53
ストレージサポートUFS 3.1 (UFS 2.2互換性も記載あり)2
5Gモデム (DL Sub6/mmW)最大 5.10 Gbps / 4.84 Gbps1
5Gモデム (UL Sub6/mmW)最大 1.28 Gbps / 0.92 Gbps10
Wi-FiWi-Fi 6E (802.11ax)1
Bluetooth5.31
NPUAI Engine with 6K MAC NPU11
ISP 最大解像度200MP (シングルカメラ)1
最大ビデオキャプチャ4K @ 60fps11
最大ディスプレイサポートFHD+ @ 144Hz11

2. 主要ベンチマークスコア概要

本セクションでは、主要なベンチマークテストにおけるExynos 1480のスコアを複数の情報源から集約し、CPU、GPU、UX(ユーザーエクスペリエンス)、メモリなど、様々な側面からの性能を定量的に示します。ただし、スコアはテストに使用されたデバイス、ソフトウェアのバージョン、テスト環境条件によって変動する可能性がある点に留意が必要です。

2.1. AnTuTu Benchmark v10

AnTuTuベンチマークは、CPU、GPU、メモリ、UXの性能を総合的に評価するテストです。Exynos 1480のAnTuTu v10スコアは、複数の情報源で一貫して70万点台前半から中盤で報告されています。

  • 報告スコア:
  • Nanoreview (平均値, 59-60テストに基づく): 約 723,194点 6
  • 91mobiles (Galaxy A55): 733,093点 4
  • GSMArena (Galaxy A55): 726,158点 12
  • Notebookcheck (Galaxy A55): 740,935点 13
  • Antutu.com (Galaxy A55 8+256GB): 712,992点 (データ取得時点でのランキング65位) 26
  • ユーザー投稿 (Nanoreview): 概ね 67万点台後半から73万点台後半の範囲 7
  • スコア内訳例:
  • Nanoreview 平均: CPU 239,461, GPU 170,215, MEM 135,445, UX 178,073 8
  • 91mobiles: CPU 247,282, GPU 175,808, MEM 149,957, UX 160,046 4
  • Antutu.com: CPU 225,413, GPU 167,758, MEM 145,378, UX 174,443 26

これらの結果は、Exynos 1480が安定したミッドレンジ性能を発揮することを示しています。異なる信頼できる情報源からのスコア 4 が比較的狭い範囲(およそ71万~74万点)に集中していることは、Galaxy A55での実装における性能測定の信頼性が高いことを示唆します。このスコア帯は、Exynos 1480をミッドレンジセグメントに明確に位置づけ、旧世代チップより大幅に高性能である一方、ハイエンドSoCには及ばないことを示しています 12。スコアのばらつきは、テストデバイスのRAM/ストレージ構成、ソフトウェアの最適化度、テスト時の環境温度などに起因すると考えられます。スコア内訳を見ると、CPUとGPUが性能に大きく貢献しており、チップのバランスの取れた性質を反映しています。メモリとUXのスコアも良好です。

2.2. Geekbench 6

Geekbenchは、日常的なタスクをシミュレートしてCPUのシングルコアおよびマルチコア性能を測定するベンチマークです。

  • 報告スコア (シングルコア):
  • Nanoreview (平均値): 約 1168点 6
  • 91mobiles (Galaxy A55): 1148点 4
  • GSMArena (Galaxy A55): 約 1142点 15 (別のGSMArenaテストでは888点 12 という低いスコアも報告されているが、他のスコアと比較して異常値の可能性あり。本レポートでは1140~1170点の範囲を重視)
  • 報告スコア (マルチコア):
  • Nanoreview (平均値): 約 3503点 6
  • 91mobiles (Galaxy A55): 3447点 4
  • GSMArena (Galaxy A55): 約 3350点 15 (別のGSMArenaテストでは3259点 12 で、3350点に近い) (本レポートでは3350~3500点の範囲を重視)
  • 報告スコア (GPU Compute – Vulkan/OpenCL):
  • Nanoreview (Compute Score): 約 4124点 8
  • (参考: Exynos 2400のスコア 36: Vulkan 15047点, OpenCL 14692点。これはExynos 1480のスコアではない点に注意)

Geekbenchのスコアは、特にマルチコア性能において、Exynos 1380からの顕著なCPU性能向上を確認させます。これはサムスンの性能向上に関する主張 1 とも一致します。Exynos 1480のスコア(シングル約1168点 / マルチ約3503点 8)をExynos 1380のスコア(シングル約999点 / マルチ約2758点 8)と比較すると、マルチコア性能は約27%向上しており、テストのばらつきを考慮するとサムスンの主張(約18%向上 1)に近い値です。シングルコア性能は約17%向上しています 8。これらのCPU性能向上は、主にCortex-A78コアのクロック周波数が引き上げられたこと(2.4GHzから2.75GHzへ)に起因します 1。コアアーキテクチャ自体に変更はないためです。シングルコア性能は改善されているものの、旧世代のCortex-A78アーキテクチャの限界を反映しており、新しいARMv9コアやAppleのカスタムコアを搭載したチップと比較すると見劣りします 15

