テレビっ子に「ちょうど良い」nasneという神レコーダー

nasne is 神レコーダー nasne

皆さんはnasneをご存じだろうか。ナスネって呼びます。

nasneはテレビ番組を録画できる「レコーダー」です。
正真正銘のレコーダーなのですが、レコーダー業界では異彩を放つ、というか業界の外から現れて、ユーザーを虜にした伝説のガジェット。
今回は、そんなnasneについて熱く語りたいと思います。

80年代テレビっ子|録画に憧れた小学生

昭和生まれのおいらは、まさにお茶の間テレビにくぎ付けの「テレビっ子」。さらにはビデオデッキの普及過程から録画機器の進化と共に成長してきた世代でもある。

小学生の頃までは自宅に録画機器がなく、友人宅のビデオデッキに憧れていた。
世間では家電メーカーが割拠し、ビデオカセットの規格もソニーのβ(ベータ)や松下など連合軍のVHSが覇権を競っていた時代。小学校の低学年の頃は、まだまだビデオデッキ一台で新卒初任給を遥かに超える金額だった。
今で言う金曜ロードショーが、前身の「水曜ロードショー」だった当時、友達の家に遊びに行ったら録画してある「ルパン三世 カリオストロの城」を見せてくれたときの衝撃は30年以上経っても覚えているほどだ。

90年代テレビっ子|録画に目覚め、絶望する中学生

中二になった頃に、満を持して父親がパナソニックのS-VHSビデオデッキを購入した。
千葉の行徳のディスカウントストアで買ってきたはず。同時期に壊れたテレビも買い替えているのだが、今にして思えば、古いテレビ(チャンネルをガチャガチャ回す方式)はビデオ端子がついているはずもなく、ビデオデッキの接続に難ありだったんだな。

その頃のおいらは、テレビっ子として新聞のテレビ欄を毎朝チェックするのは言わずもがな。追加の情報源として小学生低学年から読んでいた「テレビマガジン」、小五からは専門誌の「アニメディア」へ切り替え、さらに「ニュータイプ」と、雑誌からエンタメ情報を仕入れるのを常としていた。

そんなヤカラがビデオデッキを手にしたらどうなるか。
それは、もう録りまくりましたとも。
アニメの全話録画(毎週欠かさず録る)のためにビデオテープを安く売っているお店を探して、自転車走らせてさ。

そして味わいました「絶望」を。
“全話録画”は様々な事情で途中の回で失敗するんだなこれが。もう、その時の衝撃は絶望としか言い表せない。思春期の思い込み激しい時期に、大好きなアニメをいつでも見られるという録画によってもたらされた幸福が一転、その週の回が見られなかった(瞬間最大絶望)、さらには全26話のうち2話が欠けた録画コレクションを持ち続けるという烙印(継続ダメージ型絶望)を。

この録画失敗をきっかけにメンタルは大変なことになる。
大好きだったアニメも可愛さ余って憎さ百倍、だけど好きという感情は止められない、この欠損コレクションは自分だけのもの(*´Д`)ハァハァ、と青少年の性癖を根幹から捻じ曲げていく要因になったりするわけだ。思い出すだけで血を吐きそう。

ビデオデッキ(ビデオテープ)時代の録画失敗は、さまざまな要因が複雑に入り交じり、すべての要素を排除するのは困難だった。
・自分要因(録画予約をし忘れた、テープの残量足りなかったの忘れてた、巻き戻したテープに今週分を上書きしちゃった)
・家族的要因(親が予約を解除しちゃった、ブレーカー飛ばしたせいでビデオデッキの設定が初期化した)
・外的要因(プロ野球の放送時間延長で放送開始時間がズレた、災害・事故で放送されなかった回が発生、テレビ局の都合でいつもと違う曜日・時間に変更になった)
まぁ、なんというか、リアルタイムで見れなかったら即終了だった録画レス時代から幾分ましになったとは言えども、録画がきちんとできるってのは偉大なことだ。

2000年代テレビっ子|ひよっこ社会人、スゴ録でライフスタイル激変

高校~大学時代もビデオデッキ中心の視聴スタイルは変わらず、社会人になってから劇的変化が訪れた。ハードディスクレコーダー「スゴ録」の導入である(nasneはもうちょい待ってね)。

