Xperia 10 VI ベンチマークまとめ

はじめに
Geekbench 6 ベンチマーク
AnTuTu ベンチマーク
1. 総合スコア
2. 項目別スコア
GPU ベンチマーク
1. 3DMark
2. Geekbench Compute
競合機種との比較
Snapdragon 6 Gen 1 の性能分析
ソフトウェアとアップデート
まとめ

はじめに

本レポートでは、ソニーの最新ミッドレンジスマートフォンであるXperia 10 VIのベンチマーク性能について、詳細な調査結果を報告します。近年のスマートフォンの性能評価において、ベンチマークスコアは重要な指標の一つです。本調査では、GeekbenchとAnTuTuという代表的なベンチマークツールの結果を中心に、Xperia 10 VIのCPU、GPU、メモリ、および総合的なパフォーマンスを分析します。また、競合機種との比較を通じて、Xperia 10 VIの性能特性をより深く理解することを目指します。

Geekbench 6 ベンチマーク

シングルコア性能

Geekbench 6におけるXperia 10 VIのシングルコアスコアは、941から948の範囲で確認されています ¹。このスコアは、スマートフォンの日常的な応答性や、単一のCPUコアに負荷がかかる処理の性能を示唆します。例えば、ウェブブラウジングやSNSの利用など、多くの一般的なタスクはこのシングルコア性能に依存します。しかし、このスコアは、同じ価格帯の競合機種と比較すると、やや低い水準にあることが示されています。PhoneArenaのレビューによると、Xperia 10 VIのシングルコアスコアは、Xiaomi Redmi Note 14 Pro+ 5G、Xiaomi Redmi Note 14 Pro 5G、Xiaomi Redmi Note 14 5Gといった同価格帯のデバイスの平均よりも8.5%低いと評価されています ¹。

マルチコア性能

Xperia 10 VIのGeekbench 6マルチコアスコアは、2765から2882の範囲で測定されています ²。マルチコアスコアは、複数のCPUコアを同時に使用する処理の性能を表しており、動画編集やゲームなど、より負荷の高いタスクの快適さに影響を与えます。Snapdragon 6 Gen 1を搭載するXperia 10 VIのマルチコア性能は、同じチップセットを搭載するHonor Magic6 LiteやHonor Pad 9と同程度のスコアを示しており ⁴，Dimensity 8300 UltraやSnapdragon 7+ Gen 2といった高性能チップセットを搭載するPoco X6 ProやPoco F5には及ばないものの、Snapdragon 7s Gen 2、Exynos 1380、Dimensity 7200 Ultraといった競合チップセット搭載機と同程度の性能を発揮することがわかります ³。

過去モデルとの比較

Geekbenchのデータによると、過去のXperiaシリーズと比較すると、Xperia 10 VIの性能向上が確認できます。例えば、Xperia 10 VのGeekbench 6マルチコアスコアは約2067であり ³、Xperia 10 VIは約2765であるため、CPU性能が大幅に向上していることがわかります。これは、Xperia 10 VIがSnapdragon 695を搭載していた前モデルから、Snapdragon 6 Gen 1へとチップセットをアップグレードしたことによるものです ⁵。

AnTuTu ベンチマーク

総合スコア

AnTuTuベンチマークは、CPU、GPU、メモリ、ユーザーエクスペリエンス（UX）の各項目を総合的に評価するツールです。Xperia 10 VIのAnTuTu v10における総合スコアは、559136から561673の範囲で報告されています ³。このスコアは、スマートフォンの全体的な性能を示すものであり、日常的な利用からゲームまで、幅広い用途での快適さを予測する上で参考になります。しかし、このスコアもまた、同価格帯の競合機種と比較すると、特筆して高いわけではありません。例えば、Snapdragon 7+ Gen 2を搭載するPoco F5は931174、Dimensity 8020を搭載するMotorola Edge 40は688347というスコアを記録しており、Xperia 10 VIはこれらの機種と比較して総合的な性能で劣ることが示されています ³。

項目別スコア

Nanoreviewのデータによると、Xperia 10 VIのAnTuTu 10の項目別スコアは、CPUが192991、GPUが111672、メモリが126029、UXが130981となっています ⁷。これらの内訳を見ることで、Xperia 10 VIの性能の強みと弱みをより詳細に把握できます。CPUスコアは、マルチコア性能の向上を反映して比較的高い一方、GPUスコアは、グラフィックス処理能力が他の項目と比較して低いことを示唆しています。