2.3. GFXBench / 3DMark

これらのベンチマークは、主にGPUのグラフィックス性能を測定します。

  • GFXBench (例: T-Rex / Manhattan Offscreen):
  • 91mobiles (Galaxy A55): T-Rex 112 FPS, Manhattan (30分テスト) 85 FPS 4 (Manhattanのバージョンは明記されていないが、比較のため3.1 Offscreenと仮定)
  • 3DMark Wild Life (Offscreen):
  • Nanoreview (スコア): 約 3898点 8 (グラフィックステスト FPS: 23 FPS 8)
  • GSMArena (スコア): 約 3831点 12
  • 3DMark Wild Life Extreme (Offscreen):
  • GSMArena (スコア): 約 1024点 12

グラフィックスベンチマークの結果は、新しいXclipse 530 GPUの効果を明確に示しており、Exynos 1380と比較して大幅な性能向上を実現しています。Exynos 1480の3DMark Wild Lifeスコア(約3898点 8)をExynos 1380のスコア(約2772点 8)と比較すると、向上率は約41%に達します。これは、サムスンが主張する53%の向上 9 と、ベンチマークのばらつきやサムスンがどの性能指標(ピーク対持続、異なるテストなど)を使用したかの違いを考慮すれば、整合性の取れた結果と言えます。Wild Life Extremeのスコア(1024点 12)も、Exynos 1380(794-808点 12)に対する明確な優位性を示しています。これらのスコアは、AMD RDNA 2ベースのXclipse 530 GPUへの移行 3 がグラフィックス能力を大幅に引き上げる上で効果的であったことを裏付けており、この世代における重要なアップグレードとなっています。

2.4. PCMark

PCMark for Androidは、ウェブブラウジング、ビデオ編集、データ操作、写真編集など、オフィスワークに近いワークフローをシミュレートして、実用的な性能を評価します。

  • PCMark for Android Work 3.0 Performance:
  • 91mobiles (Galaxy A55): 13,594点 4
  • PCMark for Android Storage 2.0:
  • Notebookcheck (シーケンシャルライト内部): 250.7 MB/s 13 (この特定の指標は全体性能の一部を示すに過ぎない可能性あり)
  • PCMark Battery Life:
  • 91mobiles (一晩実行): 13時間4分 4 (バッテリー寿命はSoCだけでなく、デバイス、バッテリー容量、画面設定に大きく依存)

PCMark Work 3.0のスコアは、Exynos 1480が一般的な生産性タスクを効率的に処理できることを示唆しています。13,594点というスコア 4 はミッドレンジデバイスとしては良好であり、一般的な非ゲーム用途でのスムーズな動作を示唆します。これは、向上したCPU性能 8、適切なRAM/ストレージサポート(LPDDR5/UFS 3.1)4、そして4nmプロセスによる効率向上 1 の組み合わせを反映していると考えられます。バッテリー寿命の結果 4 はSoC単体の直接的な指標ではありませんが、デバイス全体の効率に関する文脈を提供し、セクション5でさらに詳しく検討します。

表2: Exynos 1480 主要ベンチマークスコア概要

ベンチマークテストスコア (平均/範囲)出典例
AnTuTu v10 (総合)712,992 – 740,935 (平均 ~723k)4
AnTuTu v10 (CPU)~225k – 247k (平均 ~239k)4
AnTuTu v10 (GPU)~167k – 175k (平均 ~170k)4
Geekbench 6 (シングルコア)1142 – 11684
Geekbench 6 (マルチコア)3350 – 35034
Geekbench 6 (Compute Vulkan)~4124 (Nanoreview Compute Score)8
3DMark Wild Life (Offscreen)3831 – 38988
3DMark Wild Life Extreme (Offscreen)102412
PCMark Work 3.0 Performance13,5944

3. CPU性能分析

本セクションでは、Exynos 1480のCPU能力について、ベンチマークに基づきシングルコアおよびマルチコア性能を詳細に分析し、その文脈を考察します。

3.1. シングルコア性能

セクション2.2で述べたように、Geekbench 6のシングルコアスコアは1140点から1170点付近に集中しています 4。これはExynos 1380(約999点)と比較して約17%の向上に相当します 8。この性能向上は、主にCortex-A78コアの最大クロック周波数が2.4 GHzから2.75 GHzへと引き上げられたことによるものです 1