このソニー製レコーダー「スゴ録」は、まさに凄かった。
だって、自分で予約設定しない番組も勝手に「録っておいてくれる」んだもん。取りこぼしも無くはないので、大事な番組は自分で設定する必要はあったものの、それでもマシンと自分のダブルチェック体制は非常に心強い。これで自分の守備範囲外と思っていたアニメの一話をとりこぼさずに、結果、がっつり楽しめた。
ちなみに空き容量が少なくなったら、勝手に録った番組を削除もしてくれて、運用トータルで見ても圧倒的に楽ちんだった。
これぞ、テクノロジーの進化と言えるライフスタイルの変化(=ダメ人間化)。

数年後、ソニー製レコーダーを買い替えたけれども、その頃にはスゴ録シリーズは生産終了しており、勝手に録ってくれる機能は後退していた。革新的過ぎたんだね。

時は流れ、2011年の地上デジタル放送への完全移行(アナログ停波)を経て、しばらくした頃にやってきたのがnasneでした。
当時ゲーマーでもあった自分は、ソニー(正確にはPlayStationを出しているゲーム会社の方の当時SCE・現SIE)nasneの存在は知ってましたが、正直、特に気にしていなかった。
デジタル放送対応のWチューナーのレコーダー持ってるし、まぁまぁ満足してたから。

2010年代テレビっ子|結婚後のプライベート録画事情

しかし、そこにnasneのエバンジェリストが降臨!
これが自分とnasneの出会いにつながった。
まぁ、エバンジェリストと言っても勤務先の先輩ですわ。以前からアニメ&映画&ゲーム&ガジェット仲間としてお世話になってて、当方の趣味嗜好も把握している方。
そんな先輩が、ある日、nasneをめっちゃプッシュしまくってきた。nasneは良いものだぞ、と。
当時から既に7,8年が経過してますが、その先輩は今もnasneを推してた。継続は力なりとは言うものの、いったい累計で何台のnasneの売り上げに貢献しているのか・・・。

さて、やっとここから自分のnasneの話が始まる。前置き長くてごめんなさい。
言い訳するなら、nasneの素晴らしさを伝えるためには、nasneを“素晴らしい”と考えている感情の根源を自分なりに、書き出して、整理する必要があったのはご理解いただきたい。
普段はこんな文字数の作文なんてしねーわけですが、そんな自分をもってしても文章書かせるほどの熱量をnasneは持っているのだ(謎の自信)。

nasneの魅力を伝えるのは実は難しい。スペックや機能の列挙では、本質的なところまでは伝えられないから。
えっとですね、一回やってみたんですよ、機能の箇条書き。まぁ、たくさん有るんですよ素敵な機能は。
でもね、書き出した機能の列挙(リスト)を読み返すと、自分が伝えたいことじゃないな、と。
つーわけで、書いたリストは消しました。

nasneはエモいガジェットなんですわ。
“良いクルマ”のフィールは、実際に乗ってもらわないと十全には伝えられない、に通ずるものがある。
いかに自分がnasneに助けられたか、感謝しているか、で表現するのがマッチしてるやも。その方向で書き進めてみよう。

前述のとおり、青春時代に録画の失敗で絶望を幾度となく味わったことをお伝えした。
この絶望を繰り返さないこと、そのためには色々な手法を組み合わせ、運用をアップデートしてきた。
動画配信サービスも割と早い段階から併用し始めたし。
そして今、試行錯誤してきたテレビ(大半がアニメ・映画)の見逃し運用の現時点の根幹はnasneを中心に運用して数年が経過している。

録り逃しを防ぐアプローチは大まかに2つある。「全部の番組を録る」と「狙った番組は逃さず録る」だね。

「全部の番組を録る(以下、全録)」は、まさにチカラワザだが10年近く前には市販化されて実現している。有名どころでは、東芝がレグザシリーズのハイエンド品に搭載した「タイムシフトマシン」機能。後にパナソニックさんも「全自動ディーガ」で追随している。マニアックなところでは、2021年にnasneを復活させた立役者のバッファローも「ゼン録」というレコーダーを2012年初旬に発売していた。

チカラワザで実現していると書いた通り、全録はとにかく録画容量がデカくないといけない。また、テレビ局を多数カバーするため、チューナーも複数搭載する。必然的にハイエンドモデルの価格帯でないと売れないものに。まぁ、富裕層向け商品の部類にならざるを得ない。

さて、もう一方の 「狙った番組は逃さず録る」。
これは録画機器ごとに異なる味付けがいろいろあるのですが、基本的に毎年のように新商品が登場する大手家電メーカーのレコーダーは、浮いては消える泡沫の如くなり、で長く市場に残らない。いくら機能が優れていても、代替わりのたびに変容していき、数回も代替わりすると、もう別物になってしまう。まぁ、技術の進歩が反映されるって意味では悪いことではないんですけどね。