GPU ベンチマーク

3DMark

3DMarkは、スマートフォンのGPU性能を専門的に評価するベンチマークツールです。GSMarenaのレビューによると、Xperia 10 VIは3DMark Wild Life (offscreen 1440p) テストで2387点、3DMark Wild Life Extreme (offscreen 2160p) テストで613点を記録しています ³。これらのスコアは、同価格帯の競合機種と比較して低い水準にあり、特に高負荷なグラフィックス処理を必要とするゲームなどでは、性能的な制約を感じる可能性があることを示唆しています。同じAdreno 710 GPUを搭載するRedmi Note 13 Pro 5Gも同様の傾向を示しています ³。

Geekbench Compute

Geekbench Computeベンチマークは、GPUの演算性能を評価します。Nanoreviewのデータによると、Xperia 10 VIのGeekbench Compute (GPU) スコアは1654です ²。このスコアも、他の高性能なGPUを搭載するスマートフォンと比較すると見劣りする結果となっています。

競合機種との比較

Samsung Galaxy A55

Xperia 10 VIの競合機種としてよく比較されるのがSamsung Galaxy A55です。Nanoreviewの比較によると、Galaxy A55はAnTuTuベンチマークで727612点 ⁸、Geekbench 6シングルコアで1168点、マルチコアで3503点を記録しており ⁸、Xperia 10 VIと比較してCPUとGPUの両面で高い性能を発揮することがわかります。Galaxy A55はより高性能なExynos 1480チップセットを搭載していることが、この性能差の主な要因と考えられます ⁸。

Nothing Phone (2a)

Another competitor mentioned in reviews is the Nothing Phone (2a). PhoneArenaのレビューによると、Nothing Phone (2a)のGeekbench 6シングルコアスコアは1132、マルチコアスコアは2579であり ¹、3DMark ExtremeのスコアもXperia 10 VIを上回っています ¹。Nothing Phone (2a)はDimensity 7200 Proチップセットを搭載しており、特にシングルコア性能においてXperia 10 VIよりも優れていることがわかります。

Poco シリーズ

Poco X6 ProやPoco F5といったPocoシリーズのスマートフォンは、より高性能なチップセットを搭載しており、ベンチマークスコアにおいてもXperia 10 VIを大きく上回っています ³。これらの機種は、特にゲームなどの高負荷な用途を重視するユーザーにとって魅力的な選択肢となります。

Snapdragon 6 Gen 1 の性能分析

Xperia 10 VIに搭載されているSnapdragon 6 Gen 1は、Qualcommのミッドレンジ向けチップセットです。4つの高性能Cortex-A78コア（最大2.2 GHz）と4つの高効率Cortex-A55コア（最大1.8 GHz）で構成されており ³、Adreno 710 GPUを内蔵しています ³。Qualcommの公式発表によると、前世代と比較してCPU性能が最大35%向上、GPU性能が最大30%向上しているとされています ¹⁰。しかし、実際のベンチマーク結果を見ると、競合他社の同価格帯のチップセットと比較して、特にシングルコア性能やGPU性能において、やや劣る傾向が見られます。

ソフトウェアとアップデート

Xperia 10 VIはAndroid 14を搭載しており ⁵、3回のメジャーAndroidアップデートと4年間のセキュリティアップデートが保証されています ⁵。これは、競合他社の一部がより長期のアップデートサポートを提供していることを考慮すると、やや短い期間と言えます ¹¹。ソフトウェアアップデートは、スマートフォンのパフォーマンス維持やセキュリティ向上に不可欠であり、長期的な利用を考える上で重要な要素となります。

まとめ

Xperia 10 VIのベンチマーク結果を総合的に見ると、日常的な利用においては十分な性能を発揮するものの、同価格帯の競合機種と比較すると、特にシングルコア性能とGPU性能において、やや見劣りする傾向があります。Snapdragon 6 Gen 1チップセットは、前世代からの性能向上を実現しているものの、より高性能なチップセットを搭載する競合機種には及ばないようです。

ただし、ベンチマークスコアはスマートフォンの性能の全てを測るものではありません。Xperia 10 VIは、軽量コンパクトなデザイン、優れたバッテリー持続時間、防水防塵性能、microSDカードスロットや3.5mmイヤホンジャックの搭載など、他の多くの魅力的な特徴を備えています ⁵。これらの要素も総合的に考慮して、自身の利用目的や優先順位に合ったスマートフォンを選ぶことが重要です。