シングルコア性能の向上は認められるものの、そのレベルは旧世代のARMv8.2-A Cortex-A78コアを採用していることによる制約を反映しています。新しいARMv9世代のコア(例: Exynos 1580のCortex-A720 10 スコア約1364点、Dimensity 8300 15 スコア約1402点)や、より高クロックまたは高性能なコア(例: Snapdragon 8シリーズ 12)を搭載する現代的なチップと比較すると、一般的に劣る傾向にあります。

クロック周波数の向上(2.4 GHz → 2.75 GHz)は、シングルコアに大きく依存するタスクにおいて、Geekbenchでの約17%の向上 8 に見られるように、ほぼ線形の性能改善をもたらします。しかしながら、より大きな世代間の飛躍には、アーキテクチャ自体の改善(IPC – クロックあたりの命令実行数)が鍵となります。Exynos 1480はCortex-A78コアを維持しているため 1、新しいARMv9コアに見られるIPCの恩恵を受けることができません 10。これは、アプリの応答性や一部のウェブブラウジング要素など、シングルスレッド速度に敏感なタスクのパフォーマンスは良好であるものの、発売時期において新しいCPU設計を採用する競合製品と比較した場合、クラス最高レベルには達しない可能性が高いことを意味します。

3.2. マルチコア性能

Geekbench 6のマルチコアスコアは、3350点から3500点程度の範囲にあります 4。これはExynos 1380(約2758点)からのより顕著な改善を示しており 8、比較するスコアによって約21%から27%の向上となります。これはサムスンが主張する約18%の改善 1 とも整合性が取れています。

この性能向上は、4基のCortex-A78コア全てがより高い周波数で動作することによってもたらされます 1。ミッドレンジとしては堅実なスコアですが、より高性能なミッドレンジ/アッパーミッドレンジチップ(Dimensity 8200/8300やSnapdragon 7+ Gen 2/3など 12)や、フラッグシップ級のチップ 12 には依然として及びません。Snapdragon 7s Gen 3 35 とは近い性能を示し、Snapdragon 7 Gen 1 5 よりは若干高速です。

マルチコア性能は、4つの高性能コアすべてがクロック速度向上の恩恵を受けるため、シングルコア性能よりも比例的に大きく、影響力のある向上を見せています。マルチコアベンチマークは、利用可能なすべての高性能コアを同時に負荷にさらします。4基すべてのCortex-A78コアのクロックが2.4 GHzから2.75 GHzに向上したこと 1 は、累積的な性能向上をもたらし、Geekbenchマルチコアスコアの約27%の向上 8 に反映されています。これは、Exynos 1480が前世代よりもマルチタスクや複数スレッドを利用する要求の厳しいアプリケーションをより効果的に処理できることを示唆しています。しかし、競合製品との比較 5 は、CPUクラスターが改善されたとはいえ、ミッドレンジの最上位層と競合するようには設計されていないことを裏付けており、これはサムスンによる意図的なポジショニングの結果と考えられます。

3.3. 競合比較:CPU

  • 対 Exynos 1380: シングルコアで約17%、マルチコアで約27%高速 8
  • 対 Snapdragon 7s Gen 2: Exynos 1480が、特にマルチコア性能で概ね高速(例: GSMArena比較 E1480 約1142/3350 vs SD7s_G2 約1017/2938)20
  • 対 Snapdragon 7 Gen 1: Exynos 1480が、特にマルチコアで若干高速である可能性が高い(Notebookcheck比較データ)5
  • 対 Snapdragon 7 Gen 3 / 7s Gen 3: 性能は非常に近いレベルで競合。AnTuTu CPUスコアでは7s Gen 3に若干劣る 35 ものの、Geekbenchマルチコアでは若干上回る可能性 5。実使用におけるCPU性能は非常に似ていると推測される。
  • 対 Dimensity 7200/7300: Exynos 1480は競争力がある。Dimensity 7200 Proには一部テストで若干劣る可能性 12 がある一方、Dimensity 7300 Ultraよりは他のテストで優位 20。Dimensity 7200は新しいCortex-A715コアを使用しており、クロックが低くても特定のシナリオで優位性を持つ可能性がある。
  • 対 Dimensity 8xxx / Snapdragon 7+ Gen 2/3: CPU性能においてExynos 1480はこれらのチップに大きく劣る 12
  • 対 旧世代フラッグシップ (Snapdragon 888): Exynos 1480のマルチコア性能は驚くほど競争力がある(Geekbench 6 Multiで若干高速 34)が、シングルコア性能はSD888のCortex-X1コアに劣る 34。AnTuTu CPUスコアはExynos 1480が若干高いが、GPU性能の差により総合スコアでは劣る 34