2020年代テレビっ子|録画人生の相棒、それほどのnasne

ここで、やっとnasneです。
おいらがnasneの良いところを上げるとしたら、とにかく「ハイレベルな使いやすさ」これが全ての根幹になる。

「ハイレベルな使いやすさ」なのに、安い。
「ハイレベルな使いやすさ」だから、多くのファンに長く使われ続けている。
「ハイレベルな使いやすさ」が、プレステ・スマホ・タブレット・PCで享受できる。

こんなレコーダー、他に無いですよ。無いですよね?

安かろう凄かろうっ、、、マジで!?というのがnasne。
かつて録画機器が高嶺の花だった頃、お茶の間に鎮座するテレビのお供だった時代には、家族の共有物であることが当たり前。
それがnasneならば、お小遣いを貯めて買える金額。つまりで自分だけのMy nasneが手に入る。
そして、自分専用レコーダーで録画運用で手に入るのは、大いなる自由。
誰にも気兼ねせずに、自分の見たい番組を録れるし、自分のスマホで観られる。家族と見るのは憚られる深夜のお色気番組だってへっちゃらだ。それに限りませんが、アニメだろうが特撮だろうが家族の目を気にせず、隔離した状態で管理できるわけだ。ちなみに録画だけでなくリアルタイム視聴もできます。

もちろん、安いだけで機能がへっぽこであれば、誰もnasneに見向きもしなかった。
御幣を恐れず言えば、ある一面ではnasneにはフツーのレコーダーにあるべき機能がついておらず、安さの理由にもなってる。
それは、nasne自身は視聴用の画面を自力で映せないこと。その点では出力機能としてはゼロ、null、ナッシングなわけ、で・す・が、この割り切りがまさに飛躍のパラダイムシフトを産んでるんだ。

自力で画面出力できないnasneをどうやって使うのか。
それは、秀逸な視聴アプリ。しかもいずれもソニーグループ発でセンスの良さは折り紙付きのもの。

プレステのアプリ「torne」、スマホ・タブレットのアプリ「torne mobile」、Windows PC用アプリ「PC TV Plus」は、それぞれ数年をかけて進化を続けてきた歴戦の勇士。機能やユーザーインターフェースの熟成も進んで、ソニー系以外の同種アプリではとても太刀打ちできない盤石さを誇ってる。

nasneの凄さは、まさにこれらの綺羅星のような視聴アプリ達と連携可能なことに尽きる。
実際、我が家ではnasne一台に対して、視聴側がスマホ(2台)、タブレット(2台)、PC(2台)からアクセスできるだけのアプリを整備している。実はプレステ持ってない。少々テクニカルな手法でリビングのテレビでも録画済み番組を見れるように環境作ってるけど、込み入ってくるので今回は触れない。

ここで、今回のテーマであるところの「録り逃しを防ぐ」に話を戻す。
我が家で最も活躍しているのは、スマホ用アプリの「torne mobile(トルネ モバイル)」。
いつでも持ち歩いているスマホだから、思い立ったらいつでもその場で録画予約の設定が可能なんです。これが凄く重要。

アニメファンたるもの、アニメニュースサイトの一つや二つは毎日チェックしている(よね
?)。あと、ツイッターとかのSNS。
何が言いたいかというと、新番組や特番の放送予定の情報は「スマホ」から入ってくる。
スマホで番組情報に遭遇した時、その場でスグに録画予約が実行できるか否かが、運命の分岐点”The turning point of fate”。
40数年の人生のうち、30年余りをテレビ番組の見逃しで泣いてきたテレビっ子の経験として、声を大にして言うと、ここが一番大事なところ。

すぐ予約した人 → 見れた! マジ、紙番組だったわぁ。
すぐ予約しなかった人 → 忘れた。一生の不覚、切腹するわ。

My nasneは、この運命の分岐点で勝者側に立てるバディー的存在なのだ。これはおいら自身の実体験として恩恵がマジMAX。

もう7年近くnasne(SIE版)を使っていて、生活から切り離せない存在になっていますが、いったんは製造が終了したnasneが2021年にバッファローから奇跡の復活、そして結構な人気ということを聞き及び、末永く販売が継続してくれることを祈りつつ、素直な心情を書き連ねてみました。

しつこいけど、nasneそのものの便利ポイントは挙げるとキリがないので、機会があればまた書きたい。