ベンチマーク比較は、Exynos 1480のCPU性能が、ターゲットとする市場セグメント内で期待される範囲にあることを一貫して示しています 5。Snapdragon 7s Gen 2/3やDimensity 7xxxシリーズのような直接的なミッドレンジのライバルに対して競争力のあるCPU性能を提供しますが、アッパーミッドレンジやフラッグシップ層には挑戦しません。旧世代のCortex-A78コアを採用するという決定 1 は、Cortex-Xコアや新しいARMv9高性能コアを採用するチップと比較した場合のピーク性能を制限します 10。その強みは、前世代と比較して改善されたマルチコア性能にあり、日常的なタスクやマルチタスクには十分対応できますが、より上位のSoCと比較した場合、CPU負荷の高いアプリケーションで卓越した性能を発揮することはありません。

4. GPU性能分析

本セクションでは、新しいXclipse 530 GPUを搭載したExynos 1480のグラフィックス能力に焦点を当てます。

4.1. グラフィックス性能 (3DMark, GFXBench)

セクション2.3で詳述したように、3DMark Wild Lifeのスコアは約3800点から3900点 8、Wild Life Extremeは約1024点です 12。GFXBenchの結果も、例えばManhattan 3.1 Offscreen(推定)で85 FPSという良好なフレームレートを示しています 4

これらのスコアは、Exynos 1380と比較してWild Lifeで約41%、Wild Life Extremeで約27-29%の性能向上を表しています 8。これは、AMD RDNA 2アーキテクチャへの移行 3 と、より高いクロック周波数(1300 MHz 対 950 MHz)3 がもたらした大きな影響を裏付けています。さらに、VRSや超解像といった機能のサポート 6 は、開発者によって実装されれば、ゲーミング性能と視覚品質をさらに向上させる可能性のある現代的な機能です。

Xclipse 530は、実質的かつ測定可能なグラフィックス性能の向上をもたらし、Exynos 1480の際立った特徴となっています。ベンチマーク結果 8 は、前世代のMali GPUに対する大幅な向上を一貫して示しており、サムスンの主張 9 とRDNA 2アーキテクチャの利点 3 を裏付けています。この性能向上は、Exynos 1380と比較して、要求の厳しいタイトルでより高い設定でよりスムーズなゲームプレイを可能にするのに十分なレベルです。VRSのような機能の搭載 9 は、現代的なグラフィック技術をサポートする意図を示しており、ミッドレンジにおけるゲーミング性能をさらに強化しています。

4.2. ゲーミング性能考察

向上したGPU性能 8 と144Hzディスプレイのサポート 5 は、前世代よりも優れたゲーミング体験を示唆しています。サムスンはより高速でスムーズなゲームプレイを主張しており 1、一部のレビューでは、ミディアム設定であればハイエンドゲームも十分にプレイ可能であると言及されています(Exynos 1580に関する言及だが、1480も相応の能力を持つことを示唆)2

実際のGalaxy A55でのゲーミングテストでは、結果にばらつきが見られます。一部のゲームは良好に動作しますが、他のゲームでは最適化が必要な場合があります 32。Genshin Impactのテスト動画が存在し 32、PUBG Mobile、COD Mobile、Asphalt 9、CarX Streetなどのテストも動画で確認できます 32。比較的新しいチップセットであり、Xclipse GPUへのアプリ/ゲーム開発者の最適化がまだ十分に進んでいない可能性も指摘されています 32

持続性能に関しては、ある情報源では、Exynos 1480はExynos 1380と比較して高負荷時の熱処理が優れていると報告されています 33。しかし、別のベンチマーク(Burnout)では、性能が42.1%までスロットリング(低下)したという結果もあり 4、これはモバイルSoCでは一般的ですが、持続的な負荷下での性能限界を示唆しています。

GPUの生の性能は大幅に向上していますが、実際のゲーミング体験は、ゲーム開発者によるXclipse GPUへの最適化と、デバイスの熱管理能力に依存します。ベンチマークスコアの向上 8 は、ゲームにおける潜在的なフレームレートやグラフィック設定の向上に直結します。しかし、モバイルゲーミングのパフォーマンスは開発者の最適化に大きく影響されます。Xclipseのような比較的新しい、あるいはあまり普及していないGPUアーキテクチャ 3 は、当初、QualcommのAdrenoやArmのMali GPUほど広範な最適化を受けていない可能性があります 32。持続的なパフォーマンスも重要です。良好な熱管理を示唆するユーザーレポート 33 もありますが、ベンチマークでのスロットリングテスト 4 は、長時間のゲームセッション中にパフォーマンスが低下する可能性を示しており、効果的な冷却設計が求められます。ただし、4nmプロセス 1 は、理論的には5nm 8 と比較して効率と発熱の点で有利なはずです。

4.3. 競合比較:GPU

  • 対 Exynos 1380 (Mali-G68 MP5): 大幅に高速(3DMarkで約27-41%)8
  • 対 Snapdragon 7s Gen 2 (Adreno 619系と推定): Exynos 1480のGPUがかなり高速(例: GSMArena Wild Life Extreme Xclipse 530 約1024 vs Adreno in 7s_G2 約793)20
  • 対 Snapdragon 7 Gen 1 (Adreno 644): Exynos 1480が同等か若干優位である可能性が高い。
  • 対 Snapdragon 7 Gen 3 / 7s Gen 3 (Adreno 720系と推定): Exynos 1480 (Xclipse 530) は競争力がある。一部テストではAdreno 720に若干劣る可能性(例: AnTuTu GPU E1480 約170k vs S7s_G3 約200k 35)があるが、他のテストでは優位(例: 3DMark WLE E1480 約1024 vs S7s_G3 約1061 15 – 非常に近い)。
  • 対 Dimensity 7200 Pro (Mali-G610 MC4): Exynos 1480 (Xclipse 530) は一部の3DMarkテストで若干劣るように見える(例: GSMArena WLE E1480 約1024 vs D7200Pro 約1151)12
  • 対 Dimensity 8xxx / Snapdragon 7+ Gen 2/3: Exynos 1480のGPUはこれらの上位チップに大きく劣る 12
  • 対 旧世代フラッグシップ (Snapdragon 888 – Adreno 660): Exynos 1480のGPUは大幅に遅い(例: 3DMark Wild Life Xclipse 530 約3898 vs Adreno 660 約5824)34。AnTuTu GPUスコアもこの差を反映 34

Xclipse 530 GPUは、Exynos 1480を同クラスの直接的な競合製品に対して強力に位置づけており、しばしばSnapdragon 7s Gen 2を上回り、Snapdragon 7s Gen 3 / Dimensity 7200クラスのGPUと緊密に競合します。ベンチマーク比較 12 は、Xclipse 530が下位ミッドレンジ製品(SD 7s Gen 2など)よりも一般的に優れたグラフィックス性能を提供し、QualcommやMediaTekの主流ミッドレンジGPUと競争力があることを示しています。アッパーミッドレンジ(Dimensity 8xxx, SD 7+ Gen x)やフラッグシップGPUのレベルには達しないものの 12、RDNA 2アーキテクチャのおかげで 3、その性能レベルはサムスンのミッドレンジラインにとって大幅なアップグレードとなります。これにより、Exynos 1480は、前世代と比較して、ミッドレンジセグメント内でグラフィックス性能を優先するユーザーにとってより魅力的な選択肢となっています。

5. AI性能と電力効率

本セクションでは、Exynos 1480のAIタスクにおける能力と、全体的な電力効率について検討します。

5.1. AI処理能力 (NPU)

Exynos 1480は、AI処理専用のハードウェアとして「AI Engine with 6K MAC NPU」を搭載しています 4。具体的なTOPS(Tera Operations Per Second)性能は一貫して報告されていませんが、「6K MAC」という呼称は、他のExynosチップ(例: Exynos 2400の17K MAC NPU 11)との相対的な性能指標を提供します。

サムスンは、前世代のNPU(Exynos 1380は4.9 TOPS 3)と比較して約4倍高速であると主張しています 5。ただし、前述の通り、この「4倍」という主張は慎重な解釈が必要です。

考えられる応用分野としては、オンデバイスAI機能、コンピュテーショナルフォトグラフィーの強化(AI ISP 1)、そして潜在的にはGalaxy AIに類似した機能のサポート(ただし、デバイスでのサポートはサムスンのソフトウェア戦略に依存 11)が挙げられます。ローカルでのAI処理を可能にすることで、処理速度、セキュリティ、プライバシーの向上に貢献します 6

Exynos 1480には専用のAIハードウェアが搭載されており、オンデバイスAIへのコミットメントを示唆していますが、利用可能なデータからは競合製品との正確な性能比較を行うことは困難です。特定のNPUブロック(6K MAC)の存在 11 は、AIタスクのハードウェアアクセラレーションを確認させますが、「6K MAC」という呼称 11 はサムスンのラインナップ内での比較点を提供するものの、競合他社が使用する標準化された指標(TOPSなど)には容易に変換できず、公式な数値がない限り直接比較は難しいです。「4倍の改善」という主張 5 は、もし正確であれば重要ですが、提供された情報内では具体的なベンチマークによる裏付けが不足しています。Exynos 1380が4.9 TOPS 3 である場合、4倍の向上(約19.6 TOPS)はこのクラスとしては非常に高く、Exynos 1580の14.7 TOPS 2 を超える可能性があり、矛盾しているように見えます。この主張は、特定のAIワークロードや効率指標を指している可能性があります。決定的な性能評価のためには、さらなるデータが必要です。

5.2. 電力効率とバッテリー性能評価

Exynos 1480は、Exynos 1380の5nmプロセスよりも一般的に電力効率が高いとされる4nmプロセスで製造されています 1。サムスンは、前世代と比較して全体で22%の電力効率向上を主張しています 1。CPU構成には、バックグラウンドタスク用に4基の電力効率に優れたCortex-A55コア(2.0 GHz)が含まれています 1

実際のユーザー体験や観察結果としては、あるユーザーレポートでは、Galaxy A55に搭載されたExynos 1480が、Poco X5 Pro(Snapdragon 778G+, 6nm)と比較して、特に待機時のバッテリー寿命が大幅に改善され、動作温度も低いと評価されています 33。このレポートでは、待機中や4K動画再生中のバッテリー消費が少ない点が指摘されています。同ユーザーは、Exynos 1480搭載のA55が、軽い使用時や動画撮影後でも予想以上に低温で動作したとも述べています 33。別のユーザーも、Exynos 1380と比較して高負荷時の熱処理が良好であると報告しています 33

ベンチマークデータとしては、Galaxy A55でのPCMarkバッテリーテストで13時間4分という結果が得られています 4。Notebookcheckは、Geekbench 5.5実行中の消費電力を4.4ワットと測定しました(低い方が良いが、比較対象が必要)13。TDP(熱設計電力)は5Wと記載されています 8

4nmプロセスへの移行とアーキテクチャの改良は、前世代と比較して電力効率と熱管理において明確な改善をもたらしているようです。これは、公式の主張とユーザーの報告の両方によって裏付けられています。5nmから4nmへの移行 1 は、本質的に同等の性能レベルでより高いトランジスタ密度と低い消費電力を提供します。サムスンが明示的に22%の効率向上を主張していること 1 は、この分野への注力があったことを強く示唆しています。Exynos 1480(A55)を旧世代チップ(効率的なSD778G+など)やExynos 1380と比較して、バッテリー寿命と発熱の点で好意的に評価するユーザーレポート 33 は、効率向上が体感できるレベルであることを示す貴重な実世界の文脈を提供します。PCMarkバッテリーテスト 4 のようなベンチマークはデバイスに依存しますが、全体像としては、Exynos 1480が性能向上(特にGPU)と消費電力のバランスを取りながら、比較的効率的なミッドレンジSoCであることを示唆しています。

6. 競合プロセッサとの比較評価

本セクションでは、Exynos 1480をミッドレンジモバイルSoCの競争環境の中に位置づけます。

6.1. 対 Exynos 1380

  • CPU: シングルコアで約17%、マルチコアで約27%高速 (Geekbench 6) 8
  • GPU: 約41%高速 (3DMark Wild Life)、約27-29%高速 (3DMark Wild Life Extreme) 8。4K/60fps動画サポート (対 4K/30fps) 8
  • プロセス: 4nm (対 5nm) 8
  • 効率: 22%の効率向上を主張 1。ユーザーレポートは良好な熱・バッテリー性能を示唆 33
  • 接続性: より高速な5G DL速度、Wi-Fi 6Eを追加 1
  • 総合: 特にGPU性能と効率において、大幅なアップグレード。

6.2. 対 Snapdragon ミッドレンジ (例: 7s Gen 2/3, 7 Gen 1/3)

  • 対 7s Gen 2: Exynos 1480がCPU・GPUともに概ね性能で上回る 20
  • 対 7 Gen 1: Exynos 1480が、特にGPUにおいて若干優位である可能性が高い 5
  • 対 7s Gen 3 / 7 Gen 3: 性能は非常に近い。ベンチマークによって優劣が入れ替わる可能性あり(AnTuTu CPUでは若干劣る 35、3DMark GPUでは非常に近い 15)。これらのSnapdragonチップは、潜在的により新しいARMv9 CPUコア(採用されている場合)と成熟したAdreno GPUドライバにより優位性を持つ可能性がある。
  • 対 7+ Gen 2 / 7+ Gen 3: Exynos 1480はCPU・GPUともに大幅に遅い 15
  • 対 旧世代フラッグシップ (例: 870, 888): Exynos 1480のCPUマルチコア性能は競争力がある場合がある 5 が、GPU性能は劣る 34

6.3. 対 MediaTek Dimensity ミッドレンジ (例: 7200/7300)

  • 対 Dimensity 7200 / 7200 Pro: Exynos 1480は緊密に競合。D7200は新しいCortex-A715コアを使用しており、一部のCPUタスクで優位性を持つ可能性がある。GPU性能は同等レベルに見え、一部テストではD7200 Proが若干優位 12
  • 対 Dimensity 7300 / 7300 Ultra: Exynos 1480が一部ベンチマークで若干優位に見える 20
  • 対 Dimensity 8xxx シリーズ (8050, 8200, 8300): Exynos 1480はCPU・GPUともに著しく遅い 5

6.4. ポジショニング分析

  • 市場セグメント: 主流のミッドレンジセグメントにしっかりと位置づけられる 5
  • 競合に対する強み: クラス内での強力なGPU性能(しばしばSD 7s G2を上回り、SD 7s G3/D7200と競合)、改善された効率(4nm)、最新の接続性(Wi-Fi 6E)、強化されたISP(4K/60fps)。
  • 競合に対する弱み: 一部のライバルがARMv9コアを使用している可能性があるのに対し、旧世代のARMv8.2 CPUコアを使用しており、ピークCPU性能で劣る可能性がある。GPU性能は改善されたものの、アッパーミッドレンジ層(Dimensity 8xxx, Snapdragon 7+ Gen x)には及ばない。競合と比較したAI性能は不明瞭。搭載デバイスが今のところ限定的 9

Exynos 1480は、主流のミッドレンジ市場において、前世代や一部の直接的なライバルと比較して特にGPU性能の向上に重点を置いた、バランスの取れたプロファイルを提供することで、その地位を確立しています。比較ベンチマークデータ 5 は、Exynos 1480がSnapdragon 7s Gen 2/3やDimensity 7200/7300といったチップに対して良好な性能を発揮し、その競争相手を定義していることを一貫して示しています。Exynos 1380に対する明確な優位性 8 は、サムスンのAシリーズにとって価値ある後継チップであることを示しています。新しいCPUコアの採用 3 よりもRDNA 2 GPUへのアップグレード 3 を優先するという決定は、その特定の性能プロファイルを形成しています。つまり、クラス内では強力なグラフィックス性能を持つ一方で、新しいアーキテクチャを持つ競合製品に対してCPU負荷の高いタスクでは潜在的に遅れをとる可能性があります。その機能セット(4nm、Wi-Fi 6E、4K/60fps)は、2024/2025年のミッドレンジセグメントにおいて現代的で適切なものとなっています。

表3: Exynos 1480 vs. 主要競合プロセッサ ベンチマーク比較

SoCモデルプロセスCPUコア (例)GPUモデル (例)AnTuTu v10 (総合)Geekbench 6 (Single/Multi)3DMark WL Extreme
Exynos 14804nm4xA78@2.75 + 4xA55@2.0Xclipse 530~723k 10~1168 / ~3503 8~1024 20
Exynos 13805nm4xA78@2.4 + 4xA55@2.0Mali-G68 MP5~599k 8~999 / ~2758 8~794 20
Snapdragon 7s Gen 24nm4xA78@2.4 + 4xA55@1.95 (推定)Adreno (619系推定)~580k 20~1017 / ~2938 20~793 20
Snapdragon 7s Gen 34nm(ARMv9コアの可能性あり)Adreno (720系推定)~770k 35~1209 / ~3327 15~1061 15
Dimensity 7200 Pro4nm2xA715@2.8 + 6xA510@2.0Mali-G610 MC4~685k 12~863 / ~2184 12~1151 12
Dimensity 7300 Ultra4nm4xA78@2.5 + 4xA55@2.0 (推定)Mali-G615 MC2~684k 20~1024 / ~2913 20~849 20
Snapdragon 7+ Gen 34nm1xCortex-X4 + 4xA720 + 3xA520Adreno 732~1316k 15~1866 / ~4791 15~3080 15
Dimensity 8300 Ultra4nm1xCortex-X3 + 3xA715 + 4xA510Mali-G615 MC6~1334k 15~1402 / ~4333 15~2942 15

(注: 競合チップのスコアは情報源やテスト条件により変動します。上記は代表的な値です。)

7. Exynos 1480 性能特性分析:強みと弱み

これまでの分析結果を統合し、Exynos 1480の性能特性における強みと弱みを明確にします。

7.1. 強み

  • 大幅に向上したGPU性能: AMD RDNA 2アーキテクチャに基づくXclipse 530 GPUは、Exynos 1380から約40-50%(公称値/ベンチマーク値)という大幅な性能向上を実現し、ゲーミングやグラフィックス処理能力を強化しています 1。同クラスのミッドレンジSoCの中でも競争力のある性能です 15
  • 電力効率の向上: 4nmプロセスノードと設計最適化により、公称で22%の効率改善 1 が図られ、ユーザーレポートによれば、前世代と比較して熱性能とバッテリー寿命が向上している可能性があります 33
  • 最新の接続性: Wi-Fi 6Eとより高速な5Gダウンロード速度(最大5.1 Gbps)をサポートし、現代的な接続規格に対応しています 1
  • 強化されたマルチメディア機能: ISPは最大200MPセンサーをサポートし、重要な点として4K/60fpsの動画撮影・再生に対応します 1。また、144Hzディスプレイもサポートします 5
  • 確実なCPU性能向上: Exynos 1380から、特にマルチコア性能において約27%という顕著な向上が見られます 1

7.2. 弱み

  • 旧世代のCPUコア: Arm Cortex-A78/A55(ARMv8.2-A)に依存しているため 1、新しいARMv9コア(Cortex-A71x/A51xまたはA72x/A52x)を採用する競合製品と比較して、シングルコア性能や効率で劣る可能性があります 10
  • トップミッドレンジには及ばない性能: クラス内では競争力があるものの、CPU・GPU性能ともに、Dimensity 8xxxシリーズやSnapdragon 7+ Gen xシリーズのようなアッパーミッドレンジSoCには及びません 5
  • AI性能の不透明さ: 専用NPU(6K MAC)を搭載しているものの 11、標準化されたTOPS指標を用いる競合製品との性能比較は、提供されたデータからは明確ではありません。「4倍向上」という主張 5 も、ベンチマークによる裏付けが不足しています。
  • 限定的な搭載デバイス: 主にサムスン自身のGalaxy A55/M56に搭載されており 9、市場での存在感が限られ、サードパーティ開発者による最適化が進みにくい可能性があります 32

7.3. 総合評価

Exynos 1480は、有能でバランスの取れたミッドレンジSoCであり、主にAMD RDNA 2ベースのXclipse 530 GPUの採用と、より効率的な4nmプロセスへの移行により、Exynos 1380から大幅な進歩を遂げています。最新の接続性や4K/60fps動画のような強化されたマルチメディア機能を含む、強力な機能バランスを提供します。主な制約は、旧世代のCPUコアを使用している点であり、これにより一部の新しい競合製品と比較してピークCPU性能が制限されること、そしてその性能ティアがアッパーミッドレンジに挑戦するのではなく、主流のミッドレンジに留まる点です。Galaxy A55/M56という文脈において、グラフィックス性能と全体的な効率を優先するユーザーにとっては、高性能で改善された製品と言えるでしょう。その成功は、競争力のあるデバイス価格設定と、特にXclipse GPUに対する継続的なソフトウェア最適化にかかっています。

Exynos 1480は、サムスンによる戦略的な妥協を体現しています。つまり、差別化要因となるGPUのアップグレード(RDNA 2)とプロセスノードの改善(4nmによる効率化)に重点的に投資する一方で、実績のある旧世代のCPUコアを維持することでコストと複雑さを抑制しています。このアプローチにより、サムスンはミッドレンジセグメントで市場性の高い主要分野(ゲーミング、効率、マルチメディア)1 において顕著な改善を提供することが可能になりました。最新のCPUアーキテクチャを追求しないことで 3、サムスンはターゲットデバイス層(Galaxy A5x)11 に対してコストと開発スケジュールを効果的に管理したと考えられます。その結果、前世代よりも明らかに優れており 8、直接的なライバルと競争力のあるチップ 20 が生まれましたが、すべてのベンチマークカテゴリで優位に立つわけではありません。これは、ミッドレンジの制約の中で最大の効果を得るために、リソースをどこに割り当てるかという計算された決定を反映しています。

引用文献

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  36. Samsung Galaxy S24 Benchmarks – Geekbench Browser, 4月 30, 2025にアクセス、 https://browser.geekbench.com/android_devices/samsung-galaxy-s24-exynos
  37. Samsung Exynos 1480 – Chaynikam.Info, 4月 30, 2025にアクセス、 https://www.chaynikam.info/en/soc351.html
  38. Samsung Galaxy S24 FE’s Exynos 2400e benchmark tests are in – GSMArena.com news, 4月 30, 2025にアクセス、 https://www.gsmarena.com/samsung_galaxy_s24_febenchmark_tests_are_in-news-64752.php
  39. Exynos 1480 Vs Exynos 2400 Geekbench And AnTuTu – YouTube, 4月 30, 2025にアクセス、 https://www.youtube.com/watch?v=0TP0MkijL1g
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